ぴんよろ日記
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2009年02月27日(金) あの湿度

 久しぶりに、油絵に手を入れる。火曜日までに乾かないといかん、ということに気付いて、あわてつつ。風景の中に、人間を描き込む。それぞれの人に、性格や、生活や、事情や、現状がありそうだ。歩いたり、カーテンを開けたり、ふとしたそんな動作にも、それが現れるまでの膨大なものが見え隠れしている。夢で見た風景だから、描く前と描きながら、そこに「行く」のだが、いつもおなじ湿度の空気を感じる。絵が完成していくのが寂しい。完成してしまったら、行くことも減るだろうから。

 夜、どうしてもド忘れしたことがあって、ネットで検索したらすぐに出てきた。つくづくネットの便利さを感じたが、検索したのは「星組 トップスター」。ド忘れして、どうしても思い出したかったのは「紫苑ゆう」。だからなにということは、まったくない。(沖縄で妹が爆笑する声が聞こえる…)



2009年02月25日(水) セピアの虹

 結婚記念日ということで、おいしいお肉を買って焼いたが、悲しいかな高い肉ほど腹を壊す貧乏体質…。でもおいしかったからいいのだ。久しぶりに魚和のお刺身も。サヨリ最高!久しぶりに行った魚和の店先は、サヨリはもちろん、ハマグリなんかあったりして、かなり春だった。

 春って、なんだか可愛らしい感じがするし、ピンクの花々に心奪われるけれど、よく見てみると、いちばん渋い色の多い季節だ。秋よりも数段、渋い色。それも木々の1本、葉っぱの1枚ごとに違うような微妙な色合いが広がっている。春に比べたら、秋なんか派手だ。初夏になれば緑一色になる並木道に、春の、ほんの数日間だけ、セピアのフィルターをかけた虹のようなグラデーションが続く。
 


2009年02月23日(月) だらだらすんな、と。

 今週はじっくり展示の準備ができると思って、今日はわりとのんびり過ごしていたら、2日間に渡る撮影仕事が入ってきて、思わずメールを見た瞬間「ギャッ!」と叫んでしまった。まぁこれも「だらだらすんな」という、どなたかの思し召しであろう。たしかに集中してやれば、残された日でやれる気がする。
 ヒコのリュックが小さくなっていたので新しいものを探していたら、一面に消防車がちりばめられた「ヒコが使わず、誰が使う?」というものが見つかった。大きさもジャスト。ものすごく喜んでいた。良かった良かった。


2009年02月22日(日) 無時間鶏はアンコールをかけるか。

 昨日は(と昨日も書いた気が)、ばあちゃん家に行き、ばあちゃんしか思いつかず、作りもしないであろう洋風お焼き(パンケーキのようなホットケーキのような餅のような生地の上に、ケチャップ味のひき肉いためが乗っている。なぜかジャガイモ入りとなしの2種類から選択)を堪能し(なぜか本当にとにかくおいしい)、ヒコをいとこに遊んでもらって、昼寝。若いお姉さんに相手にしてもらって嬉しそうだった。その後、稲佐山の公園に行き、2時間ほどみっちり遊ぶ。いつも「いっしょにあそぼう」と誘われても十分に相手をしてやっているとは言いがたい状態だが、帰り道では「いっぱいいっしょにあそんだね!」と言っていただけた。

 今日も午後、2時間ほど昼寝。肩から頭にかけて立ちこめていた「暗雲」が、かなり晴れた。また明日から、展示に向けてがんばろう。あと1週間だ。

 近所に、体内時計が完全に狂っているとしか思えないニワトリが住んでいる。ただいま、夜中の1時過ぎ、元気に時を告げている。でも、これまで何度となく(夜中に起きていると、まわりが静かなだけに、よく響く)彼の声を聞きながら気付いたことがある。くんちの「モッテコーイ!」って、鶏の声のイントネーションに似てるのだ。鶏の声って「コケコッコー」って表されがちだけど、聞いてると「コッケコーーォ!」っていうのが多い。その「無時間鶏」だけかもしれないが。



2009年02月21日(土) 螺旋階段を

 昨日は朝から「ペコロスの唄地図」の仕上げをして納品。いつになくとらえどころがないが、いままでにない深さを託した回でもあった。「春の嵐、レクイエムは唄わない。」なんて、ちょっと気取ったみたいなタイトルになりもしたが、それは私の長崎に対する気持ちの大きな柱でもある。長崎は、明らかに昔が強烈だったために、良きにつけ悪しきにつけ、すぐに昔を語ること…墓でしゃべってるみたいになりがちだけど、長崎という町は、墓場ではない。これからまた、あらためて大きな価値を見いだされるべき存在だと思う。もちろんそこには、これまでこの町に流れてきた時間や物事がふまえられているから、見方によってはこれまでの長崎像の繰り返しになるかもしれないが、螺旋階段はしかし、確実に違う場所へと昇っていける。

