猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2014年02月24日(月) ダラス・バイヤーズクラブ

 ミリオン1にて20時40分からの回。117分。

 いえーい月曜日だ、スターキャットシネクラブのダブルポイントデーだ。残り一個のスタンプカードはめでたく満杯となり、さらに新しいカードに一個。これで一回ただで見られるわあ。するとスタッフの人から「そろそろ会員の有効期限ですが、ここで更新なさいますか?」と。脊髄反射で「いえ、いいです」と言ってしまったんだけど、2月末までの会員なんだから、今日やらなきゃ行く日ないということに気づいたのが、予告編上映中(ボカ〜ン)。うーん、ただでさえ遅い上映時間帯だから、長っ尻はしたくなかったんだが仕方がない。後で更新やってもらおう。とほほ。

 遅い時間のスタートということもあって、散歩を済ませた後で映画館で整理券を貰い、なおかつそばのとんこつラーメン屋でラーメンを食べ終わった後でも、上映開始まで時間はたっぷり。再読中の「関ヶ原」を呼んで時間を潰した。それにしてもああ「関ヶ原」が面白すぎて辛いわ。

 映画本編はマシュー・マコノヒーの熱演劇場だった。ええもうひたすら。マシューがホワイトトラッシュになりきる、ロカビリーやる、セックスしまくる、エイズになって激ヤセする…、などなどアカデミー賞のプレゼン場面に使えそうな大熱演をぶっ通しでご披露いただく作品なんですよこれは。正直マシューの演技以外はあんまし印象に残らなかったり(ボカ〜ン)。まあアメリカの医療や薬剤の事情が描かれたりもしてますけどね。ただこんだけマシューが熱演しててもマシューはどこまでもマシュー。思えば彼が出たての頃、トム・クルーズの再来と呼ばれたもんだが、うまいんだけど何やっても暑苦しくて、なおかつどこまでいっても本人以外の何物でもないという点においてもトムちんだな、と感じ た。

 あ、マシューの演技以外は別に〜、なんてさっき言っちゃったけどジャレッド・レトたんはよかったです。似たような役ばっかりやってるような印象だけど(特にヤク中率高し)、どれも微妙に違っていて、どれもいい。でもってこういうウザかわいい子をやらせると天下一品ですね。もう40過ぎてるけど(笑)。遅ればせながらアカデミー助演男優賞おめでとう。

 22時45分に終了。すぐにカウンターに行って会員の更新手続きを。それが案外早く済んでほっ。更新の際に招待券を一枚貰えた。こんな特典があったことなどすっかり忘れていたので、なんか嬉しかった。

 ラーメンのせいで喉がからから。外の自販機でお茶を買って、がぶ飲みしつつ帰宅。




2014年02月19日(水) 五輪やら軍師官兵衛やら

 お久しぶりでございます。五輪のおかげでツイッターの方ではスケート関連で活発ですが、最近こちらはさっぱりで申し訳なく。映画の感想とか、全米道中記とか、かなりたまっているのでさっさと更新したいのですが、見てのとおり今はソチ五輪に全ての精力を傾けており、連日早めに仮眠しちゃ深夜に起床してライブ観戦で、実質的な日々の睡眠時間は三、四時間という有り様。とても日記まで手が回りません。それでもたまにはここにだーっと書かないとストレスがたまるということで気まぐれに更新させていただきます。

 まずは夏コミについて。今回申込書は購入しましたが、迷った挙句、手続きはしませんでした。ここ数年、夏落ちて冬受かるというパターンで来ているので、ここで夏申し込まないことが冬にどう影響するかを考えると大変不安ではあるのですが…。申し込みをしなかったのは、ちょっと取りたい資格がありまして、そこへの勉強に集中したいがためです。私もあと数年で四十、そろそろ資格らしい資格の一つでも取っておきたいですし、何より会社からは入社当初からずっと取れ取れ言われてきたので、ここらで本腰を入れねばと思い立った次第です。まあ頑張ります。

 全然話変わりますが、1月5日から今年の大河ドラマとして「軍師官兵衛」始まったね。感想はどうよと言われれば、つまらない、よく見て凡庸としか言いようがないんだが、どういうわけか毎週食い入るように見ています(ボカ〜ン)。放映前は全く期待していなかったけどね。なんせ「天地人」とか「江」とか素晴らしすぎましたからねえ、近年の戦国ものは。今回も脚本が前川洋一って、あのつまらん「陽だまりの樹」の脚本だった人だし、「黒田官兵衛は熱心なキリシタン大名で、側室は持たず一人の妻を生涯愛し続け云々」っていうプレス側の企画文句からして、期待しろって方が無理だったし。

 そもそも官兵衛を主役に大河ってのがどうなのよ。そりゃ黒田官兵衛は大好きな戦国武将だけど、私が好きなのはあくまで「関ヶ原」の黒田如水なんだよ。ここでの官兵衛は本当にかっこよかった。「関ヶ原」は全ての戦国武将たちが立ちまくったキャラでそれぞれの生き様を縦横無尽に見せてくれる、戦国ものの最高傑作であると共に、司馬遼太郎にとっても最高傑作だったと思っている。その中にあって黒田官兵衛というのは最高に魅力的な脇役だ。鬼のいぬ間の九州制圧といい、それがパーになった後、家康に拝謁するところのぬけぬけとした態度と言い、何もかもが素晴らしい(笑)。ラストもほぼ官兵衛がもってってるしねえ…。で、そんな「関ヶ原」を読んだ上で「新史太閤記」を読むのがまたいいんだ。小寺が織田につくということを長浜の秀吉に表明しに行くところが最初の登場シーンなんだけど、両者のシンクロ率の高さがBLばりの熱さで滔々と綴られていくのよ(笑)。ただそうやって熱く描写されつつも、永遠に続く蜜月ではないということもしっかり匂わされていて、そこが「関ヶ原」の官兵衛の立ち回りを思い浮かべた時にぐっとくる。ああ、もちろん竹中半兵衛との友情もいいのよね〜。松寿丸を長浜から美濃に連れていく途中で関ヶ原を通って、半兵衛が松寿丸に「ここは関ヶ原というのですよ」と語るとこなんて、戦国オタなら百回ぐらいその光景とその後の長政の運命を思い浮かべてうっとりしたはず(ボカ〜ン)。

