ぴんよろ日記
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2007年10月31日(水) よぎり道に蓋

ある人についての、
「ありゃりゃ、なかなかうまくはいかんもんじゃのう…」
とため息をつきたくなるような話を聞いたが、
まぁしかし、よくなる…だろう、だよね、だといいが、まさか…。
最近、チラリとよぎった予感はだいたい当たるので、
予感のよぎり道に蓋をしておく。

明日〆切の仕事をしようと意気込んでいたが、
午後は体調に難ありで、割り切って寝た。
夕方からサクサク進める。
昨日作っておいたバジルペーストのスパゲティを食べ、
ヒコ氏を寝かしつけて、これから再開。(午前1時)

ヒコ氏の言葉が、文字通り、日増しに増えていく。
そして強情さやこだわりも増大中。
その時の気分に合わないパンツは絶対にはかないし、
洋服も着ないし、牛乳を飲むコップも、いちいち選ぶ。
昨日の朝などは、洋服を「選ぶ」以前に「着ない」という気分だったらしく、
ついにパンツ一丁、裸の大将状態で保育園へ。
さすがに先生たちも驚いていた。
「そんなものは、ちゃんと言い聞かせれば…」と思われるかもしれないが、
ふふふ、どうぞどうぞ、1時間でも一緒に過ごせばわかりますよ…ふふふ…。


2007年10月30日(火) 小成恐るべし

新しいモデムが来た。
ずーっとだましだまし使っていて、
しかもその状態…たとえば、
日記を書いている途中にネットにつながらなくなるとか、
パソコンを閉じたら、モデムの電源も引っこ抜くとか、
そういうことに、その時々ではチラリと「イヤだな」と思いつつ、
慣れてしまっていた。
しかし、いざ新しいモデムが来て、
そういう心配をひとつもしなくて良くなったとき、
自分でも驚くほど、心が軽くなってしまった。
さらに、つい今までのクセで「電源を抜かなきゃ」と思ったりして、
その、いつしかできてしまっていた「とらわれ」にも、驚いた。
このところの生活の指針のひとつが、
「小成は大成を妨げる」というものであるのだが、
こういう卑近なところにも、それはあてはまるのだな…。

ふと気づくと、自分があまりにいい年こいてしまっていることに、苦笑い。
いたずらに偉くなりたいとか大儲けしたいとか、そんなんじゃぜんぜんないけど、
もういいかげん、フリーライターでもなかろうよ。
ライターという仕事は、これまでの自分を社会的に表す言葉としては、
これ以上に的確なものが見つからなかったけど、
本当はずっと、どこかで居心地が悪かった。申し訳ないと言うか。
フリーライターと胸を張って言えるほど、
頭や身体のフットワークの軽い人間でもないし、人なつこくないし。
(私がイメージするライター像は、アポを取る電話で脇に汗をかかない)
しかし、これこそが「小成」であろうが、
曲がりなりにも、ヘタにこんな感じで生きて来れたので、
それにチョコチョコ気と身体を取られている間に、
なにか大きなものをとらえ損ねているという気持ちが、
最近じくじくと心を取りまいてきて、
しかし、少しでも油断すると、日々はツルツルと過ぎて行く。
さて、どうしたものか。(と言いつつ、決めてるけど)


2007年10月29日(月) 半年で一生分を

お昼、なつめにわっぱめしを食べに行ったら、
カウンターで隣になった2人連れが、
待ってる間も、食べてる時も、ずーーーーーーーーーーーーっと、
ケーキの話をしていたので、
せっかくの鯛飯わっぱの味が、ほとんどわからなかった。
しかも、より熱心なほうの人が、「いや〜ん、どうして太っちゃうんだろ」
みたいなノリだったので、余計に脱力した。そりゃ太るに決まっとるわい!
あの人たちはたぶん、半年ぐらいで、私の一生分のケーキを食べるんだろう。

よくはくズボンがくたびれてきたので、
ついアミュのグローバルワークへ。
このところ、いまひとつ波長が合わなかったのに、
今日は、ビシバシ来るものがあっちにもこっちにも。
はやる気持ちをぐっと押さえて、
しょっちゅうはきそうなパンツと、
着心地が大好きだったTシャツの長袖バージョンだけを、どうしても買う。


