猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2016年01月31日(日) フランス組曲

ミリオン座1 12:40〜14:40 107分

 「禁じられた歌声」を見に行くつもりだったが、こっちは三週目である2月6日以降も上映ということなので、こちらを見に行くことにしたんだが。うーん、こんなことなら「禁じられた歌声」に行ったがよかったかも。敵であるはずのナチスの将校に、どうしようもなく惹かれてしまうフランス人女性の物語は、設定だけなら面白いんだけどなあ。逆に言うと、「敵に恋しちゃった」以上のものは何もない。て言うか、フランスの白黒映画で同じ題材のなかったっけ? 白黒の方は田舎じゃなくてパリだったと思うけど。

 それ以前の問題として、全登場人物英語ってのに萎えた。こういうの、今に始まった問題じゃないけどねー。




2016年01月23日(土) クリード チャンプを継ぐ男(仮)

TOHOシネマズ(プレミア1) 12:50〜15:15 133分

 正月の挨拶もせぬうちにすみません。ああああもう素晴らしすぎたよ! 五分おきに感動した! いやそれじゃ大袈裟か。いやしかし控え目に言って十分おきぐらいには感動したよ! んで上映開始から大分たっちゃってはいるけど、まだこれからという人で、シリーズの記憶が曖昧な人は、できれば1から3とファイナルは見ておいてから行った方がいい。私は一応1と2とファイナル見てから行ったんですが、3もおさらいしとくんだったなあ、と後悔してます(4もおさらいしとくべきかもしれんが)。細かい感想についてはネタバレになるので、当分は書かない。どこでどういう風に旧作のあれとかこれとかが出てくるかっていうのがこの作品の肝なので。もちろん単体で見ても十分面白いと思いますが。というわけで余裕があったらもう一度行ってきたいと思ってます。




2016年01月10日(日) 下呂高山へ行ったついでに「沈黙」再読

 母の急な思いたちで母と一緒に下呂・高山へ行ってきた(ちなみに今夜の夕食から父も合流)。行きと帰りはワイドビューひだで。昔は家族でよく行った下呂だけど、ここんとこご無沙汰。それでも行っていないのは一、二年かな。

 ただこの時期下呂で心配なのは雪。十年近く前かな、コピー本の新刊持ってく予定のインテの前に家族と下呂行って、インテがあるからと私だけ早く帰ってきた時帰りの電車が雪で止まっちゃって、帰ったのが翌朝早朝だったという悪夢のようなこともあったし。今回も行くと決めた時、とにかく雪が心配だったんだけど、杞憂だったね。名古屋はもちろん岐阜も全っ然寒くない。車窓の景色からして、山が全然雪を被っていないし、とにかく当分雪が降る気がしない(スキー場は各地瀕死とか)。

 下呂の町そのものも、家族で行く時に使っている某旅館もそうなんだが、数年前に来た時よりアジアからの観光客が多いこと。下呂温泉は、バブル崩壊と、さらに高山に温泉が湧くようになってから寂れたからねえ。とにかく賑わってくれて何より。

 お部屋でくつろぎ、温泉に入り、おいしいもん食べて、実に気ままに過ごす。そして今日は新しい大河ドラマ「真田丸」の第一回。お部屋のテレビで18時スタートのBS放送を見る。あれ、なんだろう。なんか面白い。三谷ということでハナから絶望しかかっていたんだが。まあところどころ私の嫌いな三谷の臭みがあるんだけど、概ねすごくちゃんとした大河だ。しばらくは普通に楽しく見られるのかも。

 ここの旅館はもう十年以上前から夕食の部屋食を廃止して、専用の食堂で利用客がとる仕組みになっている。旅館の食事というととにかく多すぎて食べきれないのが常だけれど、今はほどよい量になってしかもおいしいんだからありがたい。

 ちなみに旅のついでに今再読中の「沈黙」を持ってきて電車の中や、部屋でぐでっとしている時なんぞに読んでいる。こんな楽しいところまで来てこんな陰惨なものを読まなくても、とは思うが。

 再読とはいえ弾圧の描写はやはり凄まじい。遠藤周作の作品には本当にひどい人間がいっぱい出てくるんだけど、それを描く温度はどこまでも冷たく乾いている。世の中の悪を発見して浮かれる厨二気分なんぞ、かけらもない。この「身も蓋もない」という具合がキリスト教そのものを描く際にも徹底している。信仰も奇跡も、殉教の美学も、一宗教集団の長い歴史の中で、本来は身も蓋もない虐殺でしかなかった殉教が、いつしか神話と化していったのだと結論づけている。

