猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2009年05月30日(土) 今号のへうげ

 なかなか木曜ジャストに立ち読みできない今日この頃。

 ホヒョン殿来たる! きゃああ、何が起こるのかしら! ああもう、はらはらするなあ。今回はゲヒ殿に嫌味言っただけで退場、ふう。しかしなんかこう、その嫌味に含まれる敵意が蒲生殿より数段高いよ。このまんまだと関ヶ原でガラシャが死んじゃうのも三成憎し=ゲヒ殿憎しになりそう。ああ逃げてゲヒ殿。

 しかしそんなホヒョンより恐ろしいのが秀吉。あー、秀頼が自分の子じゃないってソッコーで見破ってるよ。こうしてジェノサイドが発動していくのね。それにしても茶々に対してここまで上から目線の秀吉ってのもなんか新鮮だな。大抵の秀吉って淀に対して溺れてるじゃん。まあこの秀吉は、相手が自分をどう思ってるかということにすごく敏感だから、こうなるんでしょうが。

 新鮮と言えば、すっかり大きくなった秀忠。秀忠という人は、「風雲児たち」にしろ他のドラマや小説にしろ、父家康・子家光の間に挟まれちゃった影の薄い二代目って描かれ方が一般的だけど、この秀忠はやたら意志が強くてそんな感じが全然しない。この調子で成長するんだったら、家康死んだ後外様を粛清しまくるのも納得だ。ま、これで私生活では小督の尻に敷かれてるんだったら笑えるが。しかし融通のきかん奴だな、この秀忠は。ちょっと三成っぽいうざったさが。ま、そこはあれかな。関ヶ原遅参が三成の北条攻め失敗みたいな感じになって、天下人として目覚めていくのかも。

 それはそれとして今日、ネットで古書の検索にうつつを抜かしていたら、BS−2で三時半から五時までやってたアニソンのど自慢をリアルタイムで見られなかった。まあいいか予約セットしてるし、と思っていたら30数分しか録れてない。ガーン、録画モードを二倍速にしてしまっているじゃないか。今の残り容量だと四倍速じゃなきゃ入らないのに。・・・ふふん、まあいいさちょっとでも見られれば。お、審査員が公平先生だ。岡田斗司夫もいるよ。ええ、古谷徹も! 野沢雅子まで! ゲストは水木一郎とMay′nでしたっ(司会進行はなぜか森口博子)。

 内容はまあ、いわゆるのど自慢(笑)。普通のと違うところは曲が全部アニソンで、コスプレもOKってとこでしょうかね。なんかまんだらけのお立ち台がそのまんまNHKに移行したかのような趣も。んでまあ、参加者が一人終わるごとに全員の審査員のうち一人か二人が意見を述べるわけですが、いやもうねえ。公平先生にしろ岡田斗司夫にしろ、本当にテレビ向きの人だなあと思ったね。特に公平先生の白さは半端じゃねえよ。もうね、あんな公平先生見たら絶対誰も分かんないよ、黒い公平先生なんて。あたしゃ参加者の歌聞くより、公平先生の黒い部分を邪推する方に気がいっちゃったよ(ボカ〜ン)。

 て、数日後知ったんだけど、30日の放送自体が再放送だったのね。そうかそうだったのか。ちなみに12日に再々放送やるってよ。よし今度こそ。

 そんなことより、いい加減潜る。えっと、今んとこ13ページできてて普段の私だったらガッツポーズする所なんだが、全体量からすると「お前それじゃやばいよ」って感じなので、これからまた死に物狂いです。夏コミの当落はメールで結果が分かり次第、直ちにアップします。




2009年05月29日(金) アニソン夜話、芸能いろいろ

 プレリザーブで申し込んでた11月のブロンフマンのコンサートが無事取れたよ。一階の十列目さ。もうちょっと前の列だと思ってたんだけどなー。いや分かってますよ、前の方ならいいってもんじゃねえってことは。サントリーホール自体初めてなので、とても楽しみ。コンサートは昼間にやるんで、日帰りで行けますわ。修羅場に優しいスケジュールってことで。

 結核で入院していたハリセンボンのはるかちゃんが退院したそうで。しかし4月3日に入院して今日退院て早っ。三ヶ月くらいは隔離入院だと思ってたんだが。まああれかな、もともと排菌の値が低かったのかな。なんにせよよかったね。いえ私春菜ちゃんが好きなもんですから、春菜ちゃんのためにも早くよくなって欲しかったのさ。