2007年10月28日(日) 買い物三昧。

久々に親子揃って休み。
「諫早まるよし」こと「かんしゃく魂」へ行く。
背脂ラーメンと餃子とおにぎり。満足。
そしていつものごとく隣の洋服屋さんへ入り、セーターとタンクトップを買う。
オシャレに関するものにお金や時間を使う優先順位がとても低いし、
洋服屋さんや化粧品コーナーの雰囲気もかなり苦手なのだが、この店は好き。
安くて好みのものが必ずあるので、ここに来た時は、ついなにか買ってしまう。
つまり、最近は、ラーメンと洋服がセットになってしまっているのだった。

諫早に来たついでに、オレンジスパイスに寄ってみる。
中川ワニ氏がコーヒー講座にちょくちょく来ているようなので、
おいしそうなコーヒー豆はないかな?と。
ワニ氏の豆はなかったが、いい感じのものがあったので買う。
それにしてもこの店にあふれかえっている、
「こぎれいでオシャレでスロー」な生活欲よ…。
なんか、私にはちょっと、おさまりが良すぎて、逆に気持ち悪く見える。
どれもイヤとか嫌いとかじゃないんだけど、
それを目指すのって、気持ち悪い。
この手の人々のスローガンでもある、
「ていねいで心地よい暮らし」って、結果的にそうなるものであって、
初めから意識して作るのは、なんだか、やーらしー、って、身震いしちゃう。
自然体っていう、倒錯した不自然。
いつも浮かべられている、バリアーでもある微笑み。

帰り道、矢上の酒屋さんが開いたという新しい食材店へ行ってみる。
期待しないでいたら、これがかなりのヒットで、ギラギラしてしまった。
バナナチップやオリーブオイルなど買う。

思いがけず、買い物した休日。

夜はまっつんと焼き鳥を食べに行った。
ヒコ氏は大好きなまっつんに首ったけ。くっついてまわっている。
明らかにハイテンションになっていたのがかわいい。
そしてやっぱり、男同士!って感じ。いいなぁ〜。


2007年10月27日(土) メモが走る

7時前に目が覚めて、本を読んだり、思いつきをノートに書き付けたりする。
昨日(ようやく)読み終えた本が、これまでモヤモヤと考えていたことについて、
輪郭を与えてくれたようで、しばし集中。
手で書く、ということも、とても気持ちがよかった。

書くと言えば、長いことHI-TEC一本槍だったが、
最近はほぼ、メモもイラストも、じいちゃんの万年筆だ。
長い文章はさすがにぶっつけパソコンだが、
これからはそれも、急がないものは一度万年筆で書いてみたいと思う。
そしてなんといっても、ここ数年来でヒットしてしまったのが、
MOLESKINEのメモ帳。
誰もが知ってる芸術家だの作家だの(誰だったっけ)が愛用した!
という触れ込みで美術館(文具店ではなく)に売ってあったりするので、
正直、あまのじゃくな自分としては手を出したくなかったのだが、
紙質が、かなり好みだった。
ただ、いつものスケジュール帳に加えて、もう一冊持ち歩くことには抵抗があり、
見かけるたびに触るだけにしておいた。
しかし、ついに、見つけてしまったのだ。薄い分冊スタイルのものを…。
これじゃあ、
いつも持っている薄いスケジュール帳にはさめて使えてしまうではないか!
ううう、くやしい。負けた!
万年筆との相性も、案の定バッチリで、メモが進む進む。もはや走る。
ちきしょー!道具は大事だぞ!

そしてマツヤ万年筆病院のみなさん、あらためてありがとうございました。
曲がったペン先をクイクイッと治していただき、
「普通には使えないかも」と言われたものの、
たしかにインクが指に付きがちですが、立派に毎日使えてます!


2007年10月26日(金) しみじみ一人

朝から集中して仕事。
…といっても、自分の読み書きではないところが考えどころだが、
今は、この、人に何かを(恥ずかしながらも)教えたり、
一緒に考えたりすることから、とても多くのことをいただいているので、
これはこれで、ありがたい。
教える立場になって初めて、学ぶ必要性を骨身に感じるということだろう。

今夜は一人。
ダンナは出張。
しかもお迎えの時間に仕事だったので、ヒコ氏も私の実家へ。
夜には送ってきてもらうはずだったが、結局お泊まりすることになったのだ。

生春巻きとタイカレーを作って、しみじみ食べ、
読み終わるのを惜しんだままになっていた本を、3冊ほど読み終える。

ヒコ氏が帰ってくると思っていたので少し寂しかったが、
気になりつつも、おろそかになっていたことを遂行できて、妙に心が安定し、
このような時間の大切さを再確認。


2007年10月24日(水) じゅんぱんぱんさん

一週間ほど前、ヒコ氏の口から、ついに出た。

「なーに?」「なーに?」

待ってたんだ。これを。
子どもができたら、いつかは「なーに?」を連発されるんだろうと思っていたが、
ついに来た。
面倒だと思う人が多いようなのだが、私は楽しみだった。
事実、同じものを何度指差されても、答えるのは、ぜんぜんイヤじゃない。
私なりに誠意を持って答えるつもりなので、どんどん聞いてほしいと思う。

