猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2012年08月24日(金) るろうに剣心

 二日連続でTOHOシネマズ、しかもお昼の回(12:45〜)などという贅沢ができるのも夏休みならでは。というわけで「るろうに剣心」に行ってきやした。テレビで連日のように予告映像を見ていて、前からとっても楽しみにしていたのよん。昨日の往復でガラガラのTOHOシネマズに行ってくる分には私の運転でも問題ないということも分かったので、今日も車でGO。映画館は昨日に引き続きガラガラで安心駐車。しかしボックスもガラガラだったんですけど、大丈夫なのか剣心?

 龍馬伝のスタッフが多いということで内容にも期待していたんだけど、実際よかったんじゃないかな。映画化にあたってチョイスしたエピソードが剣心と薫との出会い、鵜堂刃衛との相克というのもよかったし。ビジュアルに関しては、ザコのヒャッハーな連中のいでたちが漫画そのまんまなので、なんだかちゃちいコスプレっぽくて萎えたけど(また数が多いしね)、まあこの辺は目をつむるか。明治初期の東京の町並みなんて、この手の映画にしちゃ上出来だったし、何よりかにより佐藤健の剣心が素晴らしすぎる。もともと剣心が佐藤健というのを聞いた時点で「まさにそれしかない!」と、最大限の期待をしていたんだけれども、彼は本当によかった! やー、剣心の「おろ」があんなに違和感なく言える子がこの地上で佐藤君以外にいましょうかね! 殺陣の方もうまかったよ。龍馬伝の時の仕込みが活きてたんだろうねえ。特殊効果を差っぴいても元々の本人の構えがちゃんとできてるな、と感じた(少なくとも組!の香取&ヤマコーの百倍はちゃんとしてます、はい)。

 薫役の武井咲ちゃんもこのくらいなら上々なのでは? 演技は決して上手くはないけれど、彼女本来の明るく健康的なオーラが作品における薫の役割とマッチしていたので、印象としてはよかったし。あの髪形もかわいかったよね。原作のいかにも漫画チックなポニーテールをうまく現実の髪型にアレンジしてて。あの髪型のおかげで最初に出てきた時から好印象だったよ。

 同じく女性陣の中では蒼井優の恵さんがいい〜。もともと蒼井優と聞いた時点で剣心の時と同様「よっしゃー」だったけど、ほんと、会津の悲しみを背負った恵さんをよく演じてくれていた。ただ蒼井優が恵さん役をやるにつけ心配だったのは、蒼井優の顔が化粧映えしないというところ。案の定、蒼井優は厚化粧が全然似合っていなくて、原作のケバくも美しい恵さんとはいかず、その点が残念と言えば残念だった。だけどそれはそれで「本来ならばこんなケバい人ではない」恵さんという人物を感じられてよかったと思う。

 とまあここまでは元のキャラにマッチしたキャスティングが見られたんだが、それらに比して左之助は無残でしたなー。青木君はこういう脳筋な役は本来なら合っている筈なんだけど・・・。出番があんだけでしかもあんなシーンというのを差っぴいてもこれは残念な左之だろう。同じ脳筋でも何かが違うのよね、左之と青木君とでは。この先続編ができて左之の赤報隊等の過去エピソード混みで出番が増えたとしても、この左之なら嫌だ。しかし大してファンじゃない私でもこんだけ文句言ってるんだから本当の左之ファンの心中やいかに。

 左之とは対照的に斎藤は・・・、うーん私はよかったんだけど、斎藤ファンは喜ばんだろうなあという斎藤だった。もうなにこの斎藤、露骨に剣心しか見ていない(笑)。いや確かに斎藤は剣心ラブですよ、そりゃもうアホみたいに。でも一応漫画ではその辺うまく「元新撰組としての矜持」とか「悪即斬の信念」とかでごまかして、なんやしらんけどニヒルなキャラってことにしてて、ファンもそういう共同幻想を抱いているわけじゃないですか(←なにこのすごいデジャブ感・・)。それを最初から最後まで、こんなあからさまに「勘違いするなよカカロット、貴様を倒すのはこの俺だ」みたいな愛情表現垂れ流しにしてくれちゃっては、剣心ファンながら齋藤ファンが気の毒ですわ(笑)。ええ、でも私自身は斎藤はこういう奴だと思っているので、全然オケですけどねー。だから江口洋介はとても合ってると思いますた。

