2009年07月30日(木) |
少女ファイトとかドイツ映画祭2009とか |
新刊はここまでと決めてしまってからというもの、万事だらだらしてしまう。いや、まだいろいろやることあるんだけどねえ。そんなわけで仕事の帰りもついコンビニに寄ってしまう。折りよくイブニングが置いてあった。早速「少女ファイト」を立ち読み。桃園高との練習試合。ううむ、練ちゃん相変わらず。こういう、「自分のことを分かって欲しい。でも自分からその気持ちを言いたくはない。だけどみんなには私のことを『そっと』察して欲しい」つう人は困るね。リアルはもとより漫画でも嫌だわ。病気の患者に例えると、「自分の症状を説明するのはめんどくさい。日常の不摂生については、言うとばかにされるから言いたくない。取り敢えず先生に診て判断してもらいたい」みたいな。なんかもうしみじみ練が好きになれません。他はみんないい子なのになあ。
嫌な主人公といえば、大分ずれるが今月のテレプシコーラ。六花、そこまで今度のローザンヌに賭けているのなら、なんで風邪薬を飲み忘れたりしたんだ。しかもうっかり飲み忘れなんて。おまけにひき始めに外出したり、もうお前にプロになる資格はない。今月号は確かにこれまでになく必死になっていたが、ここまでの三歳児以下の自己管理能力を読んだ後となっては、全然感動できないよ。目の前のちょっとしたことを疎かにしちゃうんだったら、「ならお前の志なんてどこにあるんだ」ってことじゃない。まったくもう、これじゃあ千花ちゃんが可哀相でしょうがないよ。
ふう。二本立て続けに怒って脳味噌に血が回ったところで、ちと話題を変えて。ドイツ関連の映像を調べているうちに、今年になって初めて知ったことがある。なーんと東京の映画館で毎年ドイツ映画祭ってのをやっているんだって。大体秋ぐらいに東京のどこかの映画館一ヶ所で二日か三日に渡って行われ、その年の前年にドイツで公開された作品を中心に、過去の名作二、三本も含めて一挙上映という感じのよう。ええええ、そんなおいしいイベントが花のお江戸で毎年やっていたなんてえ。案の定、バックナンバーを見たら興味深い作品が一杯。あああ、私のばかばか、なんて迂闊だったのかしら!
でもまあいい。今最も見たい作品は恐らく今年の映画祭で上映されるだろうから。その作品のタイトルは“Anonyma−Eine Frau in Berlin”(直訳すると『匿名−ベルリンの女』て感じかな)。ドイツでは去年の10月23日に公開された作品。原作となったのは日本でも去年5月に完訳版で再販された「ベルリン終戦日記−ある女性の記録」。ベルリンに住む一人の女性ジャーナリストの1945年4月から8月までの日記である。配給がストップしたり、身近な人間が市街戦の巻き添えになったりする中、自身のアパートに赤軍がやってきてレイプされる。その後も恐怖から彼らを受け入れたり、その上で彼らから食料を貰ったりしながら、生き延びていく。そんな毎日が赤裸々に綴られた日記である。
私がこれを初めて読んだのは、学生時代のこと。大学の図書館にあった「1945年 ベルリン解放の真実 −戦争・強姦・子ども−」を読んでいたら、その中にこの日記の一部が引用されていたのである。「1945年〜」自体がショッキングな内容だったので、この日記もその中の一つとして大いに記憶に残った。ちなみにその昔、件の日記には抄訳版ながら単行本が存在した。「ベルリンの女」という邦題で1982年に出版されたのである。しかしながら私はその存在を知ることなく、結局去年完訳版を手にするまで「1945年〜」に引用されている部分しか知らずにきてしまったのだった。
完訳版のあとがきに、「今年ドイツで映画版が上映予定」とあったのだが、はたして去年公開されたらしい。日本で全国上映されるかどうかは分からないが、今年09年のドイツ映画祭で上映されるのはほぼ間違いないだろうと踏んでいる。公開が分かったら有給取って見に行くつもり。
