猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2009年02月26日(木) へうげもの、ぼくらの、プライド

 近所の本屋さんへ。まず23日に発売された「へうげもの」8巻を。おお残り一冊だった。ではお次は今日出のモーニング13号。が、探してもない。店員に訊ねると売り切れとの由。ぐっ。これが一番の目当てだったのに(涙)! まあいいや、どっかのコンビニで探そう。次にIKKI4月号。もちろん「ぼくらの」。IKKIは買うつもりではあったが、家まで待ち切れないのでまず立ち読み(昨日ちゃんと発売日に買うつもりだったんだが)。・・・うわあ。この漫画にはもう散々ダメージを食らってきたが、今回はもう。読んだ後気持ち悪くなって、取り敢えずIKKIを買うのはもうちょい後の日に、とした。うう、山岸凉子でだって、こうも嫌な思いをしたことはなかった。続いてコーラス4月号で「プライド」。まあこっちもこっちでやな展開。神野、この間の萌に対する態度はまだ許容できたけど、今回のはもう全く没。なんかのう。こうまで神野を共感できない男にして、作者は何がしたいのか。

 帰り道、二軒目のコンビニでモーニング発見。ふう、みんなそんなにへうげ最終回(違います)を買って読みたかったのかねえ。まあそうだよねえ! なんせ今回は宗匠がついに逝かれるのだからねえ。もう何年も前からこの回を待ち、かつ恐れていた。一刻も早く読みたい。が、コンビニで立ち読みする気にはなれず。家で座して読まねば。

 帰宅。宗匠は悠久の世界へと旅立っていかれました。ゲヒ殿と一緒に私も泣いた。しかし最終ページの次回掲載予定を見てちょっとびっくり。てっきり数号ぐらいインターバルをおくのかと思いきや、いつもどおりの隔週ペースで進むと。はああ・・・。秀吉が見られるかな。これから狂っていく太閤が。次号からは宗匠はもう永久に見られないだな。この作者のことだから回想とかでも滅多に出さないような気がする。いやなんとなく。




2009年02月23日(月) アカデミー賞とか

 えっ、司会おヒューだったの!? (遅っ)しかし「おくりびと」が受賞するとは思わなかった・・・! て、すみません。また仕事中にネット見てました。ごめんなさい。主演男優賞はショーン・ペンか。個人的にはミッキー・ロークに取って欲しかったが、そのミッキー・ロークは「ショーン・ペンに取って欲しい」と言っているのだから、これはこれでいいのか。ま、なんにせよBS−2での放送が楽しみですなあ。

 仕事の帰りにアピタへ寄ったらその中の本屋で文春文庫の新装版「アドルフに告ぐ」第四巻を発見。ああもう、どこ探しても見つからなかったのになんでこんな本屋に(笑)。まあいいや、よかった、やっと買えて。アドルフ自体は手塚全集のコミックスですでに全巻持っている。こっちはあとがきで手塚治虫のコメントとかあったりするんだけど、今度出た新装版のアドルフはいしかわじゅんがあとがきを書いているので、欲しかったのだ。

 なかなか買えなかったと言えば小林まことの「青春少年マガジン 1978〜1983」が昨日パルコのリブロでやっと買えた。早速読んだけど、なんかもう涙涙だった。しかし以下の部分だけは笑える。

もはや じっくり構想を練ってる時間などない
絶体絶命のピンチである
そして ついに不本意ながら
できの悪い内容スカスカのしようもないダメな作品が掲載されたりしてしまった
こういうことがときどきあるもんだから世間からオレは「手抜き漫画家」と非難されることとなる
そういわれることに対してオレは言い訳はしない・・・
ただオレの自慢はダメなときはダメなりにやるのではなく
ダメなときは誰が見てもダメとわかるダメな作品を載っけたことである




