長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2004年02月29日(日) 閏の日

 私は、此の感情の正体を知らない。
 肺が押し潰されるような息苦しさも、心臓を握り取られたような鼓動も、内側から凍り付くような寒さも。此の身体に確かに感じるけれど、私は此の感情が何という名前を持っているのか、知らない。

 相も変わらず夢を見続けるので幼い頃の厭な記憶を思い返しつつ、床に就く。朝が来なければ良い、と思ったことは数え切れないほどあるけれど、最近は寧ろ明日が来なければ良い、くらいの勢いで。低血圧は常のこと。目覚めてから起き上がるのに数十分、ベッドから降りて行動起こすまでに一時間ほど。――無論、学校のある日はこんなに時間を費やせないが。
 本棚を漁りつつ、片っ端から読みつつ、創作は進まない。――部活は期限決められてしまったけれど。矢っ張り無理だと思う、あの御題は。然しまあ書かないわけにもいかないので色々沢山並行しながら一応書く。
 如何にも感動の度合いが低い。日常的に感動する必要性なんて求めないけれど、偶には心動かされないとやる気を失う。やる気。或いは生きる気力。

 日数が一日二日短いだけなのに如月は異常に短い気がするのは、きっと休みボケなのだろうけれど。
 ……そろそろ色々様々本気出さなきゃ時間が勿体無いな。



2004年02月27日(金)

 髪切った。(無意味に威張る。
 20cmも切ったのよ、もう「本当に切ったの?」とは言わせない。……嗚呼さようなら、私の長い黒髪さん。

 気が変わらないうちに、と思っただけなのだけれどね。きっと後二、三日も経てば切る気にはならなかっただろうから。
 長く伸ばしていた髪を突然、訳も無く切るのは自傷行為に似ていると何かで読んだ気がする。確かに、そうかも知れないとも思う。余り自覚無いけれど、何と無く。私は切った髪を後生大事に取っておくつもりなんて無いけれど、聞けば切った髪を保管しておく人も多いとか。中には定期的にトリートメントかけるとか。切った髪に、である。
 ――正直、解らなくも無い。単に私は面倒屋なのでそういったことには向かないだけかも知れない。もっとまめで、或いは執着する正確だったら、遣っているかも知れない。

 執着は私の最も嫌うところでもある。私が一番嫌いな質問は「○○の中で一番好きなもの、印象に残っているものは?」とかいうもの。よくある my favorit.... というものだが。記憶には残るが其の中で順位を付けるなど私にとっては無意味な行為でしかない。特に印象に残っているもの、などと言われても印象の残り方が違う。感動云々の問題ではない。意図して「忘れたくない」という分類にしない限り、記憶は無意識無差別に全てを受容していくだけである。少なくとも私の記憶意識はそうなっている。
 識閾下での処理能力なんて調べようが無いけれど。

 呼吸をするのが息苦しくなった時、水の中に還りたくなる。夢の中に逃げ場が無いのであれば、いっそ呼吸などしなくて良い世界に。
 ――莫迦莫迦しいけれど。



2004年02月26日(木) 血とかの無慈悲

 似ている。そう思うだけで、其れを考えるだけで、虫酸が走る。

 血、とか。遺伝、とか。そういうものを信じたくは無い。私は私であり、他人は他人であるのだと、思いたい。


 残酷無慈悲な夢の中で私は落ちる。生涯、夢の中で何度落ちるか知れない。意味も無く訳も知らされず、只落ちるだけ。之で景色が良いとかそういう現象でもおまけに付いて来ればまだ許せるが、色も無し景色も無しのとことん迷惑な落下状況。
 何せ夢である以上仮説を立てることも出来ず検証を行うことも出来ず理論なんて無駄以外の何物でも無い。怪我をしないから良いというものではない。自分の不注意から落ちるのであれば如何にかするのに。夢とは、まこと残酷無慈悲。

 寒くなったり暖かくなったり神様が居るのなら文句の一つも言いたいところなのだけれど、天候に逆らおうとしている姿の方が莫迦らしいので辞める。
 人間が一番無慈悲だな、とも思ったりする今日此の頃。



