猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2014年01月28日(火) さよなら、アドルフ

 名演1にて。19時の回。109分。第二次世界大戦の終戦を疎開先で迎えたナチス将校の一家。しかし絶滅収容所に関わっていた両親は逮捕され、主人公のローレと幼い弟妹たちだけが残される。母の言いつけに従い、バイエルンの田舎からハンブルクを目指すが、という話。

 結論から言ってこんな面子での逃避行、絶対全員死ぬと思うんだけど(しかも一番下の子は赤ん坊だ)。実話なのかな、これ。もちろん全くの子供だけってんじゃなく、途中で収容所から解放されたユダヤ人の若者も加わって、この彼がかなり機転の利く人で、危ういところも何度か切り抜けたりするんだが(まあ、この手のもんじゃお約束よね)。ローレの双子の弟たちがガキってのを差っ引いてもおバカさんで、一行の足を引っ張って、無駄にいらいらしたり(笑)。

 作品としてはちょっと評価が難しいなあ。ものすごくリアルでえげつない部分もある一方で、あちこち微妙に今風の解釈だなー、とちょっと萎える部分もあったりして。おばあちゃんがやたらマナーに厳しい人として描かれていたけど、あの時代は古い世代の祖父母だけじゃなく両親世代だってマナーには厳しいと思うぞ、それなりの家なら。ついでに言えば、バイエルンだって北ドイツだって、いいお家ならやっぱりしつけの厳しさは同様かと。あと、カメラワークがドキュメンタリータッチを狙って始終ぐらぐらしてたんだけど、こういうのは個人的に受け付けないなあ。特にこういう歴史ものにおいては、対象物はどっしり撮って欲しい。

 ただそういう微妙さがどうでもいいと思うほど、ユダヤ人青年の謎が物凄く印象的だった。

 20時55分に終演。もう遅いけど、映画の帰りはせめてコーヒーの一杯ぐらい飲みたいということで、カフェを探して劇場から栄駅まで、東急ホテル側を通っていき、ここでいっかとカフェ・ベローチェへ。カフェラテだけにするつもりが、小腹がすいていたので、一緒にちっこいお菓子(フルーツグロフとかいった)も頼んじまった(ボカ〜ン)。パンフレットを読み、余韻に浸りつつ15分ばかり過ごす。その間もあの青年のことが頭を離れず。あの写真がなんだったのか。結局彼は何者だったのか、ひたすらループ。




2014年01月25日(土) かぐや姫の物語

 最近、人生餃子という中華料理店にはまっています。かなりジャンキーです。今日も映画館に行く前にここのチャーシューメンを食べてしまった。うまかった。ああしかしややこってり系の店なので、あんまりはまるのは危険なのだが。

 そのまま自転車でTOHOシネマズへ。やー、めちゃくちゃ久し振りだ、TOHOシネマズ。上映は13時35分の回から、プレミア1にて。上映して結構たつけどまあまあ人入ってて安心した(あ、でももう一日でこの回だけの上映だったかも・・)。

 素晴らしい!!!!

 いや、高畑勲ファンなら是が非でも見に行くべき傑作ですよ、これは。ヒルダに、ハイジに、フィオリーナに、そしてアン・シャーリーに、一度でも心の琴線をかき鳴らされた者ならば、見て絶対損はないはず! 過去の高畑作品の良質な部分がぎっしり詰まった、信者号泣の傑作。なんかもうねえ、一生懸命頭の方で評価しようと思ったけど・・無理(ボカ〜ン)。やっぱり私は高畑信者なんだなあ、と実感したよ。まあ、この人らしい古臭い庶民賛歌には思わず苦笑いですが、いいのいいの、信者はそんなの気にならない(ボカ〜ン)。

 やあ、ほんと、となりの山田君がこの人の最後の作品にならなくてよかったよ(笑)。あれ見た時は(全部は見ていないよもちろん)もうこの人、演出家としては脳死状態なのかなって思ったもの。うん、これならまだ死んでないと言える(笑)。物語が進んでいくにつれ、高畑勲がまだ生きているという嬉しさで涙が出そうになった(涙)。