2009年02月21日(土) ベンジャミン・バトン 数奇な人生/バーダー・マインホフ関連

 今んとこ20世紀少年を抜いて国内興行ランキング一位だそうで。やあ、めでたい。2時間46分という長尺に躊躇している人もいるだろうが、是が非でも行ってこい。

 なんせ長い映画なので、平日鑑賞は無理である。そんなわけでTOHOシネマズに行きたいので車貸してくれと母に頼んだら、そんなら私も観たい映画があるというので、二人で行ってきた。ちなみに母は「マンマ・ミーア」目当て。

 13時25分からの回で映画館に着いたのは15分。結構ぎりぎりだが、なんせ長尺作品、何も列の真ん中で見る必要などない。むしろはじっこがいいね。どうせ途中トイレに行くんだから(ボカ〜ン)。と言いつつもK列の真ん中の席を取ってしまった(開始一時間後にごめんなさいしながら行きました)。ちなみにボックスは334人入りの6番スクリーン。TOHOシネマズでは二番目に大きいボックスだ。一番大きい448人入りの4番スクリーンは今ウィル・スミスの「7つの贈り物」をやってるけど、そんなに入るのかねえ。

 中に入ると予告編が始まっていた。それもよりによってトム・クルーズの「ワルキューレ」。この間007見に行った時すでにかかっていたな・・・。くう、これ本当ならトーマス・クレッチマンが主演のはずだったんだよな。金出してるトムがゴリ押ししたもんだから、主演がトム違いてことになっちまったわけさ(トーマス・クレッチマンは別の役で出る)。映画の中身もどうなんでしょ。監督はブライアン・シンガーだからそりゃ面白いんだろうけど、やっぱハリウッドだからどうせ反ファシズム万歳映画なんだろうなあ。クリスチャン・ベルケルとか好きなドイツ人俳優も登場するけど、セリフはみーんな英語だし、なんか萎えるもんが・・・。

 さて上映開始。うわやばい。これはもしかして決壊映画なのでは。うう、やっぱりそうだ。わあああん。ただ、泣けるとは言っても、気持ちよく泣けるというわけではなく、見終わった後非常に痛切なものが残る映画なので、そういうストレスフルなものはちょっと、という人は見ない方がいい。

 というわけで三時間弱、ほとんど泣きっぱなしになってしまったわけだ。そりゃねえ、「老人として生まれ、時間と共に外見が若返っていく特異な体に生まれついた主人公」って時点で、ああこりゃ泣かせるんだろうなあってのは想像つくけど、ここまでやられるとは。冒頭の、盲目の時計職人の息子が戦死してしまうところで、あれやらこれやら連想して、すでに目がダムだった。

 いろんな人が書いているが、脚本がエリック・ロスなので内容はほとんど「フォレスト・ガンプ 一期一会」。でも個人的にはベンジャミンの方が好みかな。ガンプも大好きなんだけど、納得行かない所もいろいろあって、特にジェニーの不幸っぷりが見てて腹立ったんだけど、ベンジャミン・バトンのデイジーはそんなこともなく、主人公ベンジャミンとの関係もある意味非常にリアルで、その辺がよかった。

 最初から最後まで心も体もイノセントであったフォレストと違い、ベンジャミンは不自然に変化していくその外見ゆえに、普通の人と普通に暮らすということができない。当然、根を張った暮らしというのができない。だからでこそ折々のふれあいが一つ一つくっきりとしていて暖かいんだけれども、愛する者と共に老いることができないということは否応なしに悲しい結末が待っているわけで・・・。て、ああもう思い出しただけで泣けるわ。

 役者はとにかくデイジー役のケイト・ブランシェット。上手いなあとは思いつつも今までそんなにいいと思ったことはなかったんだが、今回初めていいと思った(でも今回アカデミーにはノミネートされていないのね)。自分が老いていく中、逆に若返っていくベンジャミンに対して、複雑な感情を抱き始める辺りが、すごくよかった。結末辺りなんてほとんどこの人の表情が全て。他はベンジャミンの育てのお母ちゃん、タラジ・P・ヘンソンがよかった(こっちは助演女優賞でノミネート)。信心深くて楽観的で、古き善き西欧のお母さん。その明るさを浴びているだけで救われる。あと水泳おばさん、ティルダ・スウィントンも。総じてキャストに外れなし。ただ、まわりが名演過ぎて肝心のブラピが薄かった。まあこればっかりはねえ。