2004年02月25日(水) 夜、の、

 細い月が地上を見張る。漆黒の夜天に、大地には星の吐息さえ届きはしないのに、月は一人、孤高に、周遊するだけなのに。

 不調。体調も、心理も。沈鬱。辛うじて読書と独検の勉強だけは続ける。TOEICの勉強はしていない。……まだ期間あるし、投遣り。創作拒絶中。何時ものことだから、きっとすぐに治る、始められる。
 夢の途中で目が醒める。厭な夢。最近見たものは全て、記憶している。だから、厭。覚えている夢に碌なものは無い。夢なんて、目覚めた瞬間記憶の彼方へ、忘却してしまえば良いのに。

 諦めた自由に、手を伸ばしたくなる。未だ、一年しか経っていないのに。後、最低三年。浪人していた友人が受験真最中で、其の連絡を受ける所為だろうか、或いは、嫉妬にも似た感情を嫌悪する。

 怠惰ゆえの不安定。其れは、一種私の願望でもある。安定は、不可ない。刹那な希望の光は細く、泡沫の夢の中でのみ閃く。
 星は私の頭上に煌かない。都会の光は、ささやかな願いを遮る紗幕となって私に殺意を募らせる。



2004年02月23日(月) 現状

 ――――現在半死状態。理由問う可からず。



2004年02月20日(金) 単彩の夢見

 夢を見る。無論、何時も通り白黒で色は一切無い。モノクロの夢。
 夜の深い眠りの中で。白昼の微睡みの中で。絶え間無く、眼を閉じるたびに見る夢。

 内容は常に一致しない。関連性も無い。自分の視線で物を見、人を見、自分の脳で思考し、結論を出し、自分の四肢が行動する。其れだけが共通。自分自身を客観的に見詰めることは無い。
 如何に異常な状況下にあっても、何故か冷静に物事を分析している。其れは確かに私の理想ではあるだろうが、はっきり言って現実で此処まで冷静になれる自信は皆無。
 夢の中ならどんな事でも許される、とはいかない。夢の中、私自身は常に不利な立場に立たされている。
 物理的に。精神的に。追い詰められているというよりは、本当に状況が不利。つまり、何か、或いは誰か、対象が居る。其の対象と比べて、自分の方が明らかに不利。
 何が不利なのかと問われると、其れこそ御都合主義の夢の中なのだが。兎に角、不利な状況は何時まで経っても不利でしかなく、好転することは無い。好転する前に意識は覚醒してしまう。

 久しく見ないと思ったら、最近は続けて見る。――面白くない。
 私は、夢なるものに対して昔から良い記憶は無い。


 …………。
 現実だろうが夢の中だろうがネット上だろうが、雑踏は矢張り苦手。苦痛。拒絶。



2004年02月19日(木) 衰える

 使わない能力というものはどんどん鈍くなっていくわけで――体力然り、文章力然り、絵心(?)然り、思考能力も然り。ピアノだって日常的に弾かなければ指は鈍くなる一方。歯止めは利かない。歯止めを掛ける為には、もう一度始めるしかない。
 日本語だって、普段使っている――喋っている――と侮っていては、多分いけない。
 携帯だろうがパソコンだろうがキィ一つで変換してくれるのが最近。漢字。咄嗟に出てこないことも、ある。
 辞書引き。電子手帳に頼り切っていた半年間で、辞書引きが可也遅くなっていることに気付く。結構自信あったのよ、辞書捲り。周囲の人間の誰よりも早かったのに。今では、如何か知れない。
 ……ヤヴァイ。

 因みに。「やばい」というのは自分の身が不都合な時、特に盗賊などが官憲に追われてとても危険な状態に迫られている時に用いる隠語らしい。現代、最早隠語でもなんでも無いような気もするけれど。尤も、公式の場では矢張り遣いたくない単語の一つだろう か。


 ところで。私の技量ではオエビに向かないことが判明した。当然よね、一枚の絵を書き上げるのに三日掻ける人間だもの。
 ということで御免なさい。(私信気味)



2004年02月17日(火) 難読漢字?