 何はともあれ面白かったで。健君が老化しないうちに続編をキボン。でも京都編は無理なんだろうなあ。

 帰路も昨日同様スムーズでひたすら安堵。またもやカルチェに寄りたい誘惑に駆られたが、横目に見れば今日もカルチェの駐車場は車でいっぱいでしたとさ。

 結局昨日と同じように紅茶を飲みながら録画の消化に明け暮れた。しばらくすると夕刊が届いたんだが、日経の夕刊一面を見てびっくり。カミーユ・クローデルの「ワルツ」じゃないか! 小さい写真だけどカラーだよ。えええ、なんでまたこんなのが載ってるの? えーっと、10月14日まで京橋のブリジストン美術館で「ドビュッシー 音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」という美術展をやっていて、その関連記事らしい。なんとあの「ワルツ」が東京で見られるのか? 行かねば。それも平日に。ええ、東京の美術館を休日に行っちゃいかんからね(笑)。よーし、なんとか適当な日にお休みとって行ってこよう。




2012年08月23日(木) ダークナイト ライジング(バレあり)

 前々からTOHOシネマズで見ようと思っては見たものの、車で行くということが不安で不安で、映画鑑賞というお楽しみにもかかわらず、ここ二、三日なんだか憂鬱になっていた。そう、約二ヶ月前「幸せへのキセキ」を見にTOHOへ行ってガガガとやっちまって以来、車を使うのがこれまでにも増して億劫になって、運転そのものからすっかりご無沙汰になっていたのだ。もうこのまんまペーパードライバーになっちまおうかなあと半ば本気で思ってもいるのだが、熱田の集中局とかイオン行く時には要るしねえ(あの辺だったらケッタでも行けんこともないが)。夏休みとは言え今日は平日だし、昼の12時20分からの回だから、TOHOシネマズの駐車場もすいてるんじゃないのかなー、まあちょっとでも混んでたら潔く引き返そう、てなことをウダウダ考えつつ、弟がお土産で買ってきた高山ラーメンをずるずると平らげて我が家をあとにしたのでありました。

 二ヶ月ぶりの運転はそりゃもうドキドキだったけれども、映画館への道は至って単純なので走るのはそれほど苦労しなかった。いよいよ駐車場へ入るというタイミングで空きの様子を見ると、ガラガラということこそなかったが、そこそこ空いている感じ。停めやすいところが空いているといいなあと思いつつ進んでいくと、よく停めるところがちゃんと空いててほっ。しかも両隣が空いているので苦もなく駐車できた。これまでの不安はなんだったのかしらん。

 とにもかくにも最初の大仕事を終え、もはや生涯やるべきことは全てやり遂げたかのような心地(笑)。カウンターはすいていて、これまたスムーズ。ダークナイトはスクリーン10だそうだ。もうそんなに大きいとこじゃやってないのな。12時20分に始まって、終わるのは15時15分かあ。H列のはじっこの方(今日は列の真ん中には座らないよ)をとってボックスへ。

 三時間近くの作品を見ての感想なんだが、いいところはそれなりに一杯合ったと思う。バットマンが最後にゴードンに向かって「ヒーローはどこにでもいる云々」て言うところなんて、一作目からのいろんなことが詰まっていてぐっときたし。それでもねえ、ノーランはもう前回のダークナイトでバットマンで描けることは全て描ききっていたんだな、この三作目はもう蛇足だな、と思わざるを得なかった。それほどいろんな部分が弱かった。「街が荒廃していく中での人々の良心」なんて全二作でやりきってるテーマをまた持ってこられても今さら感を覚えるばかりだよ。今回の敵であるベインは敢えてゴッサムをかつてのような荒廃状態に戻して人々を試すということをするんだけど、それ要するに今までの敵がやってきたことの二番煎じするってことでしょ? ベイン、お前そりゃパクリだろ。お前さんならではのヒーローに対するアンチテーゼはないのかい。ベインのキャラそのものにしても今までの奴らを全部足した上で水で薄めて脳筋を混ぜたみたいな奴で魅力ないし。

 そもそも前作でひたすら戦い切った坊ちゃまに今さらまた戦う理由を作ろうってこと自体に無理があるんだよね。結局どう足掻いても「飛雄馬は実は右利きだった」的な無理無理感のある展開にならざるを得ないわけで。そりゃあ、そんでも説得力のあるストーリーを作り出すのが作り手の仕事のはずではあるんだけど。

 後半に入ってベインの正体が判明すると共に真のラスボスが現れる。ああそういうことだったのね。しかしラスボスである彼女の矛先がバットマンに向かうってのがさっぱり分からん。いやあ復讐するんならその相手は祖父でしょう。は、でも町山智宏がポッドキャストの中で彼女とベインのことを高原由紀と座王権太という風に言っていたっけな。そう考えると彼女がバットマンを執拗に攻撃するのも由紀さんが誠と愛を攻撃するが如くってことなのか。なんとなく納得(笑)。しかし話はずれるが、鍛えに鍛えた大の男でも跳べない距離を、なんであんな娘っ子が跳べたのかね。「ジュニアの頃は跳べてたジャンプ」って奴なのか(笑)。