 それにしてもジェイソン・フレミングは見るたびに倍速で老化してくなあ。ベンジャミンの実父で出てるんだけど、最初出てきた時ジェイソンて分かんなかったっすよ。髪の色を変えてたせいもあるけど(地は赤毛)。車の中から外をじろっと眺めてる場面があって、その時の表情から「この視線が妙にエロいのはもしかして」と思ったら、エンドロールでまさに。私の中ではリアルジェットはこの人しか! なんだけど、これを見る限り、そろそろグレートができそうだよ(涙)。ま、でもよく考えてみりゃもう今年43だもんねえ。こんなもんだね、うん。

 帰宅後は母のおごりでカルチェでお茶。しかしおいしいケーキもあんな切ない映画の後ではなんだかしょっぱいわ。

 さて先日話題にした「バーダー・マインホフ・コンプレックス」だが、「バーダー・マインホフ 理想の果てに」という邦題に決まったようです。公開予定もこの間までは「2009年シネマライズ他にて公開予定」だったのが、2009年夏、となっておりました。よしよし。

 キャストの詳細を見たくてIMDbで検索。バーダー・マインホフ・グルッペのリーダーの一人、ウルリケ・マインホフ役はマルティナ・ゲデック。もう一人のリーダー、アンドレアス・バーダー役はモーリッツ・ブライプトロイ。マルティナ・ゲデック・・・。あの「善き人のためのソナタ」でヒロインのクリスタやってた人ですな。やあ、主役ってことはこの人がおなか一杯見られるんですね。嬉しくないわ、とっても(ボカ〜ン)。本物のウルリケ・マインホフだってあんなごつかねえよ。ああどうせならうんと美化してララちゃんで見たかったわよ。って、ララちゃんも一応出てんだ。少しでも出番が多いといいね! モーリッツ・ブライプトロイは「ラン・ローラ・ラン」でローラの彼氏やってた人やね。「es」の主人公とか。他にもブルーノ・ガンツとかトーマス・ティーメとかドイツ系全員集合って感じ。ああ楽しみ。




2009年02月14日(土) 大垣お菓子三昧とか「黄金の日日」とか

 本日は大垣に住まう元同僚宅にお邪魔することになった。お昼は彼女の手料理、その後彼女の手ずからによるエステ、メイク、さらにその後地元の喫茶店“DUOMO cafe”(ドゥオーモ・カフェ)にて甘味三昧という次第。

 10時半に大垣駅で待ち合わせのはずが、昨日ナイトスクープを見ていたのが響いて寝坊したために、どう足掻いても30分の遅刻は免れなくなってしまった。一応メールでその旨を連絡してバタバタと出発。金山駅に着いたのが10時半。大垣行きは特別快速が38分に出る。はああ。こりゃ30分の遅刻でもきかないぞと、ひとまず「38分発のに乗ります」とメール。がしかしなんと! うっかりホームの反対側に来た奴に乗ってしまった! きゃああ! 電車はそのまんま尾頭橋、名古屋へ。取り敢えず名古屋で降りて大垣行きの特快を待つ。次は45分発。はああ、もう・・・。友達にカシカシとメールをしたためつつ、45分発に乗る。そのまんま終点の大垣まで。友人が車で待っていた。そのまま彼女の運転でお宅へ。家の前にある十字路で先日事故があり、「十字路のミラーが折れてなくなっちゃって、不便。催促してるんだけど、まだ新しいミラーが来ない」とぼやいていた。

