猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2013年02月24日(日) 遺体 明日への十日間

 石井光太のノンフィクション「遺体 震災、津波の果てに」をベースとして、東日本大震災発生直後からの十日間あまりを、岩手県釜石市のある遺体安置所における人間模様を中心に描く。

 スターキャットシネマの上映予定を見ていた時になんとなく目についた本作。しかしノンフィクションがベースとは言え、この題材でドキュメンタリーではなく役者が演じるフィクションを見に行くのは何やら気が引けた。監督が君塚良一でフジテレビがプロデュースというのも、自分にとっては地雷原としか思えず。それでもひとまず見に行こうかという気になったのは、この頃スケートがひと段落ついて頭の中の欲求が映画づいているのと、「まあ、いいかもしれない」という単なる勘である。

 午前中ちょっと寄り道をした後、11時過ぎに映画館へ行って12時からの回の整理券ゲット。015番。この回はミリオン3で上映みたいだけど、この番号ならまっとうな席で見られそうだ。

 雑貨屋をちょっと覗く。例の手提げ袋はあれからずっと売れ残ったまま。まだ相変わらず欲しいってことはもう買った方がいいってことだな。もうそういうことにしよう(ボカ〜ン)。今日もし、映画見終わった後もまだ残っていたら買おう。

 こんなにぐだぐだ迷っているのには、ああいう布製のマチのない手提げなんていくらかわいくても実用的じゃないかな、と思っていたからである。でも最近になって映画見に行く時はいるかなあと思うようになった。やっぱりパンフがね。今持っているショルダーだとパンフは入らないからなあ。ここ数年使っているトートバッグはA4でも楽に入るけど、財布とかポーチとか他にごちゃごちゃ入っている中に薄いパンフを入れると表紙とかがちょっと折れちゃったりすることがあって、そこなんとかならんかな、と悩んでいたんである。パンフ買えば大抵の映画館は袋つけてくれるけど、あれが私は嫌なんだよね。ミリオン座もTOHOシネマズも、ペラいビニール地なのはいいとしてなんでみんなあんなにでかいの。B4ぐらいあるぞ。それでいてああいう袋って手首がすぽって入るわけじゃないからなんかの拍子に手が要る時に非常に面倒だ。雨天で防水が必要じゃない限りあれに入れてもらってもかえって邪魔臭いんだよね。

 さて件の手提げ袋、雑貨コーナーにやはりまだあった(笑)。へいへい、終わったら買いますよ。

 上映が終わるのは1時55分だが、お昼は上映前に済ませたかったので、周辺をきょろきょろ。ぱっと目についたのはドトールとチェーン店のラーメン屋。ラーメン屋は前にも入ったことがあったな。まあとびきりうまいということはないけど、それなりにおいしかったかと。ドトールでレタスサンドでも食べた方がヘルシーな気もするが、まあいいやラーメン。看板にある黒醤油とんこつラーメンがおいしそうだったのでそれを。店員さんが中国っぽい訛りでしかもやったら早口で、一度聞き直してしまった。名札の苗字は日本のだったけど、日本人と結婚したとかかな。まあ、日本人にだってなぜか中国っぽい訛りでしかも異様に早口な人がたまにいますが(ほんとにそういう人いたんだよ)。黒醤油とんこつラーメンは意外にとてもおいしかった。これ、前回は食べなかったんだよなあ。もちろんチェーン店のラーメン特有のネギ(機械で刻んだっぽい感じ、あんまり新鮮じゃない)は嫌だけど、まあこの際。今度からミリオン座での鑑賞前はここでもええかも。

 映画館に戻ると、開場時間まであとわずかだったのでそのまま三階へ。エレベーターで上がってびっくり、すんごいお客の数。ただし初老率高し。なんでじゃろ。どっかの組合で動員でもかけてんの? 私の後に来たエレベーターに乗ってきた人たちがフロアに入れずに困っていたので、スタッフが「恐れ入りますがもう少し前にお詰め下さい」と声かけ。開場して入ると一番後ろの列とその前の通路側はすでに埋まっていたので、その前の席の通路側に座った。まあ充分。少なくともムーンライズん時よりゃましだ。

 本編スタートで出たタイトルはシンプルに「遺体」。ふうん、「明日への十日間」という副題は後からついたものなのかな。些細なことだが「10日間」ではなく「十日間」と表記しているのに好感。毎度思うことだが数字を文章の中に無造作に入れるのはやめて欲しいもんだ。

 釜石市内は海と山が隣り合っている。本作の舞台となるのはその一方の山側の町であり、そこからほぼ動かない。地震後も作品はあくまで山側の住民の視点で進んでいく。従って津波の直接描写は全くなく、地震そのものの描写としては余震が出るぐらいである。

 冒頭、主な登場人物たちの日常描写が続き、その後画面が暗転して地震発生の字幕スーパーが入る。やがて電気の絶えた薄明るい風景が現れて、西田敏行のいるコミュニティセンターの、散乱した一室が映し出される。だがこの時点では誰もが「凄い地震だったなあ」と口にするだけで、なんとも平常そのもの。揺れが収まった後は「やれやれ」とばかりに、懐中電灯を手に家や職場の片づけをする。やがて町内の住民同士で情報が行き交いだし、その中で「海側が大変なことになったようだ」という話が出るようになる。「死者が出た」「死者は何人」「いや何十人」「いやもう、それどころじゃない」と、噂話は段階を追って具体的になっていくのだが、例によって直接描写はない(もちろん観客としてここにいる我々はその後の惨状をテレビで見る程度には知っているわけだが)。そうして不穏な空気が作中に充満する中、海側の町へ通じるトンネルの方から泥水にまみれた救助車両が続々と現れる。

 映画はそこから廃校となった校舎へ移る。
「ご遺体の数があまりに多いので、ここを安置所にします」
そうして自衛隊や消防の手で次から次へとシートにくるまれた人々が連れられてくる。しかし折角運ばれてきても、安置所においてそれを仕切る人がいない。市役所から派遣されてきた若い三人はショック状態でろくに働けない。受付所などが設けられるわけでもなく、遺体が無造作に並べられる中、かつて葬儀社で働いていた西田敏行はその成り行きに心を痛め、自分が仕切りを買って出る。

 この西田敏行以外にも、歯科医師として遺体の歯列を記録していく柳葉敏郎、遺体の特徴を死亡診断書に記入していく内科医の佐藤浩市、葬儀社の社長として社員と共に棺桶を調達して遺体を火葬場へ送る緒形直人などが登場する。いずれの仕事も必要な仕事とはいえ、もう死んでしまった人と一時の休みもなくただ延々と向き合う勤め。怪我人や病人を助けるのとは違う。必要なことだと頭では分かっていても、誰もが心では様々なことを思う。

 驚いたのは、何を撮ってもテレビドラマ臭い君塚良一が、今回はその芸風がとてもひっそりとしていて、このように再現された空間をよい意味で淡々と撮っていたということである。役者にしても油っこい揃いのわりには全員が顔も台詞回しもほとんどまっさらのようだった。様々な念を抑えつつ、それでいて不思議な重みがあった。唯一の例外は西田敏行で、ナイトスクープの感動ネタで誰よりも早く滂沱となるあの西田敏行が、演技もへったくれもなく素の状態そのままに、たった一人でノンストップエモーションだった(まあこれも違う意味でまっさらな演技か)。先述したように全員が抑えた演技をしていたので当然浮いていたわけだが、ただ不思議とそれがマイナスに感じられなかった。どこにどういう説得力があったのか、具体的には分からないが。

 映画は1時55分に終了。どこまでもしぶとく残っていた手提げ袋を引き取る(笑)。その後地下鉄に乗ってそのまま東山線で星が丘へ。久々に東山動植物園。近頃どこも梅開花のニュースをやっている。ここもさぞかしと思いきや、どの梅もつぼみがうっすらできている程度だった。こりゃ来週だな。いやへたすりゃ再来週かも。今後の気温にもよるけど。

 風は冷たかったが歩いているとそんなに寒くないなと思ったので、そのまま動物園までぐるっと歩いて回ったのだが、吹きっ放しの風はやはりそれなりに手強く、動物園側から出る頃にはほとんど朦朧としていた。ううう、はよ駅に入りたい〜っ。

 その後は池下へ。駅の駅ビル側の出口に中敷を売っている店があったことを思い出し、駅ビル側の改札をくぐると日曜日なのに律儀にもやっていた。早速物色したのだが、どれも一長一短。取り敢えずまあこれならというのを一つ買い、駅ビルのトイレで交換。古いのはごみ箱に葬った。今日この時までご苦労様でした。それからペギーでカフェオレとアイス。食べている間に、さっきトイレに寄っただけだった駅ビルをもうちょっと覗きたくなったので、店を出た後また駅ビルへ。ま、ここもはっきり言っておばちゃん御用達なのでそんなに素敵な物はないんですがね。だがクロワッサンのお店を覗いていたら、いい中敷が売っている。ありがたいことに試着用の見本まで置いてあって、そばにちょうどいいベンチもあったので早速もぞもぞ試着してみたのだが、さっき買ったのより遥かにいい付け心地で苦笑い。お値段は1890円と、さっきのより数段高い。ううん、最初っからこれ買ってりゃなあと後悔しまくり。さてこの時点で手持ちの現金がもうほとんどなかったので、カードでお買い上げ。お店の人にすぐ使いますと言って、パリ袋から開けてもらい、さっきのベンチで交換。懐は寂しくなったが、一気に歩きやすくなって気分爽快で帰宅。




2013年02月23日(土) 塀の中のジュリアス・シーザー

 名演2にて12時5分から。76分。中日ビル辺りに行けばまだ前売りを売っていたかも知れないんだけど、寄る暇がなかったので実に珍しく定価鑑賞。まあたまには名演を儲けさせてやろう。

 イタリアの実際にある凶悪犯の刑務所で更生の一環として行われている囚人たちによる演劇。今回のテーマは「ジュリアス・シーザー」。何それ思いっきりOZじゃん! あれもジュリアス・シーザーだったよね〜。OZではその演劇内でセオリーどおり殺人事件がおきましたが、こちらではさすがにそんなことはありません。最初にオーディションの風景から始まる。「妻に別れを告げて泣く」演技と、あとは激昂する演技。ここが面白かったね。いやあ、さすがイタリア男はエモーショナル〜。同じ外人でもアングロサクソンだとこうはいかないんじゃないの? 特に泣く演技なんか。ま、激昂する演技はさすが皆さん凄く慣れた感じ。もう笑っちまうほど(笑)。

 出てくる囚人には最初に罪状と刑期が表示されるのだけれど、重罪人ばかりとは言え、殺人犯は面々の中には意外と少なく、大半は薬だった(うろ覚えだが)。殺人犯ぐらいまでいくと、こういうことにも興味わかないのかな。ただ中で一番つるっとしたおとなしそうな顔した人がほぼ終身刑だったのにはびっくりした。反マフィア法によりってあるけど、どういう意味なんだろ。

 その後は練習風景がずっと続いて、練習中に実はちょっと仲が悪いもん同士がバチバチっとなったりしつつも、本番となって終了、という感じで、OZに比べりゃ実に平和な展開。そりゃ現実はこうでなくちゃ困るわな(笑)。正直ドキュメンタリーにしちゃ撮り方がえらいスムーズなので、大分仕込みが入っているんじゃないかという気もするんだけど、どっちにしろたった76分なので、まあいっかって感じ。短いって大切だね(ボカ〜ン)。ただ、普段の練習の日もそうなんだけど、これから劇だっていう本番の日にも彼らは刑務官から番号で呼ばれてそれぞれの房から出て行くんだよね。で、劇が大盛り上がりの中で終わっても、その終幕から間髪入れずに全員番号で呼ばれて房に戻っていく。ここのところはなんとも重い味わいがあった。

