猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2012年04月30日(月) オレンジと太陽

 ちょっと前の日経新聞にジム・ローチのインタビューが載っていなかったら見に行かなかったかもしれない。そうかこの映画、ケン・ローチの息子が監督したのか。あたしゃエミリー・ワトソンの顔と演技が嫌いなもんだから、彼女の顔が全面に出ている時点でこの映画は内容すらチェックしていなかった。インタを読むに、イギリスで実際にあった児童移民を題材としているとのこと。孤児院の子供、あるいは表向きは養子に出されたとなっていたイギリスの子供たちが、実際にはオーストラリアの開拓地に移送され、そこで強制的に重労働をさせられていたというのである。この移民を行っていたのが、ヤクザの人身売買組織などではなく、イギリス政府と教会で、しかも70年代まで続けられていたというのだから、ショッキングな事実である。もはや監督だけではなく内容そのものにも興味が一気に湧いてきたので、前売購入。

 ふう、前半の三連休も今日で終わりかあ、などと思いつつ大須へ。月曜定休だから香蘭園はやってないだろう、大須ベーカリーでパン買って食べよ、と思っていたら香蘭園やってるじゃん。明日が振替休日なんだって。そりゃありがてえ、とラーメンをずるずるいただく。

 名演小劇場にて12時45分の回を。三階に着くとやはり休日、凄い数の人。到着時間が遅かったこともあり、順番はえらい後ろの方だった。ちなみに整理番号を貰う時に「親子の監督作品連続公開記念」とプリントされた手のひらサイズの紙切れを渡された。5月19日から名演でケン・ローチの「ルート・アイリッシュ」が公開されるのだが、それに絡めているのである。髪にはこう書かれてあった。

ケン・ローチ監督最新作『ルート・アイリッシュ』をご鑑賞の方 当日料金より200円割引き
ジム・ローチ監督作『オレンジと太陽』をご覧頂きありがとうございます。連続公開のこの機会に、親子の監督作品をぜひ観比べてみてください!

 なんとも粋な計らい。でも「ルート・アイリッシュ」はもう前売り券買ってるんだよな。

 先述の通り客は多かったが、一番後ろから二番目で真ん中の通路側という、マイ準指定席は空いていたのでラッキー。まあ今日は106分と、それほどの長尺じゃないからトイレはないだろうけどね。しかし気がついたけど、106分か。この手の社会派ドラマにしてはちと異例の短さじゃないか? これは逆に期待だな。

 立派な人の道徳的美談だったりしたらやだなーと思っていたんだが、さすがあのローチ先生の息子と言おうか、素晴らしき不幸マニアの血を確認できた有意義な作品だった(ボカ〜ン)。題材のせいをさっぴいても、じっとりといやあな場面がおてんこもりでしたよ。もちろんそういう悪趣味なお楽しみでありつつ、骨太社会派ドラマ的な面も大いにあり、なおかつ複雑な一個人の物語でもあるという、「ほんとにこれが初監督作品か?」と驚かずにはいられない映画だった。

 主人公はエミリー・ワトソン演じるロンドンのソーシャルワーカー。ある日彼女のもとにオーストラリアからやって来たという女性が現れる。彼女は「自分は子供の頃ロンドンに住んでいたが、ある日大人たちに言われて他の大勢の子供と一緒にオーストラリアへ連れて行かれ、そこで働かされた。私の本当のルーツを知りたい」と主張する。半信半疑で彼女の生い立ちを調べていくうち、恐るべき児童移民の実態が明らかになる。主人公はこの事実を社会に公表し、政府と教会に罪を認めさせようと奔走する。そして、一人一人のかつての孤児たちのルーツを明らかにしようと、家族と離れ、オーストラリアへ旅立つのであった。

 意外だったのは児童移民が政府・教会主導だったという所があっさり分かる所。こんなこと普通、政府がやったなんて分からないように二重三重に隠蔽してそうなもんだけどね。まあ日本だって昭和40年代になってすら、東北や九州の貧しい地域じゃ身売り同然のことが行われていて、売る側の親もそういうことに対して罪悪感なんぞ全くなく、それが当たり前、ということがあったわけだから、階級制度のあるイギリスでこういうことが暗黙のうちとはいえ公然と行われていたのはある意味納得ではある。やな話だけど、こういう子がイギリスにいたところで結局食い詰めるだけってね(実際映画の中で一部のお偉いさんが平気でそういうこと言うわけさ)。ただこの児童移民の場合、中にはやむなく子供を手放した人もいて、教会や孤児院からは「いい所に養子に行った」なんて聞かされてそれを信じいた、なんてケースもあって、なんとも痛々しいのだけど。

 このような権力側の絡んだ難問に挑むエミリー・ワトソンの運命やいかに、と私はその辺を興味深く見ていたのだが、このエミリー・ワトソンがこんな大きな問題を引き受けるにしては、本当に普通の人で、だんだん、かつての孤児たちの過酷な運命より、エミリー・ワトソンが心配になってきてはらはらした。お偉方は例によってクソ嫌味な連中ばかりで、「政府に責任があるなどと言えない」「協力できない」「子供たちは労働力になったんだからいいじゃない」の一点張り。挙句の果ては「あなたは自分の家庭を犠牲にしてこんなことばかりして」などと、言いも言ったりなんだけど、そんなことまで言われてもエミリー・ワトソンはわりと常識的な返答しかしないんだよね。せいぜいシンプルにシカトする程度。もっとガンガン糾弾したりゃいいのに、とこちとら次第にイライラしてくるのであった。

 ただお偉方の嫌味なんてまだかわいい方で、教会の方はもっとタチ悪。あらためて欧米人にとって教会を告発することってタブーなんだなって思いましたよ。明らかに事実なのに「優しい司祭様たちを告発するなんて、この罰当たり!」などと被害者面して居直りやがんのな。しまいにゃエミリー・ワトソンは気違い信者から夜中に凸される有様。おおお。

 もうこれだけでもいっぱいいっぱいなんだが、孤児たちの辛い体験を聞くうちに、PTSDになっちまう心優しいエミリー・ワトソン・・・。ほったらかしにせざるを得ない自身の家庭に対しても、内心では深い罪悪感を抱き、これまた心労のもとにという悪循環。いや、彼女立派だと思うよ、そりゃあね。でも私思うんだけど、こういう優しい人は逆にソーシャルワーカーには向かないような気が。それこそカーネーションの糸子みたいな奴じゃないと。子供に「家に戻って」と言われてぐらっとしてちゃいかんのよ。糸子みたいに「うっさい! 邪魔や! あっち行き!」って言っちゃえるぐらいじゃないと。正直、このヒロインのそこかしこでの打たれっぷりを見るにつれ、スクリーンに向かって「もうお前さんみたいなの一人には任せておけん! 日本から尾野真千子を送っちゃるから、しばらく休んじょれ!」と言いたくなった(笑)。

