猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2013年05月31日(金) 夏コミ、落ちました

 今回も今回とて、安定の冬将軍であります。ただまあ例によって仕事がばたばたしていてなーんも準備していないので、ちょっとほっとしてもいたり(ボカ〜ン)。すみません。

 これを幸い、まだ涼しい今のうちにいろいろ下調べして書き進めておこうと思います。というわけで冬は参加します。でも夏が終わったらソチで頭が一杯になりそう(苦笑)。

 というわけで新刊はもう少し先になります。その時はよろしくお願いします。

 ところで今日4時半頃に仕事の合間にこそっとネット開けて、ヤフーで「コミケ」をリアルタイム検索したのよ。そしたらあーた、受かった落ちたの呟きがわんさか。この時間でもうメールが届いていたんだね(検索は6時半から解禁だが)。だから自分も帰宅したらすぐにでも当落メールが来ているんだと信じて疑わなかったのに、いざ帰宅後にメールチェックしてみたらサークルドットコムからは何もなし。変だなと思ってログインしてみたら、サークル情報がきちんと更新されていなくて、メールアドレスが登録されていなかったことを知り、がっくり。しょうがなく太鼓の散歩に出かけ、へとへとで帰ってからこの結果を知ったのでした。あー、もう。次から気をつけよう。




2013年05月18日(土) ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮

 18世紀後半、デンマーク王クリスチャン七世とその側近ストルーエンセ、王妃カロリーネによる政治改革と、彼らの三角関係を描いた映画。名演1にて。

 王室ものってそれだけで間口がゆったり広がる私。どっしりとしたドレス、くるくる頭のかつら、で、そんなお貴族様方の愛憎愛憎とくれば、多少つまらなくても許せるってもんだ。しかも、ストルーエンセ役が愛しのマッツさんとくればハートマークがいくつあっても足りゃしない。例え朝9時50分からの回だろうが、137分の大作だろうが、終始しっかと目を開けて見通しましょうぞ。

 というわけで概ね満足だったんだけど、やっぱりいろいろ突っ込みどころはあったな。まず王妃とストルーエンセが頭悪い。二人とも偲んで逢瀬を重ねているつもりなんだろうけど、「それ絶対ばれるだろ」ってな会い方ばっかし。一番バカだと思ったのが、離宮の庭で二人きりで会って、あまつスキンシップしちゃってるとこ。ええ、まんまとアンチのお姉さま方にオペラグラスで発見されて、ネタ提供ありがとうですよ。お約束で妊娠までしてるしねえ。ま、カロリーネも王妃とは言え不倫がばれたらただじゃ済まないんで、妊娠が分かった後にクリスチャンとの既成事実を作ってカモフラージュしようとしてるんだけど、国王とは最初の頃しか関係がなかったのに、ここへ来て急に寝所を共にしたら、逆にまわりは勘繰るだろうよ。お貴族様方は下衆な話題が大好きなんだからさー。で、結局ストルーエンセとの不倫はこれらのボロが祟ってばれるんだから、カロリーネもストルーエンセも自分でスキャンダル公開の清書をしたようなもんだろう。

 まあでも真面目に面白かった部分もいっぱいあった。カロリーネの描写なんか特に。もともと芸術を愛する高踏な人物であったこともあって、統合失調症で会話もろくに成り立たないクリスチャン七世との関係に日々嫌悪を募らせていく辺りとか、とてもリアルだった。この辺があるから後にストルーエンセと出会った時、理知的な彼にどんどんはまっていくカロリーネの気持ちが、よく分かる。ただ、この三人の場合単にクリスチャンを除いた二人の不倫ってだけじゃなくて、クリスチャンとストルーエンセの友情という部分もあるので、ややこしくも面白い。はっきり言ってクリスチャンはバカなんだが、彼も彼なりに疎外感や無力感に傷ついていて、兄のように接してくれるストルーエンセに依存していくのである。そう、要は夫婦揃って同じ男を愛してしまうと言うわけだ(笑)。