 とまあ結局彼女のキャラクターにしてもベインとどっこいどっこいなんだよなあ。ドラマチックな出生と生い立ちにしたって超はしょり紹介なので、感情移入しようにもねえ。やっぱりノーランて女性のキャラを立てることが苦手なのかな(と相も変わらずノーランにホモ疑惑をぶつけてみる)。

 とまあ敵がこのざまで、ドラマの中身もあちこちボロだらけなので、バットマンがまるで鉄腕アトム最終回のように華麗に散っていったことにしてもなんだか心がついていけませんでしたわ。そもそも海の上でも核爆発はいかんよ(笑)。

 でもアン・ハサウェイのキャットウーマンはそれはそれは素晴らしかったので、それだけでも三時間座っていた価値はありました。当初は「ミシェル・ファイファーのあのキャットウーマン以下なら見たくない」なんて思っていたんだけど、無問題! もうなんというかアン・ハサウェイのキャットウーマンは凄くいいよ! ノーランの描く女の魅力についてはこれからも疑惑をもって見ることになるだろうけど(笑)、このキャットウーマンだけは最大限の賛辞を送りとうございます。

 ああ終わった。ケツが痛い。ベイシティは相変わらず改装中。あ、新装OPは秋からだっけ。折角のお休みだし、映画帰りだし、この後カルチェに寄ってこうかしらとも思ったのだが、ここまでどうにか無事にこられたものを、慢心してカルチェに寄ってあそこの狭い駐車場でガガガとやっちまった日にゃ元も子もないということで、ここはぐっと我慢。実際、帰りにカルチェをちらっと見た時、駐車場は一杯だった。寄らんで正解。どっちにしてもこの間カルチェで買ったフルーツケーキがまだ残っていたので、帰宅後はそれを紅茶と一緒に飲んだ。お茶と一緒に夏コミ以降ほとんど見ていなかったせいでたまっていた「ゲゲゲの女房」の再放送を消化したり。




2012年08月22日(水) かぞくのくに

 朝起きてテレビ欄をみると、本日夕方5時からBS−1でやる「ほっと@アジア」に「かぞくのくに」の監督ヤン・ヨンヒ、主演の井浦新、安藤サクラが登場とのこと。もちろん予約していく。

 なんでか知らんがこの日の私は香蘭園のラーメンが常にも増して食べたくて仕方がなかった。しかしシネマテークの「かぞくのくに」は12時半からで、香蘭園の営業時間は11時半から。上前津で一旦降りて香蘭園まで行きラーメンを食べ、そこからまた今池まで12時半までに行くなど可能だろうか。いや正確には12時半前だな。直前にトイレに行くゆとりが必要だ(笑)。

 結局上前津に着いたのが11時半ちょい過ぎ。この時点で12時半鑑賞は半ば諦めた。あー、でも次の回16時10分なんだよねえ。その回にしちゃうと見終わってからペギーへ行って家に帰ってくるのがちょっと遅くなっちゃうんだよなあ。まあいいか。

 ひとまず12時までに店を出られたら12時半の回もなんとか間に合うよなと思いつつ、かと言って焦って食べてもおいしくないし、と普通に食べたのだが、やっぱラーメンは食い終わるのが早い。12時前に店を出られた。

 地下鉄もこの時間はわりと本数があるので、結局今池へは12時15分ぐらいには着いてしまった。おやまあ。すっかりいい気になって、そのままガスビルのトイレで化粧直しまでしてしまうほど。テークに着くと上映開始寸前だったが、難なく座れた(それでも客席の大半は埋まっていた)。とは言え外から着いたばかりの私はかなりの汗だくで、エアコンがケチなテークでは上映中汗だく必至だろうな、とそのことだけがいやだったのだが、この日に限ってエアコンはかなりのフル作動で、非常に快適な100分だった。もっとも映画の内容はそんな安易な快適さとは程遠いものだったのだが。

 映画自体はフィクションながら、在日朝鮮人二世(韓国ではない)であるヤン・ヨンヒの実体験が色濃く反映された作品である。50年代から始まり、70年代まで続いた帰国事業で祖国北朝鮮へ渡った多くの在日朝鮮人たちの中には、当時まだ16歳だった兄、ソンホもいた。とある事情から二十五年ぶりに日本を訪れた兄との、束の間の再会が描かれる。