 ナイトスクープからも北野誠の姿が消えて久しい今日この頃。サイキック青年団の片割れ竹内兄貴も責任を感じて当分活動自粛と、サイキッカーにとってはまさに常闇である。

 そんな折も折、いしかわじゅんのmixi日記で村西とおるのブログを知った。「村西とおるの今日もナイスですね」がそれだ。が、北野誠の例の一件について綴ったが最後、ぽっつり途絶えてしまった。ただラッキーなことに間髪入れずにいしかわじゅんのmixi日記に、村西とおるの別の日記アドレスが載った。内容は先のブログと変わることなく、しかも今のところ北野誠以降も更新されている。内容はとにかくすごい。ナイスどころの騒ぎではない。少なくともここで簡単に紹介することすら憚られる。一応リンクだけ。

ttp://muranishi-ch.com/new/news/blog.cgi

 何はともあれ、ここ数日私はひたすらこのブログをむさぼるように読んでいる。サイキックなき今、私にとってはここが最高の癒しサイトである。頑張れ、村西とおる。続いてくれ、帝王村西とおる。

 まあそんな汚い話題とは全然別に、今日はBS熱中夜話アニメソングナイト。今日は「新世代作曲家編」てことで、公平先生が菅野よう子と神前暁について語る。ゲストは福山芳樹、May′n、神前暁。神前暁って顔初めて見るけど、あの顔だけ見るとオタ御用達作曲家とはとても思えないくらい、かわいい顔。福山芳樹はキングゲイナーと、赤いあの歌を歌ってくれました。キングゲイナーを歌うのは予想できたけど、後者の方は全く予想していなかったので、もう泣きそう。公平先生の菅野分析も「ほおお」の連続で、もう今日の回は何回でも見返したい。ああ、またやらないかなこの番組。やるよねきっと。今度は石川智晶について公平先生にたっぷり語っていただきたい。あでもNHKの公平先生は白いから、白い石川評しか聞けないか。




2009年05月28日(木) ウェディング・ベルを鳴らせ!

 22日の11時20分の回から名演小劇場にて。なんで22日の日記で書かないんだって感じですが、22日はアニソン夜話書くので一杯だったんだよう。て言うかそれ以前になんで平日の昼間っから映画見てるんだよ。いやいや、不況の影響で臨時休業になったのさ。

 ああ久々のクストリッツァの映画・・・。はっ、しまった「それでも生きる子供たちへ」が未見だった。まあそのうちそのうち。

 やあもう本当にこの人の映画はいい。ファレリー兄弟やジャッキー・チェン映画を見た後のような幸福感に包まれる。細かいことはどうでもいいのよ。もうただただこいつらのアバウトさが眩しいの。

 今回の「ウェディング・ベルを鳴らせ!」は、「アンダー・グラウンド」や「ライフ・イズ・ミラクル」のような歴史ドラマ的要素は一切なしのドタバタラブコメで、「黒猫・白猫」みたいな感じ。ま、さすがに死人が生き返ったりはしないが(笑)、それとおんなじくらいの無茶な展開、不謹慎な描写が一杯。ただなにげに痛い描写が一個あるので、油断してると「ギャー」となるかも(特に男は)。

 少年ツァーネは小さな村でおじいちゃんと牛のツヴェトカと一緒に暮らしている。村に学校はあるが、生徒はツァーネ一人。先生も巨乳のボサ一人。このボサはなぜかおじいちゃんに惚れていて、しょっちゅうツァーネの家にやってくる。この先生が登場するたびに乳出しサービスシーンがあって、ってクストリッツァの映画でストーリー書いても意味ないので省略(ボカ〜ン)。

 ヒロインのヤスナを演じてた子がかわいかった。前売りやポストカードの画を見た時はちょっと微妙と思ったけど、動いているとかわいいのなんの。こりゃツァーネも一目惚れするわい。ヤスナのキャラクター自体も萌えるしね。都会の子だからろくに勉強もしてないツァーネに比べると、物腰も言葉遣いも洗練されているんだけど、やっぱりどっか東欧風というか、超アバウトなところがよい。

 ところでこのヤスナちゃんで一個気になったことがあってさ。ヤスナちゃんは普段外出する時は麦藁帽子を被ってるんですわ。んで、髪の毛を後ろで一本に縛ってるんだけど、その一本を帽子に穴を開けて外に通しているんですわ。・・・どうなんだろう、それ。まあ私が知らないだけで髪の長い外人娘はみんな普通にそうしているのかもしれないが。