ちなみに2009年ドイツ映画祭の公式ページはこちら。追々詳細がアップされることでしょう。楽しみ。 http://www.germanfilmfest.jp/
ちなみに今調べたら、今年4月24日に発表されたドイツ映画賞で、ウルリヒ・トゥクールが主演男優賞を取っていた。ウルリヒ・トゥクールって、おお、「善き人のためのソナタ」でヴィースラーの上司やってた人じゃん。出演作品のタイトルが「ジョン・ラーベ」ってあったから、南京大虐殺のシンドラーと言われたジョン・ラーベのあれかい。日本じゃ公開されなさそうだけど、これも映画祭でやってくれたら見たいなあ。ただ、いろいろ当たり障りがありそうだから、映画祭でも無理かのう。それから映画祭のノミネートを一通り見てみたが、“Anonyma〜”は助演女優賞と音響賞にノミされてるだけだった。うーん、映画としての出来がちと不安ではある。「バーダー・マインホフ 理想の果てに」はやっぱりたくさんノミされてるねえ(受賞はなかったが・・)。ああ、名古屋ではいつやるのかなあ。
ドイツ映画と言えば、8月3日から7日まで、BS−2の13時からの映画枠で、ちょっと古いドイツ(ドイツ語圏)映画をやってくれる。ラインナップは、
3日「会議は踊る」(31年ドイツ)、4日「ブルグ劇場」(37年オーストリア)、5日「朝な夕なに」(57年西ドイツ)、6日「野ばら」(57年西ドイツ)、7日「黒い稲妻」(58年西ドイツ)
てな感じ。どれも初見。「黒い稲妻」に到っては日本でのソフト化は未だなしのようなので、こりゃ貴重かな。あとの作品は大体VHSかDVDになってるけど。うーんしかし、どうせなら東ドイツ映画もやって欲しかったなあ。「パウルとパウラ」とか一回見てみたかった。あとオーストリアが1956年に作ったトラップ一家の映画「菩提樹」なんかも一度でいいから見てみたいよ。
2009年07月29日(水) |
夏の新刊に関する残念なお知らせ |
もうタイトルだけでこれから書くことがあらかた分かってしまいますが。
夏の新刊「無限分割 第二話」は、猪面冠者の新刊として15日に皆さんのお手元にお出しできる次第でありますが、残念ながら第二話のラストまでではなく、途中までという形と相成ってしまいました。こうなってしまったのはひとえに私の遅筆とペース配分の見誤りであります。読者の皆さんには誠に申し訳ありません。夏の新刊を暫定版とし、冬に増ページされたものを完全版として出します。て、それじゃあ夏に買う奴ほぼダブリじゃん、となってしまうので、せめてもと今回の暫定版はお値段を少々割安にしておきます。
んだったら今回のは今回で第二話にして、次ぎ出す奴三話にすりゃいいじゃんって感じですが、それは嫌なのよう。ラストは各話ともここ! ていうとこにしときたいのよう。すんません、わがままで。
ちなみに新刊のページ数は表紙込で84ページです。本文は80ページ(レイアウトの都合であとがき等はなし)。・・・なんだろう、自分では90か100ページで第二話を終わらせる予定だったのに、今んとこ埋まってるのが全体の三分の二くらいという有り様。どうなってるのよ。なお、第一話より文字を大きくして、大半の既刊誌とほぼ同じレイアウトにしましたので、読みやすくなっていると思います(多分)。
それにしても今回のテイタラク、何がひどいって、表紙ではアルベルトとヒルダがマアタさんの絵でしっかり揃ってるのに、本文中ではまだ二人が出会ってないんですよ(ボカ〜ン)! これはほんとに読む方に申し訳ない。なんという詐欺本編。マアタさんにも申し訳ないです。
結局去年の夏と同様、不完全な新刊となってしまいました。ごめんなさい。冬は頑張って二冊ぐらいいったろかと思っています。去年と違って書き直しとかはないんで、案外早く書けそうだし(甘いかしら)。たまにはジェットたちも書きたいです。
