猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2012年09月25日(火) ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで

 先月24日の日記で、ブリジストン美術館で今やっている美術展の中でカミーユ・クローデルの「ワルツ」が展示されているから行きたいなあと書いた。その後ほどなくして9月24日に有給を取得したのだが、おいおい月曜日は美術館休みだよと気づいた(ボカ〜ン)。よく考えてみりゃ美術館・博物館・図書館、これらものはみんな月曜定休と相場が決まっているものを、何で最初から気づかなかったのか間抜けである。有給の日にちを変えてもらうにしても今さらまた丸一日取り直すというのはさすがに気が引ける。9月下旬は定年退職者が多いため、我が部署は手続き諸々でちょっと忙しく、本来なら丸一日休みなど遠慮すべきところ。ただその手の手続きが行われるのは大抵昼休みなので、それが過ぎればどうにかなる。そうなると午後休取っていけばなんとかなるかと、24日の休みを取り消して今日の午後休に変えてもらったのが13日のことだった。その後ネットで展覧会の招待券をお安くゲットしたりして、早く25日になあれ、とわくわくしていたのだった。

 気になっていたのが東京から何時に帰れるかということ。ううん、今日25日にヤフオクでゲットした商品が届くんだけどな。まあ再配達してもらやいいんだけど。今日受け取りたかったな、ぐすんと思いつつ、昼休みに会社のパソコンで荷物検索していたら、なんともう我が家に届いていた。母が在宅の間に届いたみたいだ。ラッキー。

 お昼はやっぱり手続きの人がたくさん来て、やっぱり午後休にしておいてよかったと実感。昼休みの後ちゃちゃっとお暇してなんだかんだで1時20分には帰宅できた。家に入るとはたしてヤフオクでゲットした商品が届いていて、早く出かけなきゃならんのについ開けてしまう(笑)。このまま家に置いておくのもなあというわけでガサガサ開封して、出かけの鞄の中にしまう(ちっこい文房具なんです)。地下鉄駅で新幹線上りを検索すると、13時53分か14時10分が近いところだった。まあ14時10分が妥当かな。

 在来線の乗り継ぎもスムーズに、名駅の新幹線改札前で回数券に14時10分の号の指定をつける。ホームに上がるとちょっと暑い。今日の最高気温は29度だっけ。まあ湿気が相当減っている分だけ楽だよなあ。それで東京は雨が降っていて今日の最高気温は23度だって。ちなみに今日の東京が寒いからって、久々にキャミソールを一枚着ているんだけど、どうなのかな。雨降ってるとこの状態でも寒いだろうな。晴雨兼用の傘は持ってるから降られる分には大丈夫だけど。

 向こうに着く頃にはおなかがすいているだろうと思ってワゴン販売でアイスクリームとコーヒーを買ったのだが、あいにくアイスはみかん味しか残っていないと売り子が言う。なんだよみかん味って、私知らない。ああコーヒーにはバニラ味が合うんじゃが。半分ぐらいアイス食ったところにコーヒー投入してジェレードコンカッフェにしたかったのに(家でやれ)。まあないものはしゃあないというわけでみかん味。シャーベットとは違う、あくまでみかん味のアイスと売り子は言っていたが、どう食ってもシャーベットだった。ええ、コーヒーとの相性は今一つです。ちなみにこのみかん味もバニラや抹茶と同様、スジャータなのですね。

 うとうとしたりツイッターを覗いたりしているうちにいつの間にやら富士山を見るのも忘れ、どんよりとした曇り空ばかりの風景が続く。やっぱあっちは雨なのかなあ。だが新横浜を過ぎても雨の気配はなく、むしろ雨上がりのような切れ間の多い曇り空。はたして東京は雲もほとんど切れ、全くの晴天。新幹線は定刻どおり15時53分到着。ブリジストン美術館に近い八重洲中央口を出ると、美術館は視界のほぼまっすぐ先に見えた。わあい、いよいよ〜。