2009年05月27日(水) 藤子・F・不二雄大全集、チラシ届きますた

 見つからなかったチラシですが、これ、大全集の公式サイトからダウンロードできるようになってるんですね。やれやれ。
http://www.shogakukan.co.jp/fzenshu/

 がしかしうちの超単純プリンターはPDFの出力ができないのであった(ボカ〜ン)。ま、そんならそいで会社のパソコンを使って昼休みにでもこっそり出力したれと思っていたのですが、本日なーんとネオユートピアからクロネコメール便で届きましたよ、ひゃっほう! 封筒に赤字で「禁二ツ折」と書いてあるぞよ。厚紙が当ててあって、しかもビニールで包んであって・・・。なんつー丁寧ぶり! チラシの発送方法じゃないよなあ。おっ、NUエクスプレスも同封されているじゃないか。この梱包作業、あそこのスタッフが全部やったんだろうか・・・。

 チラシ、A4ペラ一枚かと思いきや、A3サイズが二つ折りになっているものだった。もちろん両面にカラーで全集の情報がみっしり。元気な頃の先生の写真が泣けます。あと第I期を全巻予約購入した人にはエフノートなるおまけがついてくる。曰く、
「デビュー前の貴重なアイデアメモや、キャラクター設定画、まんが原稿の下書きなどを収録したファンなら絶対に欲しいプレミアム画集です」
 絶対欲しいです。

 さて、どこの本屋で申し込もうかしら。アニメイトはやってくれるかなあ。ポイント稼ぎたいからできればここで買いたいんだけど。




2009年05月25日(月) プレリザーブで申し込みますた

 やべー、やべー、こっちがアニソン夜話で浮かれている間にぴあのプレリザーブが始まってやんの。慌てて今日申し込みましたよ。はい、というわけで私の念が通じたかのように(違う)、今秋イェフィム・ブロンフマンがやってきます。11月28日土曜日、東京のサントリーホール大ホールにて! わお、ばりばり冬コミ原稿中じゃん。でもそんなの関係ねえ! 俺は見たいものを見、聞きたいものを聞く! その上で本を出してやる! て、こんな大風呂敷広げて冬の原稿落としても知らんよ。

 曲目は以下の予定らしい。うわあ、全部聞いたことがない(ボカ〜ン)。ええ、なんせ私の音楽知識なんて「ハーメルンのバイオリン弾き」でほぼ全部ですから。ま、いいや。レンタル屋とニコ動を駆使して予習しとこう!

ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調 Op.26
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14
チャイコフスキー:グランド・ソナタ ト長調 Op.37

 それはそれとして来月17日に愛知県芸術劇場でやる辻井伸行のコンサートに行こうか行くまいか迷っている。や、辻井伸行自体はそう好きでもないんだけど、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番をやるってのがね。のだめ人気にあてこんでんのかね、なんて邪推はともかく、この曲はとにかく好きで、前の原稿中にも一杯聞いたのよ。や、BGM目的じゃなくて純粋に聞いてたんだけどね、ブロンフマンのCDで(カラヤン×ワイセンベルクのも持ってるが、サロネン×ブロンフマンの方が断然いい。ホロヴィッツは聞いたことがない)。もともと好きな曲で、一回生で味わってみたかったので、現在とっても迷い中。でも辻井くんのを聞いて万が一がっかりしたら、やだよなあ。うううん。




2009年05月23日(土) 今月のIKKI「ぼくらの」

「わたし達宇白先生のことが心配で、」

 近所の本屋に何気なく寄ったらIKKI7月号がもう出ててびっくり。だって毎月25日とか27日ぐらいに見るから、もう出てるなんて思わなくて。もちろん買うんだけど家まで待ち切れないので取り敢えずその場で「ぼくらの」を立ち読み。えっ、最終戦がこれで終了? て、ほんとに終わってる。勝った? 勝ったの? この描写だと断定してよいものかどうか・・・。まあどちらにしても彼の人生はこれで終わったんだよな。それだけは確実だ。悲しいようなほっとしたような。ああ、なんだろうこの脱力感。

 しかしそんなもやもやとした想いとは全く別にびっくりしたのが、

 来月で最終回

 てこと。てっきり引き継ぎ戦もネチネチやるんだと思っていたので、いきなり来月で終わりというのに驚愕。ま、まさか来月一回で「引き継ぎ戦→ジアースの敵はぼくらの地球→ぼくらの地球あぼーん」なんてことにはせんだろうな。この作者だとやりかねないので恐いよう。