 香蘭園で久し振りにラーメンを食べ、大須ベーカリーでイギリス食パンを一斤。いつも半斤を買ってお店に五等分にカットしてもらっているんだけど、今日は一斤。最近朝は食パンが食べたくてしょうがない。大きいのを切らないで買って、食べる時に好きな厚みにカットして貪り食いたい。

 それから松坂屋に戻って食材コーナーで油揚げと梅干を買う。はっ、そう言えば松坂屋のリフォーム屋さんに、直してもらいたいスカートを持っていくんだった! 紙袋に入れてトートバッグの横においておいたにも拘わらず忘れてきた〜。

 その後は特にどこを見ることもなく地下鉄へ。金山駅に着いた時ふとスマホを見ると不在着信が入っていた。なんだろうと思って番号を見ると、犬の躾教室の先生から。毎週土曜日に太鼓と共に犬の躾教室に通っているのである。折り返してみれば、今日は他のわんちゃんたちから欠席の連絡が相次ぎ、出席予定なのが私とあともう一件だけとのこと。教室では犬の行儀作法のみならず、不特定多数の犬やその飼い主と触れ合うことも授業のうちなので、今日のようだと成り立たない。というわけで今日はもうお休みと言うことにしませんか、とのこと。うーん、そんなことだったらあと一本映画をはしごしたのになあ。それか喫茶店でだらだらするとか。まだ3時前だったので、じゃあこのまんまどっか行こうかなとも思ったのだが、早く帰れるのならこの際太鼓とたっぷり散歩でもするかと、そのまま帰宅。もっとも家に着いたら着いたでなかなか出発しないでついお菓子を食べちゃったりだらだらしてしまい、結局散歩に出たのは4時半。白鳥公園まで行き川沿いをぐるっと。途中、なんと躾教室の先生とそのわんこたちのお散歩中に遭遇。まあ偶然。教室では先生のわんこたちもお馴染みなので、太鼓は大喜び。ちょっとお喋りしてじゃあまた今度お願いします、と。帰宅したのは5時半過ぎ。この頃は日が長いので、このぐらいの時間に帰ってきても、まだ真っ暗ではない。

 太鼓の足を洗ってやって餌を出した後は、加ト吉うどん。今日買ってきた油揚げを入れてさっぱりとした夕食。未見の録画分と共に消化。




2013年02月21日(木) 再びスターキャットシネクラブ会員に

 ここんとこずっと、スターキャット系列の映画館で映画を見る時は金券屋で1300円で売っているスターキャットの共通鑑賞券を使っているのだが、最近いちいち金券屋で調達するのがめんどくさくなってきた。もうこの際会員にまた戻ろうかな。今のやり方より会員の方が金かかるんだけど。

 しかしHPを覗いてみると、かつてとはまた会員特典が変わっていた。会員がいつでも千円、入会金が5千円、更新料は4500円でその際に無料鑑賞券がもらえるのは従来どおりだったが、毎年4月更新という形がなくなり、誰でも入会した月から一年を区切りとするという風に変わっていた。ポイントがまた変わっていた。一回の鑑賞で1ポイント、10ポイントで無料ご招待というのはそのままなんだが、パンフを買っても1ポイントもらえて、たまるとこれまたパンフが500円割引になるという。

 これなら結構お得じゃないのと思い、早速サイトから申込書を出力して記入。今日映画鑑賞の予定こそなかったが、センチュリーシネマに行って入会申込書を出すことにした。太鼓の散歩を済ませた後、大須で降りて香蘭園とは別のラーメン屋へ。ここは前から行ってみたかったんだ。大須というといつも香蘭園に行っちゃうばかりで、アーケード内で他の飲食店をろくに覗いたことがない。さてそこのラーメン屋、看板の威勢がいいので、30代ぐらいのおっさんが威勢よく切り盛りしているのかと思いきや、人のよさそうなおばさんが一人でやっているばかりだった。席はカウンターのみ。私が入った時はおじさん二人とおばさんが一人いたが、おじさん二人はすぐに食べ終わって帰った。

 お店、ラーメンはまあまあおいしかったし、香蘭園と違ってそこそこのレベルの餃子が出てくるのはありがたいんだけど(なんせ香蘭園の餃子はおいしくない)、リピートするほどじゃないかな。このアーケードの飲食店はどこもすぐ閉まってしまう中、ここは比較的遅くまでやっているので、他の店がやってない時はいいと思うけど。

 そうやってセンチュリーシネマへ。ああ、イ・ビョンホンの「王になった男」やってるんだ。これちょっと見たいんだよなあ。申込書をカウンターへ出して10分ほど待った後、会員カードが発行された。カードはプラスチックの会員カードと、ポイントカードが二つ。えええ、映画のポイントカードとパンフのポイントカードって別だったの? なあんだ。もういいけどさ、この際。スタッフさんの目の前でプラスチックの会員カードにマジックで名前を書かされ、完了。ま、せいぜいスターキャットに貢がせてもらいましたよ。




2013年02月17日(日) ムーンライズ・キングダム

 映画館には10時50分頃到着。お目当てはミリオン3で11時50分からやる「ムーンライズ・キングダム」。ああしかし今日見に行くって分かってたのに、私としたことがスターキャットの鑑賞券を切らしていた。はあ。まあいいや、パルコカードがあるから1500円で見られる。ところがカウンターで整理券を求めると、今日はミリオンが特別デーとかで誰でも千円なんだと。おお。しかしこんな日はお客さんが一杯来るに決まっている。はたして整理番号は032。うわあ。これじゃちゃんとした席に座れるかどうか微妙だなあ。とにかく開場時間10分前にはきっちりに来ていないとやばい。・・・と、しっかり危機感を抱いていたにも拘わらずお昼を大須に食べに行ってしまった私は本当に馬鹿だと思う(ボカ〜ン)。再び映画館に着いた時、すでに60番台がコールされていた(ボカ〜ン)。おおお・・・。もうなんなの、馬鹿なの死ぬの?

 というわけでただでさせ狭いミリオン3でよりによって前から三列目ぐらいで見る羽目になってしまった。こんだけ前だとスクリーンの粒子ばっかり目に付いてしゃあない。ううう、折角スタイリッシュなカラーコーディネイトが売りのウェス君の映画でこれはない(涙)。しかも下から見上げてみるから、画面が歪んじゃってる。もう、自分が悪いんだけど。

 そんなわけで話しに今一つ集中できず、寝落ちすることしばし。しっかと見たのはビルのセミヌードと、ブルース・ウィルスが登場するシーン大体、ぐらい・・・。あ、いやあの超美少女ヒロインが出てくる場面も抑えていたよ。美少女は見逃さない。とは言えううむこんなはずでは・・・。いつかもう一回見ようかな。

 見終わった後は雑貨コーナーをうろちょろ。あ、先月「マリー・アントワネットに別れをつげて」を見にいった時にいいなあと思った手提げ袋がまだある。これとは別にあの時はスカーフもいいなあと思ったんだよな。スカーフの方はあれから程なく売れてしまったのだけれど、手提げはまだ売れ残ってるわ。「欲しいなあ。でもううん」を繰り返しつつ、ミリオンをさよなら。地下鉄で名駅へ行き、地下の喫茶店でチョコパフェ。なんだけど、前に座っていた母子連れのお母さんが、何しにか知らないが、食事したスプーンをお水のコップにしょっちゅう突っ込んで洗ってて、こちらの食欲をそがれることしきりだった。よっぽど席変わりたかったけど、満員でそうもできず、とほほ。

 その後はめいてつ、高島屋。さらにラシック、三越、松坂屋、パルコと大行脚して新しいお財布探し。とは言え「絶対これ!」というのは見つからず。うーん、またアナスイでいいかな。古いバージョンの赤い二つ折りがバーゲンになってたから、このままいいのが見つからなかったらあれにしよう。そう、古いアナスイのがいい。最近のアナスイの財布はどうもねえ。バッグはよい意味で変わらないのに、財布はなんだってあんなに変わっちゃったんだろう。中にはいいのもあるけど。

 その後は大須へ行って米兵なども覗くが、ここも特に。大須ベーカリーで角食パンを買い、そのまま帰ろうと思った時、十字路の角にある鞄屋が目についたのでちょっと覗いてみた。小さい店だけどここも結構いい鞄や財布を売っているんだよね。と、するとびっくり、松坂屋南館の改装以来名古屋から姿を消したわがお気に入りのホコモモラの財布が一杯あるじゃないか!? な、なぜこんな大須の片隅で。うわー、しかししばらく見ないうちにこんなに新作が出ていたとは。私は特にプエブロスが気に入った。インディアンか何かの絵が刺繍っぽく載っている合成皮革の長財布だ。同じ柄で二つ折りと長財布とあって、長財布は外Lファスナー、中Lファスナー、がま口の三種類。まあ外ファスナーだな。問題は色だ。シルバー(ホワイト)、ブラック、スカイ、ピンク、レッド。ブラック、スカイ、レッドの三色で激しく迷う。おおおおおおおおおお。一生分葛藤した後にブラックに。レッドがあんな濃ピンクじゃなくてワインレッドみたいなのだったら一秒も迷わなかったんだけどね。それにブラックが鉱石みたいに緑がかったブラックというところが私的には高ポイントだった。よし、明日からこれ使うぞ。

 太鼓の散歩に行った後、今日の夕食は母と二人だけということで、二人してベルデへ。早速新しい財布を見せびらかす。




2013年02月16日(土) TED(字幕版)

  気がつけば見たい映画がどんどん上映予定に入ってくる。TOHOシネマズでは3月1日から「ジャンゴ 繋がれざる者」(同じ日に始まるゼメキスの「フライト」もちょっと見たい)、3月9日からはミリオン座でミヒャエル・ハネケの「愛、アムール」、3月16日からはマッツさん主演の「偽りなき者」。そして最も楽しみなのが3月22日からTOHOシネマズで始まるPTA監督ホア主演の「ザ・マスター」。まあ次から次へとごろごろしておる。なのでもうすでに上映が始まっている映画についてはさくさくと見ていかないと後で泣きをみるのは明らか。

 今日のTEDは中野翠の感想などからすごく楽しみにしていた映画。んが、TOHOシネマズでしか上映しないんだよなあ。最近本気で車を運転することを断念しつつある私としては(なんかすごく中途半端な表現)、とっても困った。TOHOシネマズでやるような映画は大抵ミッドランドでもやるのに、どうしても見たいこれに限ってTOHOシネマズだけだなんてえ。

 公共交通機関で行くことも考えたんだが、とんでもなく遠回り。前々から自転車でTOHOシネマズに行ってみようと思っていたので、今回そうすることにした。車で10分ぐらいの距離だから、自転車でも30分、長くて4、50分もあれば間違いなく着けるのでは。真夏だったら自転車なんて勘弁だが、冬ならなんとか。現在の字幕版TEDの上映スケは11時20分、17時55分、21時。まあどう考えても11時20分一択というわけでその回を目指し、10時40分頃にママチャリにまたがって、家を出た。て、もうちょっと早く出かけたかったのに、相変わらず支度が愚図で嫌になる。