調べ物がてらネットを覗いたついでに自分のサイトを見てみたら、同人情報で夏のスペースを未だにアップしていないことに気がついた。慌ててビルダーのファイル開けたらちゃんと記入してある。ああ、送信するの忘れてたんだね(ボカ〜ン)。てゆか無限分割第一話の重量を書いてから送信しようとしてたんだ。ええい、もう。
原稿が大変なことになっています。ま、いつものことですが。ええい、もう。だがどんな形であれ新刊はちゃんとそこに在るようにします。
へうげの9巻とスピカの15巻は、買ってはあるけどまだ封印中。どっちも読むのに余力がいるからねえ。あと予約してあった藤子全集の最初の巻も本屋さんに引き取りに行かないと・・・。コミケカタログもアニメイトで予約してあるからこれまた引き取りに行かないと。
東ドイツの萌え動画を一発(注:結構長い)。 http://www.youtube.com/watch?v=xbzUd_TeXQI&feature=related 自由ドイツ青年同盟(FDJ)の、これはなんのお祭りなんでしょうね。メーデーかなんか? 時代は1950年だそうだから、ほんとに建国してまもない頃ですな。まあしかし終戦からわずか五年でよくここまで若者がいるもんです。ただ若者とは言え、みんなおっさんかおばさんにしか見えません。男はまだしも、女の方は見事なまでに美女がおりません。そんなところがいかにもドイツ。途中で出てくるピオニールのお子様たちはなかなかかわいいです。みんなで歌っているのは労働歌でしょうかね。
衛星第二の月曜から木曜の昼12時35分から1時までは名劇タイムで、昨日まで「小公女セーラ」がやってたんだけど、今日からなんでか「海のトリトン」! よい子の時間帯にはエロすぎないか。いや、お母様向けなのか(笑)。見ている暇はないけれど、セットして後のお楽しみとしておきます。
しかしそんなことより、金田さんが21日に亡くなっていたのであった。嗚呼。もう大概のことはやり尽くした人ではあったけれど、あまりに急なことで呆然。昔のアニメージュで新ゼロのOPについて語ってたけど、あの号どこにやったかなあ。今度引っ張り出そう。
原稿の合間にちまい雑記を。
・夏目房之介のブログを見たら、なんだかあちらの身内が大変なことになっていた。有名人の子孫ってなあ大変だな。別に祖先の財産をあてにしようがしまいが、どっちゃでもいいが、それはやはり有効なことに使って欲しいもの。ましてや漱石のそれなら、日本の文化や芸術にきちんと還元されるものであって欲しい。ならばやはり現在のフリー状態が望ましいのじゃなかろうか。柄谷行人や石原千秋がどう思ってるのか気になる(どうとも思ってねえか)。私自身は夏目房之介ラブなので、とにかく氏にとってこれ以上ストレスフルな展開にならないことを祈るばかり。なんせあれの子孫なだけに胃弱なのですよ。
・「家庭教師のトライ」のCMで「特捜最前線」のなつかし映像が絶賛リサイクル中。公式サイトでも見られる。 http://www.trygroup.co.jp/cm/index.html 「夏休みだけ」篇、秀Gが若い。もうこの時点ですでにジジイだけどそんでも今より若い。しかしそんなことより何がショックだったって、このCMを見た後ネットで知った二谷英明の現在である。全然知らなかった。二谷英明が俳優としては事実上すでに死んでいたなんて。ウィキによれば2003年に脳梗塞で倒れて以来寝たきりとなり、なおかつ痴呆にまでなって現在高級老人ホームで療養の日々だと。嗚呼! しかし別の意味でびっくりしたのは二谷友里恵がトライの社長だってこと! えええ、そうだったのお!? あ、友里恵の再婚相手がトライの会長だったのか。なある。しかし村西とおるもブログで書いていたけど、パパの全盛期の映像を使うなんて、泣けるねえ。
2009年07月09日(木) |
バーダー・マインホフ公式サイト |