にしても、今日の「なーに?」には、苦笑い。
どんな絵本よりめくり込んでいるくんちの写真集に、
ヒコ氏もよく知る、ダンナの先輩カメラマン・Iさんが写っているのだが、
その人を指差して「ほら、Iさんだよ」と教えたら、
名前は発音せず、と同時に、すべてがわかっている笑いを浮かべ、
「じゅんぱんぱん(重機運搬車。こないだ彼に買ってもらったミニカー)」
「いや、たしかに買ってもらったけどさ、それとこれとは別なんじゃない?」
「(ニッコリ)じゅんぱんぱん」
そして、修正不能のまま、
「なーに?」「Iさん」「じゅんぱんぱん」
がエンドレスに続くのであった。


2007年10月23日(火) ギラギラ6本

軽く二日酔い。
足裏マッサージに行ったり、昼寝したりして、無理矢理、のんびり過ごす。
忙しグセが取り付いているので、無理矢理じゃないと、のんびりできない。
悲しい性分になったものだ…。

昼は食べず。
夜は茂木のシラサエビの塩ゆで、スープ、白いもの煮物、きんぴらごぼうなど、
渋い感じでまとめる。
ダンナとヒコ氏には、焼き鳥。
焼き鳥大好きなヒコ氏。
さすがに串のまま持たせるわけにもいかないので、肉を抜いて渡すのだが、
そのタイミングがちょっとでも遅れると、ギラギラ要求するのが、おかしい。
普段はそれほど食べものに執着していないだけに、
よほど好きなのか…と見守る…うちに、6本も。


2007年10月22日(月) トマトの官能

時々行く屋台のおでんには、トマトが浮かんでいる。
これがうまい。
おでんのダシなんだけど、トマトだから、イタリア〜ンな香りもして、
こう書くとまずそうだけど、おいしい。
こないだ、その、トマトを食べていると、隣のテーブルのおじさんが、
「そんなもんがうまいのかねぇ」的に覗き込んでいたので、
どう説明したもんか、と、酔った頭なりに考えて、
「トマトが、がんばってないんです。
 生とか塩だけとか、そんなんじゃないから、気負わず、安心して、
 トマトがトマトでいられてるというか」
などと力説。すると、飲食店関係者だというおじさんは、ついにトマトを注文。
「なるほど…たしかにがんばってないね。」と、味わっておられた。

塩やオリーブオイルだけを使って、素材の味を最大限に引き出す!って、
もちろん大切なことなんだろうけど、
逆にそういう、真剣白羽取りみたいな食べものばっかりというのも、
素材の側も、食べるほうも、常に「勝負!」みたいになって、どうなんだろう。
良い材料を塩だけで食べる強烈な快楽というのは、もちろん、あるんだけど、
適度にダシに身をゆだねつつ、自分自身を解放しているような味の官能も、
また捨てがたいのではなかろうか。


2007年10月21日(日) 過ぎし日の

秋晴れ。
どこかから、運動会の音が聞こえてくる。
音の割れた、変なアレンジのSMAP。
子どもたちが、これを音楽だと思うことに、慣れませんようにと、切に願う。

今朝は一人だ。
昨日、ヒコ氏は、寝起きを無理に連れて行こうとしたこともあり、
私の実家と「ばーば」以外のすべてが「いやいやいやいやいーーーーや」
になってしまったので、実家に泊めた。
良かったのか悪かったのかはわからないけど、もう、私も疲れていたし、
それを見た両親も「ゆっくりすれば」ということになったのだった。
ダンナと二人、龍踊りを見て、1年半ぶりくらいに、亜紗で少し飲んだ。
うちわ海老フライは変わらずおいしかったけど、
あの、ひとときも静けさがない超大繁盛の空気の中で飲むことについては、
人生におけるその時期は過ぎたなぁ、と思わされた。
あの店で、何度飲んだろう、しかし、
あの店で飲むことになるような生活を送っていた日々は、
もう、私のもとには無い。

いま、心からくつろいで飲める店は、4軒。
焼鳥屋、立ち飲み屋、屋台、バー。
でも、それぞれの店が本当に好きだから、それで充分なのである。


2007年10月20日(土) かいてない!