 それ程大きくもない入口を入ると警備員に「前売か招待券をお持ちの場合はエレベーターで二階受付へどうぞ」と促された。ただ日傘は入口傍の傘立てに置いてくれとのこと。言われた通りにして二階に行くと、エレベーターを出てすぐに受付があった。中はよく見えないけど、そんなに混んでないような感じ。招待券を切ってもらって中へ入ると、実際それほど混んでいなかった。人の列はみんな一列で間隔も充分、間違っても前の人の頭で作品が見えないなんてこたあない。やったー! やっぱり休みとって平日に行ってよかったよ! おおしかもドビュッシーの音楽が流れているじゃないか。やっぱドビュッシーゆかりの芸術家たちの作品展だからねえ。気がきいてるなあ。

 とは言え自分、無知なのでドガ、モネ、シャガール以外は知らない芸術家ばかり(ボカ〜ン)。あ、でもガレがあったわ。覚えている限りでは「過ぎ去りし苦しみの葉」「たまり水」、「海」があって、どれも知らない作品だった。「過ぎ去りし苦しみの葉」を見た時は、ああこういうのも作っているのかいいなあ、と思ったんだけど、「たまり水」を見た時は思わずため息が出て、「海」に至ってはしばし呆然としてしまった。何をどう思い描いたらこんな壷を作ろうと思うのか、そしてこんな色をどうやったら想像できるのか。青も緑も紫も、単に絵の具から出してちょっと何かと混ぜただけでも充分に美しい。でも非凡な芸術家の頭の中には無限の色の組み合わせがあって、さらにそれを実際に作れてしまうのだ。

 館内はいくつもの小さなブロックに分かれていて、そこを順路ごとに見ていくんだが、セクション内部が細かいせいか、時々現在地が分からなくなった(笑)。まあ全部ほぼ真ん中で繋がっているから迷子にはならないけどね。

 そうしていくつかトントンと見ていって何番目かのセクションに足を踏み入れると視界の端に「ワルツ」が! あれでもなんか小さいんですけどと思いつつ、ワルツはこのセクションの最後にじっくり見ようと他の作品をつらつらと見る(ちょうど先述したガレの作品があるのがここだったので、しばしうっとり)。そうしていよいよ「ワルツ」を目にしたのだが、さっき視界の端で見た時も思ったんだけど、感動するより先に実物があまりに小さいのでびっくりしてしまった。高さはせいぜい50センチ? いやそんなにないかも。いやあ、無知な私め、勝手に1メートルぐらいの作品だと思っていたんですよ(ボカ〜ン)。いやあまさか本物がこんなに小さかったとはねえ。いや別にがっかりとかそういう意味じゃないんだけど、どうしよう、想像とのギャップがありすぎて感動へのスイッチが入らない(ボカ〜ン)。

 しばらくの間、引いたり寄ったりしつつ、それから後はひたすら寄って作品を見ていた。しかしふと気づくとほとんど私が占領している。いかんいかんとあわてて引いたが、遠目ながらもそのままずっと見ていた。カミーユは40代の半ばで精神に異常をきたし、多くの自作を自ら破壊してしまった。48歳で精神病院に入れられて、78歳で亡くなるまで病院で過ごし、その間スケッチ一つ手がけることもなかった。展示の説明書きに目をやると、「ワルツ」はドビュッシーが生涯自宅で手元に置いていたのだという。そうか、だから今こうしてここにあるのだな。ありがとうよ、ドビュッシー。

 何度も眺めた後、また戻って見ることにして、残りのセクションを見る。ドガやモネの小品を腹一杯。北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」などという超メジャー作品があってびっくり。南州の「金の魚」きれい! またバレエ繋がりでニジンスキーの写真の複製もいくつか。あの牧神の午後のものもあり、感涙。ここでBGMに「牧神の午後」のあの有名な前奏曲が流れてくれたら完璧でしたが。

 そうこうして一周した後はまた「ワルツ」へ。見られる限り、近寄ってあちゃこちゃから見る。後ろが壁になっているので、作品の裏側がどうしても見られなくて嗚呼。男性、よく作品集などで見られる角度からだと両足がどうなっているのか分からないけど、右足は地面についてて、左足はフリーレッグになっているのね。女性は腰から下のうねうねが実際には胸のすぐ下から始まっている。それと女性の左手は男性の肩にのっかってる。つっても摑むという感じではなく、指五本で触れているだけ。女性の手も腕も男性並みに太くてでかいのが印象的だった。特に左手は体との比率を考えるとおかしいくらいにでかい。なお肝心の女性の表情はどうしても角度の関係で見えなかった(ま、その方がいいけど)。

