猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2014年08月30日(土) ソウォン 願い

 センチュリーシネマ2にて16時15分〜18時25分。123分。

 9日から上映されていた本作だが、全くチェックしていなかった。この頃あんまりスターキャット系行かなかったからかなあ。

 見たくなったのは、ツイッターでRTから回ってきた感想から。ただシネマテークの「消えた画 クメール・ルージュの真実」も見たいんだよなあ。でも困ったことにどっちも9月5日までで、三時だか四時だかからの時間帯一本のみ。キノシタホールやシネマイーラならどうかと思ったが、あいにく今後のラインナップにこの二本は入っていない。それでいて、土日のどっちかで美容院にも行きたい、どうしても。嗚呼。というわけで散々迷ったけど、土曜日に「ソウォン 願い」を見ることにした。

 さてちょっと戻って昨日の夜。夏休み明け第一週で、思った以上に疲れていたので、その日は早めに寝ていたかったのだが、ついつい夜更かし。で、そろそろ寝るかと思っていた頃、ツイッターで驚愕の情報を知った。あっこちゃんの9月1日に出る新刊「壁はきっと越えられる 夢をかなえる晩成力」のサイン本お渡し会が東京・大阪・名古屋で開催、名古屋では明日30日に近鉄パッセの星野書店で10時から、本の購入と引き換えに会の整理券を配布するという! 行かねば!

 というわけであいにくの短時間睡眠で起床することに。やれやれ。整理券に対する出足のペースが分からなかったので、とにかく早めにパッセへ。星野書店へ直行したもののよく分からなかったのでそのままレジのお姉さんに聞いてみると、その場で整理券の発行をやってくれた。意味がよく分からなかったんだけど、本は会の時に配るということで、今はレジで本の代金を払って、整理券だけをもらうということらしい(図書カードOKだった)。なるほどねえ。ちなみに本自体はもう店頭に並んでいた。そのお会計の途中、お姉さんが「写真を撮ることもできますので、よろしかったらカメラなどお持ち下さい」などとただならぬ発言を。なんだとおおおお。それってどういうことですかあああ。あっこちゃんとのツーショ撮影できるってことですかあああ。

 様々な思考がとぐろを巻き、一瞬パニックになった私はお姉さんに詳細を聞きそびれてしまうのであった。あ、整理券は無事もらえました。あと、村岡花子の童話集「たんぽぽの目」が平積みされていたので、こちらも買い(ドラマはどうしようもないけど、こうやって関連本がいろいろ出て、しかも売れているのはいいことだよな)。あとレジ横に羽の形をした面白い毛抜きがあったのでこれも買った。

 近鉄の星野に来るのはものすごく久しぶりだったのでちょっとぶらぶら。あっ、ビックリマンの原画集が出てる! これ欲しいんだよなあ。でも図書カードの残額がもうほとんどなくなっちゃったから、これはもうちょい後回しね。他、別の階でシャツを買ったりなど。それから地下鉄に乗って矢場町へ。センチュリーシネマのカウンターで「ソウォン 願い」の整理券を。まだ11時半前ということもあって、整理番号は栄光の001。

 その後はお昼を食べに雀おどりへ。大津通りはすでに車が入れなくなっていた。通り沿いに警備員が並んでいる。ああ、そうさ今日はどまんなか祭り。日本中からヤンキーがお集まりでございます。

 早いせいか雀おどりはまだすいていて、おむすび定食もすんなりやってきた。しかしおなか一杯になって外へ出てみると、嗚呼、すでにどまつりがスタートしてしまって道路が渡れない! 大津通りの端にある信号は生きているので、ちょっと遠回りながらそっちから渡る。ああもう、このおまつり大嫌い。

 その後一旦帰宅して二時間ばかし、自宅で録画を消化。3時すぎに出て、金山の郵便局から荷物を出したりして、再びセンチュリーへ。喉が渇いたのでカフェでトロピカルソーダを頼む。トロピカルの成分が底に沈殿して固まっていて、掻き回してもなかなか混ざらなくて悲しい。だらだらとしている間に開場。

 小学二年生のソウォンは、ある雨の日、通学途中に見知らぬ男に強姦される。心に大きな傷を負い、体には重い後遺症が残ったソウォン。心と体の治療、事件の捜査、裁判。ソウォンと両親にとって嵐のような日々が始まり…。

 このあらすじだけでも充分気が重くなるけど、ええ全く、そのとおりの辛い映画だった。もうソウォンがかわいそうすぎて…。ただ作り手が描こうとしているのはソウォンの悲劇性ではないということ。もちろん事件は動かしようのない現実であり、どうあがいてもソウォン一家が「それ」以前に戻ることはできない。それでも両親はソウォンに生きて欲しい、少しでもいいから今ある人生の中で喜びを見つけて欲しいと、献身的に振る舞う。家族だけではない、周囲の人たちもこの一家にできるだけのことをしてやろうとする(ほんとにこんなに親切な人たちがいるの? っていうくらい、みんなすごくいい人なのであった)。もちろん善意だけではどうしようもないことが数限りなくあるのだけど、あくまでこの映画は光の方を主として描いている。