 話変わって、今日そもそもこの本屋に寄ったのは、藤子F不二雄全集の予約申し込みチラシを手に入れるためだった。ええ、全巻予約して買いますよ。当たり前じゃん。他に何買うつうのよ。ああしかしチラシは見つからない。昨日も名駅の近鉄パッセで探したし、お店の人にも聞いたけど、なかったんだよな。一応ここでもお店の人に聞いてみたが、そういうチラシは来ていないと。うーん、ネットの情報だともうチラシが書店に出回っているみたいなんだけど、私の勘違いだったのかな。まあいいや。また後でじっくり調べよう。




2009年05月22日(金) 熱中夜話 アニメソングナイト

 もちろん予約セット。夕食にうどんを作ったりごちゃごちゃやってたので、リアルタイムは途中から。おお、この間イベントで披露された田中先生のキャンディキャンディの解説がここで! うーん、でも何回聞いてもありがたいお話ですな。そして歌そのものも素晴らしい・・・。泣ける。嗚呼カラオケ行きたいなあ。

 その後HDDに録ったものを鑑賞。ミッチのしょっぱな曲が「グローイング・アップ」。マジですか、なんなんですか、これは。え、映像まで流れて。私感動しすぎて今死にそうですよ。そう、この歌は「私のあしながおじさん」のOPソングだ。「私のあしながおじさん」・・・。名劇ファンにとっては名作として言わずもがなだが、フツーのアニメファンの間ではその存在が今一つ希薄な、影の名作である。

 だがそんなマイナーぶりはともかく、このアニメの歌は名劇の主題歌史上においても重要な歌である。名劇は当初コロムビアでスタートし、大杉久美子や大和田りつこが主題歌や挿入歌を歌ってきた。その中で、同じコロムビアのアニソン女王、ミッチが主題歌を歌うことはなかった。更にトム・ソーヤ以降、名劇の音楽はポニーキャニオンに移る。ポニキャン時代、ミッチは「愛少女ポリアンナ物語」でポリアンナの声を担当し、いくつかの印象的な挿入歌を歌ったものの、主題歌には届かなかった。コロちゃんパックでカバーはしているが(ただしバックのアレンジが最高にしょぼい)。

 そして名劇の音楽が再びコロムビアに戻ったのがこの「私のあしながおじさん」なのである。ここでミッチはポリの時と同様、主人公のジュディを演じた。ポリの時は叶わなかったOPとEDも、今度はしっかりミッチのものになった。来生たかお&えつこコンビによる、アニソンの香りが希薄な歌は、十代後半から二十代に到る女子たちを描いた本作には逆にマッチして、名主題歌となった。若草恵による挿入歌も忘れ難い。最初のエピソードでは孤児院が舞台で、ジュディが年下の子供達に絵描き歌を歌ったりと、ほとんどミッチのミュージカル。古くからの名劇ファンはそれを毎週見ながら「ああついにあのミッチが名劇の玉座におつきになった」と、涙を流しながら見ていたのである。

 そんな「グローイング・アップ」がいきなりNHKで流れた日にゃ、私が感動死したとしても全然不思議ではないのだ。

 さあ来週も見るぞ。来週は菅野よう子とか最近のアニメ音楽に対する考察をするとか。ああ楽しみ。




2009年05月21日(木) 書き忘れ

■2日にBS−2でやってた「BSアニメ主題歌大全集」、皆様ごらんになりまして? 私はシシガミ書きに追われている間に前半を録り逃してしまいました(ボカ〜ン)。まあでも後半はちゃんと録れたからよし。新田洋(現 森本英世)の「みなし児のバラード」と熊倉先生のゲゲゲが聴けたので、わしゃもう後悔はしとらん。森本英世は何年か前に今田耕司が司会をやった民放のアニソン特番に出ていたですね。あん時は嬉しかったわあ。ミッチが「森本さんが新田さんだったなんて初めて知りました!」と感動していたのを覚えている。