 いくら眺めても名残惜しいワルツに後ろ髪をひかれつつ、五時過ぎに美術館を退く。物販コーナーも見たが、ポストカードにワルツがなかったので買わなかった。

 ここでどっか寄りたいところだが明日も仕事だしと、きっぱり夕食。しかし他の駅ならいざ知らず、東京駅の近辺ってあんまり知らない(そもそも東京自体、何回も行っている割にはいつも限られた所しか行かないですな)。あ、でも昔しんさんにこの辺にあるつばめグリルに連れてってもらった気が、と思い出す。ただ詳しく思い出せなかったので、まあいいかとそのまんま八重洲の大丸へ向かう。12階レストラン階のラインナップを見ると、おおつばめグリルが入っている! というわけでエレベーターで直行。店の中に入ってみると果たしてあの時連れてってもらったつばめだった。時間が時間なだけに東京のレストランとは思えないくらいガラガラ。おお、窓からの眺めがいいなあ。空は果てまで薄紫色、近辺のビルにはあかがね色の玉が浮かんでおるわ。窓側の席はほぼ一杯だったので、窓側から一列下がったテーブルを案内されたのだが、そこも窓が真正面だったので充分素晴らしい眺め。ほくほくとスマホで撮影する。ツイッターに投稿しようとしたが、混んでいるのか一発でうまくいかず、結局食っている間も何度もトライしたりして、やや散漫なお食事となってしまった(笑)。ちなみに頼んだのは相変わらずのつばめ風ハンバーグステーキ。季節限定とかでハンブルク風ハンバーグにかぼちゃやきのこなどの秋の味覚が添えられているものが出ていて一瞬惹かれたんだが、結局いつものつばめハンバーグにしてしまった。酒は平日だしカロリーオーバーだからやめておこうと思ったが、気分がすっかり酒を欲していたので、一番安いグラスワインの赤を頼んだ。ワイン共々おいしかったです。

 すっかり満腹になった後は同ビル内にある東急ハンズと冬物のショップをいくつか流し見。一部の店ではダウンがもう出ている。今年こそは買いたいなあ。中にとてもかわいいダウンがあったのだが、持ってみると普通のダウンに比べて重かったのでやめた。会社へのお土産を買った後、18時40分発の新幹線に乗って帰路。出張帰りと思わしきくたびれ顔のサラリーマンの中にあって、お腹も気分も快調の己がやや肩身狭し(笑)。名古屋には定刻どおり20時23分着。家にもスムーズに帰宅でき、いつもの時間に就寝。翌日の出勤の際、「午後いきなり東京行って帰ってきて疲れてないのか」と聞かれたが、こちらは心配されるのが申し訳ないほど、この日めちゃくちゃ元気だった(笑)。




2012年09月20日(木) 冬の予定など

 アルベルトお誕生日おめでとう! というわけですっかり「単にうまい菓子を食べる日」と化しているここ数年の9月19日が今年もやっぱりうまい菓子を食べる日で終わった(ボカ〜ン)。いやもちろんそこはアルベルトさんのお誕生日らしく、おいしく食べながらもこの頃の世界情勢などを憂いつつ、という感じではあるが(嗚呼中国・・)。今年はケーニヒスクローネのフルーツデラックス。昔やってたベルリンスペシャルのミニ版みたいなもんだ。これとマリアージュ・フレールのウェディングをミルクティーにして一緒にいただいた。はあそれにしても私のアルベルトさんももう喜寿におなりなんだね。