朝焼け。
昨日はヒコ氏の風邪と仕事に決着!と喜んでビールを開けたが、
2本目の途中で、少々がっかりな知らせが入り、
変なテンションになって、早々に眠った。
こんな時は眠るに限る。

がっかりな知らせは、がっかりだったけど、
それで、これまでずーっと、
そこの仕事に関してくすぶっていた気持ちに整理が付いた気もして、
それは良かったようにも思う。
相談したい人もいるし、どうするかはまだわからないが、
…わかっているような気もする。

さて、道ゆく特殊車両が気になって仕方ないヒコ氏だが、
そう思って見ると、特殊車両って、ほんとにたくさんある。
バス、トラック、救急車(パトカーも)、
クレーン車、清掃車、バキュームカー…とにかく多種多様。
「バス」「こうじのくるま」「トラック」の各絵本を愛読しているヒコ氏。
まだ発音できないものに関しては、私に言わせる。
中でもよく見かけるのが「パワーショベル」だが、
絵本には「きりんのえがかいてあるパワーショベル」が紹介されているので、
いちいち、

「(指差す)」
「パワーショベル」
「ちりん(きりん)」
「きりんのえが、かいてない、パワーショベル」

と言わなくては、その場が収まらないのであった。

でも、いつか見せたいなぁ、きりんのえがかいてあるパワーショベル。

今日の夜は、こないだ不完全燃焼に終わったからか、龍踊があるらしい。


2007年10月19日(金) 解禁!

切羽詰まった仕事を、どうにかこうにか、アクロバティックにクリア。
おっぱいマッサージ後の禁酒令も解けるので、
今日はのびのびとビールを飲もうと思う。
あなうれしや。
読みたい本も、したいことも、いっぱい!
ヒコくんとも、あせらず遊べる!

とにかく、ひとまずはビールだっ!


2007年10月18日(木) という時に

昨日は、最後の最後の、おっぱいマッサージに行った。
すごくいいおっぱいだと褒められた。
(形や大きさではない。あくまで肉質が。)
添加物や化学調味料を摂りすぎている人のは、良くないらしい。
それにしても、
乳をもみ出されながらいろんな話をした先生と会えなくなるのは寂しいな。
どうもお世話になりました!

さあ、いよいよ仕事のデッドラインが目の前!という時に、
ヒコ氏、発熱…。
この一週間のあれこれが、彼にも響いたのだろうし、
えてしてこんなタイミングで来るものなのだろうけど、
うううううううううう。泣きそう…。


2007年10月17日(水) しみーじみ、ぽつぽつと

いろんなことに対する気持ちの整理がつかないままなので、
この思いを共有した人たちと、
熱燗でも飲みながら、しみーじみ、ぽつぽつと話したいものだ。
おでんなど食べながら。

朝晩はめっきり冷え込んできたというのに、布団はおろか、タオルケットも、
そして長袖さえも着たがらないヒコ氏。
どうなっているんだろう。

週末、できなかったぶん、崖っぷちな状態の仕事たち。
今日と明日を乗り切れば、なんとかなりそうなのでうれしい。


2007年10月16日(火) 取り出しては

あ、今日って、今日?
という感じで過ぎて行く時間。

秋が深まりつつあるのが、なによりの励まし。
秋の空気が、本当に大好き。

ヒコの誕生日だ!とニコニコしていたら、
もうひと月すれば、自分も年を取ると思い出した。
37歳か…。

この1週間の間に起きた出来事、過ごした時間が、あまりに高密度で、
1年くらい経った気がする。

何をしている時でも、そのひとつひとつを、
頭の片隅で取り出しては、眺めている。
特に、あれと、あれと、あれと…。

2年前の今ごろは、ヒコを産んだばかりで、放心状態だったけど、
わりと、それに似ている。


2007年10月15日(月) おめでとう!ヒコ!

ヒコ(ぼっちゃん)、おめでとう!今日で2歳だね!