 ソウォンたちを精神面でサポートする女性の描かれ方もまたよかった。韓国のソーシャルワーカーなのかな? 絶望的になり、荒んでいくソウォンとその両親への接し方が素晴らしい。苦しむ彼らから無理なく声を引き出し、そうして吐き出された言葉がどんなネガティブなものであっても一切感情的になることなく黙って耳を傾ける。ティム・ロビンスが「ミスティック・リバー」で助演男優賞を受賞した時のスピーチを思い出す。
「虐待を受けたことのある皆さん、どうか一刻も早くカウンセリングを受けて下さい。それだけが次の悲劇を防ぐ唯一の方法なのです」

 この映画は「ミスティック・リバー」のデイブにとって「それでも救いのある人生とは何か」という物語なのかもしれないなあ。

 事件の場面以降、狭いセンチュリー2の中で鼻をすする音多数であった(もちろん私も)。エンドロールが終わった後も、作品が放った強烈な絶望と希望が場内にずっしりと残っているかのようだった。映画が終わった後もソウォン一家の今後のことをあれこれ考えずにはいられず、ひたすらもやもや。

 それから、大須ベーカリー目当てで大須に行ったのだがなんとお店は9月4日まで夏休み! ええー、明日の朝は久々にここのパンを食べたかったのに。それ以前に映画の余韻が重すぎて食欲が今一つだから、夕食はここのパンでいいやとも思っていたんですけど…。食欲はないけど、とりあえず何か食べないと犬の散歩でもたない。ひとまず何か食べようと、最近できた喫茶店へ。聞くと19時閉店。げっ、もう20分しかないよ。というわけでダージリンの紅茶と、すぐ出せるケーキを。ミニホットケーキを食べながら、今日の映画を思い出し泣きしている私は、相当気持ち悪かったことだろう(ちなみに店内の客は私だけ)。




2014年08月27日(水) イントゥ・ザ・ストーム

 TOHOシネマズで20:10〜21:50、89分。

 涼しくなってきましたな。夏コミの時も思ったけど、例年に比べて夏の終わりが早い。ああ、毎年こうなら。

まあそんな風で夜なんか特に楽ちんな気候なので、久々にTOHOシネマズへケッタをとばしてきた。途中、星乃珈琲店で夕ご飯。スフレパンケーキ・・ではなくて、ごはんらしいごはんを食べたかったのでハンバーグプレート。なかなかおいしかった。

 映画館到着。ふう、こうして着いてもうっすら汗ばむ程度。これならもう夜ならベイシティで見るべきだな。ところで字幕版ってあるけど、逆にこの映画の吹替版なんてどこかでやってるの? 全然見たことないけど。

 まあそれはともかくとしてカウンターへ。レディースデーのせいで結構並んでいる。いつもの金券を持たずに買ったところ、お値段1100円。ええっ!? ああそうか、消費税8パーセントに伴う便乗値上げという奴だな。ちきしょうめ、まあいいさ。

 ベイシティのお店をぶらっと覗いた後、9番スクリーンへ。席はガラガラ。ほどなく予告が始まったが、これが長い長い。予告編なんて長くても10分がせいぜいだけど、これは少なくとも15分はやっている。短い映画だと逆にこういうことが起こるのかしらね。

 いやー、面白かった! ほぼずっと緊張しっぱなしの展開も、89分だと逆にちょうどよかったし。内容はもう、古き良き木曜洋画劇場ですよ。それ以外の何物でもない(笑)。ま一応ドラマらしいドラマもあるんだけど、「親子の仲が今一つの今日この頃、そしてその日もいつもの平和な一日の始まりのはずだった。が突如未曾有の巨大竜巻発生! 引き裂かれる親子! 必死に探し合いようやく再会を果たした彼らは大災害の中、互いに協力し合ううちに絆を取り戻し・・」という大変ベタなもの(笑)。結末はもちろん「巨大災害にも俺たちアメリカ人はくじけない! END!」。いやもうまさに台風一過のような清々しい映画でした(笑)。

 映像の方は真面目によい出来。特に前半のヤマである、巨大竜巻が校舎を直撃するところは普通に怖かった。窓やドアが割れて部分的に暴風が入りこんできたり、屋根がバリバリ持ってかれたり、人知を超えた天災がじわじわ身に迫ってくる感じがとてもよくできていた。

 厳格な性格でティーンの息子と今一つうちとけないお父さんの役がリチャード・アーミティッジなんですが。名前とイギリス人てこと以外全然知らないんだけど、今回じっくり見てみて、その目つきの悪さといい鼻のでかさといい・・あ、いやなんでもない(ボカ〜ン)。

 ああ面白かったなあ、とうっとりしつつ、夜道を自転車でかっ飛ばすのはまた一層心地よかった。こういう映画なら平日に見ても翌日に全く差し支えないね。

 早めに帰宅したものの、家の冷蔵庫に牛乳やらいろいろ足りないものがあるのが分かって、また外出して深夜のスーパーに行く羽目に。やれやれ。




2014年08月16日(土) GODZILLA(3D吹替)(仮)

 またあとでー。もちろん面白かったよ!



