ヲトナの普段着

2004年10月28日(木) 久々の更新は写真集 /OneDay04公開

 秋のみちのくを旅してきました。六月に巡った道とまったく同じ道でしたけど、季節が変われば表情も変わるもので、冬を控えたさまざまな風景を楽しませてくれた気がします。紅葉が少し遅れているようで、盛りに出逢うことは叶いませんでしたが、ほんのり染まりだした秋色に、むしろ癒された気分です。Digital写真集の「OneDay」をご覧ください。
 
 
 前回の更新が九月九日の増刊号でした。一ヶ月以上もサイトをほったらかしにして何をしていたかというと、のんびりと小説を書いていました。八月に引き続いて先月も短編を一篇書き上げ、現在は少し長めの作品に取り組んでいます。自分が好きなことを自分のペースでやるということは、考えてみれば至福に違いなく、いつになく快適な秋の日々を過ごしています。
 
 恋愛や性のコラムを書く気が失せてしまったわけでもなくて、ときどき筆を休めては、それらの今後に思いを馳せることもあるのですが、一昨年の二月にサイトを公開して以来突っ走ってきた反動か、いましばらくは自分だけの世界に浸っていたい気分でもあります。小説モードになってしまった脳みそを、コラムモードへと戻す時期は、もう少し先にいってからでもいいかなと……。
 
 
 久々の更新が写真集になりましたけど、写真というのは、書き物で疲れた頭を休めるのにちょうど良い気がしています。なんて書くと、真剣に写真に取り組んでいる方々に失礼かもしれませんが、書き物で使う脳とは別の部分を、写真撮影では使うような気がして、僕自身はそれらを交互に行うことでバランスよく脳が活動しているようにも感じられているわけです。
 
 写真というのは直感的な産物だと思います。事前にイメージを練りこんで撮る作品もありますけど、多くは現場の空気に身を浸して得るイメージから、写真は生れるものでしょう。そういう意味では、書き物のようにあれこれと辻褄を思い巡らせる必要もなく、そのときどきの短時間の心の動きをファインダーのなかに探せばいいわけですから、理屈よりもやはり感性ということになるのでしょうか。日頃から文字という絶対的な形あるものを相手にしていると、感覚的な作業がじつに心地よく感じられるものです。
 
 東北に特に縁があったわけでもないのですが、なんとなく過去の経験から、国内における北方面への旅は、相性がいいようだと僕自身は感じています。道中も旅館も、そして宴会でお世話になるお姉さんたちも、悪い思い出というのが北方面にはありません。もっとも、東京から一泊程度でいける温泉場に限った話ですが……。
 
 しばらく前から、どうにか実現したいと考えていることがあります。それは、撮影目的のひとり旅です。誰に気を使うこともなく、自分のペースで写真を撮りながら旅がしてみたい。家族旅行や仲間との旅行でもカメラを常に抱えてはいますけど、やはり時間に追われるように撮る環境では、想いが深く込められた一枚を手にするのも容易ではありません。家族の承諾をすでに得ているだけに、近い将来に実現したいものです。むしろ、仕事が気になる自分の心のほうが、難敵かもしれませんね。
 
 
 冒頭に書いたように、写真集をひとつ本日公開しました。作品を出すごとに収録枚数が増えてしまい、今回はファイルサイズが十メガを越えています。いくらブロードバンド時代とはいえ、接続環境によってはダウンロードに少々時間がかかるかと思われます。お急ぎの方はクリックしないほうがいいかもしれません……暇なときにでも、開いてみてください。


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ヒロイ