 地理は大体頭に入っているので、「信号の少ない道」「でこぼこの少なそうな道」「紫外線ノー。なるべく日陰」を脳内検索しつつ、ガッシガッシ。ぶえー、しかし今日は風が強い。とにかく必死にガッシガッシ。車の時は全くスルーしている喫茶店やレストランが目に入ってきて「よさそうだなあ、帰りのお昼はここにしよかな」などと妄想しつつガッシガッシ。シネマズの駐車場に入り、腕時計を見ると11時をちょっと過ぎた頃。おお、素晴らしい。余裕で間に合ったよ。自転車は強風を被らない、建物の陰に停車。この辺あんましガラよくないから不用意に停めておくのは恐いんだけど、駐輪場はイオンの方にしかないもんなあ。まあいいや。万が一盗られても日は高いし、歩いて帰れないこともない。漕ぎっ放しで喉が渇いたので、隣接のゲーセンでいろはすを買ってちょっとだけ飲む。

 カウンターで整理券。意外にもTEDは4番スクリーンなのであった。あの488席ある一番大きいボックスで。なんでまた。そこまでヒットしてないよね? 人気作の隙間なんだろうけど(笑)。

 入りは半分弱程度。この大きなボックスにまだこれだけのお客さんが入っているということは、やっぱりそこそこヒットしているのかね。昔からヒットが難しいアメコメである、なんであれヒットは嬉しい。

 いやあ笑った笑った。もう最初っから最後まで笑いっ放し。もう本当にテッドがナイスガイで。テッド自身は一貫して下品なんだけどね。所詮生身のチンチンのないパンヤ綿野郎なので、何をやってもいやらしくない! 私のような女の子でもこうして安心して見に行けるというわけです。まあとにかくあんな仕草やこんな行動、最高の映像テクノロジーを下らないアクションに投入するスタッフの心意気に感動するばかり(笑)。でもそんなテッドも意外とできる奴なんだよね。案外一人でもちゃんと生計立てられたりしてるのよ、憎たらしいことに。ええ年こいて相変わらず実家暮らしの私としては地味に劣等感を覚えてしまったよ。あのパンヤ綿野郎以下なの私? まあテッドが結構きちんと暮らしていけるのはこの映画のいい加減さのおかげというのが大半だけど(笑)、あんちくしょうめが自分のかわいさの効果を自分でもちゃんと分かっているからだろうねえ。女子力高いクマだよ、中身年齢はおっさんだけど。

 動物キャラが周囲を引っ掻き回すという意味ではガーフィールドと同系列なんだろうけど、実際は「ボンクラ主人公が、腐れ縁の親友とボンクラな自分のことをなぜか愛してくれるしっかり者のヒロインとの間で葛藤する」という、アメコメお馴染みのテーマ。まあ要するに「ハイ・フィデリティ」だよな。私のためにあるような映画だわ。ええ、もちろん今回もヒロインじゃなくて主人公とテッドに感情移入しまくりでしたよ! 悪いかーっ。そんでもって最後の方はちょっとうるっときてしまった! なんかやだ!

 13時20分に終了。ベイシティの方をぶらぶら。ああそういや前回来た時はどこもかしこも改装中でひどいもんだったんだよなあ。いやあ、賑やかになったじゃないの〜、とあっちこっちをふらふら。ペットシティで太鼓の餌を買ったらすぐ帰るつもりが、一階のショップで初夏用の半袖シャツを一枚買ってしまった(笑)。

 帰りに星乃珈琲店が目に入った。ああここ、行きにも気がついて帰りに寄ろっかなあ、なんて思ったんですけど。ホットケーキおいしそうだな・・・。いいよね〜、ホットケーキとコーヒーって! んー、でもやっぱ今日はカルチェでスコーンとケーキにしたい。また今度ー。

 ガッシガッシと行くうちに気がつけば昭和橋。風が強かったけどうん、これぐらいなら自転車で行くのは大いにありだな。天気に左右されやすいのが難だけど。

 カルチェではスコーンとミルクティー。またそれとは別にケーキも一個。おお、運動した意味がない。




2013年02月11日(月) 10日の続き、エキシビション

 ああそれにしても最終グループは六分間練習からして異次元だわ。この六分間だけでもすごく見応えがある。滑走順はメリチャリ、テサモエ、ギルポー、チョクベイ、渋谷ズ。まずはメリチャリでノートルダム。練習だけでも素晴らしかったメリチャリはここでもやはり素晴らしい。どんなに眠くて気ぃ抜いてても勝手に二人に目が行く。こんなカス席からでも、ジャッジ反対側で見えるのが二人の後ろ姿ばっかりでも、演技の核が見える。演技中の、二人の髪がなびく様を見ているだけでもこのプログラムの内実が分かるのではないか、とすら思える。それだけにもっと良席で見たかったですなあ。いや、ここからでも充分伝わってくるさね。いやでもだからこそ(延々ループ)。

 お次はテサモエのカルメン。今回のダンスはこのカルメンが一番の楽しみだったんだよね。テレビでは朝日ニュースターの方でスケカナのを見た。今までのプロの中ではこれが一番冒険しているプロなんじゃないか? ただやっぱり物足りないなあ。クリロワ&オフシニアコフのカルメンが好きすぎてどうしても比較で見ちゃうせいもあるけど。正直テサモエって何をやっても上手いだけで印象に残らないカップルなんだよねえ。技術はメリチャリより上だと思うし、その技術を見ているだけで充分面白いけど、トップ選手に相応しい芸術性があるかと言われると正直・・。やはり技術ばかりで芸術性に乏しいと言われ続けたグリシュク&プラトフにしても、96-97シーズンには彼らにしか体現できないパッションと芸術性と共に、あのリベルタンゴとアラビアンナイトをひっさげてきたことを思うと、そろそろあっと驚くようなもんを見せてくれよと思ってしまう。贅沢だけど。

 などと文句を言いつつもやはり生カルメンはかっこいい。うおお、このまま一気にぐいぐい見せてくれーっ、などと思っていたらあれれ、二人がリフトの入りで向かい合ったのに、ちっともリフトに入らないじゃないか。なんかつーっと滑っていってしまった。まさか・・・。はたして二人は止まってしまった。ざわつく観客席。誰もが台北四大陸を思い出していただろう。テッサが片足を少し上げた状態でその場で止まっている。スコットはジャッジ席に話しに行っていた。それから二人揃ってリンクサイドのズエワたちのもとへ。リンクサイドの二人をカメラが撮っていたが、スコット凄い形相で追い払われていた。ああ、そういや台北の時もリンクサイドのカメラがコーチと棄権の議論中のテッサをアップで撮ってて、あの時はカナダの連盟の人が追い払っていたんだっけ。

 どのくらいの時間がたったか、二人はリンク中央に戻っていって、ジャッジの方へ進んでいった。これで棄権かと思っていたので、その後音楽が流れ出した時は心底びっくりした。音楽がしばらくの間流れていて、その中で二人が特に演技をすることもなく普通に滑っていた。会場中が彼らを讃える拍手をしていた。やがてテッサとスコットは普通にホールドして滑り始めた。例のリフトから再開したのかどうかは覚えていない。二人はそれから特に目につくようなミスを犯すこともなく、演技を終えた。会場中スタオベだった。

 点数は減点こそつかなかったが(中断って減点なかったっけ?)、やはりメリチャリの点数には及ばず。でもあんな中で続けたんだからすごいよ。とにかくまあテサモエですっかりぐったりした私は、チョック&ベイツの演技に今一つ入りこめず。もともと好きじゃないしね。エヴァンの顔がキモくて。

 最終滑走は渋谷ズ。どうも今季成績が伸び悩んでおります。彼らが全米でチョクベイの下にいくなんて有り得たか? シュピルバンドという技術指導のエキスパートがカントンから追放された影響を、最も受けているのは渋谷ズだとプラが言ってたけど(そのシュピルは今チョクベイのコーチだ)。SDのヤンポルはファンの間ですら不評だし、そのSDでもFDでもちょこちょこ取りこぼしをしているのがねえ。

 今回は気持ちのこもったノーミスの演技! SAYURIは私も好きなプロなので、とても嬉しくてスタオベ。会場もわきまくりだったが、肝心の点数は伸びなかった。表彰台はメリチャリ、テサモエ、チョクベイ。「あんな密度の薄いプログラムでは点出ない」っていう意見も聞いたけど、そういうことなのかな。ここに怪我で欠場のウィーバー&ポジェが万全の状態で出場していたら、もう一つ下の順位だったかもしれない。本来渋谷ズのライバルはペシャブルやウィーポであるはずなのに。ううむ歯痒い。

 メリル様のエンジェルボイスによる優勝インタビューの後、表彰式へ。予定では22時50分からだったが、テサモエの中断があったので、ちょっと遅れて。ここでやっと私も下の方へ十列目辺りへ降りて表彰式をじっくり眺めた。大体この辺からが列の後半って感じで、目の前にフェンスと通路がある。先日書いたかもしれないが、会場は勾配が急なためフェンスが目の前でも影響はほとんどない。テサモエや渋谷ズのことを考えるとちょっと複雑な心境だったけど。でもって、うえーん、こっからだとすっげえよく見える〜。せめてここに移動してたらなあと思うが、ここはここで最終グループの間はちゃんと埋まってたんだよなあ。でもそのくせジャッジ側の前半列は空きまくりだし、はあ、うまくいかんもんよ。

 式も終わってさあ帰宅。昨日と同じく朝潮橋から地下鉄で帰った。明日のお昼はどうしようかな。エキシは15時からだからのんびり行けるよね。ルクアはもう見たから、明日は伊勢丹を見たい。伊勢丹のレストラン街でおいしそうなお店があったら、そっちへ行こう。デパートはお昼時混むけど、ちょっと早めに行けば問題ないやね。

 コーヒーがとっても飲みたくなったのだが、さすがに12時近くともなると、やってるお店なんてない。一応ホテルから見える所に夜遅くまでやっていそうなカフェがあったけど、ちょっと回り道しなきゃいけない場所なのでパス。ホテル傍のコンビニで紙コップつきのブルーマウンテンのドリップを買った。他に「おいしい牛乳」とヨーグルトも。テレビをつけてすぽると待機。あー、でもまだ始まってなかったわ。あ、これ今フジでやってる「カラマーゾフの兄弟」? 原作そのまんまなのかな。まあ別にどうでもいいので特に見ることもなく、洗面所でアイメイク落としと歯磨き。すぽると、なかなか始まらない。おお、ドラマの主人公、万年筆をそんなに強く使っちゃだめだろ(笑)。

 明日の服の支度をしているうちにドラマ終わり。コーヒーを啜りつつすぽると待機。ドリップはやはり濃い目で、牛乳を投入。やっと始まったすぽると、今日のことなので女子ばかり。まずは三人の演技をノーカットで。会場で演技を見たので、テレビ映像でこうして見られるのは嬉しい。ま、試合放送は予約しているから帰宅したら見られるけどさ。そしてさすがフジテレビ、おいしい舞台裏もしっかりと。あっことかなこのきゃっきゃうふふがあああ。「やったやった!」「1、2、3だよ」「昨日と一緒だよ」。ふおおお、なんてかわいいのこの子たち。そしてHDDの容量不足がゆえにすぽるとを予約してこなかった私よ(ボカ〜ン)。他にも真央ちゃんも含めた三人で「アクセルやらかしました」「私もアクセル(by真央)」「私もやらかしちゃった〜」とかってプチ反省会なんかも。これ見ていたら無性にじーんとしたよ。結局氷の上ではみんな自分との戦いなのよね。だからお互いが「同じ相手と戦う仲間」なのよね。ライバルとか倒す相手とかではなく。ただ、来季の全日本ではこの三人と美姫ちゃんの四人が五輪出場を争うことになる(遥ちゃんや今のジュニアっ子たちはまだ彼女たちと戦う準備はできていないだろう)。どちらにしても誰かが泣くことになるんだよね。四年前のゆかりんのように。