 本来語るに不可欠であろう、在日朝鮮人の歴史的経緯やその他諸々の事情は映画の中にはほとんどない。並みの表現者ならついついやってしまうと思うのだが、潔いまでにない(会話などでちょこちょこあったりはするが)。いやあ、この思い切りのよさ、あやかりたい(苦笑)。もっともこれは作家としての卓越したセンス以上に、監督個人の「んなもんいくら説明したって足りんわ」という思いの反映なのかもしれない(パンフにもそんなようなことが書いてあったし)。

 実際説明なんてこの映画には不要なんだろうと思う(もちろんちゃんと知りたければ膨大な書や体験談をあたらねばなるまい)。彼らの声、表情一つ一つの雄弁さを思えば半端なナレーションは邪魔なだけだろう。どこの国の人間にも多少の差はあれ確実に存在する「こうあるしかなかった」何か。その何かに対する怒り、悲しみ、諦め。限られた喜び。どれもが非常にキンキンしたシンクロ率で、100分の映画が二時間半ぐらいに感じられた。

 という真面目な感想の一方で(笑)、いやー、お兄ちゃん役の井浦新いい! 「平清盛」でも崇徳上皇の薄幸人生を演じきっていた彼ですが、ここでも本当にすごいシンクロ率というか、いやー、「運命に翻弄される人間」が似合いすぎる。私自身は薄幸より不幸、すなわち「自ら業を求める人間」マニアだから、井浦新タイプってそこまで好きにはなれないんだけど、ここまでハイレベルにやってくれちゃうと、惚れざるをえませんよ。出てくるたんびに「いいぞARATA、もっといじめろ」と思ってしまった(ボカ〜ン)。

 終了後ペギーへ行ったのだが、ペギーは26日まで夏休みでしたとさ(ボカ〜ン)。うわーんっ、なんであたしの夏休みとおんなじなのうっ!

 とは言えどっかでうまいコーヒー飲みながらパンフを読みたいという私の願望は如何ともし難い。まあペギーがなけりゃヴァン・サンヌ・ドゥがあるさ、というわけで栄へ。こちらは無事営業中で満足よ(でもケーキは食うんじゃなかったな。いくら昼ラーメンだけだったとはいえ・・。ここのケーキてばみんなでかくて)。

 映画もよかったけど、帰宅後に見た「ほっと@アジア」も録画しておいて大正解だった。実質20分ぐらいやってくれたしねー。過去作品として「ディア・ピョンヤン」や「愛しきソナ」もちょっと流れたり。ああ、実際のお父さんってぱっと見どこにでもいそうな大阪のおっちゃんやなあ。さっきまでの津嘉山正種に慣れちゃったこちとらには意外すぎる(笑)。主演二人が作品や役について語ったりも。スタッフも含めて全員本当にのめりこんで作ったんだと。ううん、そこに感動だよ。監督の「憎くてもやっぱり故郷なんですよ」という言葉は、鑑賞直後に聞くともう涙、涙。




2012年08月19日(日) インテ大阪行ってきた

 大いなる勘違い。私、ずっとインテを26日だと思っておりましたの(ボカ〜ン)。それで夏コミから帰ってきて、赤ブーのサイトを見たら19日だっていうじゃありませんか。うおーい、新幹線のチケットも何も買ってないよー。ついでにお金もおろしてねえ。

 それでも行く気はやっぱりあったので、19日はさくさくと自宅を出発し、金山で一旦降りて金券屋の自販機で回数券を買ったわけです(日曜日はどこの金券屋も閉まっているので)。んで、金山の券売機にその回数券を入れて指定を取ろうとしたら、今日の券が買えないわけですよ。おっかしいなあと思っていたら、すぐにはっと思い出しましたよ。回数券は20日まで使えないということに(ボカ〜ン)。あああ、毎年夏のインテは回数券使える日ばっかりだったからなあ。今回のインテもぎりぎりまで26日だと思いこんでたせいもあって、すっかり回数券で行くことにしちゃってたよ!

 でまあ結局ひとまずスイカでもって名古屋駅まで行き、それから乗り換えの窓口で新幹線券を購入したのですが、もうとにかくこの時点でお金がないもんだから「なんとかケチらねば」という気で一杯なわけですよ。そんでのぞみじゃなくてひかりの指定買っちゃったんだけど、よく考えたら早得じゃない限り、のぞみの指定もひかりの指定も大して違わないですわな。行き先が東京ならまたちょっと変わったかもしれんけど。いや結局あれから価格を確かめたりとかしてないので、詳細不明ですが、ま、どっちにしろ窓口の人に値段聞けよって感じですね。

 帰りの切符もそこで買うつもりだったのだけど(さすがに帰りはなるべくゆっくりしたかったのでのぞみ買う気満々)、後ろが結構並んでて「一秒でも早くどけい」という重圧が半端なかったので、のぞみは新大阪で買うことにして、改札へ。

