ぴんよろ日記
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2008年04月30日(水) 飛び越えて

3日も一緒にいると、友だち一家と一緒じゃないのが、なんか不思議。
ヒコもしょっちゅう、3人の名前を出しては、なんだかんだ言っている。
20年近く前、大学受験の帰り道に、
目の前を歩いていたまったく知らない人が、自分と色違いのバックを持っていて、
しかもその大学は落ちて別の大学に通い出したら、
またもやそのバックを持った人が目の前を歩いていた衝撃は大きかったが、
まさかその持ち主と、こうして家族ぐるみで過ごすようになるとは…。
さらに、本人たちもびっくりだが、それぞれの夫や息子(半月違い)が、
それぞれに話をしたり、おもちゃを取り合ったりしているところを見るにつけ、
本当になにがなにやら、私の人生なんか飛び越えて、人類の醍醐味って感じだ。


2008年04月29日(火) 休日。

友だち一家は、朝早くから有田の陶器市へ。
私は午前中に仕事。ダンナは午後に仕事。
昼からは、ヒコと昼寝。よく寝た。
休日後の、休日。


2008年04月28日(月) この密度が

朝から原鶴温泉を散歩。
あまりよくなさそうな旅館の駐車場に、
ネズミ捕りのようなカゴに入った猫を見つけてしまい、激ブルーに襲われる。
どうしたんだろう。どうすればよかったんだろう。
どうすることもできず、とにかくがんばれよ、と念じて立ち去ったが、
ブルースパイラルが頭の中で回り続ける。

ずっと見てみたかった、太刀洗の今村天主堂へ。
思っていたよりずっと大きくて、密度が高かった。
五島なんかでもそうだけど、
古い天主堂が持つ、この独特の「密度」には、いつも、重くのしかかられる。
私にはどうしても「世界遺産登録」がピンと来ない。
「その価値がない」というのでは全然なくて、
自分自身には「登録しましょ〜!」と囃し立てる資格がない…という感覚。
とにかく、天主堂が守られるのであれば、それに越したことはないのだけど、
往々にして、利用されたり荒らされたりすることがありがちだから、なんか。

お昼は、みんなに佐賀の文雅のカレーを食べてほしかったけど定休日。
大砲ラーメンを食べて、鳥栖のアウトレットにちょこっと寄り、
夜はまた、みんなで森山酒店で一杯呑んで、
江戸善の唐揚げとお寿司を買って、家で呑む。
息子たちは、時々、絵に描いたような幼児の喧嘩をしながら、激しく遊んでいる。

3日間、濃い休日だった。


2008年04月27日(日) じじい先行

みんなして浮羽、吉井などをめぐり、夜は原鶴温泉へ。
浮羽や吉井では「スロー系」とでも言えばいいのか、
ちょっとした作家ものの雑貨や、
こじゃれた古道具などを売っている店をたずねてみたが、
「ほほー、福岡に近いということは、こういうものを売り買いして成り立つマーケットがあるってことなんじゃな。心豊かな生活、結構、結構。」
という、偏屈じじいのような感想が先行した。
まぁ、100歩譲って、ものの好みはそれぞれだから、
失笑しちゃいたい器が、素晴らしいもののように飾ってあるのは良しとしよう。
でも、それを作った「作家」が、作品について、
会場でBGMのように語りまくってるのはどうだ。
小金持ちのおばさまから「子どもの心を失わないって大事よね〜」と言われて、
褒められてると(双方)勘違いしてるさまはどうだ。

いささか食傷して温泉につかり、「ぷりぷりヒラメプラン」を堪能して、
今夜もダラダラと呑む。


2008年04月26日(土) 石けん屋さん

早朝、ついにETCデビューしつつ、小国を目指す。
ダンナと私のカードで、通勤割引を活用したら、日田まで2千円ちょっとだった。
佐賀大和で一度降りたとき、
前を走っていたニューGTRもおなじことをしていた。

坂本善三美術館のアートフリマで、手作り石けん屋を開店。
開店と言っても箱ひとつのふたを開けただけ。
しかし、お客さんもポツポツ来てくれて、
40個のうち、18個が売れた。
4個は、幻のインド料理屋カルカッタ特製の辛い調味料と交換。
2年半ぶりのカレーも、悶絶するくらいおいしかった。