 ただ肝心のストルーエンセも案外器がちっちゃい男なんで、どっちにしてもカロリーネには「あんた、男運ないね」と同情せざるを得ない。ストルーエンセによる民衆の立場に立った改革自体は大いに立派なものなんだけど、平民でしかも外国人なのに偶然王に気に入られて側近に、という経緯からしてすでに渡る世間は鬼千匹の予感だってのに、案の定リベラル厨の勢いまんま、次から次へと改革を断行してしまうのだからして、そりゃあんた死ぬよね、としか。マッツさん大好きの私としては、こんなかっこ悪い役(笑)はなんとなく嫌なんだけど、でもよく考えたらこの人ってこんな役ばっかりだったなと思い出して、今回の役柄も妙に納得した(笑)。全力でかっこつけながらバナナの皮ですっ転ぶような人がはまりますね。ふふ。

 などと結局文句ばっかり言ってるような感想になってしまったが、ちゃんと面白かったよ。少なくともあの「マリー・アントワネットに別れを告げて」よりはずっと歴史ドラマらしかったし。

 終わって時計を見ると12時10分。前から興味のあった、劇場の道路挟んで向かいにある三元亭へ行ってみる。ランチの時間ということでラーメンと小チャーハンのセットを。お値段750円といたって普通だけど、味の方も並。次はいいや。

 その後大須ベーカリーで食パンとアップルパイを買って帰宅。




2013年05月12日(日) 命をつなぐバイオリン

 本当なら上映スタートした先週から行きたかったんだけど、先週はセデックに行っちゃったからしょうがない。そんなわけで11時からの回へ。予告編見た時からとても楽しみにしていた映画。なんつっても子役たちがかわいいよな。映像見る限りでは演技の方もよい感じだし。その上音楽ものときた日にゃあ。嬉しかったのは上映がセンチュリーでしかも大きい方のセンチュリー1だったこと。まあ、人気とかじゃなくて別作品との時間の兼ね合いでセンチュリー1になったんだろうけどね。だってそんなに人入っていなかったし。なんせ開始15分前に整理券貰いに行ったのに、11番だったんだからねえ。映画の方は100分なので、トイレを気にすることもなく、カフェでオレンジジュースを買ってごくごく。

 「ライフ・イズ・ビューティフル」以降、時代考証が雑なホロコースト物が増えたような気がしてしょうがない。「縞模様のパジャマの少年」なんかもその類だよなあ。とまた思い出し悪口になっちまうが、収容所の所長の息子と囚人の少年が鉄条網越しに友達になるなんて有り得ないでしょ。アーモン・ゲートの娘も、ルドルフ・フェルディナント・ヘスの子供たちも、収容所の真っ隣に住んでいながら、最後の最後まで、収容所がそこにあるということ以外なーんにも知らなかったわけだし。よく考えたらそういう現実の方が嘘みたいなんだが、戦争というのはこういう嘘みたいな現実が奇妙なリアリティをもって続いていくということで、そういう部分が描かれない戦争物は逆に作り物としか思えない。

 というわけでその辺のホロコーストもどきだったら嫌だなあと思いつつ見始めた本作だが、予告編の段階から感じられた良作の予感そのままに、非常に真摯な作りの戦争物だった。

 舞台はポーランド。第二次大戦中、独ソ両方から侵略されたことは周知のとおり。ポーランドでビール会社を営むドイツ人実業家を父に持つ主人公は音楽を通して近所のユダヤ人の男の子と女の子と仲良くなる。物語りでは前半にソ連軍の侵攻が描かれる。このため皮肉にも主人公一家は「いわれもなく迫害される恐怖」を経験するのである。だが言うまでもなく、その後ポーランドにはドイツ軍が侵攻し、ユダヤ人たちは追われる身となる。ここで主人公のドイツ人一家が彼らを助けようとするのである。普通の映画でドイツ人を助けるユダヤ人なんてリアリティのかけらもないのだが、前半でドイツ人たちが迫害される恐怖を体験する、という流れがあるおかげでその辺のストーリーが善人の良心的行為というありきたりなものにならずに済んでいる。一難去ってまた一難の脱出劇は一瞬たりとも見逃せないサスペンス性あり、またそれでいて一つ一つがテンポよく進んでいくので実に入りこみ易い。

 しかしこの手の作品でそういう「きちんとしたこと」をやっている作品というのは、自動的に、後味が非情に悪い作品だということでもあって…。子供が主人公であってもそういう部分は史実どおり容赦なかったので、結末はかなりずっしりきた。