 さてほとんどの方はもう冬コミ原稿に着手されているかと思うが、私も遅ればせながら昨日からちまちまと書き始めておる。ちなみに今度の新刊は無限分割の続きではなく、久々にサイボーグの皆さんが出てきて何やかやする話になる。冬の新刊を無限分割にするかそれ以外にするかは随分迷ったんだが、例年、10月から11月にかけては会社関連の行事や何かで土日の片方もしくは両方が潰れることが多く、ただでさえ余裕がないというのに今年はそれに加えて11月の15日から19日までエリック・ボンパール杯を観戦することにしており(現在遅々と準備中)、さらに同じく11月の24、25日にも泊りがけの旅行へ行くことにしているので、ほんとに原稿やってる時間がないんだよねー。実際のところ今回の冬コミは申し込みの時点でちょっと迷ったんだが、それを言っちゃうと来年の五輪シーズンこそ同人活動をするかどうか非常に曖昧だし、今年は夏に落ちて本出していないからこの冬に何か出さないとずるずる休眠サークルになってしまうのだ。それだけは嫌なので頑張る。ただあんまり厚い本は出せないと思う。今から弱気ですみませんが、その分内容をいつも以上に濃くしていく所存。

 それと久々にちゃんとインテックスに申し込みました。年明けに直参します。

 最後にご報告。新しい柴犬を飼うことにしました。とても複雑な気分ですが、かわいがってあげたいと思います。7月28日生まれなので、当分は室内飼育です。購入元は宮崎県のとあるブリーダーです。9月29日に空輸で宮崎からやって来て、セントレアで引き取ることになっております。ちなみにこの子は姉妹があと一匹いるのですが、なんとその姉妹も飼い主は愛知県の人で、同じ便でやって来るのです。もちろんケージは別々なんだけど、たった一匹で運ばれてくるより兄弟の気配があった方がちょっとでも心細くないかな、と勝手に思っています。ただ空港では本当にお別れになっちゃうので、それに立ち会うのがちと辛いかも。

 今一つ悩んでいるのが成犬になってからどこで飼うか。私としてはこれまで同様、夏は室内、それ以外の季節はベランダ、雷や台風など荒天の際は室内、と考えていたのですが、昨日福岡のペットショップで起こった事件(ここに書くのも憚られる)以来、完全室内にした方がいいのではと思えてなりません。ううん・・・。




2012年09月09日(日) ジェーン・エア

 そろそろ原稿に集中したいので、よほど見たい映画じゃない限り、映画を見に行くのは平日・休日共に打ち止めにせなかんなあ。だからこの土日のうちに見ておきたいと思いつつ、しかし今のところ特に見たい映画はない。もう数週先ならいろいろ見たいのがあるんだけどね。その筆頭は29日から名演で始まる「ソハの地下水道」と、10月27日からミリオン座で始まるクロちゃんの新作「危険なメソッド」だろうか。

 上映情報を見るに、ミッドランドへ行けば「おおかみこどもの雨と雪」がまだやってるんだけど。うーん、でもこれあんまし見る気がしないんだよな。プロメテウスはそれよかもうちょい見たいけど、どっちにしてもうーん。話題の「夢売るふたり」は取り敢えず大型でも中型でもどこでもやってるみたいだけど、これも別になあ。ああ、ついでに言えば金券屋で買ったスターキャットの鑑賞券が今月までなんでやっぱ行くならミリオン座かセンチュリーがいいわ。

 そんな風にぐじゃぐじゃと見回していたのだが、ふとミリオン座の上映を見ると、8日から21日まで「ジェーン・エア」をやってるじゃないか。ええっ、これ6月か7月にTOHOとかミッドランドとかでやってたよね? 何で今頃スターキャットに? なんだかよく分からんけど、見そびれてしまった作品なのでちゃんとスクリーンで見られるのは嬉しいわ。ただ時間帯がなあ。ミリオン3で9時40分、もしくは14時20分かあ。うーん微妙に据わりが悪い時間帯ねえ。朝一は無理だから14時20分からの回で見るとして、終わるのが16時25分だとその後ペギーに寄って帰ってくると遅くなっちゃうなあ。上映時間は120分きっちりだけど。その点先週からやっている「最強のふたり」なんてちょうどいいお時間帯のばかりではありますが・・・。ええい、まあいいや日曜は「ジェーン・エア」で決まりです!