だいたいは私が店番をしていたけれど、途中、ダンナと交代することもあった。
でも、私がいるときは、コンスタントにお客が来るのに、
ダンナが座っていると、誰も来ないし、一個も売れなかった。
遠くから見ていると、いかにも、
「僕は石けんのことなど何もわからないんです。座ってるだけ。誰も来ないで!」
というオーラを発しながら座っていたので、無理もない。
ものが売れるかどうかは、かなりの部分、売る人次第だということがわかった。
お隣のブースは、友だち(夫)の古本屋さんだったが、
これまたヒコと半月違いの息子を見ていなくてはならないので、
ほとんど無人販売店と化しており、売り上げは2冊(うち1冊は私)。
しかし、彼が前の晩に手書きで作ったという帯は、読んでいく人がたくさんいた。
ということで、思いを込めたものは、目を引く、ということがわかった。

フリマで石けん売っただけだけど、
こういう、生のお客さんがいる現場でひとつずつ学ぶ感じは、
なにか確かな手ごたえがあって、商売というものの、代わりのない楽しさだ。

一日の終わりには、
ななめ向かいのブースでずっと気になっていた、占いのようなものも体験した。
「あなたを守っている存在からのメッセージを伝えます」というもの。
こういうことをするのは初めてだったけど、
とても前向きに頷ける話を聞けて、驚くやら勇気づけられるやら。

夜は、楽しみだった「きりばる食堂」のホルモン(お持ち帰り)を肴に呑む。


2008年04月25日(金) できた…。

で、できた…。ながさきエッセンス、青葉号。
現在せっせとプリント中。
肩と背中はガッチガチだが、気分はさわやか。
お迎えまでに製本しなくては。

明日は阿蘇の小国の友だち一家のところへ。
友だちが勤めている坂本善三美術館でフリーマーケットがあり、
そこで石けん屋を開くのだ。
限定40個。売れなくても自分で使うのでぜんぜんかまわないが、
売れてもうれしい。
しかも、私が大学時代に何度となく食べたインドカレーの店、
「カルカッタ」が店を出すとの風の噂…。それだけでも行く価値あり。
あさっては、友だち一家と原鶴温泉へ。
ひと足早いゴールデンウイークだ。

今夜はヒコくんと帆船まつりデートだ。
そしてディナーはちゃんぽんに違いないと思っていたのを忘れ、
昼は岩川飯店で皿うどんを食べてしまった…。


2008年04月24日(木) たどり着く

「ながさきエッセンス・青葉号」づくりも大詰め。
朝3時半に起きて、中身の完成になんとかたどり着く。
ここまでくれば、あとは表紙などをしみじみと作り、
ページにばらしてプリントして製本して…。
時間的にはまだまだかかるが、それはもう、お楽しみの作業だ。
前号はランタンとか中国系の話題が多かったので、やたら赤い紙面だったが、
今回は「青葉号」ということもあり、よく言えばさわやか、悪く言えば地味。
内容は、詰めすぎたかもというくらい詰まっているが、
その詰まり具合も過剰だったかもしれない。
事実、使いそこねたイラストや、
あふれたページも1つや2つではなくなってしまった。
しかし、これをもとに、また新たな考えを展開したいので、
とにかくページに焼き付けた。

さぁ、作業だ作業だ! ワッセーワッセ−!



2008年04月23日(水) 目鼻は

今日も終日本づくり。
だいぶ目鼻はついてきたが、明後日発送することができるだろうか。
でも、そのあとは旅行に出るので、なんとかがんばろう。
毎日家に籠って、昼ごはんも残り物ですませているが、とても幸せだ。
やっぱり本を作るのはおもしろい。


2008年04月22日(火) もうおさまらない

終日本づくり。
午前中は、本に必要な写真を撮りに出かけた。
ちょっと歩くと汗ばむ暑さ。もう「あたたかい」では収まらない。
午後はひたすらパソコンの前。
これを作る前にパソコンを買おうかと思ったけど、
この号までは、なんとかがんばってもらおう。
とパソコンに話しかけながら、前の号も作った気がする…。


2008年04月21日(月) 潜水艦鍋奉行

終日、本づくり。
こういうことに没頭していると、
いつもは現れていない自分の一部分が潜水艦のように浮上してくるので、
おおおおー、来ましたかー、お久しぶりですなぁー、と、再会をよろこぶ。