 なんて思っちゃってるわけだけど、監督の考える映画のためにはこういう主人公でなければならないと言うのも重々分かる。社会を描き、人間を描く上で、ヒーローを登場させるのは邪道だからだ。罪のない者が犠牲となり、そしてまた罪のない者が救済に挑む。そしてそこでまた新たな犠牲が生まれる。社会の片隅というのは結局その繰り返しで、それをありのまま描くことこそが健全なんだと思う。

 次回作も見たい、と思わせる作品だった。パパも喜んでいることだろう。




2012年04月28日(土) 汽車はふたたび故郷へ

 シネマテーク久し振りだわ。で、初イオセリアーニです。映画自体はあいにくそんなに面白くなかったんだけど、旧共産圏のいやあな日常が個人的にはおいしかった。つってもこの監督の芸風なのか、実際グルジアはこんなもんだったのか、ほとんど張りぼてのようなゆるーい「恐怖の全体主義」で、これなら下手に自由化しない方がよかったんじゃないの、なんて思った(笑)。いろんなところがクストリッツァを彷彿とさせて、クストリッツァ大好きな私としてはこの部分が好きすぎて、舞台がフランスに移ってからはあんまり面白くなかった。西側諸国にもばっちり根を張っている共産圏政府の仕事ぶりは例によって面白かったけども。

 終了後、栄を少し回った後池下へ。夕方から従兄宅にて新築の披露ということで、時間までペギーでのんびりする(従兄ん家はペギーの近くなんである)。新築をゆるりと見物した後は、これまた近所の中華料理屋HANAHANAで揃ってお食事。前から気になっていた店だったけど、おいしかった〜。また来ようっと。




2012年04月23日(月) ジェレミー・アボット ファンミーティング

(22日続き 前もって言っておきますが、アボファン以外にはなんも面白くない日記なのでスルー推奨よ)

 エキシビションはできれば最後までしっかりと見ていたかったが、ファンミに遅れては一大事と、大ちゃんのアンコールのぐだぐだマンボとお疲れ様でした挨拶を見た後、泣く泣く退散。おかげでスムーズに原宿駅まで辿り着けた。その後は新宿駅へ。時計を見るとまだ5時10分頃。ファンミの会場は都庁付近の某台湾レストランなのだが、6時半スタートで受付は6時から。会社へのお土産を買っていないことを思い出し、ひよこのスイートポテトパイ五個入りを買う。こんなの持ってファンミ行くの嫌だから、できれば新幹線乗る前にでも買いたいけど、帰りの時間がどうなるか分からんからなあ。お土産自体は、今回お休み貰っちゃったからさすがに買っていかんとね(笑)。

 台湾レストランの場所は、以前この辺りのホテルをよく使っていたので行くのは全く迷わなかったのだが、相変わらず受付時間までは余裕がありすぎた。主催者のみのりさんは五時半からスタンバイしてらっしゃるとのことだが、まああんまり早く行くのもなあと、近所のドトールにしばし。

 とんでもなくでっかいビルの遥か上の階へいくと、まだ六時前だったがすでに六、七人がたむろしていて、そのまま受付が始まった。受付はみのりさんとお母さん、また別の方がしてらっしゃったが、みのりさんは中の段取りのためにすぐ店内へ。受付では今回の参加費及びブタ基金への寄付金をお渡し。店内では名札をということで、厚紙を渡された。マジックで名前をローマ字で書いてそれを紐つきの透明ケースに入れて首からぶら下げるんである。あと、小さい折り紙も。これは名前を書いた上で鶴に折るとのことで、名前の記入と鶴折は店内で、との由。まあそんなこんなで受付でやること聞くことが多いので、受付の方は大変そうだった(ありがとうございます)。

 お店の壁にはファンの方によるジェレミーのバナーが貼ってあったりして、こちらの気分も高まること。店内では好きな席に座って下さいね、とのご案内。まあ今回特に誰かと来たわけでもないので、どこに座っても一緒なわけだが、どうせならジェレミーの近くに座りたいぜ、と辺りをきょろきょろ。今回のファンミで通訳や撮影をして下さる方だけは、もうすでにテーブルが決まっていた。ならジェレミーはそのテーブルのそばに違いない、と裏方様テーブルの隣のテーブルへ着席。店内はほぼ貸切状態だったが、何分人数が多いのでその後は鶴を折ったり、トイレに行ったり。周囲はみんな初めての方ばかりだったが、同じファンなので、特に困ることもなし。

 テーブルの上をよく見ると、一人一人の席にマルカワのフーセンガムっぽいのが二箱、セロファンの袋に入れられて置いてあった。なんじゃろとよく見ると、箱にあるのはしめさばさんのイラストによるジェレミー! 以前しめさばさんという方がジェレミーへのアートワークに、衣装姿のジェレミーの06−07から最新までを網羅したものを描いてらしたのが、ガムの箱に印刷してあったのでした。なんでもしめさばさん御自ら今回ファンミの皆さんへプレゼントなのだと! わああ! お、他の方のを見ると、席によってシーズン違うのね。へえ、私なんだろ。おお、10−11のタンゴとライフ・イズ・ビューティフルだ! やったあ、この時の衣装が一番好きなんだよねえ!! はあなんというありがたい・・・。しかし勿体なくて食えんぞこれ。

 ジェレミーは7時頃来る予定ですと聞いてはいたが、スタートしてからこっち、今か今かと入口が気になってしょうがなく、運ばれてくる食事も味が分からない(笑)。結局ジェレミー本人は7時10分頃、お迎えのみのりさんと一緒にご登場。ジェレミーは薄いベージュのシャツをお召しでございました。私は密かにコーンフロストのTシャツを期待していたのだがね(笑)。

 まあ試合でもショーでも生で見てるし、今さら本人ご登場してもそう驚きゃしませんよという気でおりましたが、いざとなると無理、有り得ない(笑)。場内発狂。私も発狂。ギャーギャー言いながら写メを構えることしきりだった。写真は撮らないつもりでいたんだよねえ。だってちゃんとしたカメラで撮影して下さる方がいらっしゃって、後日その写真はFBに上がるのに、今さら自分のしょぼいカメラで撮ったの保存しといたってねえ、なんて。なのに、ああ、私の手が勝手に携帯を!! やあ人の心は不思議だね。はー、しかしこうして生で見るとほんとに綺麗な顔しとるのう・・・。一頃肌がずいぶん荒れてたけど、今は全然そうじゃないんだな。それにしてもなんて細いのかしら。もう人間じゃないみたい。

 肝心のジェレミーが座った場所はと言えば、嬉しいことに私のテーブルのすぐそば。やったぜ。ただし椅子の向きが反対だったせいで、ジェレミーの方を見ようと思ったら振り返らないといけないのがちと面倒ではあった。ジェレミーが簡単にご挨拶した後は、今日のファンミの面々を含めた有志によるブタ基金への寄付金お渡し(額は約3500ドル)。有志による寄付はこれが初めてというわけではなく、去年新潟FaOIのお花企画の時、スタンド花を買うための有志のカンパで予想以上の金額が集まったため、お花代その他の余りをジェレミーのブタ基金へ寄付したということがあった。この時ジェレミーがいたく感激したこともあって、今回もそれをやろうということになったわけです。そういう風にして今回も、有志の名簿表(これのためだけにこしらえられた素敵カード)と共にジェレミーに渡ったわけなんでありますが、この時のジェレミーの感激っぷりは予想以上で、もうそれはそれは並大抵ではなく、ジェレミーがマイクを取ってお礼のコメントをしている時、「やべー、こいつ泣いちゃったりしたらどうしよう」と心配になるほどでありました(笑)。と、同時にこんな心優しい奴は台の真ん中にゃあ立てんだろうなあとも思い、なんとも寂しい気持ちに。