仮通夜、結婚式、通夜、葬儀…と、めまぐるしい4日間だった。
それぞれの場面で、しっかり挨拶などする友だちを、あらためて尊敬した。
すごい奴だ…。今度ゆっくり飲もうじゃないか…。

いろんなことがあって、いろんなことを思って、いろんなことを考えたから、
どっさり書いておきたいことがあるけれど、
ひとまずこれから、ヒコの保育園のお誕生日会へ。

それにしても、
まだたたんでいない着物、スーツ、引き出物、香典返し、喪服…と、
家の中がすごいことになっている…。


2007年10月14日(日) 怪しまれるほど泣く

当然のことながら、もったりとした二日酔いのまま、
ぼっちゃんを迎えに行こうかと思ったら、
友だち宅から教会まで棺を運ぶのに人出がいるということで、
ダンナが出動することになり、ぼっちゃんを案じつつ、私も一緒に行く。
(友だちの家は、ちょっと遠い)
4時前に教会に棺を納めたら、7時のお通夜まで、ぽっかり時間が空いた。
ダンナと、ダンナの先輩I氏と3人、ひたすらぼんやりする。
本来なら3人とも飲んべえだから、誰か一人を犠牲にして、2人は飲むだろうが、
全員が、しっかり二日酔い。しりとりをする気力すらない。
しかも町はずれだからどこに行きようもなく、港に行って風に吹かれたり、
釣りの親子連れを覗いたりするのだが、いかんせん喪服なので、異様だ。
私が近づいて行った親子連れなど、あからさまに不審な顔をしていた。
あまりにも妙ちきりんなシチュエーションなので、
「喪服ドリカム」とか、よくわかんないキャッチフレーズまで思いつく。
こいつらに、どんなドリームが来ると言うんだ。

お通夜は、泣かなかった。
結婚式で泣いちゃったからかな、と、早合点していた。

しかし、翌日のお葬式の、最後の最後、
ミサの間は、わりと遠いところに意識が飛んでいたのだが、
献花が始まった瞬間!どかーーーんとスイッチが入ってしまった。
おじちゃんが、ぼっちゃんのことをかわいがってくれてるところが、
ブワッと思い出されてしまった。
「ほんに良か男じゃ〜」なんて言いながら、抱っこしてくれたことなどが。
そしたらもう、昨日の結婚式どころじゃない、正真正銘の嗚咽状態になり、
献花して、友だちの家族にお辞儀した時も顔を上げられなくて、
友だちのお姉さんから肩を叩かれ、慰められる始末。
その後もずーっと涙が止まらなくて、顔を覆って泣いていたら、
一緒に受付をしていたYさんは、はじめ私と気づかなくて、
「誰だろう、親族席にも遠いのにこんなに泣いているのは。隠し子?愛人?」
とまで想像をふくらませていたらしい。
でも、私も泣きながら、
「私がこういう人を見たら、あのおじちゃんとの関係をいぶかるだろうな」
と思っていたから、当然だろう。

でも、私が言うことではないけど、いろいろ乗り切って、よかった。


2007年10月13日(土) こんな日はたぶん一生のうちで二度とないだろう。

朝からぼっちゃんの運動会。
前半は、案の定、不調だったが、障害物競走の途中で突然火がつき、
あっという間に、ダントツ1位でゴールイン。
ダンスを見終わった時点で、名残惜しくはあるが、
観戦を両親に託し、会場を後にした。

友だちのお母さんの美容院で、着付け。
なじみの常連さんしかいないような、小さな美容院だ。
でも、着付けのセンスとテクニックは、
こないだのホテルの美容室とは、比べる気も起こらないほど素晴らしかった。
なにより昨日、友だちのお父さんが亡くなったことによる動揺は、
おばちゃんに話を聞いてもらったから、なんとかやりすごせたのだ。
いろんな意味で感謝感謝だ。

そして結婚式。
花月の結婚式も初めてだったが、新郎の父が前日に亡くなった結婚式も、
これまた初めてで、しかも新郎は長い付き合いの友だちで、
亡くなったおじちゃんには、一家全員、本当に良くしてもらったから、
こんな結婚式は、私の人生にとっても、一度きりだろう。
だから、自分がいつ泣いてしまうか、というのが、気がかりだったのだが、
(あんまり人前で泣きたくないし)
友だちの親友が、ペーロンの太鼓を叩いた時に、おじちゃんが、
「こりゃー、ほんと、よか結婚式ばい」
と言ってる声が聞こえた気がして、もう、ガックリとスイッチが入ってしまい、
さらには、余興のビデオに病床のおじちゃんが登場し、
「ふ〜けゆく〜 あ〜きのよ〜」
と歌い出した時には、ほぼ嗚咽モードになってしまった。
遊びに行った時にはいつも歌を歌ってくれて、
今日の式次第にだって、おじちゃんの名前と「相撲甚句」って書いてあって、
ほんとうは、それを見た瞬間に、じわっと来ていたのだ。
(おじちゃんの相撲甚句は最高だった)

