ぴんよろ日記
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2003年03月29日(土) ムッキーちゃん

私は「アイデア商品」が苦手だ。
「それしか用途が無いもの」と言ってもいい。
かっこわるいなぁ、と思う。
応用がきかない存在というのは、よほどのことがない限り、
人でも物でもかっこわるい。

身近なものでは、ドレッシングがイマイチだと思う。
いろんな味のドレッシングが出ていて、
「ドレッシングは買うものだ」という人が多勢だろうけど、
あんなもんは油と酸っぱい液体と塩があればできるし、
せっかくの野菜を、調味料まみれの強い味で汚すのはもったいない。
その日の気分でチャチャッと作ってしまえばいいのだ。
ドレッシングに限らず、
こんなこというとすぐ「できる人はいいよね」なんて言われたりするんだが、
そういう人は「なんか楽しいことはないかしら」と念仏のように唱えつつ、
口を開けてテレビを見ながら一生を過ごすような人なので知らない。
あ、社交辞令としての「できる人はいいよね〜」は別です。
必要性を感じてない人に、何も言うことは無し。

話を戻して、そういう因数分解できるものは、
特に台所まわりでは減らすように心がけている。
包丁一本でできることは、なるべくやってしまいたい。
万能スライサーみたいなものなどを、便利かも知れないけど、持ちたくない。

でも、最近ひとつだけ心をつかまれた便利グッズがある。
「ムッキーちゃん」だ。
土佐文旦という、和製グレープフルーツのようなおいしい果物があるのだが、
それを取り寄せたところ、オマケで付いてきた。
土佐文旦に限らず、分厚く頑丈な柑橘類を「ムッキー」するものだ。
つめ切りを二まわり大きくしたようなプラスチックの物体で、
2つのパーツに別れる。
1つには小さい爪のようなものが付いている。
これで柑橘類の皮に切れ目を入れて、厚い皮をむく。
そして実の部分を一房ずつ離して、2つめのパーツを手に持つ。
これには溝があって、その中に小さな刃が付いている。
溝に房のとじ目を滑らせると、その刃がとじ目をスパッと切ってくれる。
すると、するすると皮が向きやすくなるという寸法。

たしかに包丁でやってやれないことはない。
でも無駄は出るし、たとえば屋外で剥きたい時など、
包丁やナイフには気を使うけど、ムッキーちゃんなら気軽に持って出られる。
ムッキーちゃんを手にしてから、やたらと皮が厚い柑橘類を食べるようになった。
今までは面倒だな、と思っていたことが、この簡単な道具で好きになれた。