 ロドリゴは最後に「神」を見るけれど、当時の日本というものでは信仰は呪いでしかなく、むしろあれは終わりなき十字架に釘を打たれた瞬間だ、と思う。

 夜のお風呂は展望台風呂。翌朝も露天風呂に入り、大いに満喫。11日は高山をぶらぶらし、ワイドビュー飛騨で帰った。二日とも本当にコート不要だった。おそろしや。




2016年01月09日(土) ベテラン

センチュリーシネマ2 17:25〜19:32

 ノーチェックだったけどツイッターでえらく評判がよかったので、なんとか見に行こうと思っていたら、10日から旅行に行くこともあって今日しか行く日がないと分かった。じゃあ、行くか。ちなみに今日のスケジュールは10時半、12時40分、17時25分。この際朝イチの回に行って一日を有効活用したいところだ。朝イチの回だけ大きい方のセンチュリー1での上映だし。が、すでに今日は12時半から美容院を予約しているので、行くとしたら夜の回しかないのであった。まあしょうがない。はっ、しかも今日は相変わらずの残量不足の中、BSフジで全日本の放送もあるし(BS版なので地上波より多くの選手が放送・・のはず)、NHK杯スペシャルエキシビションの放送もあるしで、そっちの整理もしないといけない。やだもう。

 そんなこんなで、美容院に行く前と、そこから帰ってきて4時ちょい前に家を出るまで、あほみたいに忙しく雑事に追われるのであった。

 先にパルコへ行って整理券をゲット。12番かあ。それから松坂屋へ行って洗い流さないトリートメントを買う。松坂屋は北館と本館が大幅に入れ替えになって、何が何館の何階にあるのか、フロアの人に聞かないとさっぱり分からない。デパート行きたい人は今やみんな高島屋、さらに若い客はイオンモールにと、松坂屋は踏んだり蹴ったりだけど、それでも昔からのお客さんはここに来るわけで、でも高齢者は新しい配置を覚えられるかなあ。

 うわあああ、何これーーっ!! むちゃくちゃ面白かったよ、「ベテラン」! 年明け早々、今年のエンタメ部門一位確定でないかい? 破天荒な主人公刑事と、これまた癖のある同僚刑事たちが、財閥のドラ息子が犯したえげつない犯罪を暴くというお話なんだけど、まあ最初っから最後までかっとばしまくりでほんとに面白いのなんの。て言うかこの感じ、なんか懐かしいなどっかで見たことあるなと思ったら、そうだ「あぶない刑事」だよ。まさにあの感じ。主人公のファン・ジョンミンとオ・ダルスのバディっぷりもタカとユージっぽいし(て言うか『国際市場で逢いましょう』の二人だ!)、ちょっとかわいこちゃんな後輩もいるし。まあ他にもあぶ刑事同様、ぶっとんだキャラばかりで楽しかったよ。アクションも街中を堂々使っててこれまたすごかった。

 というわけで「ベテラン」に感動しすぎた私は、あれほど見る気満々だった「さらばあぶない刑事」を見る気を完全になくしてしまったのだった。

 昨日春に買ったばかりの靴下に穴があいちゃったので、終わった後は西原珈琲店へ行くついでに栄地下の靴下屋で二足購入。西原ではサン毎を読みながら本日限定のコスタリカと今週のサンドウィッチを(キャベツとナスとベーコンのサンド)。ツイッターをあけると中ではNHK杯エキシが盛り上がっていた。ああみんなロロが大好き。普段スケートのツイをしない方々までロロの名を。放送は録画してるけど、内容よりみんなの盛り上がりにほっこりするなあ。




2016年01月04日(月) 杉原千畝 スギハラチウネ

TOHOシネマズ 15:25〜17:55 139分

 今年の冬はあったかいなあ。冬コミもそうだったけど、デパートとか人の多い室内に行くと暑いぐらい。もっと冬らしい冬をくれ。

 唐沢寿明主演の杉原千畝の映画を見に行こうかどうか迷っている。なんせ139分だもん。よっぽど面白くなきゃ私の膀胱と釣り合わないじゃないか(ボカ〜ン)。でもなんだか周囲の評判がいい。あと、長い映画なら休みの今じゃなきゃ行けない。というわけでえいこらと重い腰を上げて行ってきた。まあ確かに長かったが、ゆったりふかふかシートのプレミア2での鑑賞だったので苦もなし。

 「日本映画で主人公が杉原千畝か。まーたどうせ昔の日本人偉かった! 立派だった! 系の映画だろ」などというこちらの先入観など軽くぶち壊されましたよ! いやー、面白かった! 何せ冒頭からして列車内でソ連の諜報と追っかけっこですよ、これは意表を突かれた。そう、外交官の仕事というのは、諜報なのですね。時は第二次世界大戦真っ只中、日本にとってソ連とドイツの動きがどれほど重要かは言うまでもないこと。日本がどう動こうが欧州に影響を与える部分はそうないけど、欧州の動きは日本にダイレクトに影響する。そういうことを冒頭にもってくるとは、もうこの作り手の心意気について行くしかない。