 出発までそこそこ時間があったし、朝もろくに食べていなかったので、久し振りにホームできしめんを食べられたのは嬉しかった。夏場はあの出汁が一層おいしく感じられますなあ。

 新大阪で帰りの切符を買うと、私の所持金は四千円余り。く、苦しすぎる。また難儀なことに銀行のキャッシュカードを持ってきていない(ボカ〜ン)。ええーん、改札のそばに我が行のATMがあるってのにいい。これから行く先々、現金しか通じねえとこだよ、どうすりゃいいんだ(ボカ〜ン)。ゆうちょのキャッシュなら持ってきてるんだけどなあ。どっかにないかなあ。

 なんとも重たい気分で地下におり、まず地下街の地図を見るのだが、ゆうちょのATMは全く見当たらない。しゃあないどっか他を探すかと、くるっと体の向きを変えると、視線の端に郵便局のマークが。だあああ、あったああ! しかも笑っちまうくらい目と鼻の先(そりゃ地図にのっけるまでもないわな)。とにかく地獄に仏。安心の元をがっつり確保できた私は、そのまま揚々と地下鉄の券売機に向かったのでありました。

 で、今日初めて知ったんだけど、大阪でも名古屋の「土日エコきっぷ」みたいなのができたんだね。土日一日600円で地下鉄・ニュートラムが乗り放題。まあひょっとしたら今日は600円まで行かないかもしれないけど、それにほぼ近い金額を乗ることは確実だし、いちいち小銭出すのもやだから、これ買いましたよ。最初券売機での買い方が分からなかったけど、駅員さんが常にいて、親切に教えてくれたので助かった。

 というわけで始終波乱万丈だったおかげで、会場に着いたのは一時ちょい前。なんとも勿体ない到着時刻でありました(のぞみで行ってりゃもう二十分は早く・・)。こうまでして来たのに、入口でカタログ買って中身をチェックしてみたら、お目当てサークルが一個も来てないでやんの(涙)。一応歴史ジャンルをちらっと流しはしたけれど、やっぱり目ぼしいものはなく、そのまんま姐さんのサークルへ行き、ご挨拶。その後場所交代して店番をしたのですが、その間ありがてえことに、欲しかったけどチェックしていなかった本を姐さんが買ってきてくれたので、一応戦利品ありとなり、ひとまずほっ。まあ仮に本買わなくても、大阪ではアクセサリーや雑貨サークルを東京よりじっくり見て回れるので、それだけでも充分ですけどね。今回もかわいいピルケースを一つ買いました。

 姐さん方の宅配出しも、人の多さに比して意外にさくっと終わり、そのままお茶へ。普段だったらトレードセンターん中に行くんだけど、今回は珍しく会場の二階にある喫茶店へ行きました。お店は喫茶と言うよりセルフの食事処に飲み物のメニューがちょっとあるって感じのお店。一応お菓子セットなるものがあるんだけど、二口サイズぐらいのバームクーヘンorパイと紅茶orコーヒーがセットになっているという次第。私はアイスコーヒーとバームクーヘンにしたけど、正直うどんぐらい食べておけばよかったかも。だってこの後ニュートラムん中ですげー腹が減ったからさあ。ちなみに同席者の中に大阪の某貧民街で介護の仕事をしてらっしゃる方がいて、その人のお話が実に味わい深かったです。いやあ、私もまず間違いなく生涯独身だろうしねえ。明日は我が身だわい。

 夕食の面子は最終的に三人となり、自動的に梅田にある我々お気に入りのお豆腐屋さんへ。夏コミ打ち上げでの貧飲貧食を取り返すが如く、大いに喋って飲んで食べて大満足。て言うかちょっと食べ過ぎてその後の新幹線ん中でも苦しかった(笑)。

 というわけで夏がきりよく終わりました。こっからは冬仕度ですな!




2012年08月17日(金) 汚れた心

 コミケ直後に働くことほど辛いことはない。だがそれももう終わった。今日から26日まで、夏休みを満喫するぜ。

 月曜日は本当にだるかったのだが、日が進むにつれてちょっとずつ元気を取り戻し、この金曜には平日の映画鑑賞も充分いける感じに。本日名演にて18時50分からの「汚れた心」を鑑賞であります。

今日は両親が用事でいないこともあって、家のごはんを炊く必要もなく、帰宅後そのまま栄へ。エピシェールでコロッケパンとカレーパンを買い地下を出ると、もう六時をとっくに回っているとは思えないほどの暑さ。それも、大気の重さを感じさせる、いやあなタイプの暑さだ。空はどんより曇っている。こりゃ映画館に着く頃には汗だくだなあ。