友だちは最後の挨拶で、「おやじ!来とるとやろう!」と呼びかけた。
「来てないわけないじゃん!」と思ったら、また、どどどーっと涙があふれた。

かなりの人が泣いてたけど、
それなのに、ぜんぜん湿っぽくなくて、いい結婚式だった。
友だちをすごく尊敬しなおした。

結婚式は夕方に終わり、2次会はしかし、こんなことだから取りやめで、
でも、みんなの気持ちがそれで終わるはずもなく、自主的二次会へ突入。
ステキな「お姉さま」コーちゃんの店「機関車」を開けてもらい、なだれ込む。
たぶん、10時近くまで飲み、それからまた、某家へ誘われるがまま行き、
12時近くまでワインなど飲み、ようやく帰宅。
でもまた、それから缶チューハイなど飲んで、
これじゃぁ、12時間以上飲みっぱなしじゃないか!などと語りながら、
たぶん、たぶん、2時3時ごろまで飲んだ。

でも、いいのだ。今日は。


2007年10月12日(金) 明日会いましょう。

明日、友だちの結婚式なので、
着物を着ようと思って、美容院に着物を預けに行ったら、
その友だちのお父さんが亡くなったという知らせが。

だいぶ前から病気が進んでいたし、
ここ数日、厳しい状況にあるのは知っていたけど、
何も今日じゃなくても!と、聞いた時は思った。

こないだお見舞いに行って帰る時に、
「結婚式で会いましょうね」って手を握ったけど、
なんとなく、会えないような気がしたことも思い出した。

でも、しばらく考えてたら、
あぁ、おじちゃん、結婚式に行きたかったんだ、と思った。
身軽になって、行きたかったんだ、って。

夜になって、友だちの家に行って、ちょっと話したら、
友だちもそう思ってて、結婚式は決行。
おじちゃんの顔を見たら、すごくサッパリしてたので、
やっぱりそうだ、行きたかったんだ、これで行けますね!って思った。

おじちゃん、明日会いましょう!


2007年10月10日(水) ここまで、ここから。

根本的には、まったくダメダメな自分を認めざるを得なかったというのに、
その一方では、仕事として、人にああだこうだと教えるようなことをする日々。
しかし、誰しもが、それぞれの次元で、そのようなものなのだろう。
ある場所では身動きすら取れないくせに、
ある場所では、手取り足取り教えたりする。
おこがましいと思いつつ、「ここまでのことならわかるよ」と、伝える。
その先は自分にもわからないけど、とりあえず、ここまでは、と。

そんな「甲野ショック」の渦の中ではあるが、
傍目から見ればいつもと変わらず、
仕事したり、ごはんを食べたり、買い物したり。
しかし、どの瞬間も、なにかこう、検証しつつという感がある。

ダメダメは、ダメダメだけど、
それが判明するところまで来ることはできたじゃないか、
というのが、わりと、希望だ。
ここからまた、だ。



2007年10月09日(火) 膝カックン

雨のち大雨。
この、潜り込んだような精神状態にはぴったりの天気だが、
くんち後日が台無しである。
午前中仕事して、紅灯記で麻婆豆腐を食べ、平井でコーヒーを飲み、本屋へ。
平井では、万才町の「ながさき〜ばんざ〜い」に、不覚にも心奪われた話など。
くんちでは「ありえない」レベルの、反則技のような演し物であったし、
「みんなでがんばりました」とか「一生懸命です!」って、
あまり価値を見いだせない…いや、むしろ嫌いなはずなのに…。
あれはなんだったのだろうか。膝カックンの通り魔にあったような気分だった。

ひと夏、見てきた龍の最後を見届けるつもりだったが、
この雨で、あっけなく終了したようだ。しょんぼり。


2007年10月08日(月) どばあああああ

くんちの長崎を後にして、佐世保へ向かう。
甲野善紀さんの講習会へ。
すごかったです、とか、
まだまだわからないことがあるということがわかりました、とか、
頭で考えていてはダメですね、とか、もうっ!そんなんじゃなくてっ!
自分はこれまで、どうやって生きてきたんだろう…というようなショック。
著書やHPの随感録も読み、DVDも何回も見て、
もしお話できたら、あれもこれもお聞きしてみたいと思いつつ、
いざとなると、(懇親会では隣に座らせていただいたのに)
考えていたことの100分の1も口にできなかった。
頭の押し入れに押し込んで、見ないふりをしていた自分の浅さやぬるさが、
どばあああああっとぶちまけられた感じ。