 というわけで午前中ちょこちょこお出かけした後11時に伏見へ行って整理券をゲット。さすがこんなに早く行くと001ですわ。その後地下鉄で矢場町まで戻って松坂屋でごはんを食べ、北館の書籍&文房具コーナーをぶらぶら。南館の改装でこのコーナーがこちらに移ってから、最初のうちはえらく手狭になったように思っていたけれど、こうして見ると前とそんなに変わってはいないなあ。私用で使う長4の封筒を物色。長4っていいのがありそうでないんだよな。やはり今はみんなA5サイズの便箋が主流なのかしらと思うほど、これという封筒は小さいものばかり。とは言えよくよく探せば大変気いいのがいくつかあって、どれも多めに買った。うーん、ハンズでもロフトでも気に入る長4が見つからなかったものを、マニアックさにおいてこの二店より遥かに劣るはずの松坂屋文具コーナーで見つけるとはねえ。分からんもんだわ。

 再び伏見へ。今さらド正直に告白すると、私は原作を読んだことがない(ボカ〜ン)。あまつあらすじも全く知らない。あらすじぐらいなら、と思っていたんだけど知っているのは「嵐が丘」の方だったというありがちなミス。あ、でも「あしながおじさん」でジュディーが「ジェーン・エア」を徹夜で読んでその感想をおじさまに手紙で書いてたっけ(『嵐が丘』についても書いてたけど)。なるほどあれね。もう分かった(笑)。そりゃ本来こういう古典ものは元を知った上で見るのが筋なんだけどねえ。まあいいや、普通の映画のように結末をわくわくしながら見るとしよう。とにかく古典らしい古典が見たいんだ。なんせ日曜八時台の古典が残念なことになっておりますからね。

 原作を読んでないので感想は的外れかもしれませんが、その辺はご容赦を。

 冒頭、ロチェスターの秘密を知ってしまったジェーンが一人ムアを駆けるシーンで私の心は早くもわしづかみ。「秘密の花園」でも全編に渡って様々に印象的なイメージを喚起させてくれたヨークシャーのムア。地味な外見だけれども意志の強そうな一人の女が、なぜか悲憤と失望をあらわにしてたった一人でこのムアを彷徨っている。物語はそこから時間を行きつ戻りつし、ジェーンの不幸な生い立ち、そしてロチェスターとの出会いを描く。

 作品が発表されたのは1847年。アヘン戦争が起こったのが1840年であることを考えると、見事にド19世紀。女の人はみんな外出の際は頭にボンネットを被り、体にはコルセット着用でその上からフリフリのドレスを纏っている。素敵な世界だ。中身もしっかり19世紀していて、貧乏と身分差別が花盛り。素敵な世界だ。

 一つ引っかかったのが、最近の欧米の映画にしては珍しく児童への体罰描写がごまかしなく映像で描かれている点。幼いジェーンや級友が鞭でぶたれるシーンが登場するのだが、最近の映画なら鞭で打つ寸前で映像を切ったり、シルエットのみの描写でお茶を濁すとかするんだけど、この映画ではそういうシーンでもほぼ一カットで見せていた。こういうのは賛否ありそうな気がするんだけど、どうなんだろ。個人的にはどういう暴力があったかが分かればいいので、どの時代が舞台であれ、この手の描写ではごまかせる部分はごまかして欲しいところ。

 ストーリーがどこまで原作に忠実だったのか、未読の私にははかりかねるが、古典らしいシンプルかつ濃厚な演出は少なくとも内容に対しては忠実だったのではないかと。とにかく私は二時間どっぷりと19世紀に浸れてこの上なく満足だった。

 終了後メールチェックをすると母から一通、「弟と三人で焼肉屋行くから、6時半までには帰ってきてね」と。うーん、それだとペギーには行ってられないなあ。しょうがない、栄のヴァンサンヌドゥに行くか。あそこのカフェオレならペギーと比べてさほど変わらんし。

 ところがなんとも間が悪かった。ヴァンサンヌドゥはいつになく激混みで、カウンターにはなんとか座れたものの、水さえちっとも来なかった(カウンターなのに)。こっちはツイッターを覗いたりして時間を潰していたが、カフェオレが来たのははたして何分後だったのやら。しかもやっと来たと思ったら牛乳分がやけに多くて全然コーヒーの味がしない。帰宅したら帰宅したで、結局母と弟が帰ってきたのは7時。うえーん、こんなことならペギー行けたじゃんかよう、と悲嘆にくれた。だって夏休みの間ペギー行けなかったんだもん。来週はペギーに行きたいのだわ・・・。



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