 特にどこら辺がぐっときたって、姫とその周囲の人々の関係性ですかね。ここが見事に古き良き高畑勲だった。分かりやすいとこ思い出すと、ハイジとゼーゼマンさんとか、アンと最初の頃のマリラとか。子供を保護する立場にいる人間の無自覚な支配行為があって、子供の側はそれに深く傷つきつつも全てを見通して諦めてしまっている、という構図。かぐや姫とまわりの大人ってのがもろこれなのね。しかもこの映画は夕食時のアニメじゃないから、ここにさらに生臭い大人同士の問題も絡んでくる(婚姻の物語なわけですよ、かぐや姫は)。高畑勲がここまでセクシャルに関して踏み込んだ描写をするってのは、ほとんどはじめてな気がするんだけど、案の定、臭い壺の蓋をちょっとだけ開けて観客の鼻元に持っていくという、この人らしい見せ方でした。あー、なんかもう満足。

 その後はベイシティの方をぐるぐる。ここもリニューアルしてから来るの、ひょっとして初めてかな。食事処が前より充実してきたかな、と。ただ、ペットシティで太鼓のものを買って帰ろうと思ったのに、違うペット会社になってしまっていたのにはがっかりであった。えーん、ポイントカード。まあ、まだ熱田のイオンにあるけどさ、ペットシティ。

 帰りは星乃珈琲店でちょっと早めの夕食と、ここの名物、スフレパンケーキを。季節限定ということでりんごとアイスクリームがのっかったのをいただきました。飲み物はアイスカフェラテにしたんだけど、食べ終わってからなんか物足りなくて(!)、よせばいいのにホットココア飲んじゃった。もうもうもう…。

 食った分がっしがっしと漕ぐ。帰りに西友で牛乳とか生クリームとかレトルトのぜんざいとか買って帰った。べ、べつに自分が全部食べるわけじゃないからねっ。




2014年01月05日(日) 少女は自転車にのって

 11時の開店と同時に新栄の中華そば桜にて中華そばとビール。今年最初に口にする桜のラーメン、しかもビールつき。なんという素晴らしい昼か。

 その後は歩いて名演小劇場へ12時40分からの「少女は自転車にのって」の整理券をもらう。結構話題になっている映画なんだけど、小さい方の名演2での上映か。まあそのうち大きい方でやるんじゃないかと。

 サウジアラビア。イスラム圏の中でも特に厳格なこの国では女性が自転車に乗ることすら白い目で見られる。行動的な10歳のワジダはどうしても自転車に乗りたくて母親にねだるのだが、当然だめの一点張り。そこでワジダは学校のコーラン暗唱コンクールに挑戦し、賞金で自転車を買うことを目論むのであった。

 面白かった! まあ何事も禁止されればされるほどやりたくなるのが人情…。自転車に限らず他のいろんな「女がそんなことしちゃいかん!」ということに、幼い知恵の限りを尽くしていちいち実行しようとするワジダがかわいくて、思わず応援したくなる。何もサウジアラビアの子じゃなくなって大人の目を盗んであれこれ働くってのは誰もが経験あることよね〜。もちろんワジダを取り巻く現実はとっても厳しんだけど、ワジダが一方的に責められて終わりではなく、実はいろんな人がこっそり応援してくれていて…というところがいい(大分作風違うけど、そういう部分は『ガタカ』を思い出す)。

 ワジダだけではなく、彼女の母にもドラマがあって、こっちは大人なのでどうしてもいろいろ深刻だ。確かにワジダの現実は過酷だが、大人たちのドラマには子供にはない生臭いものがどうしてもつきもの。この辺の描写が作品に一層の深みを与えている。作品の尺こそ97分だが、本当によく詰まった名作。

 映画は14時25分に終わり。その後は今年初ペギーへ。まあ年明け早々なのでどこへ行っても大概初ですな。昼にラーメン食べたので、今日はカフェオレだけ。ペギーは豆や器具の購入についてポイントカードをやってるんだけど、それが満タンになったので、今日は豆その他が500円引きで買える。というわけで豆を100gばかし購入。この後そのまま矢場町まで戻ってパルコに行くつもりが、駅までの道の途中でパンケーキ店に出くわしてしまったのが一巻の終わり(ごく最近開店したらしい)。文字通り甘い蜜に吸い寄せられる虫のごとく、パンケーキというウツボカヅラの中へ真っ逆さま。ええ、ホイップクリームパンケーキ、おいしかったです…。