 その後はファンからの質問タイム。いろいろありましたがあんまし覚えていないので一個だけ(笑)。今までで一番気に入っているプログラムはという質問に対し、今季のフリー、エクソジェネシス#3と。「とてもパーソナルな作品(大意)」との由。ほおそこまで思い入れあるとはね。

 その後は抽選会。ただしこの時点で結構時間が押していた。何しろIMGのマネージャーから言われていたジェレミーの拘束時間はたったの一時間。それもジェレミーのいるホテルのドアツードアでの一時間なんである。そしてこの時点で確か7時40分か50分ぐらいにはなっていた(ような気がする)。もう間に合わんね(笑)。

 抽選では皆さんが始めに折った鶴をジェレミーが適当に十羽引き、出てきた名前の方がサインとツーショできるよ、というもの(鶴の解体はみのりさんたちがやっていたのですが、これ結構大変そうでした)。名前を呼ばれた方も時間のことは分かっていても、いざ当たったとなると冷静でいられるはずもなく(笑)、ついワーキャーしてしまう次第(結局十人ぐらいだったかしらん)。おお、そう言えばサインを頼んでいた人は大概国別のパンフか、普通のサイン帳を持ってきていたんだけど、一人女性の方で白いスケート靴を持ってきていた人がいたんだよねえ。いいなあ、すげえなあ〜。でもその靴もう使えないぞ私なら(笑)。

 で、その後は撮影&プレゼント渡し。ジェレミーは最初に隣のテーブルに移動して、ここでプレゼント等を一人一人がお渡し。そのままテーブルで写真撮影、これを全テーブルごとにという段取り。うろ覚えだが、これ当初はテーブルごとにプレゼントまとめて渡す予定だったような気がする。だけどジェレミーが「一人一人みんなにお礼がしたいから」というような理由で、テーブルで一人ずつプレゼント渡して握手とかして、その上で写真撮影になったんだと思われ。ええ奴すぎるぞ、ジェレミー。ちなみに、さっきのサインにしてもジェレミーは全員にやってあげたかったんだとか。いやいや、その気持ちだけで充分やよ。

 お店のテーブルは横に長くて、一テーブルが大体17、8人ぐらい。撮影の角度は大体お誕生日席から撮るような感じ。ジェレミーはどの席で撮る時もテーブルの右側か左側の真ん中に立っていたかと。ちなみに最初のテーブルが窓側だったんだけど、窓と椅子の間がえらい狭くて、最初ジェレミーが真ん中まで行けなくてあらどうしよと思っていたら、奴は窓によじ登って真ん中まで行きよりました(笑)。今回人が多かったのと、ジェレミーもテーブルで立ったり座ったりが多かったので、これはジェレミーの全身を見る貴重な機会でありました(ハアハア)。の割りに靴何はいてたかチェックするのを忘れていた私・・・。アホじゃあ(後でいろいろ見て回りましたが、どうやら白のスニーカーらしい。マークジェイコブズのビーサンじゃなかったか)。

 そうしてとうとうあたいのテーブルにやってきたのでありますが、実においしいことにジェレミーは私のすぐ後ろで、私の左肩にジェレミーの左手がのっかるという大変素晴らしいことに・・・。撮影の間はすっかり恍惚としてしまい、逆にジェレミーの方を見れなかったのですが、一回だけちらっと振り返って真上に見えた笑顔のジェレミーは・・・。ああもうだめだ(ボカ〜ン)。とはいえ後日FBに載っていたその時の私の表情は、もう二度と見たくないぐらいに下卑た笑みを浮かべており、そんな私の真上にピュアピュアなジェレミーが一緒に写っているのを見るにつけ、今後いかなる形でチャンスが巡ってこようとも、ジェレミーとのツーショットだけはやめようとかたく誓ったのでした。

 そんなこんなでジェレミーがテーブルをどんどこ行く間に時計を見ると、もう八時をとっくに越えている。実は私も9時17分の新幹線に乗って帰りたいので、8時20分ぐらいには脱出したいんだけどな・・・。最終10時のひかりがあるけど、それで帰ると帰宅できるのは12時過ぎ。明日普通に仕事なのでやっぱり17分ので帰りたいであります・・・、なんてやっぱりどうでもいいです。一分でも長くジェレミーを見ていたいわ。仕事がなんでえ、明日がなんでえ。そもそもジェレミーは忙しい中来てくれて、こんだけサービスしてくれてんだしね。

 全てまわり終えると、プレゼントは大きなビニール袋にパンパンになっておりました(壊れやすそうなプレゼントは自分で袋の上の方に置いてた)。プレゼントの中には、今日来れなかった方による真っ赤な薔薇の花束があったのですが、さすがにこれを持って帰るのは難しいということで、薔薇は後ほど皆さんで分け分けされたそうな。実に名残惜しい中、ジェレミーはまた丁寧な挨拶をして、みのりさん達と共に退場していきました。この時もファンミの皆さん、ばしゃばしゃ撮っていたのですが、笑っちまうのがお店の人まで撮ってたこと。お店の人たちはほとんどが台湾人か中国人らしく、当然ジェレミーが何者なのか知らなかったのですが、「どうやら有名人らしい」と早合点したらしく、勝手に自分のスマホで写真を撮りまくっていたのでした(チラ見した限り、これが結構きれいに撮ってやがったw)。あーう、一応ファンミ内に限り撮影もオケという厳しいお達しがあったのですがね。ま、そんなの知る由もないフリーダムな店員さんたちでありました(笑)。

 ただお店の方にしてみれば、人数のわりには箸の進むのが遅い客だと思われていたかも(汗)。いやー、なんせ料理そっちのけだったからねえ。一応皿はどんどん来るので食べていたけど、こっちは終始脳味噌沸き沸きで味わうどころじゃなかったし。ちょっと残っちゃってるけど、次の皿がテーブルに載らないからって、下げてもらっちゃったのもあったので、そういう点ではお店の人ごめんなさい。

 ジェレミーが店からいなくなってもまだ余熱バンバンの皆さん方は楽しくお喋りされており、私も大いに語り合いたかったのでありますが、この時点で8時半をちょっと過ぎていたので、近辺の皆様にひとことふたことご挨拶した後、退室。ふー、しかしこのビルでかいんだよなあ。ちゃんと最初の出入り口に戻れるか心配だよ、と思いつつエレベーターで一気に一階へ。取り敢えずこっちかな、とにかく急がにゃ!! と行くと、ちょうどジェレミーが出て行ったところで、後ろ姿がちらっと見えました。ほおおおお〜っ。と、しかし追っかけてきた奴と思われては心外なのでちょっと足踏み。んが、誘蛾灯に群がる蛾のように、ついついジェレミーが出てったのと同じドアの方へ行ってしまう私。ビルから出たところでジェレミーの方を見ると、ずっと向こうの方を傘を差してみのりさんたちと歩いておりました。ジェレミーはこの後も帰国はせず、そのままカナダSOIに向かうことになっている。無事で行ってらっしゃーいと心の中で祈りつつも、もう半分では17分の新幹線に間に合うのかとパニック状態。そしてはっと見回すと、「ここはどこ・・・?」。やってもうた、全然違う所から出ちゃったよう!