 最近は大学へ行かない所為か、春休みに安住している所為か、単に無気力の所為か、兎に角別段日記に記すような出来事も感情も無い。
 なので。
 例のセクハラ小学生の家庭教師は残すところ一ヶ月程だし。
 最近の小学生ネタ。(語弊有。最近の「極々々々一部の」小学生)

 国語。漢字の読み。(難易度:小学校卒業程度)
・降る 「おる」 惜しいのよね、「降りる」と勘違い。
・降水量 「おすいりょう」 だから惜しいけど違うのよ。
・肺 「し」 確かに市は在るけれど「し」なる読み方は無い筈。
・親孝行 「おみい」 ?(親のお、行のい、孝は?)
・通勤 「つどう」 動?働?「勤」と似てる?
・従順 「じゅんじゅん」 微妙なのよね。
・陛下 「かいか」 「階下」だと思っているらしく何度遣っても間違える。
・肥える 「たえる」 耐えてきたんだろうな……。(違?
・穀物 「きもの」 まさか「毅」と間違えたんじゃ……!
・松竹梅 「まつたけ」 秋の味覚。……梅は?
・著書 「しょうぼうしゃ」 ……???(激しく混乱中

 以上、極一部の御紹介。
 気が向かないからきっと二度と遣らない。



2004年02月16日(月) 不知の連ね

 昨日一転。今日は何故か創作に燃える。一寸しか書いてないけれど。……ていうか、与えられたテェマ、難し過ぎます。部員の何人があのテェマで書き上げられるんですか! 吐気とか超・難しいです。(私信気味)

 低迷する。
 興味も無く執着も無く、無駄な時間が積み重ねられてゆく。無駄の何が悪いというの。無駄の何処が不可ないというの。そう問い続けながら更なる無駄を積み重ねてゆく。
 海と空の境界線を知らず、其の奥に在る宇宙の存在だけを知る。空の高さは知らず、海の深さを知る。或いは、海の浅さを知る。大地の厚みは知らず、大地の広さを知る。或いは、大地の狭さを知る。大気の暖かさを知り、宇宙の冷たさを知らず。宇宙の存在を知り、宇宙の果てを知らず。地球の果てを知らず、地球の限りを知る。

 独検に向けて勉強を始める。受験の気負いが無い所為だろうか、英語も独逸語も莫迦みたいに捗る。……過去が、莫迦莫迦しい。



2004年02月15日(日) 時満ちず

 何かねぇ……しっくり来ないというか、釈然としないというか。靄々。

 詩紛いのものを連々と書き殴った紙は、芥箱行き。
 小説の始めを幾つも綴り思い浮かんだ会話を書き殴った紙も、芥箱行き。
 鉛筆の先を動かして描かれた落書きは、消しゴムによって消される。
 残るのは、白紙のみ。

 日常の生活リズムが狂っている所為かしら。まだ一ヵ月半も春休みは残っているのに。即ち、此の生活が後一ヵ月半は続くことになる。恐ろしいのは其の後。新学期が始まったら――こんな調子で大丈夫かしら。
 起床時刻は普段と然程変わらず。就寝時刻が可也遅いので睡眠時間が短いということに、なる。取り敢えず頭痛の原因は其れだろうが。

 雨垂れ。雪解け水が軒先から落ちたのではない。春の雨。三日後には最高気温が再び氷点下、解けて凍った路面に雪が積もる。春の北国。風は、冬の名残と春の訪れを同時に告げる。夕方の、真昼の暖かさと夜の冷たさを同時に含んだ空気のように、曖昧に、混じり合う。