2014年08月10日(日) 大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

 なんだか世間では超大型台風来襲とかで大変なことになっているのだが、名古屋はまだそこまでひどくはない。とは言え今日のうちにはこの辺も通るであろうなあ。

 だがそんなことより今日はこの長いタイトルのドキュメンタリーだ(上映は昨日からスタート)。長いのはタイトルだけじゃない。上映時間も半端じゃなく長い。164分。ひゃ、ひゃくろくじゅうよんぷん? 何度目を疑ったことか。フランス奥地にある修道院の日々をそのまま映したというなんとも異色なドキュメンタリー。その内容とこの尺で誰が見に来るのかと思うのだが、名演小劇場はあくまで強気で、三階にて上映するという。いや、たまたま他の作品との兼ね合いで三階になっただけかもしれないけど。まあそれにしても時間割作るのに困りそうな上映時間ではある。

 風はいかにも台風という強さだが雨はまだほんのぽつぽつという中、名演へ入場。10:10〜13:05の回。

 昨日スタートしたばかりということもあってか、こんな早い時間の割には結構な並び。いやしかしこんな天気の日になあ。何はともあれ映画は始まった。修道会からの意向もあり、本作にはBGMもナレーションもない。ただ、シーンごとに聖書の一文が字幕スーパーでもってぽつぽつと引用される。まあ飾りらしい飾りは程度である。

 鐘の音と共に起きる。祈る。ひざまづく。堂内を歩く。日々の食事が運ばれてくる。そして静寂静寂静寂。本作品はひたすらこの繰り返しである。本当にそれだけ。なにがしかドラマチックなこと、例えば修道士同士が喧嘩して仲直りするとか、村人と交流とか、老い先短い修道士が何かもっともらしいことを言うとか…。そういったシーンは一ミリも出てこない。ついでに言えばイケメン修道士とかもいません。「薔薇の名前」よろしくショーン・コネリー似のナイスミドルなお坊さんもいません。ない。本当に何もない映画なのだ。

 なので否応なしにうつらうつらしてくるのだが、なぜか完全に落ちるまでは至らない。常にうっすら覚醒している状態である。ふと時計を見るともう一時間以上たっている。い、意外に早い。いや無論一時間ばかりなぞ、この作品全体の長さからしたら序の口だが。そして辺りを見回してみると、これまた不思議、誰一人寝ていない。いかにマニアックな客層の名演とはいえ、ここまで何もない映画でほぼ全員がこんな風にどうにか意識を保っているのは奇跡…、いや何かがおかしい(笑)。あるいはいつもの客層じゃなくて、信心深い人たちか何かなのかしら。よう分からん。まあ、時折外の嵐で映画館が揺れたり、建物がミシミシ言ったりするせいで、睡魔も仕事ができないだけなのかもしれないが。作品がほとんど無音だから、よく響くんだよねえ、さっきから。もう雨とか降り出しているのかな。

 二時間ほど経過した辺りでいったん脱出してトイレへ。ロビーの窓を見ると、案の定大嵐。でも次回待ちのお客さんがいっぱいいる。同じ作品がお目当てかどうかは知らないけど、みんなこんな日によく来るな(笑)。

 なんだかんだで2時間44分を完走。すごい、一度も寝なかった。ちなみに最大のハイライトは、坊さんたちの散髪シーンでした。あんな山奥で電気バリカンがある! それが一番の見せ場でした。

 時刻はすでに一時過ぎ。そして外はすでに嵐。ひとまずおなかがすいたので栄の地下にもぐり、ヴァン・サンヌ・ドゥでコーヒーとミルクレープを頼んだのだが、やはりここのケーキはだめだ…。コーヒーはおいしいんだけど。半分以上残してさようなら。

 不完全燃焼のまま大須へ行き、大須ベーカリーで食パンを買う。さて実は金曜の夜が会議と会食だったもんだから会社に自転車置きっ放しなんだよな。金山からバスに乗って会社に行きたいんだけど、今行っても天気がなあ。ひとまずほとぼりがさめるまで、と漫画喫茶へ。個室がろくに空いていなかったのでテーブル席へ。ここも混んでいたが無理矢理一席に座る。まだ読んでいない「進撃の巨人」の11巻から14巻を読みたかったんだが、見つからなかった。がっかり。いろいろ迷った挙句、代わりに「ハチミツとクローバー」を一巻から律儀に読み直し。軽い気持ちで手に取ったものの、ハチクロの魔力は凄まじく、再読とは思えないくらいガッツリ読み耽った。ああしかし6巻まで読んだところで時計を見たら時間切れまであと20分。あと一巻読むには半端な時間だったので、切り上げて精算。ハチクロを返しに行く途中で、巨人の11巻以降を発見するというお約束も(ボカ〜ン)。

 ああそれにしてもハチクロ続きも読み返したいなあ。ええここまで来たら最終回まで一気読みしたいわよ。

 外は嵐も去ってすっかり静か。結局一旦家に帰ってから、太鼓と一緒に会社まで歩いて行って、自転車をひいて帰ってきた。警備のおじさん、私が犬連れで敷地の中に入って行っても何も言わなかった。いいのか(笑)。



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