 私がぼーっと座っている間に、友人はドリアとスペアリブをシャカシャカと作ってくれた。いやあ、本当に早い。あっという間にいただきますだった。しかもおいしかったし。で、ドリアとスペアリブに火が通るまでの間に黒ゴマのケーキまで作っていた。すげえ。彼女の家にはちょうど臨月のお姉さんとその娘さんが帰ってきていて、私と友人、友人のお母さんとお姉さん、姪っ子ちゃんとで一緒にそのお昼を食べた。三歳の姪っ子ちゃんは超かわいかった。小さい子だったので余所者に大分警戒していたが(笑)。

 その後は彼女に顔のエステをしてもらう。うー、快適。お部屋に空気清浄機がばっちりだったおかげもあって、花粉もなく、いーい気持ち。メイクも初めてやるアイカラーをやってもらったりして、いろいろ発見。

 お土産にできあがった黒ゴマケーキを包んでもらい、お宅は失礼。再び彼女の運転で彼女が超絶おすすめの喫茶店“DUOMO cafe”へ。驚いたことにさっきの十字路に新しいミラーができていた。我々が中にいた三、四時間の間にできたってことか。

 DUOMO cafe、入ると薄暗い店内は、テーブルも椅子も全てアンティーク。テーブルごとに置いてあるランプもガレっぽいデザインで、これも恐らくアンティークなのだろう。いやしかしそのどれもが素晴らしい美しさ。思わずゲヒヒとなって、注文を待つ間友人と共に各テーブルのランプを見て回る。ケーキは二人ともおまかせハーフ三種盛りを頼んだ。ケーキは三種とも「うぎゃあ」と叫びたくなる旨さ。特にチョコレートケーキが、いや、どれも軽くトリップできる旨さでした。苺のタルトとケーキもよかったなあ。載ってる苺がまたしゃきっとした味でねえ・・・。ケーキがそのような次第とあって、飲み物も素晴らしかった。私はカフェラテ、友人はアッサムを頼んだんだけど、カフェラテがおいしいのなんの。そしてさらに器の美しさ・・・(帰宅後調べてみたらスポードというイギリスのメーカーの物で、トラップネルスプレイというシリーズのものだった。すでに大半が品切れ)。店の雰囲気も相まって今まで飲んだカフェオレの中で最高の味だった。友人に一口飲ませてみると、感動の表情に。友人のアッサムのカップも素敵だったなあ・・・。ああまた物欲が。

 友人がお代わりしたい、今度はカフェラテが飲みたいなあと。私もアッサムが飲みたい。飲み物はお代わりするとお得ということで、お互いまた同じ物を注文し、そのまんま交換して飲んだ。いやー、このアッサムおいしい・・・。帰りにテイクアウトできな粉ロールを買った。その後は大垣駅まで送ってもらってお別れ。ふう、やた食べたなあ。

 それはともかく、帰りで間違って反対のホームに降りかけてしまった(ボカ〜ン)。階段の途中でホームの電光掲示板が見えて、「あっ」と思って引き返した。だけど反対側に階段あったっけ、としばらくキョドる。すると隣を歩いていた人が、「名古屋方面? あっちだよ」と教えてくれた。うおう、ありがとう。ま、取り敢えずお目当てだった17時24分発のにはしっかり間に合ったのではありますが、はああ。なんかもうぐったりだよ、この間の三重交通と言いさあ・・・。別にストレスがたまっているでも体調がおかしいわけでもないのに、たかが地元の公共交通機関でこの連続っぷりはなんなのか。このままではいずれ地下鉄でもへまをしそうで恐い。地元の地下鉄で乗り間違えなんかした日にゃ、本当にアルツものですよ(ボカ〜ン)。