 夜は町家で飲みふける。トルコかどっかのからすみと、自家製のスズキのからすみを食べたが、トルコのはどうしてもワインが合い、自家製つまり日本のはお酒が合う。これはもう、どうしようもないことなんだろうな。
 いろんな話をしてかなり楽しかったのに、ダンナはちっとも覚えてないらしい。カウンターに突っ伏して眠っていたことさえも…。




2009年02月18日(水) 人枕

 ついに髪を切った。「10センチくらい短くして、じゃんじゃん軽くしてください。洗いにくいので。」と言ったら、思っていたよりもずいぶん短くなり、床に落ちていた毛で、小ぶりなテディベアのひとつは作れそうだった。途中、長さを確認するために毛先をパツンと切った状態になったのだが、それはまるでみうらじゅんかハイキングウォーキングのゲップする人の方みたいだった。彼らの毛はもっと重そうだが。
 床に落ちた毛をしみじみ眺めていたら、美容師のお兄ちゃんが「これって、けっこう『人の匂い』がするんだそうですよ。枕にこっそり入れとくと、たいていの人が違和感を感じちゃうんですって。だから、案山子に入れたりするらしいです。」という、江戸川乱歩の「人間椅子」を思い出すような話を聞いた。人の髪の毛が入った枕…うぅ…。「人間椅子」も怖いけど「人枕」もかなりイヤだ。

 日々は、ひたすら展示に向けた作業。



2009年02月16日(月) 絶対そよがない。

 金曜日…春の荒らし吹き荒れて、「ペコロスの唄地図」は、初の屋内収録。「町家」の赤いソファで、町の記憶をたどる。
 土曜日…ヒコの保育参観日。去年まではじっとしていられなかったのに、今年は一応、ちゃんと座ってハサミやノリなど使ったりしていた。ステージイベントの「ちびっこ龍踊り」では、自己紹介もしっかり。龍踊りもばっちり。正直ここまでやれるとは思っていなかったのでびっくり。
 午後は、ダンナが今持っているバイクと、熊本のバイク屋さんのバイクを交換するというので、熊本へ。夜は古くからやってそうな馬ホルモン焼のお店に入ってみたらかなりいい感じだったが(長崎で喩えるならば、唐揚げの「江戸善」にちょっと似てる)、歯のないヒコくんにはお肉が固かったようで何も食べるものがなく、そしたらもちろんジッとしていないので、かなり後ろ髪引かれながら急いで食べる。ホルモンの串焼きも煮込みもテールスープも馬刺もおいしかったが、なんといっても辛子レンコンが最高だった。レンコン部分がサックサク、黄色い皮は薄くて、辛子味噌もしっとり。
 熊本の町には、長崎には絶対いないような髪や服装をした夜のお姉さんがヒラヒラと歩いていて、非常に見応えがあった。最近のお笑い番組に時々出てくる「姫ちゃん」を、もっとすごくしたような髪のキャバ嬢(?)や、巨大アンモナイトのような髪の和装ママなど。そういう人御用達の美容室もあって、表の看板には「風にそよぐ髪が素敵」とか書いてあるのに、中ではものすごい量のスプレーが飛び交っていた。絶対そよがないはず。そんなこんなの風景を、いつまでも見ていたかった。

 翌日は、あえて熊本城観光。昨今の「路地裏隠れ家私だけしか知らない場所志向」がなんともつまんない気がしていたからか、やたら楽しかった。忍者や侍と写真を撮って、ヒコも喜んでいた。やっぱり観光地って面白い。それだけのことはある。観光地を「つまんない」って言うのは簡単だし、その方が頭いい人みたいだけど、損してることも多いと思う。
 帰りのフェリーは、カモメの季節だった。パンをどんどん食べるカモメたち。


 展示まであと半月。広がる妄想、追いつかない手…。


2009年02月12日(木) 弱肉強食

 相も変わらず食いしん坊のはるちゃんだが、数日前には消しゴムが餌食になっていた。はるちゃん…。それは食べ物ですらないよ…。エサを食べているもぎくん、はるちゃんの気配を感じると、ビクビクして気もそぞろ。弱肉強食を目の当たりにする日々。おいしいもの、気持ちいい場所、そそがれる愛情…とにかくもぎくんが「いい目」に逢っていると横取りをたくらむはるちゃん。そんなはるちゃんのいちばんのお気に入りは、自分が拾われてきた時にくるまっていた、緑色のショール。はるちゃんが来て、もうすぐ1年だ。