■5月8日、BS−hiで12時から「わたしが子どもだったころ」富野由悠季の回。もともとは去年の6月11日に放送されていたものの再放送。そんなものをやっていたこと自体、テレビ欄を見て初めて知ったよ。ああ失格。ま、こうやってまた見られる機会があっただけでもありがたいことです。自伝の字面でしか知らなかった総監督の生い立ちが、映像や写真で見られるんですから、こんな素晴らしい番組はない。
 小学生の頃、「小田原の連中に染まるな」と、髪型を七三分けにさせられていた話は初耳。一応説明しとくと、富野一族というのはもともと東京に住んでいて、一家の人は働かなくても困らないくらい財産持ちだったんだよ。ただ富野父は下の方の子だったためにその手の分け前がなかったんですな(この辺は『ターンエーの癒し』に書いてある)。で、その後紆余曲折を経て小田原で職を得て暮らしていたんだが、富野父は立派な家に生まれながら「働いてしまった」ということを恥じているわけよ。その辺はお母さんも似たり寄ったりだったんでしょう、それで「染まるな」とくるわけだ。しかし戦後間もない日本、それも当時はド田舎だった小田原で、ポマードつけて七三ですよ。んでそれを本人も当然のこととしてやっていたという。そりゃ浮くわ(笑)。あとお父さんの写真も初めて見た。いやあ、よく似ておいででした。髪の量も含めて。
 子どもの頃夢中になっていた小松崎茂について語ったり、今の監督が番組の絡みで小田原の川原に行って、手製のロケットを打ち上げたりなんかして、まあとにかく富野原理主義者にはたまらん内容だった。

■滝平二郎が死んじゃった。「花さき山」をはじめとして、斎藤隆介が書いた数々のつらーいつらーい秋田のお話に、鮮やかできりっとした切り絵をくれた、あの滝平二郎が。これであのシリーズは、一回だけ絵を描いたいわさきちひろも含め、作家も画家もみんな死んじゃったのね。
 スタートは教科書に載っていた「半日村」や「花さき山」のちっちゃい絵。ま、これでも充分感動的だったんだが、当時の担任の先生がこのシリーズをすごい好きで、「教科書のこの絵もいいけど、絵本の方が断然いい。大きいし、教科書に載ってない絵も一杯あって、そのどれもが素晴らしい」てな風で。図書室から持ってきて生徒に見せてたくらい。んで先生に洗脳されるままに、図書室の時間に一人でじっくり読んだりして、また感動。最初に読んだ絵本が「花さき山」だったから、よけいにその美しさに魅入られた。「花さき山」は特に、双子の兄ちゃんの花が綺麗なのよ、恐いくらい。「そのなみだがそのつゆだ」で出てくるあの青く濡れたお花ですよ。妹が着ている赤い祭り着の色も綺麗だった。綺麗なものだけじゃなくて、山婆の後ろ姿の絵みたいな、妖しい絵もなんとも言えないよさがある。美しい話に美しい絵をありがとうございました。
 しかしこのシリーズ、最トラウマ作品である「ベロ出しチョンマ」は言うに及ばず、「三コ」も「八郎」もつれえ話ばっかりだよな〜、今にして思えば。明るいのって「ソメコと鬼」ぐらいだよね。あ、「モチモチの木」もまあまあ明るい話か。




2009年05月15日(金) ミルク

 スターキャットシネクラブの会員を更新して新しいポイントカードを貰ったんだが、新しいカードには入会した時と同様、招待枠が二つついてくる。てなわけで早速有効活用と、伏見のミリオンで「ミルク」を。これ、来週から朝10時20分からの一回のみになっちゃうんだよ。なので本日8時の回で行ってきた。

 まあ正直最初はあんま見る気しなかったんだよな。やっぱショーン・ペンってあんま好きじゃないし。若い頃からそして現在まで続く素行の悪さ(笑)、そのくせ政治と映画については奇麗事を言う、というのが鼻につくんですわ。ま、顔が好きじゃないというのが一番の理由なんすけどね。

 そんなわけでタダじゃなかったら見に行ってたかどうか微妙な「ミルク」だが、実際見たら凄くよかった。当たり外れの激しいガス・ヴァン・サントだが、やはりちゃんとした脚本さえあれば輝く人なんだな。ま、今回は本人的にもガチなテーマだし、ここで傑作撮らなかったらどうするよてなもんだ。

 1978年、サンフランシスコの市会議員に当選し、同性愛者や移民の人権のために活動したハーヴェイ・ミルクの熱き(しかしあくまで明るい)闘いのドラマ。冒頭から何度も目頭が熱くなった。見ると勇気が湧いてくる名作・・・なんだけど、その一方でガス・ヴァン・サントの男子愛が画面の隅から隅まで湧いてて、目のやり場に困ったよ(笑)。いやまあヴァン・サントなんだから当たり前なんだけどさ。もうとにかくねえ、肉々しいのよ、生々しいのよ。しょっぱなからいきなり、むさいショーン・ペンが初対面のゴブリンJr.をひっかけるの。「やあ、今日ボク誕生日なんだ。一人ぼっちで誕生日なんてやだよ」って、ショーン・ペンが。キモッ! この時点で腐女子はシャットアウトですよ。ぴちぴちTシャツ男たちの乳首も漏れなく画面に入れてるしよ。って、これはよいことだね。