 んで、乗り間違えた行きの電車のことをふと思い出してみたんだけど、あれ、反対方向に乗ったわけじゃなかったんだよ。だって金山→尾頭橋→名古屋って、これ大垣行き以外の何物でもないじゃん。私がうっかり乗ったあれは、34分発の普通列車だったんだよ(尾頭橋は大抵普通しか止まらない)。反対のホームにも大垣行きが停まってたから、それを見て「ぎゃ、逆のに乗っちまった」と早とちりしたのであるな。で、名古屋で乗った45分発の特快は、そもそも私が乗るつもりであった38分金山発の特快その物であったのだ(ボカ〜ン)。ま、どっちにしても当初の集合予定10時半より遅れに遅れて、友達に悪いことしたってのには変わりないが。ううむ。思えばこの間も仕事で久々に酷いミスをしでかしたしなあ。なんかのう。そう言えば同級生の子が「うちら今年は厄年で」とか言ってたっけ。正確に言えば前厄だが。どっかでお払いしてもらおうかねえ。って、これは単なる自分のドジであって厄とは関係あるまい。

 帰宅後、BS−2で7時45分から「お宝TVデラックス」を。今月は「新撰組血風録」と「黄金の日日」。もうなんつっても「黄金の日日」! すっごい楽しみにしていたので、がつがつと見た。ゲストはお仙役の李麗仙と、当時のプロデューサー近藤晋。当然のごとくインタビューでは脚本の市川森一と主役の松本幸四郎も。まあなんせテレビ探偵団よろしくの番組なので、出てくる映像も超ダイジェストではあったけれど、もうその一個一個に激しく感動してしまった。関係者の一言一句にもいちいちジーンとしたりして、もうお前どんだけ感動線緩いんかと(笑)。ま、要するにあれですね、「天地人」なんかもう見てられっかということですよ。

 それにしても鹿賀丈史の高山右近ははまり過ぎててやばい。もう「へうげもの」の義弟殿は鹿賀丈史以外有り得んですよ。

 軽食を食べつつ9時から「銭ゲバ」鑑賞。今まで見る気なかったんだけど、同人仲間が電話ですすめてくれたのでちょっと見てみようと。うーん、まあちょっと物足りない部分もあるけど、結構いい線いってるんじゃないかと。親父役の椎名桔平がすんごい屑野郎っぷり。ほんとにああいう人格してんじゃないのかと思うほど、ナチュラルな下卑さ。椎名桔平、初めていいと思った。このためだけに見てもいいや。しかしその椎名桔平よりもよかったのが、風太郎の鉄砲玉にされる元同僚。うわあ演技こそ棒だけど、この負のオーラはただことじゃない。一体誰? と思ったら柄本明の次男だった! しかし残念ながら今回で退場なの。あらら。でもその代わりと言っちゃなんだけど、茜役の子が邪悪にスパークし始めていて、こちらの次回以降が楽しみなことに。よし、当分見ようっと。




2009年02月13日(金) こんな悲しい窓の中を雲は知らないんだ

 去る11日パルコに行ったら「探偵!ナイトスクープ展」というのをやっていた。うわーい、そんなのやってるんだ! と大喜びで入場。入場料が300円かかるんだけど、私はSクラスのパルコカードを持っているのでタダで入れた(実際にはもうSクラスは切れてるんだけどね)。入場して早々に探偵手帳の実物が展示してあって感激。うおうっ、アカデミーの金色の手帳もあるよ。これが本物なんだね〜。会場自体は小さかったけど、お馴染みのネタのVTRや説明のパネル、ネタにちなんだオブジェが一杯あって、もう死ぬほど楽しめた。自分的には母乳で作ったプリンプリンとシルバーボインパンケーキが見られたのが最大の収穫であった。

 しかしそんなナイトスクープを最近はあまり見られていない。どうも最近、金曜の夜は別のことで夜更かししてしまうことが多くて、見忘れがちなのである。数日前関西の友人と電話していたら、この間のナイトスクープはかなり面白かった、お前は見たかという話題になった。あああ見てませんよう、くうう。ゲストは津川雅彦だったと知ってますますガッカリであった。ん、待てよ。名古屋は関西の一週遅れではなかったか。てことは見られるんじゃないの。をしゃ、今週こそはちゃんと見るぞ。

