長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年04月29日(土)

 嗚呼、そうか。私にとっては、「遊び」と雖も所詮 義務 でしかなかったというわけか。そりゃあ、毎度毎度疲れるわけだ。

 兄さんが居なくて、私は束の間の自由を手に入れる筈だったのに、手に入れた筈だったのに。何だ、却って状況は悪化しているみたいで、否、確然と状況は悪化していて、アオい空が鬱陶しく思われるくらいには、理由も無く涙が流れるくらいには、苛立ちで切らずにはいられなくなるくらいには、酷いのだ。兄さんはといえば、五月二日には退院してくるらしくて。逃げたいとは思えども、逃避するだけの時間的猶予も金銭的余裕も無い。


 厭な夢を見たんだ。
 私がリスカしているのを、母親に見つかった夢。兄に告げ口されたんだ。なんで兄に、そして母に、バレたんだろう。夢の中の私はとっても不思議がっていて、其れでいてちっとも意に介していないようだった。眼が覚めて、私は愕然としたけれども。――所詮夢じゃないか。そのようにも思った。だって、見つかるわけがない、あの人たちに。私のことなんか見ていなかった、今猶見ていない、そんな人たちに。

 傷には全て理由があって、私の傷だって当然理由を潜めていて、私は其の理由を知って、理解して、受け入れているのに、受け入れているからこそ、私は左腕の傷を、一生携えていくのだろう。切るか切らないかは、私にとっては然程重要ではない。問題は、其処に傷があるかどうかだけであって。



2006年04月26日(水) 選択

 兄さんの十日だか二週間だかの入院が決定して、漸く落ち着くものだと感じていた。でも――何、此の厭な感覚は。嫌悪感が、拭えない。ぐにゃりとした不快なものを摑まされたような、或いは、そう、不吉な塊を携えているような。

 幾等切っても切り足りないと、幾等流しても流し足りないと、そう思うのは何時以来だろう。忘れかけていた赤い色彩に対しての嫌悪感が、次第に強まってゆく。左の腕が疼く度に、眉間に深く縦皺を刻み込みそうになる。――何。回帰する。回帰、蒼い色彩に。其れは多分私を最も良く表している色彩の一つで――白と黒が装いならば、蒼は決して身に纏いはしないけれども内側に秘めたる色彩。アヲ。一週間前よりも強く、意識してクルスを身に付けている。其れが、行き場の無い苛立ちを嫌悪感と、憎しみにも近しい何かを 消化/昇華 してくれるような気がしている。
 ――スピリチュアルなものに惹かれる傾向は、昔からあった。其れが、こんな形で現れようとは、思いもしなかったけれど。


 また、暫く、ネットから離れた方が良いのかな、と思う。否、離れるべきなのか、自身が離れたいと思っているのか、それとも第三者的視点に立って離れた方が良いという判断なのか。兄さんが家に戻って来れば、どうせ再び元の生活――私にとっては決して好ましいとは言えない生活――に戻るのであろうけれども、今は若しかすると非常に貴重とも言える時間なのかも知れないけれども、私は、久しく、如何しようかと自分の選択する道を決め兼ねている。



2006年04月18日(火)  †

 十字架を求めてしまう時期がある。
 黒い色彩を求めてしまう時期がある。
 ゴシックの様式を求めてしまう時期がある。


 ……自己嫌悪の時期だなぁ。



2006年04月16日(日)

 嗚呼、私って、まだ切れるんだ。

 少しだけ安堵した自分が居たことに、吃驚した。
 ……………………。


 人間不信は、嗚呼、未だ続いていたのだ。自覚してなかったとしても、無意識だったとしても、そういうことには一切関係無く。誰かに見せ付ける為のものではないから、私は絶対に瘢痕を見つからないようにする。隠す。夏場でも上着を着るのに、地元が北であることと、私自身が筋金入りの寒がりであるということは、非常に都合が良かった。腕の、中程の、内側であれば、見付かり難いことなんて考えるまでも無かった。未だに見つかっていない瘢痕に、何時も安堵していた。特に、家族に見つかっていないということは。だって、私は私の家族が大嫌いだ。私自身も、同じくらいに大嫌いだ。
 痛みは、其れが如何なる種類のものであっても、我慢できる。だって、痛みは絶対に他者に伝わらない。


 久々に流れた赤い血は、まだ生きていくのに充分な熱を持っていた。



2006年04月12日(水)

 数回のガイダンス。健康診断諸々と、履修登録。序でに大学でのアルバイトの登録も終えて、先週の土曜から通常授業は既に始まっている。私自身は、実際平日毎日通学する事になるのだけれども、授業自体は水曜日のゼミナールと卒論だけ。木曜日はもぐりのゼミで、月火金は図書館だったりリテラシーTAだったりのアルバイトの為だけに通学することになる。――憂鬱だ。

 今日は久々のゼミで、二ヶ月振りに学友達と顔を合わせた事になる。就職活動の近況などを聞いていると、頭が痛くなる。焦る――私は就活の代わりに受験勉強をして、皆が今面接を受けているのに私の試験は二月頭で、内定を貰い始めている人が既にいるのに私の合否通知は二月半ばだ。焦らない筈が無い。大学受験は皆一斉だったけれど、今は私一人明らかに取り残されている。


 加速し始める時間。
 痛みを麻痺させる毒。
 傷を覆う見せ掛けの鎧。
 割れた滴の破片が散らばった大地を踏み締めるように、私は、時間軸を遵守している。



2006年04月01日(土)

 雪解け水で、庭が、大洪水。

 穢れが溜まって、自分の中に沈殿して、排出されない感じ。でも、私は如何やったら此の穢れを取り除くことが出来るのか、其の方法を知らない。


 図書館アルバイトの件で、派遣元のリーダーと一悶着。学生だからと莫迦に見られるのも、女だからと甘く見られるのも、我慢ならない。妥協するべきところじゃない。第一私は時給の件でかなり妥協している。況して私は短期留学中に無断で解雇された挙句、一年後に「復帰して欲しい」と言われた上に厳しい条件を呑んで此処に居るのだから(だって850円から720円だもの、時給マイナス130円、おまけに勤務時間は講義の90分単位から連続5時間体制)。只でも苛ついている状況下で「明日出勤です」と言われて腹立たない奴が何処に居るだろう。其れでも。其れでも、私は、同じ学生アルバイトから上記のような苛立ちの愚痴メールを貰った時に、ただ自分の苛立ちを返すだけじゃなく、同意しつつ、励ましつつ、相手の気を抑え、鎮めてやらなければならない。そう、思ってしまうが故に、其れを為さなければならないと思うのだ。

 人間なんて大嫌い。だって、私は、自分自身が大嫌いだもの。










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