 ま、実際の杉原氏があんなアクロバティックな活動までしていたかどうかはともかく、前半は007ばりのスリリングな情報争奪戦が描かれてて、ほんとにドキドキ楽しい。結構汚い手も使ったりもして、そういう部分もちゃんと描いているところがまたいい。諜報員の鑑よ。余談だが、映画のエンドロールで参考資料として白石仁章「諜報の天才 杉原千畝」が上がっていた。杉原千畝本として一番メジャーなのは奥様が書かれた「六千人の命のビザ」だけど、「諜報の天才〜」は本の題から推測するに、杉原千畝の諜報としての面を描いているのかな。読んでいないから何とも言えないが。しかしこうなると、杉原千畝がユダヤ人のビザの件について多くを語らなかったのは、彼の欧州での活動の大半がやばいことまみれだったからなのかな。その方が腑に落ちるというか。

 しかし人に言えないお仕事をしている一方で、理想主義者で、祖国への愛というだけではなく人間そのものに対する敬愛を持った男なんだ、という描写もあり、前者と後者が矛盾なく描かれているところがよいですよ。歴史上の偉人ってこういう風に描かないとって言う、お手本みたい。時々うっかり「唐沢寿明かっこいいじゃん」などと思っちゃったりなんかして。こういう描き方って近年の日本映画はあんまりうまくないんだよなーと思いつつ、後で確認したら、監督はチェリン・グラックという、日本育ちのアメリカ人であった。

 千畝の二面性のみならず、リトアニア人、ポーランド人、ドイツ人、ロシア人についても「ある面では被害者であり、別の面では加害者でもある」という描き方をしている。ユダヤ人ですら例外ではなく、千畝が助けたユダヤ人の一人が後に…という展開には、唸るしかなかった。もうこのスタッフで「アドルフに告ぐ」をやって欲しいぞ。

 当たり前だが終わったら真っ暗。大急ぎで帰って太鼓の散歩。晩御飯はすき焼き。




2016年01月03日(日) 独裁者と小さな孫

伏見ミリオン3 11:35〜13:40 119分

 いつもだったら名演小劇場でかかりそうな映画だな。なんだろう、スターキャットこれ間違って買っちゃった? 

 まあそんなことより。折角冬休み用のドニチエコきっぷを買ってあったことだしと、早めに起きて午前中には新栄で用事を済ます。それから11時に伏見に行って整理券を。18番か。まあスタート30分前ならそれぐらいいっちゃってるか。小腹がすいていたが、上映が終わってから西原珈琲店でサンドイッチを食べたいので、こちらでは軽くと、カフェでモカロールを買った。ついでに季節のネルドリップコーヒーも。コーヒーが旨かったかどうかは覚えていない。まあ、まずくはなかったような。

 エミール・クストリッツァの「アンダーグラウンド」的な、深刻な内容の中にもふざけたギャグが入る映画を期待していたんだが、ギャグも一応あるものの、深刻さの割合の方が圧倒的に多く、ギャグ極小「アンダーグラウンド」という感じだった…。まあアンダーグラウンドと違ってこっちは短いけどね。

 いつぞやのチャウシェスクのごとく、主人公の大統領はクーデターによって追われる身となり、幼い孫と共に逃亡を続けるのだが、これまたいつぞやのルーマニアのごとく、国全体が内乱状態となり、あちこちに銃を構えた兵隊が立ち、ちょっとしたきっかけで誰もが命の危険にさらされてしまうという状況に。独裁者がいなくなったのに、事態がかえって悪化するってどんだけ地獄よ。で、懸命に正体を隠しながら人々の中に紛れて逃げ惑う、老人と幼児(途中からこの二人に懸賞金までかかってくるので、ほんともう逃げるしかない)。お孫ちゃん役の子が本当にかわいい子なんだけど、この子の存在が救済や保険ではなく、他の大勢の大人たちと同様に過酷な現実の只中にいるという辺り、作り手は容赦ない。初めはクソ生意気だった孫が、いつしかすっかりおとなしくなってしまうところは辛かった。

 自らの罪と罰をつきつけられる地獄行脚の老人に、最後にいかなる裁きがくだるのか。そして孫の結末は…。と、肝心の答えは映画の中では語られることなく終わった。ええええっ!

 終わった後は西原珈琲店へ。スペシャルブレンドと、なすとサルサのサンド。重い余韻を引きずりながらこういうごはんを食べるの、たまらんね。こういう時はラーメンやカレーじゃだめなんだよ。コーヒーとホットサンドじゃないと。

 それから初売りを流しがてら、栄近辺をぶらぶらしていたのだが、何がどうなったのか、ケンタッキーが突然食べたくなり、お店で1ピース買ってしまった。ううう、折角ヘルシーなお昼だったのに。これで「ああ、久々のケンタおいちかった♪」だったらよかったんだが、当たりが悪かったのか、私が買ったそのチキンはえらくぱさぱさでまずかったのでした。こんなこと滅多にないのに。とほほ。

 それから丸善をひととおり眺め、三越と松坂屋の靴売り場をひととおり見て帰宅。BS11で「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」の再放送が始まったので、録画して視聴(ブルーレイ持ってるけど)。本編はもう半分進んだとこなので、今見るといろいろ感慨深い。



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