 冒頭と結末に出た「楽譜の行方」がややフィクション臭かったが、あれが分かりやすい救済ではなく、永遠に失われた可能性の象徴として使われていたので、逆にある意味作り手の良心に触れた思いだった。

 12時45分に終了。雀おどりでおむすびセットを食べる。それから金山に行ってJRへ乗り換え。なんだか唐突に東海道線の景色を堪能したくなりましたの。結局蒲郡まで行って降りて、ちょっとだけ周辺を歩いて(さすがに竹島まで行く余裕はなし。つか暑かった)また金山へ戻った。




2013年05月07日(火) ツイッターやってるよ

 連休明けの今日は働くのが辛かったわ。でも明日もまたちゃんと朝起きるのよ。

 もともとしょぼかった更新が三月以来いよいよしょぼくなって申し訳ありません。一応映画は見ています。オズも見た。リンカーンも見た。天使の分け前も見た。セデック・バレも見た。どれも面白かったので感想はいずれ書くよ。

 あと週アニメを久々に見ております。まずは「革命機ヴァルヴレイヴ」ね。サンライズのオリジナルロボット物だし、脚本はギアスの大河内だってんで、第一話からきっちりセットして見始めたですよ。いろいろ突っ込みどころは満載だけど、今んとこすげー面白い。深夜らしく血生臭い内容で、素晴らしい(笑)。とにかく翌週が楽しみでしょうがないっていうのは大事よね〜。「翠星のガルガンティア」も五話から録り始めたけど、こっちはまだ見れてない。四話まではバンダイチャンネルで補完できるかな? あと「進撃の巨人」ね。これは出来いいみたいで楽しみ。これも一話からきっちり録ってるので、いずれ追いつきたいです。

 あと実は大分前からツイッターやってます。アカウントはd_bambinaです。内容はフィギュアスケート中心ですが、最近じゃ他のこともいろいろ呟いています。フォローもリムもご自由に。ただしこちらからのリフォローはほぼいたしませんので、悪しからずご了承下さい。ツイログにも登録していますんで、過去ログも見られます。




2013年05月05日(日) セデック・バレ第二部 虹の橋

 4月27日から上映スタート。第一部が10時45分から、第二部は13時半からとなっていて、5月10日までこの時間帯となる。以降は時間帯こそ変われ、第一部と第二部一日一回ずつというのは変わらない。ちなみに第一部が144分、第二部が132分とどちらも尺はたっぷり。あとこの作品はシネマスコーレでも上映中だ。

 第一部「太陽旗」は昨日見た。そう、この間大須で買った名古屋ミニシアター回数券を使って。て言うかこのチケット、三枚綴り3990円で普通にぴあで買えるのね。知らなかったよ、ガーン。てっきり株主優待券みたいな、一部の特権階級だけで回っているもんだとばかり。あたしら庶民はたまに金券屋に流れてくるものを買うしかないのかと…。まあいいわ。今後大いに活用させてもらいますよ。

 11時過ぎに映画館に行き第二部を求めると、21番の整理券。おお盛況ですな。整理券を貰った後は昨日に引き続き馬車カフェへ。今日はビーフシチュー。昨日はタイカレーだったからこれでここの全三品目を制覇することになる。というわけでビーフシチューもおいしかったんだが、やっぱり馬車カレー(野菜カレー)が一番おいしかった。今後はひたすらこれを注文しよう。

 さて本編。本作は台湾が日本の統治下にあった頃に起こった、台湾原住民(通称首狩り族)による大規模な抗日暴動、霧社事件を描いた大アクション映画でございます。

 昨日見た第一部は、セデック族の長であるモーナ・ルダオの若い頃の話から始まり、その後の日本軍の進駐と、原住民蜂起までが描かれていた。

 セデックの男たちの日常はとてもシンプル。弓矢と火縄銃で動物を狩る。ひたすら狩るのです。その狩場を巡ってしばし争いが起こりまして、そうなったらお互いどちらかの生首を狩るまで闘います。この狩猟や戦闘といった一連のアクションシーンが美しい。野生動物のように無駄のない強靭な四肢の男たちが道なき山野を武器片手に疾走していくのです、ヒャッハー! 褌から下はばっちり生足! うっひょー。カメラワークがまたいいんです。ちまちましたカット割りが一才なく、一気に動きを見せてくれる。このアクションだけで感動です。もうどうやって撮影してるんだよ。『首狩り』という、彼らにとって一人前の男の証たる戦いも、最後まできっちり描写。いやあ本当にぶった切るんですよ、人の首を青龍刀みたいなもんでスパーンと! いやあ、なんとも美しき野蛮。