 はたして今日チャンネルを合わせてみればゲストは津川雅彦。やったー。福岡にあるリラックスロード、美樹克彦、そして母乳(なのかあれは)で作るバター、と内容も言われたとおり面白くって三本とも大笑い。

 個人的には美樹克彦を求めてン十年のおばちゃんがよかったですね。いや番組ネタとは直接関係ないことなんだけど、「風雲児たち」愛蔵版第二巻の中で、今回出た美樹克彦の「花はおそかった」をパロったセリフがあるんですな。秀忠のセリフなんだけど、
「こんな悲しい胸の中を雲は知らないんだ どんなにえらくなったってそれが何になるんだ…… 大っきらいだ将軍なんて―――ッ」
 て奴。これの元ネタにあたる某歌謡曲ってのが何なのか、もうめちゃくちゃ気になってたのよう。ああ、ほんとすっとした! 本日の顧問が津川雅彦ちゅうことで脳内で「葵 徳川三代」がプレイバックしまくりだったし、ふう、満足。しかし病み上がりのせいか、津川雅彦元気ありませんでしたな。よくなって欲しいぞ。

 それにしても美樹克彦信者のおばちゃん。なんか自分の姿と重なる部分があって、しんみりしちゃったよ。もうねえ、番組の中で憧れ求めた美樹克彦に再会した時のおばちゃんのリアクションがねえ。美樹克彦自体は、どう見てももう若い頃とは別人で、おっさんと言うか、下手すりゃおじいちゃんな訳ですよ。しかも太って剥げて。ま、ボーイ・ジョージの劣化に比べりゃましかな、程度。でもおばちゃんはそんな美樹克彦でも会えたのが嬉しくてしょうがないの。リアル美樹克彦の姿を一目見るや、数秒間恍惚。そして絶叫「ああっ、面影があるーっ!!」。ねえよ(笑)! おばちゃん、感激で泣きまくっている。相手の劣化を全く認識していない。見ているこちとらは「はあ・・・。まあ言われてみりゃ眉毛とか目元とかに若干残ってる・・・かな」と思うのがやっと。

 しかし私はこのおばちゃんを笑えなかった。例えばだ。アルベルトが現実にいたとして(て、もうその発想の時点で狂ってるよ)、それがまあ美樹克彦のように年食って劣化したとしよう(だからサイボーグ・・)。それでもだ。もし現実に会えたとしたら私はこのおばちゃんのように号泣するに違いない。もう嬉しくていつ死んでもいいと思うに相違ない。

 ああもう、こんなこと日記に書いちまってもう恥ずかしくて死にてえよ(ボカ〜ン)。




2009年02月10日(火) 007 慰めの報酬

 TOHOシネマズで19時10分から、と自分的にキリのいい時間帯でやっていたので行ってきた。いやあ、今回も面白かったっす。敵役のマチュー・アマルリックがよかったねえ。「潜水服は蝶の夢を見る」の人。この人ほんとかっこいーよねー、「ミュンヘン」の時から「はっ、何この流し目の超いい男はっ」って思ってたけどさ。そういやこの人「ミュンヘン」で一回、ダニエル・クレイグと共演してんだよね。直接絡むシーンはなかったけど。

 一作目のアクションのぶっとびぶりに比べると二作目のアクションは、かなりリアル。や、もちろん相変わらず跳んだり跳ねたり滑り込みしたりと激しいし、カメラの切り替わりも早すぎてわけ分かんないんだけど、前作に比べると体重の重みとか障害物の重量感とかが、かなり本物っぽく感じられるようにしてある。なんつーかギリギリ現実でもやれそうなアクションに見える。その辺を体感しているだけでもわくわく。ただ、きついアクションシーンが多すぎて疲れましたな。もうちょっと緩い遊びのシーンが欲しかった。