 見終わった後はお風呂。寝る前にツイッターをチェックしたが、テッサの情報は特に見つからず。二時半就寝。


 9時に起床して昨日コンビニで買ったヨーグルトをむしゃむしゃ。ぱっぱと支度して11時前にチェックアウトし、トランクをガラガラひいて梅田へ。途中阪神デパートでお財布を見るが、なかなかこれといったのはなし。しかし阪神デパートって概観とは裏腹に中はいろいろあるね。結構おしゃれだし。

 まずはトランクを入れるロッカー確保。だが三連休の最終日は案の定、どこも満杯。ラッキーなことに手荷物預かり所が数人しか並んでいなかったのでそこに行ったのだが、8時で閉まるとあって断念することに。んー、まあ多分それまでには終わると思うんだけど、会場からの脱出とか何があるか分からんからなあ。折角だからエキシは心ゆくまで見たいし。大阪駅のロッカーはその時点で断念。本町のロッカーならきっと空いているだろうから、そこにしよう。今日もエンジョイエコカード使うから、どこで途中下車しようが電車賃変わらんし。

 とにかくおなかがすいたので、荷物を持ったまま伊勢丹レストラン階へ。う、しかしデパートの中めちゃ暑い。ダウンの下がどんどん汗でじんわりしてくる。お昼は特にどこで食べるとは決めていなかったのだが、なんとなく目についたステーキ屋さんへ。荷物を預けダウンを脱ぐと、ふはー。とりあえずランチを注文。早い時間に着いたとはいえ、作っているのが目の前で見える。で、楽しみにしていたのですが、味の方は正直それほどでもなかった。カワムラの半分以下のお値段なんだから、贅沢言っちゃいけませんが。うー、でも値段だけなら昨日の華都の方が安くてなおかつ、肝心の肉がとびきりおいしかったことを思うと、ステーキ専門店でこれは理不尽だわ。

 おなか一杯になったものの、相変わらずデパートは暑く、ぶらぶらお買い物するには苦しい感じ。それでも見る所はそれなりに見た。それからまた大阪駅へ。だめもとで一番大きなコインロッカーへ行ってはみたものの、相変わらず満杯で周囲には死んだ目をした旅行者がうろうろするばかり(ボカ〜ン)。ちなみに手荷物預かり所も通りかかったのだが、ここはもうすでに受付を中止していた。ひえー。

 暑いデパートに長居は無用、まだ時間はたっぷりすぎるほどあるが、ロッカーのことが気になる。時間を持て余したら昨日見かけたセントレジスホテル大阪のカフェででも潰せばいいや、と本町へ。ひょっとしたらここもアウトなんじゃねえかと急にそわそわ。改札を出るや駅の人に「コインロッカーどこですか」と早口で問い、教えられた方へダッシュ。ロッカーはそれほど多くなく、まさに誰か一人が大きい方のロッカーに荷物を入れている。あああ〜っ、他の大型ロッカーはもう使用中だ!! と思ったらあと一個だけ空いていた。ほっ。でもこのトランク小さいもんなあ。ひょっとしてレギュラーサイズの方で入らんかと思ってそっちを試してみたのだが入らず。まあこんなことでもたもたしていてもしょうがない、さっさと最後の一個に入れてしまおうと大きい方にトランクを入れた時、高校生ぐらいの娘を連れたお母さんがやってきて、「あー、ないんだ」と脱力していた。あ・・・、この人たちさっき私がダッシュした時に抜かしていった人たちだわ。なんかちょっと後ろめたいなあ・・・。まあでも私が先だったんだし・・・。ん? よく見れば一個空いているじゃないかと思って「あ、ここあと一個入りますよ」と声をかけると、私より先に来てさっき入れていた女の人が「いえ、そこ私の・・・」と(ボカ〜ン)。ああほんとだすみません・・・。親子連れはそのまま他を探しに行こうとしていたのだが、ふと思い立って自分のトランクをさっきのレギュラーサイズんとこに入れてみたら難なく入った。なーんだ。慌ててさっきの親子を呼んで、「すみません、ここ使って下さい!」。

 さて心身ともに軽くなったところでレジスホテルへ。しかし肝心の入口がよく分からず(最近のホテルにありがちなことではある)、ホテル周辺を一周してしまったのは内緒だ。なんとか中へ入ったのだが、カフェの客が誰も彼もお金持ち然としていて、庶民としては気後れしてしまう(笑)。まあいいや。まだ1時前と充分に昼食の時間帯なので、周囲はみんなランチの客ばかりだったが、とりあえずカフェオレとケーキを。うん、ケーキも食うよ。いやさっきステーキ食っただろうとか関係ないから。ケーキ見本がいくつかあって、迷いに迷った挙句エクレアを注文。待つ間ツイッターをチェック。実は13時45分からペアのスモールメダルセレモニーをやるんだよな。今から行ったら余裕で見られるが。ま、セレモニーは激混みだろうから私ゃこうしてここでのんびりしていよ。昨日のレポとか適当に眺めつつケーキを待つ。

 やがて細長いカップに入ったカフェオレと、エクレアが。いやもうこれがねえ。エクレアが信じられないぐらいおいしくって。我ながらはしたないと思いつつも、ものすごくちまちま切って食べてましたわ。カフェオレも私好みの味のしっかりしたもので、エクレアとの相性もよろしく、本当に幸せ。ついでに言えばホテルのカフェなのに安かった(笑)。カフェオレとエクレアで770円って。計算間違えてないかと思ったけど、レシートには二品ともちゃんと載っているんだよねえ。まあ良心的で何より。

 会計を済ませたが時計を見るとまだ1時15分。そんならと梅田へ戻ってルクアへ。上の方の階へ行ってなかったのでそっちへ行ってぶらぶら。書店が入っていたので「ああそう言えば今出ているNumberがフィギュア特集だっけ」と思い出し、購入。この時点でもう2時15分。うわ、そろそろ行かないと、と脱出したが、トイレに行ったりなんだりをしていたおかげで、結局会場の扉を開けた頃にはオープニングセレモニーの最中だった。エキシなので場内は暗く、席が分かりにくい。誤算だったのは席の位置。てっきり通路側に近いと思っていたのだが、思いっきり列の中間だった。人様の膝の前をひたすら平謝りで通りすぎ、着席。一人、どなたかの荷物を思いっきり踏んでしまった。嗚呼。オープニング、テサモエもいる。ひとまず出られる状態ではあるということね。

 まあしかし分かりきっていたことですが、やはり四大陸のエキシはつまらんですな(ボカ〜ン)。モーモー組の「愛をください」には笑ったけど。あ、あとミーシャもノリノリキレキレでよかった。たださ、今回このミーシャとバルデは本来順位からいったらエキシ圏外のはずなんだけどね。なんかいろいろ事情があるのかもしれないけれど、基本的に順位どおりに取って欲しいな。一人出られなかったら、単純にその次の順位の人にするとして。

 ハードスケジュールながらどの選手たちもしっかりした演技。唯一ハンヤンだけがジャンプ全部すっぽ抜かしてたけど。抜けちゃったというより最初から飛ばないつもりだったように見えた。フリーでの四回転のひどい転倒で抜け癖のある肩がまた外れてしまったというから、大事をとってなんだろうね。日本選手無良君が体調不良で不参加だった以外は全員参加。リード姉弟も開催国ということで参加。かなちゃんの時、音楽がなかなかかからなくて、本人が一瞬きょどってしまい、タイミング悪くその時点でかかりだすというハプニングも(笑)。

 テサモエはここから見る限りでは難なく滑っていた。私には全く分からなかったが、後からいろいろ見た中だと、「演技冒頭からテッサはスピードがなく、音楽にもスコットにも遅れがちだった」という意見があったから、やはり前兆はあったのだろう。棄権の原因は「テッサの足が攣ったらしい」ということだけれど・・・。

 あっという間にフィナーレも終了。周回し終わって選手がみんなリンクサイドに引っ込んだと思ったら、なんとケビンがご登場。みんなの前で高速アップライトスピンを披露してくれた。それも何回も(笑)。あ、あの、ケビンあなたも疲れているだろうから、そんなに頑張らなくていいよ(笑)。嬉しいけど。

 なんだかんだで五時半過ぎには会場の外に出られた。うーん、こんなんだったら駅の手荷物預かり所に預けてもよかったな。ま、結果論だけど。

 本町でトランクを引き取った後、大阪駅で切符の時間変更。18時47分発にする。それから18時23分の快速に乗って大阪を発ち、新大阪へ。新大阪でトイレ行ったり顔の油取ったり。はあ、もう帰っちゃうんだなあ。名古屋駅に着いた頃、小腹がすいていたのでそのままホームできしめん。うまい。

 9時少し前に帰宅。心配していた太鼓の反応だが、びっくりなことにこの私に満面の笑顔で尻尾ふりふりで出迎えてきた。えええ、いつも私が会社から帰ってきたって、ぷいと見るぐらいなのに。まあいいや、預けに行ったのが元で嫌われたなんてことにならずに済んで何より。




2013年02月10日(日) 四大陸選手権2013ペアフリー、女子フリー、アイスダンスFD

 本日の競技開始は12時50分から。これも当初は12時半スタートだったのだよな。

 昨夜は二時に寝たわけだが、さすがに七時間は寝たいということで九時に起床。ペットボトルの水をポットであっためて、備えつけの緑茶のティーバックを入れてごくごく。昨夜コンビニで買ったヨーグルトを食べる。本町のフレンチレストランでランチするので、朝はまあこのぐらいで。いざ化粧をする段になって恐ろしいことに気づいた。リキッドファンデ用のスポンジを忘れた! うう、昨日みたいにまたコンビニへ行くなんてやだよう。仕方ないので手で塗る。意外に凄く綺麗に濡れた。まあそりゃこういう塗り方が一番間違いないに決まっている(笑)。手がべとべとになっちゃったので、さすがにそこはメイク落としで洗った。

 お店は11時半からということでのんびり支度して、10時半過ぎにホテルを出発。途中から地下街へ。この辺は梅田というより北新地なんだけど、この辺から梅田までの地下街がすっごくおしゃれになっててびっくり。またぞろついつい寄り道してしまう。実は今新しい財布を捜しているのだ。七、八年前から使っているアナスイの赤い折り畳み財布はもうあちこち傷んでいるので、そろそろ新しいのが欲しい。最近一個新しいのを買ったは買ったが、こちらは旅行に使うための軽くてシンプルな財布なので、あくまで日常用の、たくさん入るしっかりした財布を今は求めているのだが、ううーむ、どこの財布も一長一短で、なかなかこれといったのがない。あるいは思い切って高級ブランド財布もいいかもと思ってもいるんだけどね。ああいうのって大体いい皮で出来てて丈夫でたくさん入るし。実は昨日もブランド財布を目につく限りチェックはしたんだけど、うーん、やっぱり一長一短だったんだよな。またアナスイのを買ってもいいんだけど、いかんせん今のアナスイ財布はどれも好みじゃないのだ。鞄はあれだけ好みのデザインが揃っているのになあ。