しかし絶望というのではまったくなく、
(しばらくは落ち込んだような日々を送るとは思うが)、
これまでに増して、自分という人間を生きることが楽しみでもある。

それにしても…。


2007年10月07日(日) アシオト

7時に起きて、テレビでくんち鑑賞。
龍踊はやはり、友だちが出ているので、平常心では見られなかった。
今年は、川船が最後というので、珍しい&地味すぎない?と思っていたが、
「やっぱり川船がなくちゃね!」という存在感。

見終わって「ふ〜、今年も堪能した〜」と思っていたら、
ピンポーンとホーンが鳴った。
「どちらさまですか〜?」
「シタノカイノモノデス」(ちなみに異国の人)
ガチャ。
「はい」
「アナタノコドモノアシオトウルサイデス」
「…すみません…」

一気にブルーになりつつ、ぼっちゃんを連れて、友だちと「お下り」を見に。
ちょうど傘鉾パレードも見ることができた。
庭先まわりも時々追っかけ、
夜はそのままちょっと飲んで、ばったんキュー。


2007年10月06日(土) 長崎デート

ぼっちゃんデー。
バスと電車を乗り継ぎ、グラバー園へ行ってみる。
バスが大好きなぼっちゃんは、最近、車に乗せようとすると、強力に抵抗する。
今日も、どうせそうだろうな、と、バスの時間に合わせて家を出た。
案の定、車に乗せようとすると、地面に貼り付いて抗議。
「じゃぁバスで行こうか?」と言うと、ひょいと立ち上がって歩き出した。

グラバー園。
市民は無料と思っていたが、9月までだった。
ここまで来て入らないのも悲しいし、泣く泣く600円を払う。

さすがに600円は高いけど、
観光地ながらも、なんだかゆるいグラバー園。
お客さんも、鯉にえさをやったりしてくつろいでいた。
ぼっちゃんも、あちこちばたばた走り回って楽しそう。
景色もいいし、けっこう面白かった。

なぜグラバー園に来たかったかといえば、伝統芸能館である。
くんちの映像がエンドレスで流れているし、船や龍も飾ってあるし、
ぼっちゃん、やっぱり大喜び。
10分の映像は3回見た。

たぶん、昭和の終わりごろの制作なのだろう、
映像には、なんとも懐かしいものがあった。
お諏訪の石畳、後ろに映る家並み、踊る人の顔つき、見ている人の髪型…、
どうしても、どうしたって、変えたくなくても、変わっていくもの…。
ぼーっと見入る。

浜の町で仕事中の「じーじ」と3人でちゃんぽんなど食べ、
DVDレコーダーのリモコンが行方不明なので、
ダンナが撮影編集した番組を見るために、いそいそ帰る。

夜はポトフなど。

それにしても、グラバー園、くんち資料館、ちゃんぽん…長崎すぎる。


2007年10月05日(金) いちどきには、ひとつ。

終日、ぎゅーっと本を読んだり、メモしたり。
本やプリントがたっぷりあって、どれもこれも読みたいけれど、
いちどきに読めるものは、ひとつ。
とにかく選んで読んでゆく。

朝、ベーコンエッグを食べ、昼は気づいたら食べ忘れていた。
夕方買い物に行って、大好きなイチジクを2パック買ったが、
帰りの車で急にお腹が減ってきて、1パック、信号待ちの間に食べた。
こういう時って、異様においしい。

夜は実家へ。
お刺身、玉屋の焼き鳥など。


2007年10月04日(木) 寝起きの龍

イヤイヤマン、朝からパワー最大。
保育園に送るころには、自分の目の焦点が合っていないのがよくわかった。
今日も泣き声に送られる。

ひとつ、ミーティングを終え、平井で一息つく。
「人数揃い」に連れて行こうかどうか迷ってると言ったら、
「そりゃ連れて行かんばさ〜」と言われ、
自分の中で、ぼっちゃんに対して意固地になっていた部分が溶けた。
元々は、
「お昼でお迎えに行って、人数揃いを見に行こう」という気持ちだったのに、
あまりにイヤイヤマンで疲れてしまったので、
「もう知らない!夕方までは離れていたい!」という流れになっていたのだ。
でも、心の底には、
「じゃーぱ、見せたら喜ぶだろうな。衣装も着てるし、見せたいな」
という気持ちも、雪の中のふきのとうのように潜んでいたのだ。