 あと、ハーヴェイを暗殺するダン・ホワイトを、悪人として描かなかったところもよかった。ハーヴェイ・ミルクのウィキぺディア記事を読んでる限りでは、ちょっと可哀相にすら思えたし。実際、映画の中でもモーツァルトに対するサリエリみたいだったよな。いや、ほんと奴はサリエリですよ。「俺はこんなに神を愛し、なおかつ神の教えを忠実に守っているのに、神はなぜ奴を愛するのだ!」ですよ。そういう意味ではハーヴェイとダンの関係は極めてやおい的と言える。おお、ちゃんと腐女子ポイントはあったぞ。




2009年05月14日(木) 今号のへうげ

 ゲヒ殿、歪める!

 それにしてもへうげにおける前田利家のポジションがまた分からなくなった(笑)。でもって久方振りの蒲生君。あー、やっぱゲヒ殿に対してチクチクしてるねえ。もうすぐ死んじゃうけど、ゲヒに対してこのままで死んじゃったらちょっとやだなあ。しかしあの蒲生ですらこの態度なんだからホヒョンなんて一体。まだ出てこないのが恐い。

 そんでもってやっぱりいいわあ、家康! 「前田殿には負けられん!」て、そこで勝負するか! もともと三英傑では家康が一番好きな私だが、へうげ読んでるとますます好きになるわあ。家康と光悦が将来どんな風に結びついていくのか、楽しみ〜。




2009年05月05日(火) この間の少女ファイト

 しんさんから「この間のイブニングで『少女ファイト』に****」と聞いて、居ても立ってもいられなくなった私は、イブニングを求めて旅を始めた・・・。て、普段からイブニングを置いてくれているコンビには大体分かってるので、すぐ見つかったけど。

 うおおおお! 出た出た出たよ、ついについにあの子たちが! 前よりでっかくなって帰ってきましたよ! うわーん、読めてよかったこの回! しんさん、教えてくれてありがとう〜。

 しかしルミコも苦労するなあ。とは言え、この漫画は一人の気の毒な子以上に、まわりの大勢がいい奴なので、美しく感動できるよ。




2009年05月04日(月) プチオンリー御礼

 本日は新刊をご用意していなかったにもかかわらず、多数の方にお寄りいただき、ありがとうございました! 詳しいことは後述しますけど、楽しかったです! 夏は頑張りますよ!

 コミケと違って赤ブーはスタートのタイムスケジュールが緩やかなので、こちとら思いっきりのんびりと出発。会場には9時頃到着。しかし驚いた。こんなことを未確認だった私も私だが、誕生日席だったとは(ボカ〜ン)。いやあ、一生にそうないよ、こりゃ。人によっては誕生日席って嫌なんだろうけど、私は好きだ。だって場所覚えやすいんだもん。

 ささっと設置してスタート待ち。スタートとほぼ同時に、早くなくなりそうで、かつ、人から頼まれていたお買い物を先に遂行。その後は自スペで昨日買った本に目を通したり。プチオンリーというだけあって、参加サークルは普段のスーコミよりずっと多く、GWということも相まってお客さんもたくさん来ておいで。「この間買って面白かったので、また買いに来ました」などと仰って下さる方もあり、バンビ感激であります。あと久し振りにお会いできた常連さんもいらっしゃり、新刊も買っていただけて、ほんに嬉しゅうございました。これからもますます励む所存であります。

 イベント終了後はしんさんと一緒に銀座のマリアージュ・フレールでお茶。ここ初めて入るけど、すごっ! メニューにあるお茶の種類が半端じゃない。全部読み終わるのに30分ぐらいかかりそうだよ。ま、でも折角なんで〜、とウバのなんとか(覚えなさいよ)を注文。紅茶専門店で飲むならば、やはりウバですわよ。あと、マンゴのタルトも。うう、おいちい! ちなみにここ、一階がショップで二階がティールームになってるんだけど、ショップで売ってる茶器の中に宗匠なブツや太閤なブツが一杯あって、二人でウケることしきり。光秀の八角釜みたいなのもあったし。や、もちろんどれもバカ高かったですけど。ちなみにティールームにいる最中ずっと、どん晴れと天地人の悪口を言っていたのは内緒だ(ボカ〜ン)。