 けれどもそんな日々は、台湾が日本の領土となったことを期に終わります。日本軍は彼らのいる奥地にまで侵攻し、近代兵器を駆使して原住民をコテンパンに負かします。それからのセデック隷属の歳月は、涙と怒りなしには見られません。ついこの間までチョンマゲして腰から刀ぶら下げて、どうでもいいことですぐ「切腹じゃ!」とかやってた奴らは、開国以来すっかり文明人になったつもりで、モーナ・ルダオたちを「野蛮人どもめ」と見下します。武器らしい武器はセデックたちの手から奪われ、首狩りも「野蛮だ」と禁じられます。狩場もいい所はほとんど日本人に取られてしまい、セデックの本業あがったり。代わりに森の木を材木にして運ぶ作業をやらされますが、報酬なんて微々たるもの。子供たちは村の小学校へ通わされ、日常から日本語を強要されます。

 日本の方針が基本そんな風ですから、現場で直にセデックたちと接する日本人たちの品性も推して知るべし。ええ、どの日本人も皆さんの期待にたがわぬ素晴らしいクソ野郎ばかりです。材木場では警官がセデックの男たちを虐待まがいに扱き使い、小学校では教師たちがセデックの子供達に辛く当たります。お偉いさんの屋敷ではセデックの女が女中として雇われていたりしますが、奥様方、ふたことめには「ったくこれだから蛮人は気がきかないねえ」と聞こえよがしにネチネチ言ってきます。って、そんなの知らんわ、気にいらんならてめえでやりやがれっ。はあ、やりきれない。

 こうなってくるとせめてガキぐらいイノセントで、と願うもの。ほら、この手のドラマなら「子供たちは互いに偏見なく心を通わせ」なんてエピがありそうなもんじゃないですか。・・・なんてね。そんなのありません。日本人ってぇ奴らはガキまで根性悪なんですよ! どっかのガキは、狩場で成人のセデック相手に「ここは俺たち日本人のものじゃないか!」とふんぞり返ります。ざーとらしい子役演技がまた殺意を煽ってくれましたね。ったく、なんなんだ、こいつらは。見渡す限り絵に描いたような日本人鬼子ばかりじゃないか! もうこいつら殺すしかねえ! もちろん見てる私ゃ日本人ですけどね。ええもう、この時点で日本人としてマゾ全開でいなきゃ耐えられません(ボカ〜ン)。

 そんなポイズンな時代にモーナ・ルダオは何をしていたのか。もちろん密かに反逆の時を待っていたのです。ただ、ある事件をきっかけにそれはしばし早まるのでしたが・・・。

 以上が第一部のあらすじで、今日はその続きの第二部。ふう、それにしてもこんな長尺を二日連続で見ることになるとはなあ。もうちょっと間を空けて見るつもりだったけどな。でも逆に言えば思い立った時じゃないと見ないな、こんなクソ長い映画・・・。

 というわけで第二部に突入したのだが・・・、戦闘シーンがエンドレス。ちょっとした感情描写やセリフのあるアクションシーンもあるにはあったが、ほとんどが撃る、走るというだけのシーンで、それがひたすら何十分も続く。まあ、第一部同様非常に質の高いアクションではあるんだ。特に今回はセデックが日本軍から銃火器を奪った上での戦いなので、見た目がとにかく派手になっています。つってもまあ、こんな大規模戦闘、絶対史実無視だよなあ。霧社事件における日本側の戦闘員の死者は軍人22人、警官6人っていうのが公の記録なんだけど、この映画だけ見ていると日本軍、軽く百人は死んでるぞ(笑)。まあそんなこと言うのも野暮ですがね。

 けど、こんだけ延々続くとはっきり言ってだれる。少なくとも私の乏しい集中力ではもちましぇん。かと思うと忘れた頃に静かな場面に変わって重要な展開が来たりするから油断できない。全く観客に優しくない映画だよ。