 どれだけ見渡しても帰れる気がしない辺りの景色。ちょっと歩いちゃみたが、どこがどこやら。あうー、この辺慣れてるつもりだったけど、夜だと完璧分からないわ(都庁周辺は暗いのだ)。仕方なくビルに戻るが、巨大ビルの出入り口は無数にあり、これまたどれが当たりか分からない。一箇所、ええいままよと出てみると、左手に見覚えのあるCOCO一番屋が。おお、ここ入って来た時にあったよ。よっしゃこれで帰れるー、とあとは雨の新宿をひたすらダッシュ。知っている人は知っていると思うが、都庁付近から新宿駅までの直線は、極めて緩やかながら上り坂になっている。普通に歩くと15分弱かかるだろうか。我ながら全く凄いことに、この後私は荷物を持って傘を差した状態で駅までほぼノンストップで走り抜けた。とっくに体力のピークを超えた私に、よくもこんな芸当ができたもんだ。いやまあそれ以前に、別に10時の新幹線でだって一応帰れるわけなんだから、そうまで必死こく必要なかったと思うんだけどねえ。まあよう分かりませんわ。

 これだけ頑張ったかいもあって17分の新幹線にはおつりが来るほどの余裕で乗れ、その後はのんびり無事に帰宅することと相成りました。はーあ、三日間上京して試合見てファンミにまで出て、全くもって極上のお休みでした。明日からの現実が辛いけど、この後GWもあることだし、そっちはそっちで家族で下呂に行くから楽しみだわ。

 ちなみにこの三日間ですっかり腑抜けになった私は、自分で撮ったファンミ写真を一週間ぐらいだってからようやく見返したんが、案の定素晴らしくひどい写真でしたわい(涙)。




2012年04月22日(日) 国別対抗戦2012エキシビション

 楽しい観戦も今日でお終いです。はあ、しかし三日連続での観戦とはなんと贅沢で見応えありまくりだったことでしょうか。ふう満足。

 て、そんなことよりちゃっちゃと支度、ということで化粧して荷物をトランクに詰める。チェックアウトの際、トランクを宅配へ。これから会場だし、いつもだったらこういう時はホテルに預けて、帰りがけに引き取りに行くんだけど、エキシが終わった後は新宿でジェレミーのファンミーティングがあるから、新幹線のことも考えると時間的に取りに帰れない。コインロッカーもあてにできないしね。化粧品とか明日朝使うものだけ手持ちのバッグに入れておいたけど。

 そんなわけで本日最後の朝食をじっくりといただく。エキシは14時開演だし、夜はファンミで食事が出るだろうから、今日はパンとか買っていく必要はないかな。

 ホテルのトイレで歯を磨いたり、ロビーでインターネットを見たりして、会場へはゆっくり到着。がしかしここで誤算。入口の前が長蛇の人だかり。今日が日曜日だからなのかなんなのか、ここへきて始めての牛歩。中へ入ったら入ったで、トイレ前が凄いとぐろ巻き。そりゃアリーナよりスタンドの方が人が多い分トイレも混むわけだけど、こりゃ本番の休憩中も相当混むだろうなあ。

そんなこんなで席へはギリギリ着。本日はスタンドS席。北側で14列目とはどんなもんかと思いつつ、着席してリンクを見渡すと、まあなんと今日が一番いい眺めじゃございませんこと? 14列とはいえ席番は1、つまりブロックの一番端なので斜め前の視界がとても良好。すぐ前の席との段差もしっかりしているし、ああ、試合じゃなくてエキシ、それもスタンド席が一番当たりだったなんてー。代々木観戦は初めてだったからしゃあないとはいえ、この見当外れ多数は辛い。まあでも今回チケット代を比べてみれば、アリーナSSが一万七千円で、アリーナSとスタンドSは同額で一万五千円だから、良心的なもんだね。

 でもこうして足を運んでおいてなんだけど、ジェレミーはエキシ出ないのよねえ。米チームの群舞には出るけど(正直、昨日の時点で行くのやめよっかななんて思ったり)。まあそりゃ男子五位じゃお呼びもかからんだろうとは思いますけどね。でも地元ちびっ子枠に四人も入れるくらいなら、ジェレミーにくれよと自己中丸出しで思うのでした。

 てな感じで太一君と知子ちゃんが滑った後はお姉さんとお兄さんたちへ。一部の順番はデュハラド、佳菜子、ペシャブル、こづ、高トラ、アシュリー、Pちゃん、デニコフ、ゲストで美姫ちゃん、トリで日本チームの群舞。今日はチームでのキスクラこそなかったけど、順番が間近の選手は大体リンクサイドに近いキスクラにたむろってて、その辺をウォチするのが楽しかった。

 演技で言えば、ファンの贔屓目丸出しですまんが、やっぱりかなちゃんがよかった。昨季は本当にうまくいきすぎて、まわりから必要以上に注目されたから、今季どうなるか本当に心配で心配で。昔のミキティのことを思い出せば分かることだが、若手が世間から急に持ち上げられて、いいことなんかあるわけない。ちょっとでも調子を崩そうものなら、これまた必要以上に突かれる。今季前半は本当にそうなりかけていたので、このまま世間から勝手に「終わった」扱いされたら本人があまりにも可哀相だと。だから全日本のSPでジャンプの難易度を落とした上で会心の出来だった時は、本当にほっとしたものだった(無論、代表落ちしたならしたでそこから学ぶことはたくさんあったとは思うが)。結局フリーでは一度もいい演技ができなかったけど、彼女のキャリアを考えたらいい勉強になったと思う。・・・というような感じでかなちゃんの今季を走馬灯のように振り返っていたら、不覚にも涙が。いやこの“Amarti Si”もすっかり彼女のものになっていて、ドラマチックなメロディといい相乗効果になっていました。来季も楽しみだわー。

 Pちゃんはバトル振付によるラフマニノフ。エキシの薄暗い照明で、この高さの席だとPちゃんのリンクの使い方・エッジの伸びが他選手とは別格だということがとってもよく分かる。みているだけで気持ちいい。うーんでも音楽性に関してはやっぱりダメダメだな。どうしてもバトルがやったらとか思っちゃう。今季前半にやってた水兵さんのモップの方が彼のキャラによく合ってたし、好きだったな。ラフマはなんか無理してる感が。