 その後は丸の内オアゾにあるつばめKITCHENで夕ごはん。メニューを見るに、つばめグリルとはまた微妙に中身が違ってるんですな。ちなみにお茶の場所もごはんの場所もしんさんが選んでくれた。夕食にドイツ料理でつばめとは・・・、うふふ、うふふ。つばめのごはんはどれもおいしいんだけど、一個一個の量が多いので、どんなに腹減ってても数種類は食べれんのが残念なとこ。ドイツ鍋とかアイスヴァインとか食ってみたいけど、あれは女の腹じゃあ四人は揃わんと無理だなきっと(涙)。ま、とにかく今回は初挑戦のメニューばかり頼んでみた。ソーセージの盛り合わせは予想通りウマウマでした。野菜とチキンのおじやもウマー。

 その後は一階のショコラショップに河岸を移して、新幹線に乗るまでひたすら漫画の話とかフィギュアの話。いやいや楽しい一日でした。ありがとうございます。

 帰りの新幹線はわりかしすいていた。おかげで「朗読者」も静かに読了。うーん、やっぱり感想は昔と変わらんな。物足りん。原因はやっぱミヒャエルの性格にあるんだろうなあ。この人って結局、恋愛にしろ、勉強にしろ、過去との決着のつけ方にしろ、痛みが伴う所まで踏み込もうとしないんだよね。なんでも肝心な所でススっと逃げてしまう。でもってそういう自分のことも大して反省しないし。これじゃあ主人公が何をどう回想しようが、ナルってるだけとしか思えん。映画版はその辺変えてくれるといいんだけどな。西ドイツにおける学生運動の始まりの空気とかも描写してくれたらなあ。まあ希望にすぎんけどね。どうせハリウッドだから善悪でテケトーに分けられて、それで還元できない部分は愛とかなんとかでごまかすってのが一番有りそうだけど。ちなみに帰宅後公式サイトにアクセスしてみたんですけど、ララちゃんが出るんですね。ああ、あの母子のうち娘の方の役か。ブルーノ・ガンツは教授の役だって。うーん、このキャストだけでも映画>原作だな。

 にしても東京はいつのまにやら東京オリンピック&パラリンピック誘致一色だった。泊まったホテルにもフロントにPRのブツが置いてあったし。ああうぜえ。オリンピックの開催地なんて発展途上国に回しゃいいんだよ。ビッグサイトでも大々的にキャンペーンやってたなあ。外の特大画面でずーっとオリンピックの誘致CM流してたし。けっ、よくもそんなキャンペーンを我々に見せつけてくれるもんだ。もしオリンピックが開催されたらその年の夏コミは確実に潰れてしまう。あるいは大幅に前倒ししてやるかだが、いろいろ考えるに無理だろう。5月のスーコミだって多分潰れるな。絶対絶対許さんよ、そんなの。みんなで呪おう、東京オリンピック。




2009年05月03日(日) グラン・トリノ

 本日スーコミ初日でお買い物のために上京。朝8時40分の新幹線に乗った。昨夜寝たのが2時で今朝起きたのが6時半。だがイベントともなると自然と元気になる。シシガミはまだ折ってない。いつもだったら車内で折るとこだけど、今回はタイトな発行ゆえに枚数を少なくしたため、会場で折る。

 行きの車中では「朗読者」を再読。昔単行本をどっかで借りて読んで以来。数日前から読み始めてるけど、今回帰宅するまでに読み終わる予定。この間のゴールデングローブ賞を見た時に「あれ?」と思ったのがケイト・ウィンスレット主演の「愛を読むひと」。ちらほら出てくる映像を見るにこれってば明らかにベルンハルト・シュリンクの「朗読者」だ。へ? でもこんな作者も舞台もドイツの作品がなんでハリウッド映画に? 作品後半のテーマとしてナチスの戦争犯罪とかがあったりするし、これはドイツで作ってこそ意味があるんじゃないの? ああでも文庫版の訳者あとがきを読んで納得。映画化権を買ったのがミラマックスだったのね。もー、どんだけ積まれたか知らんけど、アメ公なんぞに売るんじゃねえよ! まあ確かにいまだにこういう題材はドイツじゃいろいろ微妙すぎて扱い辛い点はあるのかもしれないけどさー。でも萎えるのよ! ファンタジーとかならともかく、ドイツの歴史(それも第二次世界大戦絡み)が絡んだ話でセリフが英語だったりすると! そんでもってメインの役者をハリウッド御用達の英米(あるいは豪)俳優で固めといて、ドイツ人俳優は端っこにしてお茶を濁すのも気に食わん! まあそんでも映画自体がちゃんと面白けりゃ、どうってことないけどね。

