猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2015年01月20日(火) 薄氷の殺人

ミリオン座3 20:30〜22:25 106分

 最近自転車のブレーキ音がキーキーうるさいので仕事帰りに途中の自転車屋さんで見てもらったのだが、経年のせいなので打つ手なしとのこと。ありゃりゃ。二年前の11月に買ったんだから、そう古くもないんだけどなあ。油でも差せばと思ったんだが、逆に油を差しちゃいけないタイプらしい。他にもちょいちょい見てもらってお代は200円。まあいいか、走るには支障ないし。

 本日はミリオンのダブルポイントデーということで、「薄氷の殺人」を見に行く。7時半頃にカウンターに行ったら、なんと三番。結構マイナーなのね。まあそもそもミリオン3てあたりがいかにもマイナーではありますけど。
この前に見た中国のサスペンス映画のオムニバス、「罪の手ざわり」があんまり面白くなかったので、中国映画のサスペンスものは当分いいかなあと思っていたんだけど、予告の映像で夜の屋外リンクで観客が玄人はだしのスピンをやっている、というシーンを見て、「見てみるか」となってしまった。ええまあ、スケオタなんで。事前情報によると映画の舞台はハルビンなんだそうだ。なるほど、ハルビンなら屋外のスケートリンクもあるだろうねえ。

 まだごはんを食べていないので、整理券をもらった後、近所のドトールでレタスドックをさっさと食べる。それからそばのファミリーマートでパスポートをコピー。上海の世界選手権のツアーで、ツアー会社に出さなきゃいけないのだ。と言っても、前金は払ったものの、まだ本回答はしていない。実はもう本回答の締切はすぎてるんだけどね…。今週末の全米の結果で考えたいんだ(超弱気)。ジェレミーは8日に長年パーキンソン病を患っていたお父さんを亡くした。葬儀のためにデトロイトからコロラドへ飛び、全米まではそこで過ごすらしい。練習はコロラドのリンクでやっているそうだ。嗚呼。

 映画館に戻る前に、近所にある小さな本屋さんで文庫本を買ったり。あとはカウンターに置いてある雑誌を読んだりしているうちにあっという間に開場時間。

 なんとなくという調子で見に行ったけど、見て大正解だった! 正統派サスペンスではないけれど、オフビートなサスペンスとして、よくできていましたわ。サスペンス劇としては全くスマートじゃない要素だらけなんだけどねえ(それをオフビートと言っちゃえばかっこいいけどな)。前半の、主人公の刑事たちが容疑者をいいとこまで追い詰めたと思ったら、あれよあれよと…てとこなんて、「ええっ? そんなんありかよ」って突っ込まずにはいられないんだけど、でもそこがいい。事態そのものはある意味単純なんだけど、関わる人たちの大雑把なやり方のせいで事態がややこしくなっていくという辺り、韓国の「殺人の追憶」に似ている。私はその「殺人の追憶」にはイライラするばかりであんまりはまれなかったんだが、こっちの方は全然気にならなくて、むしろその部分を面白く思った。殺人事件の陰惨さといいコントラストになっていたし。まあこの辺は、好みかね。

 殺人事件の謎解きとは別に、時代が急激に変化していくその過渡期の、混沌とした人々の有り殺人事件の謎解きとは別に、時代が急激に変化していくその過渡期の、混沌とした人々の有り様が面白かった。日本人には馴染みの薄いハルビンの風景もなんだか珍しくて、見てて楽しい。かなり北の地方だから、北京や上海なんかとはまた景色が違うんだよねえ。郊外のごちゃごちゃした工場、古びたマンションの壁や階段のしみ、夜闇にぼうっと輝く凍った道路…。この作品はある意味、この街自体が一個の大きな主役で、登場人物は手や足や髪の毛みたいなその一部なのかもしれない。ラストも人物よりは街全体を俯瞰するように撮っているし。このラストの余韻がまたとてつもなくよかったんだよなあ。ソフトが出たらもう一回通して見たい。

 まあしかしあっちの人は道があんだけ凍ってても自転車に乗るんだねえ。見ててすごく恐かったんだけど、車持っている人が少ないと、こんなもんかな。

 あとはヒロイン役のグイ・ルンメイがいいですわ。ちょうど犬神一族における島田陽子のような薄幸の美女。前髪が長いのと、外のシーンではほとんどマフラーをつけているので、顔全体があんまり映らないんだけど、その分大きな目がよけいに印象的に見え、ミステリアスな美しさがある。彼女一人で映画の大部分を引っ張っていっていると言っていい。うまいことしたもんだね、この監督は。




2015年01月02日(金) ベイマックス(2D吹替版)