 美姫ちゃんのプロは一部が白で二部が黒だった(と思う。すまんうろ覚え)。個人的にはよかったと思うし、女王の存在感も如何なく、と思ったのだが、やはりファンは見ているもので、後からネットを覗くと「来季のことで迷いが見える」という意見がちょこちょこあった。まあそういうもんなのかもね。

 その後は日本チームによる群舞。いやもうほんとにバラッバラですありがとうございました(笑)。締めで男子が女子を抱いてのローテーショナルリフトを披露しておりましたが、こづ&あっこはともかく、大ちゃん&かなはすげえ心臓に悪かったよ。「てめえ大輔、かなを落としたら承知せんぞ!!」と電波を飛ばした甲斐あってか、どうにか無事に終わりました。いやー、後でテレビで見た時のかなちゃんの表情は傑作だったわ。ちなみにBSのエキシ放送だとCMの繋ぎに出たバックステージで、かなちゃんが大ちゃんをリフトしてた(笑)。ま、さすがに一回転そこらで力尽きて本人「ひはー」ってなってましたが。うむ、これならいつかEXで昌麿を放り投げる佳菜子を見られるかも! ところでどうしよう、もう腹が減ってきちゃったよ(笑)。

 そんなわけで二部までの休憩はいずれも長蛇の列のトイレと売店へのアタックで忙しかった。ちなみに買ったのはチュロス。まあ、この後ジェレミーのファンミでお食事があるので、ちょっと足しになればいいの。

 二部の順番は、米チーム群舞、地元ノービスで松野真矢子ちゃん、しょーま、ソトニコワ、フロ、テサモエ、カロ、ジュベール、美姫、サフゾル、メリチャリ、あっこ、大ちゃん、フィナーレ。

 米群舞、日本っ子より数段よかったですね(笑)。みんなこうして見るとフォームが綺麗だこと。ああでも、ジェレミーの出番これっきりですか。さみちい。

 二部に関してはジュベとあっこちゃんですかね。あー、あたしやっと気づいたんだけど、今回初の生ジュベだったんだわ! そのわりにはジェレミーのことが心配すぎて今いち気が回らなかったのよね。ごめんよう。しかしエキシの出番前の黒マント着用はなんだったんでしょうね。登場と共にバーッと脱いでたけど、下の衣裳は相変わらず変だったものの、特に露出が高かったわけでもないし。…などと考えつつも周囲の皆さんと同様、キャーキャーしまくりでした(ボカ〜ン)。分かってるのよ頭では奴がただの芋でマザコンだってことは・・・。ジュベ、不思議な子・・・。

 あっこちゃんのラベンダーも素晴らしかったわ。まずこの選曲がいいよね。映画のサントラ曲だから一つのメロディーでいろんなアレンジがあるわけだけど、その中でこれを選んだのがいい。そしてこういうしっとりリリカルなプロもちゃあんと似合ってるってのがさすがだわ、あっこちゃん。やっぱり彼女と言えばリベルタンゴとかWSSとかど真ん中だと思ってきたから、当初「そのあっこちゃんはおいといて」というみやけんの案を聞いた時、「まあたまには違うこともいいかもね」程度のことしか思っていなかったんだよね。まさかここまではまっているとは思わなかった。すごいー、すごいよ。みやけんもあっこちゃんも。

 また今回はジャンプも綺麗に決まって、やったね保存版って感じ(世選のエキシではお疲れモードだったものね)。スケーティングもこうして良視界で見ると、剃刀のように細く長く、なおかつ余裕を感じさせる。うーん凄まじい努力だわ。それでいて、今季の彼女からは何か壮絶な努力をしているという悲愴感は感じられなかった。悔しかった昨季のリベンジ・・・、もあったと思うけどもちろんそれだけが目的だったわけではなく、様々なことを前向きに己に課してきたんだと思う。そのことがそれなりに報われたんだなあ、と思ったら、また目頭が熱くなってきました。
(この後はジェレミーのファンミ。字数制限の関係で明日の日記としてアップします)




2012年04月21日(土) 国別対抗戦2012ペアフリー、女子フリー

 開演は15時15分だが、有効に満喫したいので、8時起床。ホテルのバイキングで朝食を鱈腹いただく。途中、隣のテーブルに顔の濃ゆい外人女性が座っていた。昨日ホテルのパソコンが分からなくて私に聞いてきた人がいたんだが、顔を見ると彼女である。思わずハーイなんて言ったら向こうも覚えててにっこりと返してきた。

 外はなんか曇ってるなあ。傘なんて邪魔だけど一応持っていくか。銀座教会の上にあるレモン社で中古の万年筆をチラチラ眺めた後、JRで中野へ。まんだらけなどへは行かず、海外アンティークのお店や中古のブランド時計店などを見回る。

 その後、いよいよ今日こそうまかんべえだ、と大森へ。新宿で山手線に乗り換え、品川で京浜東北線に乗り換え、と忙しいこと。やっぱ新宿に泊まれば良かったんじゃないの(苦笑)? まあとにかく大森着。携帯にブックマークした地図を頼りにお店へ。道は単純で迷いそうにない。北口から出て当分道沿いに北上する感じ。

 ちょうど店へ向かって一曲がりする所のマンション街の通り沿いでは八重桜が満開になっていた。同じ通りの真ん中にはけやきが植わっていて、満開の八重とけやきの新緑がなんとも美しく、思わず写真に収めたのだが、あんまり広く撮れず、ちとがっかり。しゃあないのでなるべく視界に焼きつけとく。

 それより何より肝心のお店が閉まっていたのががっかりだったのだが(ボカ〜ン)。ううん、今日は定休じゃないはずなんだけどなあ。こんなことなら事前に電話で確認しとくんだったよ。ちなみに今は一時すぎ。朝あんだけ食べたけどもうおなかすいてるよ。ここまで来て駅前の店で適当にというのだけはなあと思っていたら、すぐ近くに別のラーメン屋が。おう、なかなかおいしそうじゃないの(て言うか最初歩いていた時はここがうまかんべえかと思った)。というわけでこの「一本槍」というお店へ。ひとまずオーソドックスに醤油ラーメンを頼んだんだけど、いやいや、これがとっても好みの味で。どうせならトッピングでいろいろ入れてもらえばよかったと思った。惜しむらくは餃子などのサイドメニューが乏しいことかなあ。ラーメン以外はチャーシュー飯しかなかったんだよねえ。

 しっかり食べ終わってまた駅へ。駅ビル内にあるサンジェルマンでカレーパンとコロッケパンを買い、JRに乗って原宿へ。時間があったので原宿をちょろちょろ見てから会場へ。今日はアリーナS。全て東側のショートサイドでございます。おお、昨日よりは見晴らしよさそうで。と思ったら前の人が身を乗り出して見ている。ううん、本人に悪気はないんだろうなあ。前のめりが迷惑っての、生観戦慣れしていないと、分からないんだろう。とは言えこのままではこっちが困るので一応小声でお願いをば。すぐ姿勢を戻していただけました。ありがとうございます。