2009年02月11日(水) のびるのびる

 髪がどんどん伸びている。長さ、という点では、もうかれこれ1年半ほど伸ばしっぱなしなので、丸坊主の人であっても、15センチくらいは伸びているはずだから、そりゃ長くもなる。そろそろ胸に届かんばかりの勢い。途中でパーマをかけたのがいけなかった。パーマがかかっていると、多少量が多くなろうと、ちぐはぐに伸びていようと、なんとなく「そんなもの」に見えてしまう(少なくとも、私の低〜いオシャレ基準では)。もちろんパーマもかなり取れかかっているが、それだって最初から「無防備な色気のヨーロピアンウエーブ」という、とんでもなくゆるそうなキャッチコピーの付いた雑誌のお姉さんの髪型に似せてかけたので、これまた「そんなもの」と言い張れてしまうからたちが悪い。しかし、ここ数日、すこーし、長さがうっとうしくなってきた。しかし、どうしようもなく切りたくなるまでは予約の電話を入れないだろうから、いつそうなるのか、自分のことながら見守ろう。

 しばらく前までやたら外食が続いたが、家で食べる日が続くと、明らかに体の内外がスッキリするので、やっぱり外食っていうのは、負担なのだな、とわかる。でも、外食にしかない開放感とか楽しさが体に及ぼす影響も大きいから、とにかくすべては兼ね合いだ。



2009年02月10日(火) 感謝しつつ工作

 3月の展示に出してみようと思って、写真をちょっと工作してみた。何枚かの写真をパネルに貼って、リングでつなげたのだけど、想像していたよりもずいぶん存在感がある。いいのか悪いのかはよくわからない。ただただ作りたかったので、作ってしまった。そして作りながら、また「工作もの」を3つばかり思いついてしまう。これもまた、いいのか悪いのかはわからないけど、もう、やりたいだけやらしてもらおう。かなり「けったい」なもんが並ぶ展示になりそうな気もする…。
 工作をしていると、子どもだったころに空き箱やらなにやらで、いろんなものを作っていた時に習得したコツのようなものが、ずいぶん助けてくれる。ちょっとしたハサミの入れかたとか、紙の貼りかたとか、そういうもの。こんなにも、子どものころの自分に感謝したことはないっていうくらい、ありがたいと思って、手を動かしている。


2009年02月09日(月) 幻の店

 昨夜は、どうしても行きたかった「ランタン週末の館内」へ。お魚屋さんの臨時店舗が大好き。牡蠣のバター焼きとすり身揚げが売り切れていたのが残念だったが、エビのゆがいたのやお刺身で熱燗をすする。隣には、中国の留学生が「米線」という、うどんのようなお米の麺を出していて、これがまたおいしかった。中国から持ってきたというラー油が最高。分けてもらえば良かったと悔やまれる。ヒコがあまりにも肉団子をぱくぱく食べていたら、2個もサービスしてくれた。2店舗とも昨日まで。今日はすでに幻だ。留学生の店はさておき、魚屋さんの店は時々やってくれないかしら…と、いつも思う。大波止の朝日屋と並ぶ、極上野外天国店舗なのだが。
 もうランタンも終わる。さびしい。



2009年02月08日(日) 気の済むまで

 やはりもう春なのか?
 冬とのお別れは無しに?

 目が…かゆい…。

 3月の展示に使いたい写真をせっせとプリント。何割使うかはわからないが、こんな機会はそうないし、とにかく気の済むまでやるつもりだ。二月に逃げられないように。



2009年02月07日(土) フルコース

 昨日の夜は、ヒコが実家にお泊まりだったので、ダンナと二人、昔ダンナの職場でバイトしていた男の子がやっているお店「音 on」でしこたま食べて飲む。「遅ればせながらの出版祝い」でおごってくれるというので、遠慮せずにバンバン頼んだ。黄色いトマトを丸ごとオーブンで焼いて、チーズがかかっているのがおいしかった。
 二次会は「機関車」へ。なぜ夫婦の二次会が「機関車」なのだ…と思いつつ。こうちゃんの唄はあいかわらず子どもに聞かせられない感じで素敵だった。ここにだって書けない。途中、隣に座ったおじさんたちが、私も仕事でご一緒したことのある人の「黒い噂」をしていた。「あいつら長崎を牛耳ろうって思うとっとさ」とか。でも「長崎を牛耳る」って、スケールが大きいんだかしょぼいんだか、とても微妙な感じだ。まぁいろんなレベルの「牛耳り」があるんだろうと思う。オリーブさんが鍵のネックレスをしていて、ダンナが「それ何の鍵?」って聞いたら「貞操帯〜」というチャーミングな答えが帰ってきたのだが、ダンナは貞操帯というもののことを知らなかったので、オリーブさんと二人してみっちり教える。
 そんなこんなで店を出たら、無理矢理「思案橋ラーメン」に連行されて爆弾ちゃんぽんに付き合わされるが、今朝ダンナは起きがけに、自分の口の状態から「あれ?俺、ニンニクラーメンかなんか食べた?」と尋ねてきた。まったく覚えていないらしい。しかも私が豚まんを買ったにもかかわらず、マクドナルドでポテトとエビフィレオを買おうとするので「いらないんじゃ?」と言ったら、なんかものすごく理屈を話してくるのだが、言ってることの意味がまったくわからなかった。夢の中にいる人と話しているみたいに。