 ただまあなんだ。この話あんまり面白くないから、そういう意味ではハリウッドに作られてもそんなに痛くなかったり(ボカ〜ン)。以前読んだ時は「うーん、なんだかよく分からないけど、一応面白いのかな・・・」と曖昧な感想しか持てなかったが、今となっては普通につまらないと思う。ミヒャエルのハンナに対する思いにしろ、後半で登場する過去の戦争犯罪にしろ、全てが茫としていて、無味無臭、つかみ所がなさすぎるのだ。冒頭のミヒャエルとハンナの関係描写なんて、童貞の妄想としか思えんし(はっきり言ってどこのエロゲー)。この分で行くと映画の方が面白いだろうな。キャスティングに関してはハンナ役のケイト・ウィンスレットはイメージどおりでよい感じだし、前半のミヒャエルを演じる子もかっこかわいくてよい。つかこの子の顔の系統ってドイツ人ぽいんだけど、どうなのかな。

 ホテルに荷物を預かってもらい、その辺でお昼ごはんを食べて会場へお買い物。会場へ着いたのは12時半過ぎで、入場者もすでにまばらだったが、パンフを買ってない一般参加者は相も変わらず超迂回ルートを取らされるのであった。もーう、こんな時刻ぐらいフリーにしてくれよーっ。

 お買い物自体はスムーズに行って、お次は台場。メディアージュ内にあるシネマメディアージュで16時20分からの「グラン・トリノ」を。ここはTOHO系列なのでTOHOのパスポートチケットが使えるのだ。系列とは言っても、ここの場合はTOHOのシネマイレージカードが対象外なので、ポイントもマイレージもたまらんけどね。席を取った時点でまだ2時だったが、かなり疲れて眠かったので、施設内の待合所でひたすら座ってうつらうつら。

 上映前にチラシコーナーで「愛を読むひと」のチラシを取る。この手のチラシにしては珍しく二つ折り。ミヒャエル役のデイヴィッド・クロスはばりばりドイツ人だった。でもセリフは英語なんだね・・・。名前もミヒャエル・ベルクじゃなくてマイケル・バーグにされてるしっ。でもって中年になってからのミヒャエルを演じるのがレイフ・ファインズとは。あんた「シンドラーのリスト」で最後に処刑されたんじゃなかったの(ボカ〜ン)。あ、いやそうでなく、元がデイヴィッド・クロスなのに、何をどう間違ってレイフ・ファインズみたいなキモメンに成長しちゃうんですか。それこそトーマス・クレッチマンにしてくれよう。実際似てるし。お、ブルーノ・ガンツも出るんだ。誰をやるんだろう。ミヒャエルのお父さんか、大学の担当教授かね。ちなみに上映前の予告編の中に「愛を読むひと」の予告もあった。おう、再現された50年代の西ドイツの町並みを見ているだけでも萌えますな!

 さて「グラン・トリノ」。いやー、いい! いい! あまりにもきつかった「チェンジリング」の後だとこのベタな展開はたまらんですよ。我らがハリーも老いたとは言え、ピンチの時はちゃーんと出てきて、クズ野郎共にお見舞いしてくれるし(ま、中にはそううまくいかん場面もありますが)。エンドロールで流れる、クリント爺さんとその息子共作によるテーマソングも、作品のタイトルとテーマを丸出し連呼してて、アニソンみたいだった(笑)。ちょっと綺麗に終わりすぎでは、ってな気もするが、まあいいや。もうあんまりきついのは勘弁ですよ(涙)。それにベタベタとは言え、暴力描写は相変わらず痛さ満載で、クリント爺さんの白土三平的暗黒面は本作でもたっぷり堪能できますぜ。

 映画自体は18時半過ぎに終了。台場駅へ向かう道すがら見える黄昏のベイブリッジの眺めはよいですな。しかしそんなもんを眺めながらホテルに戻ったら、周辺の飲食街が軒並みオーダーストップになっちまっててしょんぼり。まあお昼たっぷり目に食べたから、夜はおにぎり一、二個食べれりゃいいんだけどさ。取り敢えず閉店直前の松屋に行って、地下でソーセージパンとトマトジュースを買って、晩ご飯とした。「朗読者」を読んだり教育テレビのクラシックを眺めたりした後、お風呂に入って就寝。



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