 土日祝日用のエンジョイエコカードを買って、本町へ。ここいつも乗り換えで通り過ぎるばかりで降りるの初めてだわ。店最寄の出口を出ると、どこかのホテルに繋がって、途中でうまそうな中華料理店を通り過ぎた。上にあるホテルはセントレジスホテル大阪というらしい。通りからホテルのカフェが見えて、ケーキがおいしそうだった。そんなこんなで地図片手に店を探したのだが・・・。お店に入ってショック! 今日はもう予約で一杯ですと! うえーん! すっかり胃がご馳走の準備をしていたので、がっかり。しゃあない、そうだなあ、さっき通りがかった中華料理店に行くか。あそこも高そうな感じだったし、きっと旨いに違いない。というわけで件の店、「華都」へ。メニューはいろいろ選べるランチにした。メインディッシュを一品セレクトできるということで、牛肉の煮込み料理がおいしそうだったので、それをつけてもらった。ついでにグラスビールも。実際に食べてみるとやっぱりうまーっ! くー、これだったらフレンチ食べられなくても全然いいわ〜。しかもこっちの方が圧倒的に安いし(笑)。点心もおいちいわあ。竹筒入りの炒飯だけが見た目ほどおいしくはなかったけど、まあそれでも充分おいしい炒飯だった。はあ、満足じゃ。

 などとのんびりやっている間に入場の頃には第一グループは終わっていた。まあペアはそんなに贔屓いないけど、我ながら呑気なものよ。と、こういう不心得者は私だけではないのか、辺りを見渡せば空席だらけ。みんな女子から見るつもりだな(笑)。さてそんなことより自分の席、と扉の中へ。第二グループは六分間練習の真っ最中であった。はあ、22列目って会場のほとんどてっぺんじゃない? これでもスタンドSなんだよねえ・・・。と、心の中でぶつくさ言いながら、どの階段から行くのがいいかときょろきょろしていたら、黒い服を着た妖精さんと擦れ違い! ケビン! ケビンはファンの子達に手を振ってこっちの方へ顔を向けていたので、私も「コングラッチュレーション、ケビン!」と言うたった。間近で見るケビンはやっぱりかわゆかった。あとケビンは北米男子らしくなく(笑)おしゃれという目撃談もよく聞くけれど、これも本当。いやー、チェックのネルシャツばかり着ている北米男子たちはこういうの見習って欲しいけどね。

 人が少ないので列の移動も楽だったが、やはりてっぺん席はリンクが遠い。まあ正確に言えばあと一列後ろにあるけど、もうこの際大した違いではない。しかも今日もやっぱりジャッジ反対側。ついでに言えば明日もジャッジ反対側よ。もおやだ。

 お目当てのデュハメル&ラドフォード組はミス連発、その後のムーアタワーズ&モスコビッチ組のクイーンメドレーが素晴らしかったので、こりゃ逆転かもなどと思ったが、なんとかデュハラドは逃げ切って優勝。優勝インタビューでエリックがこれが自分たちにとって国際大会初優勝、と言っており、ああそうだったのかと初めて気づいた。GPSで一回ぐらい優勝していると思ったんだけどな。表彰式は2時25分より開始。はあ、エリックがかっこええ。ペア男子の中では彼が一番好きです。私好みのスタイル番長だしねえ。演技も北米らしいエレガントさでなおいいわ。

 その後は女子のフリーが3時半からということで、しばし休憩。道路向こうにあるパン屋に行き、今日の夕食を買って戻った。

 女子フリー、今回は20人エントリーなので通常の足切りはなく、全員フリー進出。とは言え第一・第二グループの演技はやはり退屈。唯一、メキシコのレイナ・ハムイでそのど派手な衣装とムチムチボディに目を奪われた(笑)。なんかもうすごいのよ、蛍光バリバリで。リニチュク門下だってあそこまではやらない。ちょうど両胸の所が渦っぽい柄になってて、マンションのベランダに吊るしといたら鳥よけになりそうな感じ(笑)。

 そんなこんなで製氷を挟んで第三グループ。大分眠かったので、トイレ行くだけじゃなくて十分ぐらい座ってうとうとしたかったんだけど、しょっぱなから李子君ちゃんが滑るので、そうもしていられん。ショートよりフリーの眠れる森の美女の方が見たかったから、なおさらね。この後はクーシン・ジャン、アグネス・ザワツキー、ケイトリン・オズモンド、アメリー・ラコステとなっている。子君ちゃん、神演技だった〜。あああでもやっぱこんなてっぺん席いやああ。ただでさえちっちゃい子君ちゃんがますますちっちゃい〜。続くクーシンはジャンプはいい感じでとんでいたものの、スピンでまさかの入りミス。今時のプロはエレメンツがぎっちり詰まっているので、ちょっとした入りミスでも後からずらして入れるということが不可能なんだよな。というわけで無念のスピン一個丸々放棄。消沈は隠し切れませんでしたが、なんとかまとめた。しかしナウシカでこのギラギラな衣装はやはり謎。

 アグネス、ケイトリンは相変わらずガス欠な演技。アメリーも同様だったが、彼女に限っては単にこれが実力なのかもしれん。だってここんとこずっとこんな演技ばっかりだし。

 そうしてドキドキの最終グループ。グレイシー・ゴールド、村上佳菜子、クリスティーナ・ガオ、浅田真央、鈴木明子。あっこちゃん、ショートの時はくじ運よかったのになんでここへ来て最終滑走引いちゃうかな(笑)。ああなんかドキドキしてきた。ショートの演技はよかったけど、フリーはやっぱり別物だし、何かの拍子にミスの連鎖なんてことがないとも限らない。頑張れあっこ、なんとかまとめてくれあっこ! はあ、それにしてもみんながちっちゃいよう(しつこい)。でもそのおかげで真央ちゃんの新白鳥衣装の変さが大分抑えられている(笑)。あのさあ、細い子にああいうボワボワした衣装与えないでよ。ますますガリ細に見えるっつーの。勘弁してよ、タラソワ〜。

 女子たちにはらはらしつつも、両親が太鼓をちゃんとホテルから引き取ってくれているかも気にかかる。なんせあっちも旅行で今日帰宅だからなあ。とにかく忘れないでね、とメールで念押し。あーもう、いろいろ気になる。

 やっぱりガス欠なグレイシーたん・・。ああ途中で鼻血でちゃったんだ。今日も会場暑いもんねえ。お大事に。そして佳菜子! いやあやっと佳菜子応援モードに入ったわよ!(遅っ) 頑張れ! 彼女に関しては無欲な私だけど、この四大陸では台に乗って欲しいんだよ。て言うか米加がへろへろだっちゅうのにその中で台に上がれないなんてさすがにだめ(笑)。ジャンプは見た目なんとか決めている。おお、なんか全日本の時とノリが似てない? こりゃ転倒なしくるかもよ! あくまで転倒の話ね。今季UR多いんだよな〜。うっ、後半のシークエンスからの2Aまたもやポップしちまった(涙)。ああでもコレオグラフィックシークエンス素晴らしいわ。これが生で見たかったんだよねえ。もともと踊りは達者なかなちゃんだけど、シニアデビューの頃はスケーティングがそれほどでもなくて、そこがシニアトップ勢と比べた時に見劣りしちゃう部分でもあった。しかし今季でシニア三年目。さすがにカロあたりと比べると苦しいけど、スケーティングに関しては準トップぐらいの位置じゃないか? これだけ踊っていてもこける気がしないし。フィニッシュ! と思ったらそこでバランス崩してありゃりゃ(笑)。こけそうになった後慌てて立て直してたんだけど、そのポーズがグリコのキャラみたいでなんか笑えた。満知子先生、渋い顔。とは言え高得点で暫定一位。

 後日彼女のプロトコルを見たんだけど、もうURだらけで、しかも前半の3FまでURになっていたのはショックだった。中日新聞の記事によると、直前にハードな自主練をしたせいで疲れがたまっていたらしい。それでも本番前に昼寝して大分回復したそうなんだけど。満知子先生曰く、演技が体力温存モードになってて、はじけきれていないのが分かったらしい。まあ、原因が分かってこっちはほっとした。世選は枠取りお願いしますよ!

 お後はガオちゃん。ううむ、かなちゃんの後におんなじピアソラというのはなんとも。彼女踊れないし体は硬いし、こういうプロだと欠点が目立つよなあ。でもまあ踏みとどまって暫定二位、子君ちゃんの上にきました。意外や意外、この大会のアメ女子トップが彼女ですよ。もともと今のアメ女子って、実績でこそアシュリーが頭一つ抜けているけど、実力という点では全員どんぐり。アメリカの五輪選考は全米一発だから、今のアメ女子なら可能性はほぼ誰にでもあるわな。

 真央ちゃん。3Aは昨日よりはっきり詰まってて、だめだろうなあという感じ。スピードもない。元気なさそうとまではいかないけど、ううん。このプロ自体はとても魅力的なプロだと思うし、今までひたすら合ってなかったタラプロの中では(タラプロもエキシに関してはどれもいいんだけどね)彼女に一番合っていると思う。まあでもそれだけだな。かと言ってローリープロがいいとも思わんし。この辺に関しては振付のせいというより、表現に気が行かない本人の責任だと思う。真央ちゃんに表現力がないとは思わないけど、他のトップ選手と比べると、「プログラムを自分なりにどう解釈してどう氷上で現すか」ということを、あまり考えていないんじゃないだろうか(エレメンツのことで頭が一杯なのを差し引いても希薄は希薄である)。もうシニアデビューした時からそうだったけど、振付どおりにやる以上のことは考えたことがないのかも。少なくとも私は試合の演技で彼女から表現への意欲を感じたことがない。別にそれがいかんわけじゃないよ。あくまでスポーツなんだし。ただ彼女のそういう素っ気なさがこの先、ジャッジからの評価で、負けを招かないとも限らない。だから彼女には振付どおりに滑るだけで映えるプロをもっと与えるべきじゃないか。この辺の問題はこづ坊ちゃまにも言えると思う。

 なんとも微妙な気持ちで見守っていたがそれでも点数は130.96と高得点が出て、暫定トップ。かなちゃんとの点差は24.42、おい(笑)。まー、真央ちゃん優勝かな。ショートですらあっこちゃんと真央ちゃんの点差は8.84もあったしね。

 まあでも順位はこの際どうでもよござんす。あの最後の天駆けるようなコレオグラフィックシークエンスが見たいんです、見られるもんなら。なんとかやりきったら、きっと解放感であのステップを踏んでくれるはず。そんな演技でありますように、と思いながらジャンプの一個一個を見守っていた。最初の三連続「よし!」、その後の2A-3T「ぎゃわああ」、あ、いやほんとに声出してないですよ、これはあくまで心の声ね(笑)。いやこのアクセルコンボがだめだった時、国体の悪夢がよぎって、そうはさせん! と、もうその後は半端じゃない念を飛ばし続けたんだが、結局その後ほぼずっと「よし!」。晴れて素晴らしいコレオをこの目で見ることが叶ったのでした。ああ分かる、こんなカス席からでもあっこちゃんが笑っているのが分かる。ううう(涙)。あっこちゃん強かったよ! 今日もファイターだった! 点数も思ったよりたくさん! 技術点60.10、演技構成点64.33、合計124.43! 真央ちゃんのフリーが63.20、67.76で合計130.96だったことを思うと、いい線きてるよ! あの国体があったから、ショートもフリーも最後まで滑り切れればそれでいいなんて思ってたのに、こんな素晴らしい結果を残したなんて、本当にすごい。最終滑走でくじ運悪〜、なんて思ったりもしたけれど、こうなるとそれすら神様のおつな演出だと思えてくるわ。ああ、いい試合だった。