私はこれからムッキーちゃんと生きていこう。


2003年03月26日(水) たまには日記らしい日記を。

久しぶりのテレビの仕事で遅い日が続いて、
今日の午前中にそれがひとまず終わった。
これまた久しぶりに会うハハと楽しく昼ごはんを食べて、
一度家に帰って、懸案事項だった掃除と洗濯物たたみをして、
見たいと思っていた映画「チョムスキー9・11」を見に行った。
チョムスキーさんの心の熱い静けさと深い知性に包まれ、
プレイヤーもないのにその映画のDVDを買った。本も。
Tシャツも買おうかと思ったけど、あまり好きな色ではなかったのでやめた。
ちょっと街を歩いた。
最近あまり歩いていない上に、不健康な暮らしだったので、どんどん歩いた。
やけに猫と出会った。
本屋に行ったけど、ピンと来るものが無く、買わず。
1冊、テーマと切り口は好みだったけど、文章が嫌いだったので買わなかったものもあった。
私よりもはるかに年上の女性が書いた本だったのだが、
「アタシ的には」という言葉が散らばっていた。
話し言葉としては、タバコと同じで、
自分は使わないけど人が使う分にはあまり気にしない。
でも文章として読みたくはないのだ。
ハードオフに行って、気になっているアンプがあるのを確認。
お粥の店で豆乳粥を食べる。フキの白和えがおいしい。
食べながら、隣と、その隣にいたそれぞれ女性2人組の話がイヤでも耳に入ってきて、
それが延々と人の噂や悪口などだったので、
お粥のおいしさに気持ちを集中させるように食べた。
いちばん、いろんなことを憎々しげに語っていた人は、
予想通り、そのお粥の味が薄いと言って、塩をどっさり入れていた。
その人はきっとそうするだろうと思っていた。
それから電話がかかってきて、ひとつ、お仕事の話をしに行ったけど、
どうしてもできないと思ったので断った。
広い長崎で、この人とだけはもう仕事はしたくないという人が、
ピンポイントに担当だと聞いてしまったので。
申し訳ないが軽い気持ちになって建物を出ると、
飲み会に行く途中のダンナと会った。
偶然とは言え、縁のある人だと感心した。
もうひとところに寄って用事を済ませたあと、また別の本屋に行くと、
クリモトさんの本を「ひきこもり」とか「自殺」といったテーマの棚で見かけて驚く。
帯に狩須マオさんが「自殺したいと思っている人に効く」とかなんとか書いていたからだろう。
違うとは言い切れないけど、違和感はぬぐえなかった。
そしてやっぱり読みたい本が無くて、バスに乗った。
この本屋さんは、大きいのは大きいのだが、なんだか本が見つからない。
その理由は最近解明されたのだが、また別の機会にしましょう。

さて、これからお風呂に入って、そのままお風呂でチョムスキーさんの本を読む予定。
もうひとつの予定は泥酔者の搬送。おやすみなさい。




2003年03月17日(月) 春ジャンキー。

もうここ2、3日、花粉症の薬を飲んでいない。
けっこう平気だ。うれしい。
生薬中心と書いてあるものを、いちおう気休めに選んではいたのだが、
それでも薬を毎日体に入れることには抵抗がある。
しかし、花粉症だけは、その抵抗心を打ち砕いてあまりあるつらさなので、
仕方なく飲み続けていた。

だから、麻薬にとりつかれてしまった人の「どうしようもなさ」を、
少しは想像することができる。

私も花粉症がひどい年、薬をうっかり切らしてしまったことがある。
そのときは病院にかかっていた。
土曜日だった。本当なら休みだ。
でも出てきてもらって、処方箋を書いてもらった。
もうほんと、絵に描いたようにドアをどんどん叩いて、
「たのみますおねがいしますもう後生ですから〜!」という感じなのだ。
完全にジャンキーだ。
薬さえ飲めば、スッとするところも見事だ。

でも薬には「効く」部分の他に、いろいろイヤなところがあるような気がしてならなくて、
できることなら飲みたくない。
そして、こうやって、飲み続けていた薬を飲まなくてもよくなると、
そういうイヤなところが残留している気がしてしまう。

でも今年の春ジャンキーも、そろそろ終わりのようだ。
今日の麦飯石サウナで、かなり残留物を掃除できたような気もするし、
これからは素直に春という季節を満喫したい。花見など。




2003年03月16日(日) このままじゃ早死にする。(のろけ)

ちょうど7年前の今ごろ、
ダンナと仲良くなった。
知っている人は知っているが、
周囲が迷惑するほどの大恋愛であった。
それからもう7年も経っている。
その速さは恐ろしいほどだ。
このまま行けば、アッという間に10年や20年は過ぎるだろう。
そしてあれよあれよとお迎えが来る。
恐ろしい男と逢ってしまったものだ。


2003年03月07日(金) それでいいの!?