 だから(すみません、だからまでが長すぎますね!)、そんなおいしい脇役である官兵衛をいちいち主役にしてどうすんの、台無しだろ、と思うわけよ。ましてや公共放送の大河の主役ですよ。やはり野におけ蓮華草という言葉がよぎるばかりですよ。ああもうどうせろくなもんじゃない…。とぶつぶつ思いながら第一話、第二話と見て…。まあ、そう悪くないんじゃないかと(ボカ〜ン)。何度も言っているようにドラマとしては面白くないんだけど、その面白くなさというのがなんか優しいんだよね(笑)。例えば「新撰組!」とか「平清盛」の時に嫌というほど味わった、自分の中の大事なイメージを土足で汚される感じというのがない。これはキャストによるところも大きい。岡田君の官兵衛はとてもよいですよ。ドラマが後半に行って本格的に軍師となってからどうなるかは未知数だけど、少なくとも今の青年官兵衛、「チンピラとヤー公しかいない播磨の中にあっては立居振る舞いが上品だった」という基本設定にはとてもはまってる。やっぱ組の香取にしろ清盛の松ケンにしろ、ドラマが進むにつれて拒絶反応の方がひどくなっていったからなあ。そういうのがないってだけでもポイントとしては大きい。

 まあ、しいて突っ込むなら、小兵で非力で運動神経も微妙だったという官兵衛にしては、岡田君の官兵衛は立ち回りが鮮やかすぎるが(光との出会いで、片手に本を持ちそれに目を落としながら馬でとっとこ進むなんて、高度すぎるだろw)。岡田君は身体能力が高いんだから、なおのこと「運動神経ない演技」というのをやってくれたら面白かったのに(下手ってのを演技で見せるには逆によほど上手じゃないと無理だもの)。まあ主役だからかっこよくないとだめよねってことで、贅沢は言いまへん。

 キャスト大事と言えば、前半の重要人物である竹中半兵衛が谷原章介ってのもいいね! はたして、浮世離れした天才肌の半兵衛に谷原さんはぴったりよ〜。江口の信長だけはどうしようもないけど(利まつの反町信長とか、江のトヨエツ信長とかがましに見えるw)。ここは正直、叔父さん役の隆大介と交換してほしかったところ…。

 というわけで今のところ多少ダメな部分があってもなんとか笑って許せる今年の大河です(偉そう)。この感じ何に似てるって、REゼロよ。ゆるい気持ちで突っ込みながら楽しく見られたあの感じにすごーく近い。

 ああそうそう、大河がきっかけで「関ヶ原」と「新史太閤記」を再読してるんだけど、さらについでに「へうげもの」も読み返したよ、全巻がっつり(笑)。いや、最近モーニング本誌も全然チェックしていなかった上、単行本も16巻と17巻をまだ買っていないという有り様だったので、先日二冊買って読んだら、既刊も読みたくなっちゃって…。あらためてその面白さを再確認。官兵衛限定で見てくと、秀長への凸は早い段階から伏線があったんだなーと再確認したり、日本号と黒田節に笑ったり。あと、ドラマの官兵衛の第一話で「黒田家はもともと目薬販売で財を成した」という設定が登場するけど、へうげの中で関ヶ原の最中、九州で一世一代の博打で見事にスッた官兵衛が(笑)、怒りをぶちまけながら自分の目になんかつけてて、最初に読んだ時はそれが何なのか気にもしなかったんだけど、あれこそがその家伝の目薬だったのかと、思わず膝打ちした(笑)。

 あと同じ九州のシーンで官兵衛が「長政が朝鮮から拉致ってきた八山という陶工が筑前の高取山の土がいいって言ってたから、新しい領地は絶対そこを取るぞ」てな内容のことを喋っていて、これまた最初の頃はあんま気にしてなかったんだけど、よくよく調べてみたら高取って、後の遠州七窯、高取焼の高取じゃないかあ! そうかそうか。関ヶ原後の黒田家の筑前への加増移封ってただそうなったわけじゃなくて、黒田親子十八番の計略でもって、徳川方に取り入って取り入ってゲットしたんだな、と思わずにやり。

 というわけで今年の大河は「今度こそ神大河!」という気負いもなく、ただ気楽にきゃっきゃうふふ感覚で一年間付き合えそうです。この感じ何に似てるって、REゼロよ。ゆるい気持ちで突っ込みながら楽しく見られたあの感じにすごーく近い。は、しかしそうは言っても去年の「八重の桜」のこともあるし…。まさか今後また想定外の落とし穴が今後…とは考えない…。今は敢えて。

 さて、今夜は女子SP! と、夕方にあっこさん古傷悪化のニュースが入ってきてもう泣きそう。ぎりぎりまで全力で祈りながら彼女を見守ることになりそうです。頑張れ、あっこ! 取り敢えず本番まで私は仮眠します。



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