ミッドランドスクエアシネマ 13:40〜15:35、110分

 これまず作品そのものの感想より宣伝のされ方が先に話題になってた。日本での宣伝はベイマックスがヒロをむにゅーっと抱きしめているもので、キャッチコピーなんかもハートフルな感じのものだったけど、本国での宣伝はネット上に上がっていたものを見る限りでは武装したヒロとその仲間たちのアクションポーズだった。日本版の宣伝ではヒロに仲間がいることも、そもそもアクションがあることも分からないという次第。ネット上では「近年の洋画宣伝は本編の内容と解離している。だから観客は『思ってたのと違う』ってなる。このままでは洋画離れが進むばかり」という批判が多数見られた。一方で「泣きドラがヒットした以上、それにあやかったCMにするのはやむをえない」という声も。

 まあそんな風にして公開前からに外野がわちゃわちゃしていたんだが、ひとまず本編見なきゃね、ということでミッドランドシネマへ。それにしても今年最初に見る映画がファミリー層向けのアニメとはね。なんだか小学生の頃に戻ったみたいである(笑)。

 11時半過ぎにミッドランドのカウンターへ行き、整理券ゲット。それからユニモールへ。カトレヤのオムライスが食べたかったので、お昼はそこで。今の時間帯はどこも混んでいるけど、ここはそんなに混んでなくて楽だ。

 再びミッドランドへ。いざボックスに入ってみると、客の中に子連れはあまりいなかった。まあ、今は妖怪ウォッチやってるから子連れはそっちか。女子大生の二人連れとか、社会人の一人、あるいは複数組というのが多かったように見える。席もほぼ埋まっていて、なんだか関係者のようにほっとする(この時点ではまだこの映画が大ヒットしているということを知らなかったのであった)。

 ああしかし映画の感想はあんまり書くことがない(こんなに長い前置きしておいて!)。散々オタク心をくすぐられた上に、最後の方ではまんまと泣いてしまった以上、何も書くことはない。なんかもうドラえもん(大長編含む)とかオバQとか、あたしの心ん中を勝手にまさぐって作ったとしか思えない。

 問題の宣伝だけど、私はあれでよかったと思う。ヒーロー部分は重要な部分には違いないけど、メインではないなと思ったし。ヒーローってんならそれこそMr.インクレディブルの方がよっぽどヒーローであることをメインにしているよ。まあベイマックスも、アメリカらしく、本当だったら内容はもっとヒーローヒーローしててもいいようなもんだけど、それをやっちゃうとそれこそMr.インクレディブルと一緒になっちゃうものなあ。

 だからに兄弟愛や友情により比重を多くしたのは、結果としては大正解だったんじゃないの。その愛情の見せ方もすごくいいあんばいだったし。ファミリー向けアニメだから表現はそれなりにベタではあるんだけど、タダシとヒロが親子ではなく、男二人の兄弟ということもあって、ストレートじゃないんだよね。日系人だからそう造型したのかもしれないけど、タダシ自身はあんま喋らないし、表情もそんなに豊かじゃない。親を早く亡くした影響なのか、年齢よりいくらか大人。ヒロも子供らしいところはあんまりないんだけど、彼はやっぱり弟だから、ませてはいるけど大人ではない。

 タダシという子がそうやって一見わかりにくい分、彼がなぜベイマックスを作ったのか、どんな思いをベイマックスに託していたかをいろいろ想像したくなる(またそういう想像をそそるような回想をピンポイントでポンと出してくる!)。そうした過程を経て、後半になってそれまであまり表に出ていなかった兄弟愛が一気に溢れ出すところは本当に感動的だ。

 最初の方で、「年明けの初鑑賞がアニメだなんて子供の頃に戻ったみたい」なんて書いたけど、本当に小学生の頃に大長編ドラえもんを見た後のような気分で映画館を後にした(ドラえもんは春休みだけどな)。




2015年01月01日(木) 本年もよろしくお願いします

 今年最初の一日も残りあと数分と化しておりますが、皆様あけましておめでとうございます。

 去る29日の冬コミで当サークルにお立ち寄り下さった皆様、初めての方もいつもの方も、ありがとうございました。今年は三日間ともかなり暖かかったですが、年末のお忙しい中、本当にありがとうございます。実のところ去年巨人が隣の島で、ほっとんどお客さんがいらっしゃらなくて涙目でして(こちとら近年冬しか受からないんで)、んで今回は弱ペダが隣だったのでどうなることかと思ってたんですよ。そうしたら今回は前回よりはるかにたくさんの方にお寄りいただけて本当に嬉しかったです。まあ少なくとも去年のトラウマはこれで忘れられる(笑)。

 な、だけに新刊の話が最後まで行っていないのが申し訳ない限り。なんとか早めに続きを出します、はい。

 さてこの後は11日のインテックスです。こちらはコミケと違って例年間違いなく寒くなるので、心します。スペースは6号館Bゾーン、す60aです。こちらもよろしくお願いします。



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