 はたして汗だくで映画館へ着くと、意外にも「汚れた心」は名演2での上映であった。えええ、そりゃマイナーなブラジル映画だけど、題材は日本だし、主演は伊原剛志だよ? それに結構いろんな賞も取ったというのに。始まったのだって11日からだぜ。じゃあ今名演1で何やってるのと思ったら、名演1は「ぼくたちのムッシュ・ラザール」であった。まあこれが人気なのは嬉しいけどね(笑)。

 名演の自販機で野菜ジュースを買って、それと一緒にパンをぱくぱく。しかし缶コーヒーほどのサイズの缶に入った野菜ジュースごときではやはり渇きは癒えず、結局もう一本、ちっこいエビアンを買った。この後映画があるからあんましガブガブ飲むのは控え目にね。107分の尺だから、我慢できそうではあるけど。

 「終戦直後、ブラジル日系移民の間で起こった勝ち組による負け組の粛清」というのは橋田壽賀子の「ハルとナツ」にも出てきたお馴染みのテーマ。題材そのものへの興味と伊原剛志が主演というのに惹かれて前売を買っていたものの、監督がヴィセンテ・アモリンだったので、「こりゃあんまし期待しない方がいいな」と当初は思っていた。「善き人」は主演よし題材よしだったが、画面や雰囲気に細部へのこだわりを感じられず、俳優陣の大半がイギリス人であることを差っ引いても、第二次大戦中のドイツに見えなかった。だから「汚れた心」も大方そうなっちゃうように思えてならなかった。他ならない日本人の、しかもあの戦争の話であるだけに、下手な物は見たくないと思いつつ、不安なまま映画は始まった(ちなみに予告編はなかった。ただ、映画が始まる前に必ずあるいろんなプロダクションのロゴ映像がやたら多くて、おいおい、いつ始まるんだよと思った)。

 しかしなんとも意外なことに、紛れもなく「あの時代のブラジルだ」と思える世界がそこには広がっていた。別にこちとらあの時代の人間じゃないけどさ、そう見えるか見えないかってのは、理屈抜きのもんだよね。いかにも日本的な縦・横どちらにもあるじめっとした人間関係もきっちり描けているし、これなら毎年夏にやる二時間ドラマの中にこっそり混ざっていても違和感ない。少なくとも「硫黄島からの手紙」よりよっぽど日本人然とした人々が見られる。原作のルポはよほどしっかりとリサーチしたんだろうなあ。今年は五輪のせいでこの手のいやあな二時間ドラマをあんまりやってくれなかったけど、この映画に埋め合わせをしてもらった感じ。伊原剛志夫妻はこの当時の日本人にしちゃやけにねちこい絡み方をしているけど、まあこの辺はサービスショットだとでも思えばいいか(ボカ〜ン)。しかし、「何があってもメシは落とさないやまとなでしこ」な常盤貴子のシーンは笑ってしまった。あと、明美ちゃんが再登場したらいきなり日本語うまくなってたのにも微苦笑。

 終演後はパンフも買って、いやあな気分を引き摺りながら帰宅。考えてもみれば、南米ってとこはついこの間まで(いや今でもか)大半が軍事独裁政権だったわけで、政治的にぐじゃぐじゃしていない国はほとんどない。ヴィセンテ・アモリン自身は欧米でも生活していた経験があるから、ほんとの意味でのブラジル育ちとはまたちょっと違うのだろうけど、内情が不安定な国に生まれ育った人間は、時代に翻弄されてしまう人間というのを深く理解できるのかもしれない。少なくとも北米や西欧に生まれ育った人間よりは。の割に「善き人」が面白くなかったのは、やはりホロコーストというのが非常にデリケートな問題だからだろうか。

 明日からお休みということで今日は夜更かししたかったのだが、明日は我が家の全クーラーを入れ替えるという大工事に立ち会わねばならぬので(母は会社で仕事を片づけなければならないのだった)、帰宅後はそのまま就寝。




2012年08月14日(火) 夏コミ行ってきました

 10日に午後休をとって夏コミに行って参りました。11日にはマアタさんのサークルのお手伝いをしておりました。と、「無限分割 第四話」もちょこっと置かせてもらいました。こちら事前に告知できず申し訳ありません。ロンドン五輪に深入りしすぎておりました(ボカ〜ン)。冬に買えなかったから夏買いたかったのに! という方、誠に申し訳ありません。

 11日は曇りがちの天気で、こちらのスペースも真正面方向のシャッターが開いていたおかげで夏コミにしてはとても涼しかったです。が、そのわりには熱中症になりかけたようで、開始前から頭痛がする始末。普段ならナロンエースを持ち歩いているのですがあいにく手持ちがなかったので、たかが頭痛薬のためながら、初めて救護室行きましたよ。行ったのは11時を過ぎた頃だったのですが、すでに笑っちまうくらい床に死屍累々でした(いや笑えない)。救護室にはちゃんとした医師の先生が何人もいて、私のようなただの頭痛にも簡単な問診表を書かせた上で診断して下さいました。ありがたいこってす。こういう方たちあってのコミケですね。