「一部分」…仕切り屋というか、鍋奉行みたいな人。
いろいろ判断してくれる。
以前書いた文章を切ったり貼ったり、
パソコンの倉庫から意外な写真を取ってきたり、
あれとそれをくっつけたり。

写真を選んでいると、今はなくなってしまった建物などが見えて寂しい。


2008年04月20日(日) これがいつか

ヒコとみっちり遊ぼうと思い、公園、消防署、図書館などをハシゴ。
消防署では、はしご車のシャツを着ていた甲斐があってか、
はしご車に乗せてもらうことができた。
図書館では消防車の絵本を借りる。
前回は、貸出の時の「ピッ」をしたくないと言い張り、
全館に響き渡るほど泣きわめいたヒコだが、
今日は行く前に「『ピッ』はできる?できない子は行けないよ」と聞くと、
「できる!」と胸を張ったので信じたら、できた。
消防車三昧。
これがいつか、恐竜や昆虫やスポーツに転向する日が来るのだろうか?

夜は茂木で、父の姉妹集合の宴。
この日のために、数日刺身断ちをしていたのだが、
2日ほど前には、
「『おばちゃんたち、もう食べんと?』と言いながら、刺身を食べまくる」
という、非常にリアルな夢を見ていた。
果たして夢は叶い、刺身を食べに食べる。
ミズイカなど、本当にそうめんのようにすすり込んだ。


2008年04月19日(土) 莫大な…

やっとやっとやっと、家の車が帰ってきた。
ぶつけられ、またぶつけられ、なおしたり、塗ったり、磨いたりと、
代車ぐらしのここ数カ月。もう、これで終わりだ。
最後の代車はイプサムだったが、運転はしにくいわ、
時々他人の匂いがぷーんとするわで、なかなかつらかった。

ドライブがてら、バイオパークへ。
入園料が1600円になっていて、どひゃー、と思ったが、
数々の動物たちを見て、植物もおもしろくて、
ヒコもすごく楽しそうだったから、出る時には「安い…」とさえ思った。
いちばん心ひかれたのは、温室にいたコウモリ。
すべてをわかっているような顔つきと、
人間が再現するとなると、莫大な研究開発費がかかりそうな羽根の質感。
また行って、じっくり見つめたい…。


2008年04月18日(金) 青葉

昨夜、ダメ押しのように落ち込む電話が掛かってきたので、
すべてを投げ出し、10時間寝た。
でも、それはそれで、心機一転しろというお告げかもしれん。
何日か前にお諏訪さんにお参りした時、
これまで唱えようと思ったこともなかったお祈りを、
なにげなく口にしてみたからだろうか。
よくある、祓いたまえとか清めたまえとか、そういうやつ。
目の前に貼ってあったので、なんとなく読んでみたのだ。
必要ないものが祓われてるのかも。

それともつながってる気がするが、昨日から、
1年ぶりの「ながさきエッセンス」の製作に着手した。
春号を作るつもりだったが、もう桜も散ったし、青葉号にしよう。
長崎ですらない、意外なところで売られることになっているのも楽しみだ。

今日は昼から様々な仕事がみっちりと。


2008年04月17日(木) 混在

かつて仕事をともにした人に関する、
あまり良くない知らせで一日が始まった。
なんとも言えない、どんより感。

でもお昼はSさんと楽しくランチ。

帰り道、駅前を通ったら、今日が市長銃撃から一年だったようで、
現場にはたくさんの花が…というのは、どうやら見間違いで、
もともとあった隣のビジネスホテルが、
今日、派手なおばちゃん社長のホテルとしてオープンしたので、
そのお祝いの花だった。
さらに現場には、これは正真正銘、市長銃撃から一年ということで、
(たぶん、献花に来る人なんかを待っている)報道陣がいて、

「派手なおばちゃん社長のデカい写真」
「ホテルオープンのお祝い花」
「何台ものテレビカメラや新聞記者」

が混在した、異様な眺めであった。

しかし、あの場所にオープンさせるのに、この日を選ぶかね?
ひょっとしてニュース映像にバンバン映り込むことを狙ったとか?
だとしたら、銃撃も怖いが、その神経も怖い…。


2008年04月16日(水) 景気いいじゃないか

ひとつ仕事が終わりかけて、マッサージの予約でもしようかとおもったら、
突然、今日が〆切です!という電話がかかってきて、もうひとつがんばる。
おかげでおとといの酒も抜け切り、夜はビールを飲むことができた。