 ペアは相変わらず皆さんぼちぼちといった感じ。高トラ調子悪かったしねえ。ニースであれだけの演技をしたのだから無理もない。デニコフはノーミスのトゥーランドットでペアでスタオベしたのはこれだけだった。お目当てだったバザラリも何やらお疲れ気味。

 製氷挟んで16時50分より本命の女子フリー。まずはフランスの黒人娘二人から。いやあ、マエちゃんとイレタちゃん両方見れるとは、なかなかないよねえ。て、ところでさっきから斜めうしろのおばちゃんがやたら喋っててうるさいんですけど。ペアの時はまだここまでうるさくなかったのだが・・・。「ほらあそこにいるの荒川静香じゃない」とかなんとか、おいそんなこと今喋るなよな。他にも転倒後の観客の拍手に対して「転倒したのに拍手するなんて失礼よ〜」なとど見当違いのことをのたまう・・・。もう勘弁ならんわと、演技の合間に「すみません演技中は喋らないで下さい」とお願い。それきり黙ってくれた。自分にグッジョブ。

 まあそんな不愉快なできごとを除けば女子フリーは満足なものだった。一番の収穫はなんてったって、アシュリーのブラックスワン! 例のかっこいいスパイラル、ちょうど東のショートサイドだったんだよ! アシュリーが例の振りでガーッと滑っていくや、周囲のお客さんたちがドドド。アシュリー、やっぱ世選悔しかったんだよねえ。演技後、会心のガッツポーズが眩しいわ。世選の時だってフリーはよかったけど、今日の方が断然いい。うーん、こんないいアシュリーを生で見られて幸せ。アシュリーがキスクラに戻ると、米選手がめいめいにブラスワのポーズを取ってお出迎え。わはは。

 逆にかな、あっこはちょっと緊張しちゃったようだね。あっこちゃんは点数こそカロちゃんの上でしたけど、いつもの課題はまたもやクリアできず。ううん、神こうもりが見たかったなあ。まあ正直続けているだけでも凄い年齢でこのジャンプ構成は鬼だろと思うのですが。点数はともかく、あっこちゃんの前に滑ったカロの方がリラックスしたいい演技だったと思います。スケーティングも本人の心も、本当にのびのびという感じ。なんでだろ、転倒があったのに世選のよりよかったとすら思ったよ(生ゆえによく見えた?)。カロの笑顔がとにかく眩しかった。このプロ自体の魅力、衣装の妙も相まって、しみじみいいものを見たなあ、と思いました。ああ、でもあっこちゃん演技前のフランス席の「アキコ!(ドドドン) アキコ!(ドドドン)」が嬉しかったわ。メルシー、ナタリー。もっとも本人はかえってプレッシャーだったかもしれないが(笑)。

 カロの点数が出て日本チーム一位確定。キスクラを見ると、日本選手たちは手に何やら持ってスタンバイ。ああ、紙の花びらをブワーってやるのね。カロの点数が出てまもなく日本優勝のアナウンスが出、ブワー。お、日本席にジェレミーが来とる。と、よく見たらアメっ子たちみんな来て、日本選手とハグハグ。ああいいねえ、こういうの。あはは、ジェレミーも花びらで遊んどる。かわええのう。ええと、その時カナダさんたちは・・・。て言うか今回カナダまじテンション低かったなー。

 優勝インタビューが済んだ後、表彰式、ビクトリーラン。アリーナ席は案の定、お客さんみんな前へ前へ(笑)。私は恐いので自分の席から適当に眺めるのみ。やあ、皆さんお疲れ様でした。

 時計は19時すぎ。昨日よりは早く終わったとは言え、サンジェルマンのパンを食べたせいかそんなにおなかは空いていない。まあ昨日と同様コーヒーだけでもええかな。そんなこんなで銀座に着くとまだ八時前。久し振りにここへ行ってみたい、と銀座アルマーニそばにあるカフェ・ド・ルトンへ。ここは銀座にしては珍しく11時半までやってるんであります。高いけどコーヒーは旨いし、アンティーク調の内装もよい。クレープも旨い。と、大会の余韻に浸りつつ、よせばいいのに調子に乗ってチョコバナナクレープを頼んじまった。ああ、今日は節制しようと思ったのに意味ねえええ。




2012年04月20日(金) 国別対抗戦2012ペアSP、ダンスFD、男子フリー

 というわけで有給を取って行って参ります。が、家を出ると外は雨。うう、この分だと雨雲は東京にも来るだろうなあ。よりによってと空を呪う。降りはそれほどでもなかったので、この際晴雨兼用の日傘にしようかとも思ったんだが、もし大降りになって荷物が濡れたらいかんので、渋々普通サイズの雨傘をさして駅へ。傘で迷っている間に本来の地下鉄の時間がやばくなっていたので小走り。やだなあもう、出だしでこんな慌しいのって。急いだ甲斐あって10時14分発の新幹線にも無事乗れ、まっすぐ席へ。

 途中、ワゴン販売でコーヒーのチケットを買う。最近車内でコーヒーを頼むことが多い私。五枚綴りで1200円、一杯あたりにすると定価300円が240円になるわけね。げ、でもよく見りゃ有効期限が11月末までじゃないか。うーんこんなことなら先週の東北旅行の時に買ってりゃなあ。

 そう、先週新幹線に乗ったばかりなんだよな、自分。なんだか芸能人みたいですな(違います)。

 12時前に東京着。それから有楽町を経てホテルへ。へえ、いつもコミケで使っているホテルです。会場は代々木だし、明後日の晩に開かれるジェレミーのファンミーティングの会場は新宿なので、普通に考えたら新宿で泊まった方がいいのは分かっているんですけどね。新幹線にしたって新宿からなら品川発にするという手もあるし。ついでに言えば以前よく使っていた新宿のホテルの方が圧倒的に安い(笑)。ああでも東京はこのホテルじゃないとやっぱ嫌なんだよう。ここで味わえるセレブ気分におぜぜを落としたいの。我ながらアホですが。

 荷物をホテルに預けて銀座のその辺のお店を物色。今は春用の薄手の上着を羽織っているので観戦中も寒くはないと思うんだけど、この上着、最近の流行で襟がなく首周りがぐっと開いている形なので、マフラーが欲しい。が、好みの物はありそうでなかなか見つからず。なんとかまあまあの物を松坂屋で見つけて即買い。色は黄色。今日は紫色のワンピースなので合いそう。

 その後はやっとつばめグリルでお昼。なんか上京するたびにここでハンバーグ食べてるわ。今日ぐらいは三越二階のマカロン屋でオムレツでも食べようかと思ってたんだけどねえ。ううん、でもなんか肉が食いたい気分なのよ。一昨日フレンチ屋でミニステーキ食べたばっかりだけど(笑)。

 お店を出て時計を見ると1時半をちょっと過ぎたところ。2時会場3時開演だからもう行こうかな。デパートのトイレで軽く歯を磨き、お化粧を直して遊楽町駅へ。今日初めて気がついたんだけど、駅のそばにアフタヌーンティーのパン屋があるじゃないか。今日の終演は多分8時頃だろうし、館内なんて大していいもの売ってないだろうからここでパン買ってこ。というわけで見た目がハイジの白パンみたいな玄米パンと玄米アンパンを一個ずつ買う。