 という、ひさしぶりの酔っぱらいフルコースを満喫した。かなり飲んだが、二日酔いなし。



2009年02月06日(金) しみじみ夫婦

 先週は気付いたら木曜日だったが、今週は金曜日になってしまっている。どういうことだ。「今週は」っていうか、もはや週末だ。
 立春を過ぎて、やたらと春めいている。毎日通る道の梅も、倍速がかかったように咲いている。
 今週は、ダンナが遅いことと、ヒコ氏のパンチの効いた要求や行動が続いて、日に2〜3度は大げんか。保育園ではやってるのかなんなのか、言葉遣いなどが荒いのも、渦中にいるときはつらい。「ばかたれ!」も、単なる「ばかたれ!」ではなく、より憎々しく「ぶわかたれ!」と発せられる。そんでもって、昨日の夜は「ヒコと母さん、しょっちゅうケンカしてしまうね」「うん。ばかたれ〜!とかね。」「あんまりしたくないんだけど、ヒコが難しいことばっかり言うからさ」「だってしたかったんだもん」などと、しみじみ語り合う。疲れた夫婦か!
 こないだの同窓会で再会した高校のときの同級生とお昼ごはんを食べて、自分や知ってる範囲の同級生の近況や、バカバカしい話に至るまで花が咲く。彼女や自分や、その他、たとえば当時「とんがってた」と目される人々が、結婚したりお母ちゃんになってたりするのが感慨深い。離婚話も聞いたが…。



2009年02月02日(月) 煮込みたい。

 スーパーで買い物をしていたら、ふと何かを煮込みたくなり、あぁそういえば揚げカマボコを買ってたし、「生で食べようかと思っていたらヒコが愛車スカイラインのシートの下のおもちゃ入れに半日入れっぱなしにしていて、でも、加熱すればノープロブレム!」という竹輪もあったので、おでんを作る。白くてふわふわの方の一般的な(長崎では、チャンポンに入ってるピンクや黄緑のカマボコだから)はんぺんも、人生初の購入。すじ肉の良さそうなのがなかったので、こちらも初の試みで、ゆで豚足を買ってみた。冷蔵庫に残っていた根菜類も入れる。さてどうなることやら。「おでんを作った」と言ったら、ヒコがどうしても食べると言い張り、まだ煮込み始めたばかりの鍋から、糸こんにゃくだけを取り出す。

 おでんは明日。今日は宮崎に里帰りしている友だちから「チキン南蛮のたれ」が送られてきたので、さっそく作る。おいしい。宮崎のスーパーなんかには、普通にあるんだろうな〜。長崎のちゃんぽん関係商品みたいに。


2009年02月01日(日) くらかったから…正解。

 あまりに腰回りがガタガタだったので、マッサージへ。ランタン会場ダッコ攻撃や中継仕事の冷えなどがスパイラルにたまっていたようで、背骨にそって一押しされた瞬間、オヤユビキング氏から「くくっ…板になってますよ」と失笑される。たしかに感覚としては、自分が冷凍マグロと化していて、背骨からバリバリと解体されていく感じだった。右目の見え方が復活した。
 その足でヨロヨロと、みほさんのお店のオープニングパーティへ。「時間は2時から6時まで。ライブがあるからおいで〜」ということだったが、3時半ごろ行って、まだ音楽は始まっておらず、5時頃に数曲聞いておいとまして、夜10時近く、実家の帰りに忘れ物を取りにいったら、まだ続いていた。長崎時間、ここにあり。
 じーじとばーばと、福祉関係のイベントに行き、ホールでパニックを起こしていた男性を見たヒコ。たいそう衝撃的だったらしく、帰ってからもずっと「あのおにいちゃん、どうしたんだろうね、ないてたね」と気にしていて、ハハが適当に答えていたら、ヒコは「くらかったから、かいじゅうがくるっておもって、こわかったんじゃない?」と推理。でも、父によれば、暗いところや狭いところでパニックを起こすことがよくあるので、たぶんそれがいちばん可能性の高い回答らしい。彼らはある意味「近い」から、気持ちがよくわかったのかもしれない。



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