ヒコがどうしても行くと聞かないので、帰り道にコンビニへ。
どっちもすごく太ったジャージのカップルが、いろいろ買い込んでいた。
ちょっと近づくと風呂に入ってないような匂いのする男は、
さらに「カルビフランク」という肉の巻かれたフランクフルトソーセージを、
即食べる用に買っていた。
そりゃ太るわ。
でも、彼らはその生活を選んでいるのだ。
不景気だとかなんだとか文句を言いながら(言ってないかもしれないけど)、
どう考えたって割高のコンビニで山のように食べものを買い、
朝からパチンコ屋に行って散財するのである。(行ってないかもしれないけど)
それだけ見ると、君たちはすごく景気いいぞ。


2008年04月15日(火) どうしてもどうしても

昨夜は、あれよあれよと飲み会になり、久々にへべれけに酔っぱらって、
2軒目で出されたつまみの2皿のうち、
1皿に何が入っていたのか、どうしてもどうしても、思い出せない。

お昼は、軽く二日酔いを抱えつつ、新しい企画の打ち合わせ。
とてもおもしろいものになりそうで嬉しい。


2008年04月14日(月) 爆弾ちゃんぽん

金曜日の夜、ちょっと酔っぱらって「思案橋ラーメン」に行き、
…というよりも、時々ミーハー乙女ちゃんなダンナがどうしても
「福山が食べたという爆弾ちゃんぽんを食べる」というので、
(乙女が爆弾ちゃんぽんを食べるかどうかはわからないが)
人生初の爆弾ちゃんぽんを食べる。
ちなみに「爆弾」とは、ラードかなんかでねりねりしたニンニクであり、
思案橋抗体のできていない人はお腹を壊す確率の高い、まさしく「爆弾」である。
長崎の子どもたちは、早い者は中学生、
だいたいは高校生くらいでイキがって頼み、翌朝苦しみ、大人になってゆく。
私とヒコは普通のラーメンだったから、ほんの3口くらいの体験だったけど、
その味にはぶっ飛ばされた。
爆弾ラーメンは今までに何度も食べたことがあったけど、
ちゃんぽんを「爆弾」にするのは、アリかナシかと問われたらナシな気がして、
口にしては来なかった。
しかしそれは大きな間違いだった。
もちろん、これからのちゃんぽん人生を、すべて爆弾にしようとは思わない。
だが、あの、ちゃんぽん麺の「唐あく」成分とニンニクとのぶつかり合いは、
かなりショックなうまさだった。
ちゃんぽんを食べつけた長崎人ほどショックかもしれない。
強い拒否反応を示す人も、当然いるような味であるが、
いや、あれは、あれで、ありである。
そして「ニンニクちゃんぽんか?」と言われたら頷かざるを得ないけれども、
ここはやはり「爆弾ちゃんぽん」と呼びたい。

あまりのショックに、遠くに住む友だち夫婦に通報。


2008年04月13日(日) 怖れの恐ろしさ

ヒコがどうしても言うことを聞かないとき、
いちばん効くのは「かいじゅうくるよ!」だ。
怪獣のことを教えた覚えはないのだが、保育園でも登場するのだろう、
あるころから、その存在を口にするようになった。
言ってもダメ、怒ってもダメ、そんな時でも「かいじゅうくるよ」の一言で、
ヒコはスーッとおとなしくなってしまう。

それを見るにつけ「人の行動をいちばん押さえ込むのは『怖れ』なのだ」と思う。
だからあまり「かいじゅうくるよ」は使いたくない。
どーーーーーーしようもないときも、もちろんあるけど、
不必要な恐怖を投入していると、きっと、自分自身で怖れを作り出し、
それがヒコを縛ってしまうようになるだろうから。


2008年04月12日(土) 生活の宝物

数カ月ぶりに、大好きな五島本陣へ。
ここのカウンターに座って生ビールを待ってる瞬間は、
私の生活の中でも1、2を争う宝物である。
グルメ的な焼き鳥のおいしさとか、
そんなものはまったくどうでもいい。(おいしいけど)
誰も病気してなくて、すごく切羽詰まった仕事がなくて、
一緒に行くまっつんとスケジュールが合わせられて、
そしてもちろん、お店の大将とお母さんが元気でいてくれて…など、
日々の暮らしの中で、この瞬間に身を置くことができる諸条件が揃うことが、
幸せのバロメーターなのだ。
豚足やレバーや厚揚げなどをぱくぱく食べ、
ヒコが散歩するというので、近くの消防分団へ。

