長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年05月31日(水)

 殺したいと思ってしまうほどに、苛立ちを覚えさせられる。私の、全てを奪ってゆく、奪われる。


 遣らなければいけないことがたくさんあって、うんざりする。何をする気力も無い。只管に――眠いだけ。もっと長い時間眠っていたいと思って無理矢理にでも睡眠時間を作ったって、五時間もすれば自然と覚醒してしまう。低血圧で直ぐには起き上がれないくせに、二度目の眠りに入ることは許されないらしい。――雨音が、耳に障る。夢の中で触れた誰かの温かさだけが残っていて、白黒の世界は閉じる。現実は色鮮やかで、とても寒い。朝も、昼も、夜さえも――心休まるときはなく、私は、悲劇のヒロインになることもなくて、ひたひたと日々を過ごしている。鬼の監視だけは変わらないのに。未来も過去も、摘み取られてゆく。思いを馳せる場所も無い。そう、例えば――夢の中以外には。



2006年05月06日(土)

 嗚呼ほら、此の痛みは罪とか咎とか報いとか、そういう因果応報の類のものなのだ、きっと。全しの善人なんて存在しないから、私も、何かしら抱えている、絶対に拭い去れないものを。神様は信じられなくても、原罪は信じられる。生まれてくること自体が罪だというのなら。何を、迷うことがあるというのだろうか。

 兄さんは一週間ほどで退院して、私の生活は、日常は、以前にも増して悲惨なものになっている。早く連休なんか明けてしまえ。私の本当の日常を、返せ。働いているときはそういうことに対して無心になれる。仕事のことだけ考えていれば良い。図書館も、リテラシーTAも。ゼミの予習も卒論も受験勉強も、家では捗らなくて、地下鉄の中やらカフェやら、本来の目的とは違う使用方法で活用する。何処だって集中なんて続かない。全部、大っ嫌いだ。

 私のことを私だと知らなかった人に、会った。友人の紹介(?)で、唐突に引き合う、引き合わされる、否、出逢う。こういう不意打ちのような出逢いは――嫌いではないけれど、格別好きでもない。確かに、何時か会ってみたいなぁと思っていた人だった。だから好きではない出会いの理由は別にある。私は――私のことを私だと知らない人に会うのが、好きではないのだ。私のことを私だと知らなかった人が、私の事を私だと認識するようになる。其れが、嫌い。私は、私のことを私だと知る人が居ない地に行きたいと常思っている。私は、臆病だ。なんて、不様。


 遠くから聞こえる、歌声が耳に障る。胃が痛む。子宮が痛む。眉を顰め、眼を細め、私は気張るだろう。










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