 の、ようなレアな体験をしたことを別とすれば、結局最後まで続いた軽い熱中症状態のためにお買い物もろくにできず、打ち上げの席に到っても酒も飲まず、ついばんだ餌もわずかという、「何しにきたん」な夏コミでした(涙)。まあホテルに戻ってしばらくしたら生理が始まったのでそういうことだったのかもしれませんが(予定日よりはるかに早いぞ。空気を読め)。まあそんなこんなで当初予定していた三日目のお買い物もとりやめとなり、12日5時の新幹線で帰宅という、実に実に不完全燃焼な夏となってしまいました(みなもと太郎もあすなひろしも新刊なしだったと後から知ってちょっとほっとしたけど)。単純にお買い物と言えば、10日に銀座でたっかいボールペンを買っちまったので、物欲はそれなりに満たされたとは言えますがね。やあでもほら、オタク的に不完全燃焼だったのがねー。そっちの方を満たさないと他でいくら潤ってもよう。あー、もう、こうなったらインテックスにお買い物行ってこようかなあ。ちょっと節約するつもりだったけど、このままじゃ寂しいぜ(というわけで大阪の一般参加を只今絶賛逡巡中です)。

 冬コミの申し込みは13日のうちに全て済ませました。いやはや、この日はよっぽど会社早退しようかと思ったぐらいだるかったんですけど、頑張りましたよ。はい、もちろん009です。新刊が無限分割の続きになるか、それとも別の話になるのかは未定ですが、きっちり準備して当日を満喫しようと思います。今年の夏以降は予定がかなり立て込んでいるのですが、頑張りますのでよろしくお願いします。




2012年08月08日(水) ゴッド・ブレス・アメリカ

 金券屋で買ったスターキャットの優待券で行って参りました。今週は20時5分からの一回のみ。平日鑑賞にはうってつけの時間なので、ありがたい。ちなみにその前の週は19時40分からの一回のみ。まあ上映してくれるだけでもありがたく思わなきゃね。でもって今週で終わりなのであった。

 香蘭園でラーメンを食べてからパルコへ。18時44分にカウンターで整理券を貰うと006。ちなみにボックスは小さい方のセンチュリー2。上映まではまだ一時間以上あるけど、最終的にはどのくらいの埋まり具合になるのかな。

 その後はリブロをうろうろ。お、「へうげもの」の最新刊が出ているじゃないか。すぐに買ってセンチュリーシネマのロビーに戻り、カウンターでアップルジュースを買ってちびちび飲みながら読む。内容は関が原のクライマックス、そして三成らの処刑。大体が本誌で読んでいるけど、まとめて読むとまた感慨深い。しかしこの後のゲヒ殿は下り坂なんだよなあ・・・。

ちょうど読み終わった辺りで開場。席は大体埋まっていたが、見事なまでに男ばっか(笑)。

 我らがジョエル・マーレーの最初で最後の(だと思う)の主演作。ダーマ&グレッグの時は気のいいボンクラ弁護士だったジョエルですが、ここでは仕事にあぶれ、家族にも見捨てられてルサンチマン全開の男。人っ子一人よりつきません。そんな彼がふとした瞬間にぶちきれて、闇で武器を仕入れた挙句に気に食わない奴を次から次へとぶち殺しながら全米を横断していくというわけです。すごい。こんな話、思いついて本当に実行できるのは十代だけだ(笑)。

 ベースになっているのは「俺たちに明日はない」と「タクシードライバー」なんだろうけど、ベースに留まらず、実にいろんな映画のオマージュが出てくるし、ジョエルとその相方の女子高生タラが語り合う映画やテレビや音楽の話もやっぱり趣味全開で、大いに恥ずかしいのでありました。ひとことで現すと町山智浩の脳の中みたいな。いやあ恥ずかしい。面白いけど。ああ、パンフレットはもちろん買いましたよ。ジョエルの初主演ですからのう。でも本人のインタとかは載っていなくてちょっと残念。




2012年08月06日(月) ついにホランド監督の新作が・・・!