 表彰式は19時20分から。かなちゃん、初のチャンピオンシップメダル、おめでとう。それなりに格式ある大会なので目一杯すましているけれど、はしゃいでるのが隠しきれていないところがなんとも(笑)。あっこちゃんもおめでとう。真央ちゃんもおめでとう。三つの日の丸、壮観。45分から男子のスモールメダルセレモニーがあるけど、多分すごい人だろうからやめとこ。ダンスFDは20時15分からということで、休憩。外のトイレに行ったり、出入口付近の肉まん屋でコーヒー買ったり。ここはガラスケースで肉まんと紙コップのコーヒー売ってるんだけど、他は大概屋台でいろいろ売っていて、どこも繁盛。

 明日エキシビションの終了時間を知りたかったので、予定表がどこかに出ていないか探したが、見つからず。帰りの新幹線は21時台を取っているから、大丈夫だとは思うけど。うーん、15時スタートのエキシって何時頃に終わるんだ? 6時か7時頃かなあ。

 一度、ケビンがフロアを通ったのを見たが、男性の会場スタッフに囲まれていてお触り禁止状態だった。スタッフ用の出入扉があるのだが、どうも大概の選手はここから出入りするように変えたようだ。一度その扉が半開きになってて、ファンの誰かが「マックスー」と叫んでいたのでフイと見ると、マックス・アーロンがニコニコ笑っていた。扉はすぐ閉まったけど、閉まる間に数人が「あー、マックス、マックスーッ!」と叫んでいた。おい、いつの間にこんな人気者になったんだ、彼。

 ダンスは最初からきっちり見た。・・・んだけど、なんだよこの会場のガラ空きっぷりは。あああ〜、ジャッジ側のあんな席やこんな席がぽっかり空いている。あそこに行きたい(涙)。て言うかダンスこそ良席で見たいわ(血涙)。で、まあだからってわけじゃないが第一グループは今一つ集中できず、舟を漕ぐことしきり(すみません)。つかよく見たら実況席に誰もいないんですけど。オイ水谷組さっき終わったよ・・・。放送ないの? 日本選手なのに。

 結局実況席に人が入ったのは、この後の第二グループから(ただし客席は相変わらずガラガラ)。さすがにどの選手もさっきよりは上のレベルだわ。滑走順はオーストラリアのオブライエン&メルリマン、カナダのオーフォード&ウィリアムズ、リード姉弟、平井&アソンション。リード姉弟のビートルズは良プロよね。あのカラフルな衣装もキャシーはちゃんと着こなしているし。まあそれにしても今季びっくりなのはあのクリスがなんとも力強い滑りを披露しているところ。昨季まで滑りでもリフトでもクリスの拙さが歯痒かったことを思うと、このオフの間に一体何が? と驚愕するばかりだ。そう言えば以前、バンクーバー五輪が終わった後、五輪シーズンは足首の怪我に泣いていたファビアンが新シーズンが始まるや、スケーティングが驚くほど力強くスピーディーになっていたことがあった。怪我が癒えた後短期間で猛練習したのか、あるいは今までこつこつと積み重ねてきたことがようやく花開いたのか、奇跡がどんなからくりで起こったのか分からないけれど、そういうこともあるということね。

 個人的にはグループの中で平井&アソンションが気に入った。昨季の全日本でFDを見ているはずなんだけど、その演技は記憶にない。でも今回はなんかすごくよかった。リンクサイドにいるオリビエは席のせいで見えなかったけど(涙)。

 気がつくと母からメールが入っていた。太鼓のお迎えは19時40分頃に無事済んだらしい。今は家で元気にしているとのこと。ほっ。

 というわけで最終グループになったんですが、六分間練習中も向こうの席は相変わらずガラガラ。正直、この間に向こう岸の良席に移動すりゃりょよかったと今激しく後悔しています。正直練習中にぞろぞろ埋まりだすかな、なんて思ってたのね。それに横に座っている人たちの前を通るのってやっぱ気が引けて・・・。うーん、でもやっぱここはいつもの厚かましさを発揮すべきだったわ。結局、最後まで人は埋まらなかったしね。
(字数オーバーのため続く)




2013年02月09日(土) 四大陸選手権2013女子SP、男子フリー

 なんとか寝坊することもなくむっくり起床し、朝のしたくはつつがなく。ここ数日やけにあったかかったが、今朝は時期相応の寒さ。今回の大阪はダウン&ロングブーツにしたんだけど、それで正解かも。

 タクシーさんは時間どおりにやって来た(TOPPOに似た車種で、車のシート全体が布製のシーツで覆われていた)。すると担当さん、「近いので金山でもよろしいですよ」とありがたい仰せ。よかった〜。お迎えに来た業者さんは優しそうな人だったが、太鼓は車中で緊張しまくりで、ホテルに着く直前にシーツの上でウンコする始末。業者さんがトイレットペーパーとビニール袋を用意していたので、幸いそれで始末できたけど、どちらにしろシーツを汚してしまったことには変わりないので後からクリーニング代として千円余分に取られる羽目に。とほほ。ちなみにタクシー自体は時間制で、今回は初回登録料込みで4500円。高いけど、今日みたいに家族に車を頼めない日はしゃあない。

 ホテルのチェックインは無事済み。さすがにちょっと鳴かれた。ホテルのお姉さんの手で、予約しておいた広めのケージへと早々に入れられた太鼓は、別れ際、寝転びながらジーットこっちを見ていた。ごめんよ。おもちゃを何も持ってきていなかったので、ホテル隣にあるペットショップで太鼓の好きなロープのおもちゃを買って、お姉さんに渡しておいた。これでしばしの別れ。お迎えは明日の夜、母が行く。太鼓的に「私に捨てられて母が助けに来た」てなストーリーに変換されたらやだなあ。

 金山にも無事到着。当初11時31分の新幹線に変更していたのだが、全てがスムーズに行ったおかげでもっと早く行けそう。今回エクスプレス予約をしていったので、これなら何回でも時間変更可能だよね、と自動機で時間変更をしようとしたのだが、なぜかできず。仕方なく窓口に並んだのだが、七人ほど待ってやっと順番が来たと思ったら、「エクスプレス予約でも、発券後の変更は一度だけ。これはもう一度変更しているので、もう変更できません」とのお達し。がーん。何度も変更がきくのはあくまで発券前なのかあ。うー、なんたる無知。て言うか並んで損したあ。

 とりあえずホームへ走り、その場に止まっていた新幹線に飛び乗り。岡山行きの10時56分発。まあ、当初の出発時間を思えばこれでも十分早い。新大阪には11時47分に着くとのこと。指定席をちろちろ眺めるに、三連休の初日ながら意外にぽこぽこ空きがある。三席丸ごと空いている列があったので、どっかと着席。もうあと京都、新大阪である。下りの場合、京都で降りる人はいても乗ってくる人はほとんどいないから、ここも新大阪までは誰も来ないだろう。来たらどけばいいだけのことさ、と泰然としつつスマホでツイッターをチェック。と、ふと外を眺めると辺り一面雪景色。えええ、どうなってるの? 名古屋はすっきり晴れだったってのに。

 公式練習のレポが続々と上がっていた。最大の心配はあっこちゃん。国体ではショートもフリーもひどかった全日本とどっこいどっこいの出来。だが試合の結果より不安だったのは、ニュースや新聞で見た彼女のやつれた有り様。恐かったのは、顔の肉が落ちていたこと。彼女の場合、ここが痩せていると恐いのだ。今日はあれから一週間。とても立て直せているとは思えない。ファンなら誰しも、いやファンじゃなくても国体での彼女を知っているスケートファンなら誰でも、「結果はあまり期待できない。せめてどうかこれ以上あっこちゃんが傷つくようなことだけはありませんように」と、祈るような気持ちでいることだろう。私もそんな気持ちで公式レポをあちこち漁っていたのだが、信じられないことにあっこちゃんの調子は予想以上に上々とのことで、練習ではジャンプもほぼ確実に決めていると! 何があったか知らないが、彼女は確実に持ち直しているのだ。すごい! もちろん本番は別物なのでまだなんとも言えないだろうが、練習だけでもここまで取り戻せたのなら充分すぎる。素晴らしい、あっこ! と心の中で涙しつつ、あとは節電のためスマホを閉じた。

 新大阪には定刻どおりに到着し、大阪駅にもスムーズに到着。すっかりおなかがすいたのでまずはランチ、と大阪ステーションシティへ。いやー、この辺は来てもいつも通り過ぎちゃってばっかりだったんだけど、こうして中に入るとすごいねえ。伊勢丹とルクアが入っているんだなあ(あと大丸)。ま、取り敢えずルクア。と、本来なら試合のことを考えてランチをさっさと食べてホテルへチェックインすべきなんだが、新しいデパートを見ているとつい物欲の虫が・・・。ええまあ、今回タイツが足りなかったので一足現地調達しなければならないことは確かなんだけど、別にそれ明日でもいいことなんだが、早くホテル! と理性では分かっていながらも、タイツどころか結局あちこち覗いてしまった。買ったのは結局靴下屋でタイツ二足に留まったとはいえ、時間は少々ロス(苦笑)。

 二階のイタリアンレストランでクリームパスタのランチを食し(うまくもまずくもなし)、ホテルへ。まだチェックイン時刻ではないということで、トランクのみ預け、地下鉄梅田駅へ行き、中央線朝潮橋駅で下車。大阪市中央体育館は駅からほぼすぐ(人が歩いているので迷わない。会場も駅からほぼ見える感じ)。駅を出てすぐに公園があり、駅からの歩道沿いにその公園のトイレがあったので、最初のトイレはそこで済ませた。公園とは言えそこそこ綺麗で大きなトイレ。館内のトイレはどうせ混んでいるだろうし、今後もトイレのたびにここを使うといいかな。

 結局席へ着いたのは15時ちょい前で、第二グループが終わって製氷している最中だった。結局半分は見逃してしまったなあ。ご贔屓さん方はみんな後半グループとはいえ、ちともったいない。試合開始は13時40分だったから、ランチさっさと食うだけにしてりゃ第一グループから余裕で見られただろうに(苦笑)。

 ちなみに今日もともとの開始時間は12時30分からだった。欠場者が相次いだため、このように遅くなったんである。女子シングルのエントリーは20人で、本来六人ずつのグループ分けを五人ずつにして四グループに分けているようである。まあでも女子はまだましな方で、昨日のペアなんて全七組・・・。今季どのカテゴリーも怪我人多すぎます。

 それにしても会場あったかい。ダウンいらねえ。膝掛け代わりにショール持ってきたけど、これもいらねえ。手袋ももちろんいらねえ。明日は会場への荷物少なくて済むな。ちなみに今日の私はF列の五列目。ジャッジ反対側でショートサイドよりではあるけど、五列目なので距離的にはいい感じだ。何より通路側なので全然窮屈じゃない。と、なんと右隣の一角に渋谷ズとエヴァン・ベイツがやって来た。あーっ、なんと右隣のブロックはチーム席。だったのだ。こりゃ眼福だわあ。ちなみにひでお兄ちゃんはメガネをかけていて、完璧にただの日本人だった(笑)。