若い隊員のお兄さんが、ひとり、ロープワークの練習をしていた。
それはなんだか、お茶や、あるいは武道の修行のような静けさに包まれていた。
「すごいねー、消防車だねー」と眺めていると、
お兄さんが「消防車、好き?」と、ヒコを運転席に乗っけてくれた。
満面の笑みと自慢げな表情をたたえるヒコ。
さわやかなお兄さんに、少しでもよろこんでもらいたくて、
いかにヒコが消防車が好きかを力説する。「寝間着も消防車です!」とか。


2008年04月11日(金) 新鮮だが

ぜんぜんトイレを覚えようとしないはるちゃん。
もぎくんは一発で覚えてくれたので、どうしたものやら戸惑っている。
トイレ以外の点についても、なんとなく動作や行動がバカっぽい。
子猫の無邪気さを差し引いてもあまりあるバカっぽさ。
無心に可愛くてバカな女…。
あんまり付き合ったことない種類の生きものなので、新鮮ではある。
もぎくんは追い回されて逃げている。苦手なタイプかも…。


2008年04月10日(木) おばちゃんの役得

あれこれ思いめぐらしながら、新企画の準備をしたり、本を読んだり。
頭にターボがかかってきたころにお迎えに行かなくちゃいけないのだが、
2年前を思えば、百倍は時間がある。

ささやかながらでも、
自分の頭と手を通って、なにか新しいものがこの世に出て行く瞬間は、
本当に楽しい。
私はあくまでも立会人だ。
世界の中にある、まだ人間の目に触れていない「なにか」が、
「ここを通ると出て行けそうだ」とやってきて、出て行く。
私はただ、ひと休みできる茶屋を用意し、道をきれいにしておく。
旅の途中の「なにか」が、茶屋のおばちゃんにだけ、
ほろりと見せてくれる顔があったりするのが、おばちゃんの役得である。


2008年04月09日(水) 塵の重さ

前に行ったのがいつだったかわからないくらい久しぶりに髪を切る。
いつもの、というには間隔が空きすぎるのでしのびないが、
いつもの、浜口の気楽なお兄ちゃんのとこで。
あまりにも久しぶりすぎて、お兄ちゃんには子どもが生まれていた。
しかもすでに7カ月らしい。
お互いに「えー!そんなに来てなかったの!」と驚く。
長さは変えず、軽くしてもらっただけなのに、
床には小動物1匹分くらいの髪が、もっさりと落ちていた。
髪は徐々に伸びるから、切るまではその重さに気づきにくい。
気づいているんだけど、慣れてしまって耐えやすい。
切って初めて、身にまとっていた重さに気づく。

こないだ、分割払いにしていた借金を、
ちょうどその額くらいのギャラが入ったので思い切って全部払ったら、
すごーく気持ちが軽くなって、なんかそれと似てる。

積もった塵の威力はあなどれない。
心には塵ひとつぶんの負荷しか掛かっていないと思わせておいて、
その実、すべての塵の重さが取り巻いているのだ。


2008年04月08日(火) おなじ…?

こないだ、ビームスでびっくりした。
その何日か前にダンナと行ったとき、
ダンナが欲しそうにしていたシャツ(格子柄)を買おうかな、と、見てみたら、
Mしかなかったので、「これのLはありますか?」とお兄ちゃんに聞いた。
そしたら、その隣にあった、
「生地を作る時の色や質感のコンセプトは同じなんだけど、模様はまったく違う」
シャツのLサイズ(ストライプ)を引っぱって、「これです」と言うのだ。
でも、格子柄とストライプって、ぜんぜん違うから、
「え、でも、模様がぜんぜん…。こっちのLは…」と聞き直すと、
彼は、ストライプを示しながら、むしろ私に問い返したのだ。

「おなじですよね?」

たしかに生地の作りはおなじかもしれないが、おなじじゃなかろう。
そして、服屋が客に聞くことじゃなかろう。

なんか、空恐ろしい気さえして、そそくさと店を出たのであった。


2008年04月07日(月) わくわく

花を散らして雨は上がり、昼は暑いほど。
Oさんとの、楽しみにしていた打ち合わせにでかける。
ちょっと前から頭の中で動き出していたものを、目に見えるものにするために。
2時間ほど濃い話をして、また来週。
どんなものが生まれるか、わくわくする。