 さてそんなわけで今一つだれる第二部でありますが、だれるだけに鎌田司令官役の河原さぶが怖すぎた。ざっくり言ってキルゴア中佐みたいなキャラクターなんだけど、キルゴア中佐みたいな笑える要素があんまりなくて、ただただマジキチ。戦いにてこずるとは、狭い司令室でアホみたいにキレて椅子を蹴飛ばし、周囲の部下を罵倒するという、本当に絵に描いた様な有害無能なんだが、いよいよ行き詰ったところで開発途中の毒ガスを戦士たちのいる一帯に散布。このガスがちょっと目にしみるみたいな生易しいのじゃなくて、どっからどう見てもサリン(実際ほぼそれを使ったそうな)…。セデックの戦士たちはもちろんのこと、報復を恐れて村から逃げ出したセデックの女子供たちもこのガスに巻かれて、七転八倒の地獄絵図。で、そんなむごいことをしておきながら、全ての戦闘が終息した後、「蛮族たちには我々日本人が忘れてしまった武士の魂があった」みたいなことを明後日の方向を見ながらしみじみ言います。…もうほんとすみません。とにかく私の中の日本人はドM状態の臨界を突破したところで映画終了。

 ペギーへ行って一服した後はナディアパークでお買い物。夕食はロフトのオムライス専門店「ポムの樹」。昔から気になりつつ一度も足を運んだことがなかったのでこの機会にと挑戦してみたが、大失敗でした。うえーん。

 帰宅後は、革命機ヴァルヴレイヴを四話まで。




2013年05月02日(木) 魔女と呼ばれた少女

 親は用事で不在ということで、そんなら折角のレディースデー、何か見に行くかと昼間に映画情報を検索していたら、これが面白そうだったので行ってみることにした。名演2で19時15分からか。映画は90分だからそう負担でもないね。

 太鼓の散歩を超特急で済ませ、ちょこっとだけ何か食べて、19時ちょっと前に着いたら整理番号は8番だった。名演2とは言え、レディースデーでこれはちょっと控え目な出足だな。あんまし知られていないのか。私も宣伝を見た覚えがない。いや単に最近名演に行ってないせいかな?

 映画の舞台はアフリカ、コンゴ共和国。小さな村が反政府ゲリラの急襲に遭い、少女コモナの両親を含め、村人の大半が殺される。コモナと一部の子供たちはゲリラの手で無理矢理ボートに乗せられ、どこかへ連れて行かれてしまう。

 映画が始まってすぐに、06年に見た「イノセント・ボイス 12歳の戦場」を思い出した。ただあの映画では主人公の男の子はすんでのところで少年兵にされずに済んだが、コモナたちは実に呆気なく徴用されてしまう。ゲリラになってからのコモナの日常がなんとも数奇だ。子供に過ぎないコモナは当然の如く年長者から酷使される。実践でも容赦なく最前線に放り出され、日々の食事すらピンはねされる。その一方で奇跡とも妄想ともつかない不思議な出来事が数々起こり、コモナは生き延びる(それゆえ彼女は魔女と呼ばれるのだ)。この不思議な出来事、というかコモナが何かを幻視する場面というのが、画としては実にシンプルなんだけど、なんとも言えないインパクトがある。子供の描いたのっぺりとした絵がそのまんま実写化されたような不気味さがあり、またそれゆえにあまりにも痛ましい彼女の心象風景そのもののようでもあり。

 結末にはかすかに救いがあったが、90分間息つく暇もないほど悲惨の連続だったので、ひたすら重苦しいものが残った。

 おなかが空いていたので、ラーメン屋の密集している新栄方面に足を伸ばす。今日は初めてのお店に行ってみようと、ちょっと気になっていた「薬膳らーめん 好来分店」へ。二番目に安いラーメン竹(800円)と生ビール。夜の栄のラーメン屋ではあるが、店内は変な客もおらず、店は女性二人がやっていて実に平和。しかし肝心のラーメンは・・・まずくはないけど好みじゃないなあ。あまりにもあっさりしすぎていて、正直「味が・・ない」と思った。比べてしまえば中華そば桜の方が数段うまい。でもまあ、機会があったらあと一回ぐらいは行こうかな。餃子が気になったので。



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