 伸びた前髪がそろそろ鬱陶しい。切ろうか切るまいか、其れすら悩む。



2004年02月12日(木) 羅列、殻を割る行為

何か澱のようなものが足許から溜まっていき、
其処に埋もれ身動きが取れなくなり、
林立する高層建築の隙間に沈む太陽を眺め、
其の背に林立する高層建築の隙間から昇る月を眺め、
瞑目し、
胎内への回帰を望み、
卵の殻の内部に閉じ篭もり、
満たされぬ欲に飢え、
激しい血流に身を捩り、
四肢を弛緩させ、
虚脱し、
鼓膜を震わせ、
明滅の星を見詰め、
殻を叩き、
皹を入れ、
歯を立てて皮を齧り、
爪を立てて肉を切り裂き、
髪を振り乱し、
殻を叩き、
皹を入れ、
夜の静謐に微笑み、
病的な被写体を網膜に映し、
脆弱な心に蓋をして、
刹那の癒しを求め、
無への願望も求め、
殻を叩き、
皹を入れ、
他者を拒絶し、
同調を嫌悪し、
弱者を憐れみ、
世界を傲慢に把握し、
危険な思考を持って、
殻を叩き、
皹を入れ、
破滅への憧憬と共に、
構築した殻を破壊する、
虚しい思考時間。


 指輪の二作目ー……見たいけれど、DVDが三巻揃ってから全部通して見るつもり。先は長い。



2004年02月10日(火) 充たされぬ隙間

 スカボロー・フェアをラヂオで聴いた。なんて哀しい曲。聴き慣れた曲の筈だけれど。

 「親しき仲にも礼儀あり」には大いに賛成なのだけれど、親族間でも之は通用するものかしら。子が親に礼儀を払うことと、親が子に礼儀を払うこと。
 第三者の目から見て、如何だって構わない。仲睦まじく見えようと、其れが本当とは限らないことを、知っている。或いは、感情とは常に一方通行であることを知っている。自分を殺し他者に合わせるということが如何に容易且つ困難であることかも、知っている。
 暗黙の条件というものは、何処にであるものだろう。どのような関係の中にでも、あるもの。私が、両親、殊に母に、そして兄に、決して逆らわないように。不満を口にしないように。私生活の愚痴を洩らさぬように。常に機智に富んでいるようにあれと。私にとって見れば他人の理想を、私自身の理想と掲げて。――幼少時よりそんな中で生活していれば、最早自分自身の理想など何処に在るか知れないわけだけれども。
 神様が見過ごした瞬間。私が此処ではないアナログの日記の中でそう形容する瞬間を、忘れはしない。生まれて初めて味わった絶望と恐怖。生と死の関連性さえ容易に想像させてしまった、神様の盲点。

 或る女性が、「強くなりたいなんて願わなければ良かった」と記していた言葉をよく反芻する。私は、今でも強くなりたいと願っている。



2004年02月09日(月) ゆめうつつ

 ええと…………頑張って?(100%此処を見ることの無い友人へ宛て私信)

 歩く。立春を過ぎて、でも北国は変わらずに冬の寒さを残している。今日の最高気温が氷点下2度くらいで、観測時刻が正午過ぎ。明日の最低気温――大抵は早朝六時、若しくは日の出直前の気温――が氷点下10度。多分、歩いたのは氷点下5、6度くらいの時間帯。……30分も歩けば身体も冷えるし頭痛もする。夏場に同じ道を歩くよりも暗く寒いのは当たり前。
 一週間経って分数の加減乗除を忘れる小学生。漢字の音訓の区別もつかない。英語なんて遣るだけ無駄。何故かアルファベット小文字 e を一筆書きでは書けない。何故か e を二画で書く。 a と q の区別もつかない。 b と d を間違えるのは当たり前の出来事らしい。大文字 I と小文字 l を間違えるのも然り。
 最近の小学生が――皆こうであるとの認識は、無い。そうだったら絶望的。ヤヴァ過ぎ。一方で、自分は経験したことが無いほど悲惨な、現状を持っている小学生が居るのも、確か。
 私自身のことを棚に上げて書くが――一度其の頭の中を解剖してみたいと思うほど。彼がわからないのは何か、ということが、私にはわからない。此処まで、無理解になれるものかしら。日常の思考の皆無。自信の皆無。過去の否定。或いは、未来への絶望。明日は不変であると信じ切っている節さえある。
 歩く。頭寒足熱というけれど、此の行為は宛ら精神の冷却作業。体内の熱は滞る。其の流れを緩め、無音で、鎮まる。

 雲は然程多く無かったけれど。建物との位置関係と時刻が、悪かったのか。満月を過ぎて二、三日だから、20時には、見えると思ったのだけれど。
 今日は、月が、見えなかった。


 追記。BOSS:675字。若しかしてそろそろ終わりが見えてきたんじゃないかしら?