 今度こそパルコへ。ボストン向け、あとの探し物としては耳まで覆える毛糸の帽子とボストンのガイドブック(昔買ったのが家にあるけど、確認してみたら案の定古かったので)。ガイドブックはリブロですぐ買えた。その後東館の帽子店で毛糸の帽子を探したが、なかなかいいのがない。ううん、もうみんな値引きになっているから期待したんだけどなあ。西館まで足を運ぶものの結局いいのはなし。もう一度東館のお店へ。すると今度はあった。まさに探していた、耳当てのついたタイプのものが棚の奥の方にあったのだった。色は好みど真ん中ではなかったけど、まあ悪くはない。すぐに買った。

 さてあとはドルへの両替だな。だがしかし憂鬱だわ、この頃の円高ときたら。なんだよ1ドル104円って。ああ75円とかだった頃が懐かしい…。




2014年01月04日(土) ひたすらお買い物

 本日は太鼓の躾教室が冬休みということでお休み。一日フル活用、と栄のデパートをひたすらぐるぐる。つっても個人的お楽しみではなく、ボストン全米向けのお買い物です。要領悪いもんだから、「ああそう言えば、あれが要る!」って後からちょろちょろ思い出しちゃうばかりで、こんなぎりぎりまで必要品を買いに行く羽目になる。ラシックではMARKS&WEBのハンドクリームを買った。たっかいけど、店頭のサンプル使ってみたらすごくよかったので。あと一回分だけパックされたクレンジングジェルも何個か。それからロフトでは新聞の切り抜き保存のためにクリアファイルも。あと飛行機や会場で長時間座るから、そのためのクッションも。

 歩きすぎて帰宅後はぐったり。しかしラシックのリンツでホットチョコレート飲んじゃったし、遅めのランチで香蘭園でチャーハン食べたし、やっぱり爆食モードだ(ボカ〜ン)。




2014年01月03日(金) ブランカニエベス

 嗚呼新年の一作目。ミリオン3、12時35分からの回にて。来週10日で終わりと知って慌てて行ってきた。白雪姫の物語を、舞台を昔のスペイン(のような国)に置き換えたダークなメルヘン。ま、もともと白雪姫自体ダークですが。ちなみに白黒サイレント。

 どうでもいいですが、冬コミが終わってからこっち、なんだか爆食モードです。今日も11時過ぎに整理券貰った後、映画が始まる前にケンタッキーまで歩いていって2ピースセットにナゲットまでつけてしまった。食っている間は無我の境地でした。後のことは考えまい。

 名物闘牛士のアントニオは闘牛の最中に事故に遭い、その現場を目の当たりにした彼の美しい妻カルメンはショックで産気づき、娘を出産。だがカルメンはその産褥で命を落とし、一方のアントニオは一命こそ助かったものの障害を負い、さらに妻の死を聞いて無気力に陥ってしまう。アントニオが運ばれた病院の看護師エンカルナは、アントニオの富と名声に目をつけ、失意の彼に巧みに取り入り、後妻の座を手に入れる。カルメンが生んだ娘、カルメンシータはアントニオから顧みられることもなく、母方の祖母へ引き取られるも、その祖母はカルメンシータの成長を見届けることなくこの世を去ってしまう。やがてカルメンシータは父の元へ引き取られるが、実家はすでに父もろともエンカルナの独裁下におさまっていた…。

 で、この後お約束でカルメンシータはパンズラビリンスのあの子よろしく、ぎったぎたにいじめられ(涙)、あとはまあ白雪姫そのまんまの展開となります。やー、使い古されたおとぎ話の、毒々しくも美しい部分を下手にいじることなく、いいとこをそのまんまもってきてくれてて気持ちいい。そしてスペイン映画、相変わらずガキも動物も容赦なくいじめてます。ハリウッドじゃ絶対無理(笑)。

 エンカルナ役の人はどっかで見た顔だなと思ったら、パンズ・ラビリンスで家政婦やってた人だね(弟がレジスタンスに入ってて、という)。あれは主人公の味方だったけど、今回のは実にえげつなかった(褒めてます)。

 この後、栄まで歩いていって三越とか松坂屋とかひととおりぐるぐる。三越のそばのプレイガイドで名古屋ミニシアター共通回数券も購入。3月末までなので、余裕で使い切れるだろう。そして昼の爆食を忘れて松坂屋のカフェでうっかり(何が)ココアを飲んでしまった。ぎゃああ。



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