「あなたは絶対守られている」
「あなたは絶対運がいい」
…そんな本が売れているらしい。
私は「絶対」という人を信じないし、
「自分を好きになる」とか「自分探し」的なものがとても苦手なので、
まったく読もうとは思ってなかったんだけど、
あまりにも本屋の目立つところに平積みされている期間が長いので、
「たくさんの人が求めているものって、どんなもんなんだろう」と思い、
パラリとめくってみた。
いやー、びっくりした。
たまたま見た1ページで、もうダメだった。
そこにはこういう主旨のことがかいてあった。
「何かしようとして、でも何だかうまく行かないというときがよくあるけど、
それは『邪霊』が邪魔しているときが多いのです」
じゃ、邪霊!!!?
そんなもんのせいにしてしまうの???
「大切なシグナルかもしれないトラブル」を「邪霊」のせいにして、
そんで「守られてる」とか「運がいい」なんて言っちゃうの???

うっそだー!

もしかしたら他のページに、めくるめくすばらしい世界が展開されてるのかもしれないけど、
私はこの一文で充分だった。もういちど声を大にして言おう。

うっそだー!

世も末じゃのう…。
これから信号に引っかかったら「邪霊のせいだ」と思うことにしようっと。


2003年03月06日(木) わりと女の子。

ずっと前に「『アメリ』が身にしみなかった(去年の9月22日の日記参照)」ことで、
自分の「女子度の低さ」を強く感じたことがあったが、
ここへ来て、身近なところに「女子」がいることが発覚した。
ダンナである。
「あれ?」と思ったのは、湯布院に行ったときだった。
湯布院は初めてと言うので、
いかにも湯布院なバーで飲んだり、
いかにも湯布院な喫茶店でアップルパイを食べたりしたのだが、
その後、しょっちゅう湯布院についてウットリ語る。
それがなんだか「女子」が喜んでる感じなのだ。
「ためしに」と思って「レゾネイトクラブくじゅう」に行ったら、
やっぱりとても喜んでいる。
いや、私だって湯布院も久住も好きだから行くんだけど、
彼の場合は「黒川温泉ってアコガレる〜(ハートマーク)」的なよろこびなのだ。
(黒川温泉は、私はあんまり好きじゃないので、
こないだ通ったときに
「ホラホラ、なんだかじっとりした谷間にあって、景色も良くない」
「うわー、この手書きの看板がわざとらしー」
「癒しだなんて、ゲー」などと悪口を言い「行きたい欲」をそいでおいた。)

で、最近、ダンナの「女子」を決定づける発言が飛び出した。
正直、ここまでとは思っていなかった。
「大きな水族館でイルカが見たい」
…。
イルカ、ねぇ。
長崎港のバンドウイルカじゃダメ?

ということで、近々「海の中道」にでも行くことにしよう…。





2003年03月05日(水) ハラマキ夫婦。

腹巻きをして寝ている。
夫婦そろって。
色気ゼロ。
昨日なんか、腹巻きをして、
首のとこに3つボタンがある白っぽいTシャツを着て、
あぐらをかいてビールを飲んでいたら、
ダンナの口が、まさに開いたままふさがらなかった。
私のあまりのオヤジさ加減に恐れをなしていたようだ。
首からお守りを下げれば完璧だ。
もちろん足元は雪駄で決まり。

腹巻きとはいえ、薄くてチェック柄のかわいいものなのだが、
まー、腹巻きは腹巻きである。
でもこの腹巻き、ほんと、いいんです。
お腹と背中をあっためることが、こんなにも気持ちがいいとは。
深酔いからの回復度も高い気がする。
美的価値観が許す方にはおすすめします。


2003年03月03日(月) 趣味の見間違い。

こないだ本屋で立ち読みしていたら、
「即買い!」と思わされるタイトルが目に入った。
「そうか〜、地味なジャンルだけど、好きな人も多いのか〜、
しかもこんなに目立つところに…」
そう思って足早に駆け寄ると、一字違いで、ぜんぜん違っていた。
そして「そりゃそうだよな…フッ」と自嘲気味に笑ってしまった。

正しいタイトルは、今をときめく…

「武蔵をめぐる旅 完全ガイド」

私がときめいてしまったのは…

「地蔵をめぐる旅 完全ガイド」

めぐりたかったなぁ、地蔵。完全ガイドで。


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