2004年02月08日(日) 蒐集嫌いの本棚

 不調。インフルエンザではない。未だ、大丈夫。

 高校の時に使っていた教科書やら参考書やらを、後生大事に取ってある。特に意味は無い、と思う。偶に、見返す。数学だって化学だって物理だって、当時は悩んで悩んで悩み抜いた末に覚えた計算式が、一年間其れに触れていなかった筈なのに今はいとも簡単に理解できる。三日会わざれば――って奴かしら、とか。思う。国語総攬はよく使う。とても、役に立つ。如何して皆あれほど役に立つものを使わないのだろうと、不思議に思うくらい。
 本棚の整理は定期的に遣る。月に数冊は増えていくし、古い本を読み返したくなることもあるし。表に出した侭にしておくと日に焼けることもあるし。そういう理由から、定期的に本棚の整理をする。一番迷うのは著者別にするか出版社別にするかなのだけれど、其れは気分によりけり。
 ――私は蒐集嫌いなので実は本の所有数は少ない、と思う。なので本来なら一、二時間もあれば終わる量なのだろうけれど。本を引っ掻き回しているとつい読んでしまうので……大抵数時間では終わらない。三日で終われば早い方かしら。目安は、一週間以内。

 明日の夜は家庭教師、小学生。本来は、勿論火曜日。今週は水曜日が休日なので曜日を変えて欲しい、とか何とか。休みが重なる度に曜日も時間も変えられると此方も困るのよね。先方だけの都合になんて合わせてられやしない。
 ……後二ヶ月の我慢。

 追記。
 MLって……便利なのか不便なのか判らなくなってきた。



2004年02月07日(土) 悪循環の周期は訪れる

 ……指輪の二作目がとても見たい。

 周期。睡魔の次は不眠。来たよ来たよ、眠れない日々。不眠と夜更かしが等号で結ばれるくらい相性の良いものだったら良かったのに。不眠時期に夜更かしは向かない。只疲労の度合いを深めるだけ。
 ――そういう時期に。変な時刻に携帯が喧しく音を立てるのね。友人からの全く以って本当に如何でも良い惚気メェルだったり、鬱陶しい事此の上無い迷惑メェルだったり、何処の誰か知れない電話の着信だったり。……深い眠りに落ちていれば、真夜中の着信音には気付かない事もある。其れは、眠くて眠くて仕方が無い時期に多い。常に浅い眠りを彷徨っているような感覚の中では着信音にも気付く。というか、小さな物音一つで目が醒める。

 迷惑メェルも悪戯電話もねぇ……せめて時間を考えて送って欲しい。


 異常なまでに敏感になる。一つ一つの言葉に対して――其の含みに対して。静電気を引き起こす毛の一本に対して。何かと何かの距離に対して。幾つかの事象の境界線に対して。
 過敏になればなるほど、当然のように気力は消耗していく。



2004年02月06日(金) 満たされない穴と狂いと欠けたもの

 何かが微妙に狂い始めて、元に戻らない。機械仕掛けの時計塔の内部で小さな歯車が一つだけ欠けてしまったように。一つでも欠ければ、もう二度と動かなくなってしまうように。もう二度と、元通りには戻らないように。

 緩やかに蔓延していく怠惰と弛緩する感覚。或いは、鋭敏化し過ぎて麻痺してしまった感覚と緊張。ぼやけて輪郭の判然としない視界の中で蠢く人間の四肢。何処までも犇き合って、鳴り止まない音が鼓膜を振動させ続けるように、肌のあらゆる部位に隙間無く針が突き刺さるように、何かに刺激を与えて止まない。