 原宿駅着。館内のトイレは混んでそうだから、と近くのGAPのトイレに入ったらえらい混んでやんの。むう。まあそれでもなんとか余裕で着席。うおう、さすがアリーナSSリンクが近い。ついでにキスクラも近い。ジャッジ反対側だけど、これはかなりいけるかも〜、と思っていたのだが、やはり現実は厳しかった。アリーナSSはまず、先頭から数列あり、そこから通路を挟んで二列が用意されている。私は通路より後ろの二列目。ま、はっきり言ってようないですわな。おまけに段差がそんなにしっかりついてないんだ。もう、この後ジャンプの着氷で選手が視界から失踪することしきり(涙)。お目当てのキスクラだけはしっかり双眼鏡込みで見えたのでその点はよかったけど。

 開演まではまだ少しあったので、双眼鏡で会場ウォッチング。おお、向こう側のリンクサイドでバザロワ&ラリオノフがリフトの練習してる〜。かっけー。その他、向こう側の席をチェック。誰がいるかな〜。ん? ジャッジ席の真後ろに座っている人たち、あの人たちはジャッジじゃなさそうだけど、あのー、なんでドラえもんのお面被ってるんですか(ボカ〜ン)。しかも二、三人被ってるぞ。混乱しつつしばらくすると皆さんお面を外していた。ほとんど知らない人たちだったけど、うち一人が連盟の吉岡技術部長だったのは、私の心でどう解釈したらいいのだろう。

 開演15時、ジャッジ紹介がなされた後、ペアSP。演技の方は概ね皆さんよくなく(まあ世選の後だしね)、高トラも成美ちゃんが転倒しちゃったりしてぱっとせず。あ、でもイタリアのステファニア・ベルトンの美貌には釘付けでした。彼女、日本の大会に来るのは初めてよねえ。いやあ、N杯とかに来てくれないかなあ。まあしかしフランスキスクラが早速前回大会同様にはっちゃけてくれて、初参加のイタリアチームが期待通り、いやさそれ以上のフリーダムぶりで、キスクラ鑑賞に来た身としてはすでに満足。この日は女子が試合なしのため、各国キスクラも女子中心でしたが、まあよく盛り上がってくれていました。は、でもイタリア席・・・。おい、サムもバッキーニもいるんだが(笑)。まだ大分先とはいえ君ら今日フリーだろう、ええんか(笑)。あ、うろ覚えだけどフランス席も男子二人いたかも。もう、これだからラテンは(笑)。

 六組終わって16時頃ペア終了。この後20分そこら製氷&休憩。無人のリンクにテレビ朝日のマスコット、ゴーちゃんが登場し、ヤングマンに合わせて滑る。キスクラの皆さんはもう大半がはけてたけど、あっこちゃんやかなちゃんなど、残っている人たちが軒並みYMCAをやってくれていた。ノリがいいのは正義。しかしどーも君には遠く及ばないけれど、ゴーちゃんもなかなか達者やね。中の人が気になる。

 休憩中、物販コーナーへ。ワールドフィギュアスケート最新号は今日発売。ゆづの表紙が眩しいなあ。同じく今日発売で田村明子の「氷上の舞」も。こちらは田村さんによるアイスダンスの本。おお、これ楽しみだったんだ。表紙になってるマーラーアダージョのテサモエが綺麗〜。背景からして09年のTEBだね。

 休憩時間が残り少なくなるにつれ、ふとキスクラを双眼鏡で覗き込むと、フランス席でマエちゃんとシレテちゃんが何やらもぞもぞやっておる。よーく見ると二人とも自分の体にトイレットペーパーを巻いている・・・。おお、ペシャブルのミイラか!

 25分からダンスFD。SD最下位だったリード姉弟は第一滑走。ああもうとにかくはよ終わってくれと見守る。なんとか最後まで技をこなしつつ滑り終えたけど、この後大丈夫なのかな。まあゆっくり療養して欲しい。来シーズンは全日本も含めてスキップしてもいいんじゃないの。

 怪我と言えばペシャブルもナタリーが鼻に大怪我を負っているけど、こちらも全くそれを感じさせない演技。ワールドだってギリギリのとこでの出場だっただろうに、国別でまたこんな演技ができるなんて、ほんと凄い。フランスチームは地元のワールドが終わった後で、相当燃え尽きていると思ったんだけどなあ。キスクラでの暴れっぷりといい、ラテンのDNAをなめちゃいかんね。

 エレニキは最後のエレーネの表情こそはっとさせられたけど・・・。ううん、もう何回も書いているけど、ズーリン門下の頃の方がプロはよかったよね。このアベ・マリアも滑り込めばもう少しよくなると思ったんだけどなあ。北米勢の味気なさに比べりゃ遥かにこくがあって好みだけど、この二人ならもっと凄いことが、と思ってしまう。そして生で見るとやはり、トップ3に比べて足元が見劣りするねえ。ああでもエレーナたん美しいよ、美しすぎるよ・・・。

 というわけで双璧、テサモエとメリチャリのご登場であります。なんと言っても楽しみだったのはテサモエの「パリの恋人」。いやー、もうこのプロ大好き! 今季カナダ選手権も含めて保存しまくったもんねー。

 テサモエは来日自体が貴重だ。メリチャリは何度もNHK杯で来日しているけど、テサモエが試合で来日するのなんて、前回の国別以来。もちろん私が彼らを生観戦するのは初めて。あの恐ろしく滑らかなスケーティングと、隙のないユニゾンは実際に間近で見たらどんなもんなんだろう、と、ダンスに関しては彼らが一番の楽しみでした。実際の演技は、うおー楽しみ、うわー始まった、あー終わっちゃったあ! てな感じであっという間に過ぎてしまいましたが(←なんて中身のない感想)。演技後はもちろんスタオベ。しかし実際に出た点数はあまり高くなく、スコットの表情もスッと暗くなってしまいました。

 で、このタイミングでかどこでか知りませんが、スコットがぼそっと“OMG,I hate this event.”って言っちゃったらしい。それも本人がカメラにしっかり写っている最中に・・・。また間の悪いことに今大会の映像はISUがライブストリーミングで日本と韓国以外全てに配信していたので、この発言は各国のスケオタの知るところとなってしまったのでした。うーん、彼らにしてみりゃ昨季テッサの怪我のせいで出遅れて、モスクワ世選でもメリチャリに負けてしまい、今季もメリチャリに勝ったり負けたりして相当イライラしていたであろうし、そんな中でようよう大一番のニース世選では勝ったわけだから、今さらこんな所に出てきたくないってのは非常に分かる。でも若いとはいえ五輪王者なんだからさ、上辺だけでもなんとかして欲しかったわ。