 さて、この後の第三グループ。滑走順はアメリー・ラコステ、クリスティーナ・ガオ、ケイトリン・オズモンド、李子君、アグネス・ザワツキー。さすがにこのグループになるとGPSでもお馴染みの選手ばかりですな。アメリ。ジャンプとべねえ・・。もともとフリップとルッツが決まらない子だったけど、その分ループとアクセルで稼いでたのに、それすら昨季は決まらなくて(以前は3Lo-3Loとんでなかったっけ?)、もう見てて辛い。今回も2A、3F-2Loは決まったけど、最後のループが・・。うおーいループはベストジャンプだったんじゃねえのか〜。でも冒頭の美しい滑りからの2Aはよかったよなあ。彼女ほんと滑りはカナダ女子らしく美しいよねえ。だからジャンプ・・。お次のガオちゃんが意外にノーミス。彼女のこのプロいいよねえ。派手じゃないけど悲愴な音楽がいいし、衣装も素敵。ただあんまり表現力のある子じゃないのでプロの魅力が出し切れていないのが惜しい。ちなみにアメ女子の時はお隣のエヴァンが激しく声を出しておりました。もっとうるさいのはカナダチームだったけど。期待のケイトリンは転倒、僕らのかわいい子君ちゃんはセカンドがダブルに。アグネスは得意のルッツが着氷でグラった上に2Aが全米と同様に転倒。米勢は怒涛の全米から実質一週間しかたってない上に、遠路アジアの大会ではそもそも本領を発揮するのは無理というもの。なんとかワールド前の厄落としと思っていただきたいもんです。ケイトリンは初めてのチャンピオンシップで、これまでのスケートカナダ、カナダ選手権と好調を保ってきただけに連盟からの期待が重過ぎるのだろう。三月の自国ワールドではたった一人の出場で、その上で連盟は五輪での二枠獲得を大いに期待しているだろう。なんとかそれに潰されないことを祈る(しかし彼女もすでに立派なカナダ女子体型だねえ・・)。

 そして心臓ばくばくの最終グループ。邦和で買った初代あっこタオルを手に、ひたすらあっこあっこ。ええもう祈っています。今日の私はかなちゃんですら二の次ですよ。あーでも新衣装かわいい! もうあの衣装だけは変えて欲しかったからこのチェンジは嬉しい。この淡いサーモンピンクは彼女によく似合ってる。ただスカートのお尻にある緑色のアクセントはいるようないらないような、だけど。滑走順はグレイシー・ゴールド、村上佳菜子、鈴木明子、クーシン・ジャン、浅田真央。さてスタート。グレイシー、やっぱり全米からの連戦はきつい。転倒こそなかったが、2A以外はぐらぐら。ううう。続く佳菜子。おお、ステップからすでにものすごい雰囲気。間の取り方も素晴らしい。なんか空気変わったよ。課題の後半ジャンプはトウトウも含めて全て決め。最後のフリップだけちょっと詰まってたけど、なんとか。よしクリーン演技きたよ! スタオベ! 64.04でSBキター!

 次あっこ、あああっこ頼むよあっこ。さっきの六分間練習見る限りじゃ大丈夫そうだけど・・・。おお、大丈夫だった! 本人も試合を恐がってない、生き生きしとる! 素晴らしい! ああ、あの国体からよくぞここまで。泣きながらスタオベ。点数は65いった!

 ここで燃え尽きたのでクーシンちゃんの演技を覚えていない。ごめん。真央ちゃんの3Aは席から見た時は「ちょっと詰まってるなあ。さすがにDGはないだろうけどURかも」などと思っていたのですが、無事クリーン認定! 会場わきわき。正直ここで決まっちゃうと、09国別後よろしくまた3A病が始まりそうで、やだったんだけどねー。真央ちゃんが嬉しそうにしているのはいいんだけどさ。それじゃせっかくの積み重ねが無駄になってしまうじゃないか。やっぱルッツが欲しいし、サルコウはいつでも飛べるようになって欲しい。それ以前に今季ついこの間までフリップとループがやばくなってたことを忘れるなよ、真央ー。ああ佐藤先生、お願いしまーす!

 女子はここで一旦終了。次の男子フリーは約一時間後の17時55分から。梅田の地下街のパン屋で買った「ハイジ」という名前の白いパン(笑)とリンゴのデニッシュをむしゃむしゃ。とは言えそれだけでは物足りないので、外へ出る。ううっ、外は寒いなあ。道路の向こうは食べ物屋さんが固まっていて、ファミレスも二件あるし、吉野家もある。が、私はコーヒーが飲みたかったので、それを探す。通りを一本か二本奥に入るといかにも昭和な感じの喫茶店があったのでそこへ。しかし店内はスケオタで一杯(笑)。一方で店はおばちゃん二人で切り盛りしているので、てんやわんや。私はカフェオレとぜんざいを頼んだのだが、カフェオレならぬコーヒーが来たきり、ぜんざいは一向来なかった。そのうち時間になったので、ぜんざいは断ってお店を出た。まあコーヒーが飲めたので充分です。

 そんなわけで男子が始まったけど、やっぱり最初の頃はそんな上手な選手もいないので退屈・・。ああとにかく滑らない、跳べない。あかん、眠い。というわけでなんとなく眠気がなくなったのは、第二グループ第五滑走カルーザ君の演技後半。なんてこったいああ、本人も感涙の神演技だったのに。お、オーストラリアのブレンダンがチーム席に座っているわ。第二滑走だったわよね彼。大自爆だったこともあり、元気はなかった。あれ、よく見たら実況席が空じゃん。と思ったら今入ってきた。てことはあれかい、フジはBSでも第三グループからしかやらないってことだね。えええ(涙)。

 さて第三グループ。ミーシャ・ジー、ロス・マイナー、デニス・テン、無良崇人、アンドレイ・ロゴジン、マックス・アーロン。ううん、ミーシャとデニテンと無良君以外はどっちゃでもいい(ボカ〜ン)。ミーシャいいねえ。滑ってないけど(笑)。私はこういう子好きよ、なんかロロみたいで。んでもバルデとかは嫌いなんだよねえ。似たような芸風なのに我ながら謎。ま、単に顔が好みじゃないだけかも。無良君、ジャンプが壁ギリギリのが多くて恐かった。彼はジャンプの助走を結構取るから、ここみたいなちょっと狭いリンクは苦手なのかも。米勢はやっぱりお疲れ・・かと思いきや、新王者のマックスはミスも最低限に抑えて堂々たるものでした。でもロス君はやっぱりお疲れ。君ら、五輪の枠取り頼んだで!

 最終グループ。滑走順はドーンブッシュ、ゆづ、ハンヤン、ケビン、大ちゃん、宋楠。

 やっぱハンヤンとケビンでしょう。ハンヤンは昨日テレビで見て度肝を抜かれた3Aを生で見られて感激! 10-11シーズンの世界ジュニアからスケオタの間で評判になってた子ですが、生で見るのはこれが初めて。いやー、やっぱすごいわこのミニPちゃんは。あれだけのスピードからかっとんで危なげなく着氷し、その後も何事もなかったかのようにハイスピードで滑っていく。言うまでもなく最も難しいのはスピードとジャンプの両立で、そこがジャッジ評価の大いなる分かれ目でもあるわけだけど、これはもうスケート関係者が常に「こうあるべき」と言っている演技そのものじゃないの。ところでハンヤン、地上波放送はひょっとして初めてじゃないか? フジが世界ジュニア持ってるから、ひょっとしたら放送されたこともあったかもしれないけど、男子だから多分ないよねー。晴れて日本のお茶の間デビュー、ばっちり皆さんの目に焼きついたことでしょう。ただ四回転で大転倒しちゃったけど、大丈夫かな。

 皆さん、ケビンが神演技ですよ! 3Aも大丈夫だったんだよ! だーけーどー、ケビンはいつも見た目はよくても点数が出ないというのが専ら・・。ああ、今日もやっぱ「点ひく・・」とがっかりすることになるのかしら。と思ってたら、えええ、点数もいいですよ! やったー! 暫定一位! 表彰台確定だわ!!! 場内では数多のメイプル国旗が波打っております! ここはカナダですか(笑)。私の席からだとキスクラは直接は見えないんだけど、会場の大画面には映っているので、様子は分かる。ああ、ジョアンが嬉しさで壊れている。なかなか評価されなくてケビンも辛かっただろうけど、彼女もほんとに耐え難かったろうねえ。二人におめでとう。

 ふと、チーム席にいるロゴジンの方を見た(私も意地が悪い)。彼は無表情だった。今回ロゴジンはミニマムはクリアできたのでワールドにはカナダ代表としてケPちゃんやケビンと一緒に出られるだろうけど・・・。

 大ちゃんは・・・、んー、特になんにも心配してないな。今回たまたま不調だっただけとしか思えないから。年齢、立場、臨海活動、そしてプレ五輪シーズンの重圧などなど、今季の彼はいつになくせわしなかったから、ここらでガス欠がくるのは当たり前(ゆづも今回はお疲れ演技だったしね)。とは言え周囲のデーオタさんたちは演技終了後落胆を隠せず。私もまさか総合七位まで落ちるとは思っていなかったので、順位が出るや、「えーっ」と言わずにはいられなかったけど。会場全体も一斉に「えーっ」で、そのでかさにちょっとびっくり。

 去年までだったらこういう演技をしても四位にはなれてたと思う。それだけ大ちゃんのPCSは高値安定で、技術点のなさを補ってくれていた。だけどこれだけみんなが四回転を成功させてくると、PCSの貯金だけではもう順位を保てないということですね。

 さて、ここは梅田からそんなに遠いわけじゃないけど、乗り換えを挟んだりする関係で、所によってはそろそろお時間。中には大ちゃんの演技を見るのもぎりぎりという方もいただろう。そのため、大ちゃんの点数が出ると帰宅者多数。仕方ないとはいえ、これから滑る宋楠が気の毒であった。あー、向こう側で棒風船叩いて応援していた大ちゃんグループがごっそり抜けている。なんかこれって「大輔ファンが結果に失望して一斉に落胆帰宅」っていう風に取られるだろうなあ。実際その後、ネット上ではそう解釈している人が多かった。ただ素人がそう判断するのはまだしゃあないにしても、ネットニュースの中で「高橋ファンは見放すように去っていった」ってそりゃねーだろ、いくらなんでも。

 楠君はいくつかミスってしまい、総合順位は六位。シニア初戦のはずのハンヤンがなんと、楠君がまだ持っていないチャンピオンシップのメダルを取ってしまった。悔しいだろうなあ。中国男子のロンドン枠は一枠なんだけど、結局どっちが行かされるのだろう。

 いよいよ電車がやばいということで、楠君の演技終了後はどんどんお帰り。お隣のデーオタさんのもとへお仲間がやって来て「ごめん、まだ表彰式あるけど、私もう限界だから帰る・・」と告げて力なく帰っていった。いいよいいよ、今夜はうんと泣きな。まあジェレミーファンからすると「まあそこまで落ち込まんでも」なんて思っちまいますが(笑)。

 そんなこんなで席が大分空いたので、遠慮なく一番前の席へ移動し、表彰式を眺めた。ケビン、おめでとう、ど真ん中の国旗はあんたが揚げたんやで! あー、ケビンが四大陸チャンピオンだなんて、感動しすぎてどうしよう。ケビンもなんかうるっとしてるわあ。かわいー。

 10時過ぎには全て終了。会場を脱出すると、駅ホーム前では迂回ルートに誘導させられた(そんな遠回りでもないけど)。それでも10時20分頃にはなんとか朝潮橋ホームへ。凄い人だったが、電車にもなんとか乗れ、なんだかんだで11時過ぎにはホテルの部屋へ。ブーツも脱ぎ、タイツも脱ぎ、ヒートテックいっちょうでテレビをつけつつ歯磨きとアイメイク落とし。んがここで大失敗発見。メイク落としを忘れてきた! ああ、ポイントは持ってきていたのになんで、一番肝心のメイク落としを忘れたのか。でももうほとんど服脱いじゃってるんですけど。そこで、スカートだけ履き、裸足にロングブーツ、そしてダウンの前をしっかり閉めて外のコンビニへ(笑)。ロート製薬のトライアルセットを買って、洗面でごしごし。ああそれにしてもここの洗面狭いなあ。本人負担一泊3675円だから、こんなビジホに毛の生えたような部屋でも文句言っちゃいかんけど。次からはもうちょっといいとこ泊まろう。それに結構ここ駅から遠いし。