 地上を見張る月が大きく、薄縹色の空に昇り始める。月齢十五歳の黄色い円が、毒々しくも無垢な光を反射して空を支配する。ネオンが映り込んだ禍々しい赤紫の空。見出される被写体は何時も病的で、何処か狂っていて、其れでいて完璧。

 白い糸と黒い糸が絡み合った時、二本の糸が一本になったとしたら、其の糸は何色をしているのだろう。白黒の侭かしら、其れとも灰色になるのかしら、黒が白を呑み込んでしまうのかしら、白が黒を消してしまうのかしら。意図せずに、黒と青で統一されてしまった文房具達が机上に散乱する。ペンを手に握り締めても、其れだけでは何も書けないというのに。

 足りないものは満たされる事無く穴を空けた侭で、やがて全て消えてなくなってしまうのかも知れない。檸檬の黄色と歪んだ形と酸味も、今は穴を埋めてくれそうには無い。


 私信気味に追記:例のタイピングは現在650字。



2004年02月04日(水) 春遠し、鎖された翼

 立春。――北国の立春はもう少し遅くするべきよ。何が立春、寒過ぎです、雪降り過ぎです、バスの時刻遅れ過ぎです。北国の春は遠い。


 細いけれど強度のある鎖が巻き付いて離れない、放れない。此の鎖を千切ることが出来れば、得られる自由が目の前にあったとしても。多分、私は鎖を千切ることが出来ない。力が足らないとか技術的な問題とか、そういうことは無いだろう。きっと、否、多分、千切ろうと思えば誰にでも、簡単に、千切ることが出来る代物であっても。私は、本能的に千切らない、千切れない。
 鎖は其れ独特の冷たさと熱を持って私の四肢を縛りつけるだろう。雁字搦めに。鈍い痛みはやがて苦痛となり、冷汗が流れても其れを拭うことすら出来ないかも知れない。千切ろうと思えば、何時何処でも千切ることの出来る細い鎖。其れは、不自由という名かも知れないし、拘束という名かも知れない。或いは、過保護という名かも知れない。
 私は安住する。鎖に縛りつけられた四肢を自由に動かすことが出来なくても。其れは、私の本意ではない。それでも、安住する。鳥籠の中で生まれ鳥籠の中で育ち、縦令翼を持っていても大空を飛ぶことを知らない鳥のように。目の前の自由に眼を瞑るだろう。

 使われない翼はやがて朽ち果て其の役割を果たせなくなるかも知れない。



2004年02月02日(月) 私信多量含

 最近。何処の何方か知れないけれど「薬の致死量」で検索掛けている方がいらっしゃる。此の日記、引っ掛かってるんですけど。……怖いから辞めて頂きたい。

 明日は確か部誌の印刷日?だと聞いているのだけれども、何処を調べても開始時刻がわからない。予定時刻より一時間は遅くに集合するようなメンバーばかりなので遅刻したところで問題無いような気はするのだけれど、何と無く、こう、気持ちが悪い、むずむずするのよね。午前10時くらいで良いのかしら。部室に行けば問題無いのかしら。超 絶 不安。

 明日は。……セクハラ小学生の日だわ。嘆息。後二ヶ月の我慢。二ヵ月後には開放される、予定。考えると溜息しか出ない。あの少年は、此の侭進学して平気なのかしら――と一寸心配にもなるのだけれど。其れ以上にもう駄目彼の面倒は見切れない九ヶ月も持ったなんて凄い、と思ってしまう。自己嫌悪。
 元々、自分が競い合って登っていくタイプらしいので、家庭教師より塾向きの性格だったので。……負けて悔しいと思わない人間に何かを教えるのなんて難しいです。

 負けず嫌いの精神って大事かも知れない、と最近思う。


 ――ケェキって割り箸で食べるものですかー、私はフォークと紅茶添えて(今日は珈琲だったけれど)食べるのが習慣でした。
 制服変わって吃驚でしたが、目の保養でした ね!(完璧私信)

 ――今日は622文字。ウェイターが如何したんですかー! 先が気になる。笑。(矢張り私信気味)










 <<  道標  >>


一言メッセージフォーム。長文は此方をどうぞ。




片翼 [MAIL] [CLAP!]

My追加