 そうこうしている間に最終滑走メリチャリ。テサモエへの歓声もかなり大きかったのですが、メリチャリへの歓声はそれ以上でした。会場内で旗を振っている人たちにしても、さっきのカナダ国旗より星条旗の方が断然多い(まあ単純に今回の面子だと、カナダ選手よりアメ選手の方が人気者が揃っている、ということで、星条旗を持ち込んでいる人の方が多いんだろうが)。私はメリチャリももちろん大好きなので、周囲の熱気に煽られて、大いにフォーフォーしておりました。んー、実際の演技も本当に素晴らしかった! このこうもりは世選より輝いて見えたわっ。

 終わった後の会場の湧き具合にしても、とても日本におけるマイナーカテ、アイスダンスとは思えませんでした。もちろん私もスタオベ。そして点数は予想通りテサモエの上でした。プロトコルを見る限りでは技術点でメリチャリの方が加点を取ってたのと、演技構成点でも彼女らの方が上回っていたことでこういう結果になったようだ。うーん、こりゃテサモエ、ますます面白くないだろうなあ。でもこんなイヤイヤ態度のスコットを目の当たりにするくらいなら、ウィーポやパイポーたちに来て欲しかった、て思っちゃうよ。

 17時半ちょい前より再び製氷&休憩。小腹が空いたのでお昼に買ったパンをぱくぱく。そして18時よりいよいよ男子フリー。なんと言っても坊ちゃまとジェレミーが心配で。いや心配度でいったらジェレミーの方が断然上ですがね(笑)。

 第一Gはブッシュ、コフトン、バッキーニ、サム、こづ、りっぽんの順。実績や実力で言ったらこづもりっぽんもこのグループじゃないんですけど、二人とも悲しいくらい第一G相応の出来でしたね・・・。こづは靴のことがあるのでしょうがないですが、自慢のスケートも世選の時と同様、なんだか重く・・・。気持ちではガンガン闘ってくれたのは伝わってきたけど・・・。とにかくトラブルが早く解決してくれることを祈るばかりです。りっぽんは・・・。うーん、ソチまでにせめてもうちょい改善できたらいいね、としか。

 そんな感じで灰色の第一Gの中で、なんといっても芸人サム・コンテはプログラムのラビアンローズ共々、輝いておりました。ジャンプミスがずいぶんありましたが(ジェラルディーヌが来とらんから?)、彼は失敗しても一切暗くならないから無問題ですな。おお会場も、湧いてる〜。やっぱこの間の世選生放送の影響だよね? 今までコンテの地上波放送が少なすぎることにイライラしまくってたけど、これで多少は気が晴れたわ。動画では人気者なんだからもったいないよな(しかしこの演技も地上波では放送なし・・)。もっと日本に来てくれるといいんだけど。は、でももう年だからそろそろ引退しちゃうかな・・・。

 そうしていよいよ第二Gざんす。もうね、緊張して死にそうだよ、たかがお祭り大会だってのに。昨日はうまくいって、ガッツポーズまで出てたジェレミーだけど、だからって今日が安心というわけではない。それがアボクオリティ。六分間練習中、一応自分なりに「ジェレミーッ!」などと叫んだりもしたのですが、ちゃんと響くように発声できてなかったかも。ショーでもそうですが、喉が弱いせいか、冷気の中だと声が今一つ。

 滑走順はSPの逆順で、チャッキー、フロ、ジュベ、ジェレミー、Pちゃん、大ちゃん。ジュベまではいい流れでしたねえ、皆さん・・・。ジュベは相変わらずキスクラで金魚魔人でごきげんだったし。ジュベの演技後にフランスチームのみんながマトリックスごっこしてたのにも大笑いでしたよ。このいい流れがアボちゃんにも、と期待してたんです(涙)。なんとか世選のリベンジして欲しかったんだけどなー。このプロ自体が素晴らしいだけに、もうちょっといい演技が見たかったす。そおいや三年前の国別でもジェレミーは世選のリベンジ! と意気込みつつも今一つの出来だったんだよなー。なかなかうまくはいかんものよのう・・・。ちなみに例のお手手で氷ぺちっの場面では、ファンサイトのみのりさんの仰せのままにフォーフォーしておきました。それだけは満足。

 というわけで必要以上にしょんぼりしたために、大ちゃんの折角のノーミスブルースへの感動が本来より40パー減になってしまった。我ながらもったいなさすぎる・・・。

 ああでも嬉しかったわあ。ナタリー、メリチャリその他各国の皆さんがキスクラの上に集まって大ちゃんの演技に大喜びしてくれた時にはね。・・・カナダの皆さんは寄ってくれませんでしたが(ボカ〜ン)。

 いい感じに終わったところで時計を見ると八時過ぎ。実は今回の上京では、前から行きたかった大森のうまかんべえに是非、と思っていたのでこれから大森行くか? とも一瞬考えたのですが、ちょっと疲れたし、パン食べたおかげでそんなにおなかもすいてないので、結局ホテル直行。

 がしかし有楽町駅を出たところで、おいしい喫茶店に行きたくなり、足は自然と駅前の椿屋珈琲店へ。ここ高いけどおいしいんだよねえ。当初はカフェオレにするつもりだったけど、なんとなくココアに行ってみたくなり、注文。おお、リキュール入れて飲むのかあ。うわあ、最初の生クリームからしてうめえ〜。クリームかき回して飲むとさらにうめえ〜。さすが銀座の有名コーヒー店だよ。疲れが吹っ飛ぶわー。リキュール入れるとまた一味おいしくなるわ。

 と言うわけでココアをちびちびしつつ、田村さんの本に読み耽り。それからホテルに帰宅。地上波の放送をちょっと見てから風呂に入って寝た。




2012年04月03日(火) PINA/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

 嵐の中行って参りました、12時45分から109シネマズにて。が、しかしこれは感想書かない。つか書けん。だって内容覚えていないんだもん! いやつまらんかったわけじゃないんだ。まあ何度か寝落ちしたことは確かだけど、それは世界フィギュア後で脳味噌が疲れていたせいであって、映画自体は面白かったです。バレエ好きにはそりゃあね。

 が、これ終わって、一人で晩ご飯食べて家に帰ったら、なんと小鉢がいなくなっていたんです。大風のせいでベランダのドアに一部隙間ができて、どうやらそこから出て行ってしまったようでした。この嵐の中。雨はやんだり降ったり、冷たい風が吹き荒れる晩、散歩道はひととおり探したのですが見つからず。迷子犬のネットに登録したり、母が保健所と警察に電話して届出に行ったりしましたが、この日は結局見つからず。

 どうなることかと思っていましたが、結局翌四日に無事保護。昨日のいつごろか、隣町のおうちに小鉢が飛び込んできたらしく、そのままそこでお世話になっていたのでした。そこのお宅でも柴犬を飼っておられて、すぐにお家の方が保健所に電話してくれたおかげでこんなにも早く見つかったのでした。

 はー。というわけで今ほっとしすぎて電池切れ状態。そうでなくても世界フィギュアで燃え尽き症候群なので、当分更新はだめかも。もうかれこれ一ヶ月以上ろくに更新していないので申し訳ないです。



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