 なんだかんだで二時就寝。明日もまあゆっくり行きます。本来今日行くはずだったフレンチのレストランに行くのよ。




2013年02月08日(金) 明日から四大陸に出発! だけど

 現地ではすでにペアと男子のショート、アイスダンスのSDが行われております本日ですが、私は明日から泊りがけで現地観戦の予定。明日は9時半頃の新幹線に乗って梅田のホテルにチェックインし、その後ネットで見つけたフレンチのレストランでのんびりとランチを食して朝潮橋へ向かう予定だったのですが・・・。

 太鼓が二週間前に初潮を迎え、今ではその生理もほとんど終わりかけているのですが、どうも二、三日前から体調がおかしいような感じ。食欲が落ちているし、おしっこも失敗ばかり。特におしっこは散歩中にポーズをとっても出たり出なかったり。もしかしたら膀胱炎にでもなっちゃったのかしら。雌犬は生理中に膀胱炎になりやすいというし・・・。でも遊ぶのは元気に遊んでいるし、夕方一時間弱の散歩も相変わらず最初から最後まで威勢がよく、おやつをあげれば一瞬で丸呑みと、なんとも中途半端。

 困ったなあ。私は9日から四大陸観戦で帰宅するのが11日、両親と弟も会社の慰安旅行で9日から一泊で四国と、少なくとも9日、10日は家に誰もいないからペットホテルに連れていくはずだったのに。それも今日。明日は朝からばたばたしているから、金曜の夜にでもペットホテルの最終受付時間である7時半までに連れていってやる予定で、ホテルはもちろん、ペット用のタクシーまで予約しておいたんだが。あー、もう動物病院が木曜定休じゃなかったら、もうちょっとスムーズにいったかもしれん。それか先手を打って水曜日に連れて行くべきだったか。

 何はともあれ金曜は病院に連れて行くことに。ペットホテルに電話して一泊目はキャンセルとした。ホテル自体は朝10時から受け入れをしております、とのことで土曜の朝10時に連れて行くこと決めた。それからタクシーを頼んでいたペット業者に電話すると、受付スタートは10時からながら、お迎え時刻はそれより一向構わないとのこと。私としては土曜の朝9時45分お迎え、ホテルの駐車場で手続きの間ちょっと待ってもらって、チェックイン終わった後私をそのまま旅行の荷物もろとも金山まで送ってもらえるとありがたい、と頼んでみたのだがそれはあかんということで、そのまんま帰宅せざるを得ないと。いや自宅に戻るくらいなら、もうその途中の西高蔵(金山から地下鉄で一駅)でおろしていただければ、と頼んだら幸いにもそれでOKとのこと。まあこれはこれでよかった。女子SPは最初から見られなくなっちゃったけど、しょうがないね。

 そうこうして太鼓を病院に連れて行ったのだが、膀胱炎かどうかは分からず。診療中にした尿を顕微鏡で調べてもらったりもしたのだが、雑菌の数は膀胱炎というほどの量ではないよう。また先生が言うには、膀胱炎じゃなくても雌犬が生理中に今の太鼓のような症状に陥ることはよくあるんだそうで。ふうむ。取り敢えず念のため、と数日分の抗生剤だけもらって、おしまい。

 帰宅後太鼓に餌と薬をやり、私は私で新幹線切符の時間を変更しに熱田駅に行ったり、パッキングをしたりとてんやわんやしつつ、二時半就寝・・・。明日試合中に寝るかも(ボカ〜ン)。




2013年02月03日(日) 東ベルリンから来た女

 お昼間に予定が入っていたし、2時半から美容院を予約しているし、来週末は三日とも四大陸で大阪だしということで、平日鑑賞するしかないと思っていた本作だが、お昼間の予定がなくなったおかげで、10時35分からの回を見られることになった。ちなみに今週の時間割は名演1で10時35分、14時50分、19時の三回。他に一作入っているせいで、あんまり多い回数ではない。でもって16日からは名演2に行っちゃうから、今日見られるのはありがたいこと。

 10時20分頃に着くとすでに開場していて、しかも結構埋まっていた。やっぱり東独ものは「グッバイ、レーニン」とか「善き人のためのソナタ」とか、名作多いからみんな信頼して見にくるのかね。幸い一番後ろから二番目の中央通路側の席が空いていたので、そこへ座った。そう言えばこの映画何分だっけ、と前売券の細かい文字を凝視してみると、105分とあった。意外に短いんだな。

 時は1980年。東ドイツの海辺の町に建つ病院に、ベルリンのシャリテからバルバラという女医が転勤してくるところから始まる。ひなびた町の病院ながら入院患者も多く抱えていて、そこそこの規模の病院だが、それでもシャリテのような病院の医師(こっちで言えば東大病院の先生みたいなもん)がやってくるような所ではない。一方のバルバラも同僚たちに対していやに超然としていた。田舎の医者たちは、バルバラにつかず離れずの微妙な距離を取りながら接する。

 バルバラの「左遷」の理由は国へ出国申請を出したことにあった。東ドイツで出国申請を出したりすれば、解雇されるのが普通だが、そうしたルールは暗黙のそれとして存在するのみで、そういった事実を国民は噂としてしか知らない。ただ自分か、あるいは身近な誰かにそういうことが起こった時点で初めて知るのである。

 バルバラが国家にとって易のない人物であったのなら、一年か二年耐え忍べば出国を許されたかもしれない。しかし不幸にして彼女は医師であった。人材不足の東ドイツにおいて、医師のような明確に人の役に立つ仕事に携わる者の出国申請など通るはずがない。バルバラは医師の籍こそ奪われなかったが、シャリテを追われ、シュタージに監視される日々と共にこの田舎町へ来させられた。のどかな風景とは裏腹に、バルバラの表情は常に張り詰めている。自分を監視しているのはシュタージだけではないことを彼女は知っている。官舎の隣人たちも、病院の同僚も、いつどこで自分を密告しているか分からない。

 だが気の強いバルバラは誰の前でも卑屈ではなかった。同僚の前でも超然とした態度を崩さない。彼女はここに長くいるつもりはないのだ。西では恋人がバルバラを脱出させる計画を着々と進めており、彼女もその日を待ち望んでいた。しかし一方で、この国に何一つ思い残すものがないかと言われれば、そう単純でもなかった。国を嫌っていても、ここで自分を頼りにしてくる患者たちはまた別だからだ。病人たちの様々な事情に触れ、彼らに情が移っていくバルバラ。同僚たちとバルバラとの距離も変わってくる。他の医者たちもまた、それぞれに様々な事情を抱えている。バルバラ自身にしてみれば不本意ながら、彼女は少しずつ新天地に根をおろし始めていた。そしてそれと反比例するかのように西にいる恋人との間に溝を感じ始めるバルバラ。だが、国は相変わらずバルバラに冷たい。決行の日が迫るにつれ、彼女の葛藤は深くなる。

 なんか無駄にあらぶってストーリーダラダラ書いちゃったよ。すまそ(ボカ〜ン)。主人公が医者ということで、まあ当然の如く自分の同人とシンクロしまくりで見ている間ハアハアしまくりだったのは内緒(ボカ〜ン)。

 まあそれはさておき(笑)。「善き人のためのソナタ」でもそうだったけど、国、人それぞれのいい面、悪い面、どちらとも取れない面、そしてその時々によって変わる「いい悪い」というものが、短い尺の中にしっかり収まっていて、よかった。どっちかって言うとバルバラの苦悩がメインなので、これだけ短い尺だと「ばれないでどう決行するか」というサスペンス部分が大雑把に片づけられがちなんだけど、そこを実にいい塩梅にきちんとドラマの中でやってくれてたので、安心して見られた。いや、こういうバランスって本来とても難しいのよね。サスペンスだけになっちゃったら、バルバラの立場やそれにまつわる苦悩を描く意味がなくなっちゃうし、かと言ってサスペンス部分をおざなりにしちゃうと、東ドイツの恐い面が薄れてしまうし。

 あと、西に恋人がいるってことで、バルバラが「自由な西! 彼との生活!」しか頭にない女として描かれるという、ありがちな映画だったらやだなーと思っていたんだけど、決してそうじゃなく、バルバラが一職業人として、医者としてのモラルと国からのしがらみとの狭間で揺れるというのがよかった。でも欲を言えば、最初っからそこがきちんと描かれていただけに、最後のバルバラの選択にあの女の子が関わるという展開には私はちょっと否定的になってしまう。女の子の存在抜きにしてバルバラがどちらを選ぶのかというドラマを見たかった。

 ま、でもヒロインが美人でよかった!! これが一番重要かも(ボカ〜ン)。

 さてお昼。先日19日に友人と初詣に行った帰り、栄ガスビルの地下にあるしら河でひつまぶしを食べたのだが、その際二割引きのクーポンが貰えた。こりゃ有効活用する他ないと、本日再びのしら河。灰色の東独映画を見た後にこんなご馳走をいただくのはミスマッチも甚だしいが、私は今とても腹が減っているので問題ない。ただ並んでいる間に時間が結構たってしまったので、携帯から美容院に予約を30分遅らせてもらうことを依頼。幸い大丈夫とのことでほっとして、うなぎ様をゆっくりといただいた。いやゆっくりでもないな。自分でも呆れるぐらい、物凄くガツガツ、あっという間に平らげてしまった。

 今日行く美容院は初めて行く所。ここ数年贔屓にしていた金山の美容院が12月で閉じてしまったため、どうせなら同じ系列の美容院がいいかな、とここにしたのである。しかし同じ系列とは言ってもやはり場所が違えば店の様子も異なるというもの。美容院は神宮の名鉄パレの中にあるのだが、名鉄パレ自体がおばちゃんデパートなので、美容院も自然とそんな感じ。美容師さんの腕はいい感じだったし、神宮なだけあって栄や名駅の美容院に比べればお値打ちだったけど、うーん、やっぱりこれまでとのギャップが。せっかく行くなら店も周辺もおしゃれなのがいいわよ。名鉄パレで見るものなんてなんもないし。今まで行ってた金山の店は、値段は栄・名駅より下で、それでいて周辺のお買い物は充実していたからねえ。そもそも金山自体が便利だった。金山まで来てしまえばそこから栄へ出かけるのも、家に帰るのも楽ちんだったもん。ああ失われた物は大きいわ。神宮へ通うぐらいだったらもういっそ家から徒歩圏内の美容院に行った方がいいような気がする。ああっと、それと地下鉄の神宮駅からパレまでって結構歩くんだよな。今は寒いからいいけど、夏に駅から美容院まで五分以上歩くのは嫌だ(もっとも道の大半は社の大木の陰になっているので、夏でも涼しいんだが)。やっぱり別のどこかを検討せにゃならんか。

 そのまま地下鉄で帰ろうと思ったが、神宮なら歩いて帰ってもいいか、とてくてく開始。タイミングよく市バスに乗れたらラッキーだなあ。それにしても今日は折角映画を見たというのに、喫茶店に寄っていない。そう言えば神宮には「みなと珈房(かぼう)」というコーヒー専門店があったなあ。いつも車で通り過ぎるだけで十数年。近所とは言えなかなかこの辺も行かないし、一杯ためしてみっかと店の前に来てみると、日曜日のくせに暗い。なんかやな予感と思ったらはたして「1月26日に閉店しました」という張り紙があった。嗚呼。結局そのまま最後まで歩いて帰宅。その後も太鼓の散歩で歩け歩けと、よく歩いた一日だった。



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