朝、ヒコから「すべりだい、かおうかね〜」と念を押された。
おととい行った知人宅に、室内用のすべり台があり、
「いいねー、これ、すべり台、買おうかね〜」と口を滑らせてしまったのだ。
その時はニコニコしていただけのヒコだったが、
心にがっちり刻み込んでいたようだ。
私が言ったのと、まったく同じ口調だったのが、またイカしていた。


2008年04月06日(日) 桜のおもしろさ

毎日、なにかしら使っている窯元の窯開きへ。
すり鉢、涙壷、急須を買う。
焼いているのは、以前、一緒に仕事をしていた人のダンナさん。
これがお義理だったら気も重いだろうが、
本当にそこの器が好きなので、楽しみにでかけた。

夜は、もう、今日が最後と思い、立山公園へお花見に。
アダプタを買って再活躍中のコンタックスレンズで写真を撮りはじめたが、
カメラ本体のバッテリーがへたれていて、
いちばん好きな景色を撮っている途中にスイッチオフ。無念。

桜は、毎年見え方や、感慨の持ち方が違う。
花としてはそんなに好きじゃないけど、
その、定点観測的なおもしろさは、他の花ではまったく得られないものだ。

そして、桜と長崎って、なんとなくしっくり来ない。何だろう、この感じ。


2008年04月05日(土) 貧乏性

昨日の夜は、ものすごく久しぶりに飲みにいき、
今日の朝は、ものすごく久しぶりに、昼まで寝た。
さらに、目がくらむほど久しぶりにダラダラと、
漫画など読みながら、午後を過ごしたが、
2冊目を読み始めるころから、悪いことをしているような気になってしまい、
すっかり時間貧乏性と化した自分を認める。

夕方、ヒコを迎えにいき、夜は知人宅へおよばれ。
そこの息子さんとヒコが激しく遊ぶのを横目に、焼き肉をごちそうになる。


2008年04月04日(金) 代わり

はるちゃんが大きくなっていくのを見るにつけ、
人間の大きな特徴は、いろんなものの代わりができるということだな、と思う。
動物の間でも、違う種の子どもを育てるものがいるけれど、
たとえば、「母乳の成分にかなり近づけたミルクを作る」ってことまではない。
いろんなものの代わりをグイグイと買って出ながら、人は進歩してきた。
代わりをしすぎてしまっていることも、ずいぶんあるのかもしれない。

お母さんはどこにいったのかわからないけど、
とりあえず、はるちゃんは育っている。


2008年04月03日(木) すぐにすっかり

はるちゃんが気になるので、一度出ても、こまぎれに帰宅。
日々成長のはるちゃん。
昨日は毛づくろいのポーズなどしていた。
歩きもどんどんしっかりしてくる。
もぎくんも、遠巻きながら、少しずつ受け入れているようだ。

すぐにすっかり大きくなるんだろうな。
もぎくんもそうだった。

お昼は図書館の食堂で、コロッケランチを大急ぎで食べる。


2008年04月02日(水) 修行不足

久しぶりに会う方とランチ。
3時間ほど、様々な件についてみっちり語る。
このところ頭の中でごちゃごちゃと考えていたことを、
初めて口に出したりもできて、濃い時間だった。

「悪魔の二歳児」なんて言われるらしい、二歳児。
そんなもんだと思えばやり過ごすこともできるのだが、
今日は、逆のエスカレーターに乗ると言って聞かず、
ついには泣き出した。
こればっかりは聞き入れるわけにもいかないので、
周りの人の視線が刺さる中、ヒコを担いで立ち去る。
結局その店では買い物ができなかった。
次の店でも、重い荷物を持っているのにおんぶしろとわめく。
その他、あれこれ。
さらにダンナが予想外の遅い帰宅となってしまい、疲労はピークに。
やっとダンナが帰ってきて、二人がお風呂へ行ったとき、
ぶわーっと涙がこぼれてきた。
疲れで泣けたのって、何カ月ぶりだ〜。
最近急にお兄ちゃんになってきたので、
それに甘えて、たるんでいたのかもしれない。
ヒコの母ちゃんとして、修行が足りませんでした!
気合い入れなおしてがんばります。


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