 昨日5日の日記で書き忘れたことがあったので、日にち違いながらこちらに追記。ムッシュ・ラザールの整理券貰ってロビーの映画チラシを流し見していたら、ホランド監督の新作があって小躍りしてしまった。ホランド監督と言えば「ヨーロッパ ヨーロッパ 僕を愛したふたつの国」は私の生涯ナンバーワン映画。しかしポーランドの映画監督というマイナーなカテゴリーゆえか、なかなかこっちにまで作品が来ることは少ない(もともと寡作なのかもしれんが)。一番最近は「敬愛なるベートーベン」だけど、これももう何年前? だし。

 で、その最新作は「ソハの地下水道」。第二次世界大戦中、ワルシャワの地下水道に多数のユダヤ人を匿ったポーランド人のお話なんだとか。つっても主人公は決してヒロイックな人物ではなく、成り行き上このような行為をする羽目になるらしいのだが。ちょっと「ヨーロッパ ヨーロッパ」と似た題材なのが気になりますが、この監督のことなので、面白くなることでしょう。へえ、アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたのか。て、今年のアカデミー賞の放送自体まだ見ていないよ(ボカ〜ン)。

 ちなみに長年アグニエシュカだったりアニエスカだったりはっきりしなかったホランド監督のファーストネームは、アグニエシュカの方が元の発音に近いみたいですよ。ツイッターのフォロワーさんから教えてもらった。長年の謎が解けて超嬉しい。




2012年08月05日(日) ぼくたちのムッシュ・ラザール

 12時45分から名演小劇場2にて。ちなみに今日は珍しく早起きが成功してきっちり寄り道ができました(笑)。でもって前回のブラック・ブレッドの時と同様、早めに映画館に入ったので、開場の頃にはすっかり汗もひいてよい感じ。さて映画自体は先週スタートしたわけだけど、二週目にしてはなかなかの入りでは? と思った。正直名演1でやった方がいいんじゃないかなー。やっぱみんなあの予告編にやられて前売買ったに違いないね(笑)。

 カナダのフランス語圏、モントリオールの小学校で、朝の登校時間の際、教室で担任教師が首を吊って死んでいた。遺書もなく原因不明の突然の死に、生徒と関係者は動揺する。校長はひとまず代わりの教師を募集するが、ことがことであるだけに誰も来なかった。そんな中、アルジュリア系の一人の男がその役を買って出た。流暢にフランス語を繰り、「祖国でも教師をしていた」と言うバシール・ラザールのことを、校長はさして深く詮索することもなく、件の教室の担任教師に任ずる。

 もちろん映画のお約束としてラザールはアルジュリアで悲惨な過去があり、祖国を捨ててカナダへとやってきたのである。やあ、これで演じているのがゴーラン・ビシュニックだったら私ゃこの映画を十回は見ただろうが(笑)、あいにくラザール役の俳優さんはいい感じに禿げ上がったおっさんなのであった。凡庸な映画だったら教室でラザールが自分の過去を生徒に話して、全員号泣して終わりってなるところなのだけど、決してそっちにはいかない辺り、非常に矜持のある映画。ラザールは学校の人間には誰一人、自分の過去は話さない。彼のアルジュリア人としてのドラマは学校とは全く別の線上で進行する。もちろん何かの拍子に同僚などの前でその手の話が出そうになることもあるのだが、そういうシーンは「しょせん平和で豊かな世界に生まれ育った人間に彼の境遇など理解できない」ということを表現するためだけに登場する。だからでこそ最後にラザールが読む詩に大いなる意味があるわけだが。

 また、「担任教師の自殺に動揺する子供たちと、そこにやってきた異邦人との交流」という部分から全く脱線することなく、ひたすらそれのみを95分の中に丹念に描いているのもこの映画の大きな美点だ。群像ものはえてして悪しきカオスに陥りがちである。現代の学校ものということで、いじめとかモンペとかの話があんまり出てくるようだったら嫌だなあと思っていたしね。

 終わった後はお約束でペギーへ。しかしなんと、私の夏ペギーの定番であったティーフロートがメニューからなくなっているじゃないか。がーん。でもお店のお姉さんに聞いてみたら「やれるかどうか聞いてみますね→いいですよ」となったので、注文。というわけでうめーうめーといただいたのですが、まあでもこれっきりだろうなあ。コーヒーフロートがあるから今度からはそれにするかな。

 その後は矢場町まで行って服を買ったり、ナディアパークのジュンク堂で立ち読みしたり。とはいえこの炎天下で歩き回りすぎたのか、帰宅後はひたすらぐったり。ところがメールを開けてみると、今夜は家族で外に焼肉などと。ううん、だるい時に焼肉はなあ、と思っていたのだが、入ったお店はとてもおいしかった。もともとお目当ての店が貸切になっていたので、行き当たりばったりに入ったお店だったのだが、これがなかなかのお味。特にテールスープがおいしくて、ガブガブ飲んでしまった。そういうわけで当初食欲がなかった割りには、食べている間に食欲旺盛となったという、よくあるパターンで満腹終了でありました。



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