ということで、
今日は休みのダンナと、長浜一番でラーメンをすすり、人数揃いへ。

龍踊りは、今日だけ見れば、かなりイケてなかった。
音とも合ってないし、動きも固いし、大丈夫か?本番は、という感じだったが、
むしろ、それが「人数揃い」である。
これはあくまでもリハーサルなのだ。
久しぶりの踊り、初めて着る衣装、本番をひかえた緊張、
それをうまく自分のものにするのが、人数揃いだ。
くんちのシステムって、何から何までよくできてるけど、
今日の、不機嫌な龍を見ながら、またまた感慨にふけった。
あの龍は、寝起きなのだ。
よくできてるなぁ〜。

コッコデショの時も、「こんなはずでは!」と思ったけど、
町の人から「これで良かと。悪かとこの出たけん」と聞いて、
なるほど、そんなものなのだ、と思った。
夏中、練習して、9月の途中でやめて、10月4日の人数揃い。
そして、10月7日が本番。
身体と頭のヒートアップとクールダウンにとって、
たぶん、絶妙なペースなんじゃないだろうか。

よくできてるなぁ〜。

人数揃いと、公園での遊びで疲れたぼっちゃんは、龍を見ながらお昼寝。
家に帰って、全員お昼寝。
夜は、残りものオンパレード。




2007年10月03日(水) 男同士

1年のうちでも、大好きな夜のひとつ、庭見せ。
おととしは大きい腹で、去年はまだ赤ん坊のぼっちゃんを抱っこして、
今年は「じゃーぱじゃーぱ」と騒ぐぼっちゃんと。

龍踊りに出る友だち3人には、ぼっちゃんの名前でお酒を贈った。
その花紙を一生懸命探した。
墨でしっかり、ぼっちゃんの名前が書いてあった。1歳児からの御花…。

ぼっちゃん憧れの「まっつん」兄さんがいたので、記念撮影。
まっつんに抱っこされつつ、肩に手を回したその写真の顔は、
なんだかもう、「男同士」で、おかしいような、せつないような。
男って、男なんだなぁ。


2007年10月02日(火) まずいのよりイヤ

昨日ある店でお昼ごはんを食べた。
そしたら「お腹いっぱいシアワセ満腹フ〜ごちそうさまでした〜」の、
ぼんやり度マックス状態のところへ、
いまお会計をして「ありがとうございました」と言われたその人から、
私が最近書いた文章への、
少々感情的なものも入った厳しい質問をビュビュビュン、とぶつけられ、
かなり面食らった。
気分的には、トイレの中より丸腰なのに…。
質問の意味もよくわかんなかったし、
私がとまどってる間に、その人はメニューを持って接客に行ったので、
「立ち話でするような話でもないんで…」と、失礼した。

お店を出てからは、質問の意図するところが何だったのか、
また、それに対する自分の答えを考え、
「あぁ、どっちの意味で聞かれていたのだとしても、これでよし」
と思ったのだが、そうすると、
「どうしてあの状態であんなふうに聞くかねぇ…」
というショックと悲しさがこみ上げてきた。
ちゃんと読んでくれているからこそのものだから、
質問に対するお手紙は書こうと思うけれど、
たぶん、もう、しばらくは、あの店には行かないだろう。
おいしいけど、仕方ない。
くつろげない食べ物屋は、まずい食べ物屋よりイヤだ。

でも、これを書きつつ、
いやいや、どんな時でも臨戦態勢に入れないのは修行不足だった、
と、思ったりしているが、やっぱり、凡人なので、食べるときくらいは…。
(逡巡)


2007年10月01日(月) 静かな朝

おお、10月だ。
どうりで涼しい。
この涼しさ、空気の匂いを嗅ぐと、やっぱりぼっちゃんを産んだ日々を思い出す。
痛かったりきばったりしたのは半日だったけど、
今思えば、もっと長いスパンをひっくるめたものが「出産」だった。

そんなぼっちゃんは、布団を着ない。
というよりも、現時点において、我が家で布団を着ているのは私だけだ。
暑がりの2人と、そもそも毛布状のものを身にまとった一匹が、
実に開放的な寝相で眠り、その横でみの虫のような私が眠っている。
そして私だけが最近、やたらと早く目覚め、本など読んだりしている。
(あっ!2年前、出産を前に、やたら朝早く目が覚めたのを反復してるのかも!)
日々の中で、一番静かな時間かもしれない。
子どものころは、とにかく長く眠っていたくて、
目が覚めても無理矢理眠っていたりしたけれど、
今は、目が覚めると、ラッキーだと思う。
寝しなに読もうとして、まったく読めないうちに眠ってしまった本に手を伸ばす。

さぁ、くんちも近いし、とある大挑戦も近いし、
またもや濃い一週間になりそうだ。
誰も起きないうちに、コーヒーでも抽れようか。


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