サイト自体は半年ぐらい前からあったんだけど、トップだけでリンクもなんもなしという手抜きサイトだった「バーダー・マインホフ 理想の果てに」の日本版公式サイト。これでも一日おきぐらいにチェックしてたんだけど(笑)、今日たまたまアクセスしたら、ばっちり完成しておりました。あー、もう長かった。
http://baader-meinhof.jp/
予告映像自体はYou Tubeにばんばん上がっていたので散々見たけど、やはり日本語字幕がついていると気分の燃え方が違う。ちなみに東京では今月25日から公開なんだそうで。ああ早く名古屋でも見たい! 名古屋でやらなかったら自分でどっか見に行くかな。
2009年07月04日(土) |
「愛を読むひと」未公開カット |
先月19日の日記で書いた、原作のこのシーンが映画には出てこないよ、という問題。ネット情報でようつべにアップされていると知り、早速鑑賞。相変わらず何でもあるねえ、つべちゃんには。しかしあのエピソードももこのエピソードも、やっぱり脚本段階では存在してて、撮影もしてたんだね。ただ完成形ですでに124分もあるから、尺の関係で切ったんだろうなあ。
http://www.youtube.com/watch?v=uacv46YB-WQ&NR=1 復活祭休暇の最後の週、両親と上の兄弟は家を空けてしまい、家にはミヒャエルと妹が残ることに。当初、留守番はミヒャエル一人で、妹は誰かの家に泊まらせることになっていたのだが、妹は自分だけ人ん家に泊まるのを嫌がった。両親としてはミヒャエル一人が留守番をするにはいいが、妹と二人で留守番をさせたくない。てなわけでミヒャエルも誰かの家に泊まって、家はひとまず空に、ということになった(ややこしい)。んがしかしミヒャエルとしては自分ん家でハンナと二人っきり睦み合いたいのである(笑)。 ミヒャエルは妹に俺は一人で家に残りたい、と言うんだが、妹は当然納得しない。そしたら妹は「ジーパンとコーデュロイのトレーナー買ってくれたら私だけ出てってもいいわよ」と言う。当時の西ドイツではジーンズはまだ出始めだったのだ。しかしハンナとサイクリング旅行に行ってきたばかりのミヒャエル君には金がない。えー、と思ってるとこの生意気な妹は「万引きしてこりゃいいじゃん」とのたまうのですな(笑)。で、ミヒャエルは果たして妹の服と、のみならず同じ店でハンナ向けにネグリジェを万引きしてくのであった。なんちゅう反社会的な小説だ(笑)。 映画見た時、妹役の子がほんとに想像どおりの子だったのに、この肝心のシーンがなかったので変だなとは思ってたんだけど、やっぱり撮影はちゃんとされてたんだね。 ネグリジェ、原作では「茄子紺色」なんだけど、これだと淡いブルーかグリーンて感じだな。まあ撮影で映えさすために変えたんだろう。貰ったネグリジェを早速着て、うっふんポーズをするハンナがかわいい。家の中を眺める表情もいい。ちなみに食べてるデザートはミヒャエルが作ったもの。マメよのう。しかしこうして見れば見るほど、この初々しい少年が何をどう間違ったらレイフ・ファインズに成長するのか、納得いかねえ。
あと、私が映画で出して欲しかった収容所跡へ行くエピソード。 http://www.youtube.com/watch?v=OgBCxX_YOrA&feature=related 原作だとこの男はメルセデス・ベンツに乗ってて白い手袋をしているんだが。外見も「顔は痩せており」「黒い髪の毛はたてがみのようだったが、ぴっちりと左右に分けられていた」・・って、全然違うじゃん(笑)。つかこの役者さん、もしかしてトーマス・ティーメじゃないの? 「善き人のためのソナタ」でヒロインをコマす悪のお偉いさんをやってた人。なんか顔と声がそれっぽいんですけど。えー、でも本当にトーマス・ティーメだとしたら、カットするなんて非道だなあ。
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