 恋人の敵討ちに燃えるボンドというのは、あんまイメージじゃないけど(個人的には、女なんざ使い捨てというイギリス的なドライさがボンドらしさだと)、まあダニエル・クレイグがかっこよかったのでよし。この人の容姿で、ショーン・コネリーばりに女三昧なボンドが見られたらなかなか幸せなんですけど。




2009年02月08日(日) じゃがいもパンケーキを作ってみた

 高校生の頃「あのころはフリードリヒがいた」を読んでた時、猛烈に気になった食べ物がある。それはじゃがいもパンケーキ。「あのころはフリードリヒがいた」は、1925年から1942年までのケルンを舞台とする、作者ハンス・ペーター・リヒターの半自伝的な物語である。ぼくと同じアパートの隣同士に、同じ1925年に生まれたフリードリヒ。ぼくの父親は失業中で貧乏のどん底、意地くそ悪い父方の祖父に仕送りをしてもらわないと暮らしていけない。一方で隣のフリードリヒの父は郵便局員という安定した職に就いており、暮らしには何も困っていない。ただフリードリヒ一家はユダヤ人だった・・・、というわけで皆さんご想像どおりの救いのない物語である。高校の頃教科書で読んで以来、原作を買って続編も買って、その後繰り返し読んだ。小説と名のつく物の中で一番何度も読んだ物は間違いなくこれである(昔バトンにも書いたがhttp://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60740&pg=20050806)てなわけでまあこれについて語ると私は長くなるので、今回は省略。

 問題はこの中に出てくる「じゃがいもパンケーキ」だ。物語の中では冒頭の、まだ何事もなかった時代に、ぼくのお母さんがぼくとフリードリヒにこのパンケーキを作ってくれるんですね。まあ、幼いぼくとフリードリヒも手伝ったりなんかして。全く救いのない物語の中で、平和だった過去の象徴として描かれるエピソードなのです。ちなみにこの後二人がパンケーキをべちゃべちゃ食べて汚くなったので、お母さんがぼくとフリードリヒを風呂で洗ってやると(ドイツ人なのでいちいちちゃんと風呂に入る)、フリードリヒのおちんちんが割礼してあって、ああフリードリヒちゃん家ってユダヤ人だったんだって気づくんだが・・・、て、ほら長くなる(笑)。

 で、まあずっとこのじゃがいもパンケーキって奴が気になってたんですよ。一体いかなる食べ物なのだろうかと。普通のパンケーキとどう違うんかと。ただ気になりつつも自分から調べようとはしないところが私のずぼらなところで、結局実際のじゃがいもパンケーキを知らぬまま十数年。んで、偶然にも去年の夏にネットで「ポテトパンケーキ」のレシピを見つけて、ついに本物を画像で見ることができたのである。おお、これが・・・。なんか見た目はちょっと厚いクレープって感じ。

 ああしかし当時は原稿原稿で作ってる暇がなく、自分で食わんまんま新刊に登場させてしまったりしたのだが、それはまあそれとして、やっと今日実際に自分で作ってみた。じゃがいもと玉ねぎをすりおろし、それに小麦粉と全卵を混ぜ、種とする。種をフライパン上で薄い生地にして焼く。そんだけ。

 結果。レシピではジャムやシロップをつけて食べればおやつに、塩やソースをつければお酒のおつまみに、などとあるけれど、はっきり言って前者は無理があると思った。つかね、思いっきりじゃがいもの味がするんですわ、当たり前だけど。だから甘い物をつけるととっても合わない(笑)。なんだろ、タコスやお好み焼きにシロップをつけるようなもんです。その点辛い物と合わせるととってもいい。ケチャップつけてもいい。それかナンみたいにカレーかけてもおいしいかもしれん。

 まあ取り敢えず今日は試し。別にまずいというもんでもなかったので、いずれかの折にまた作ろう。




2009年02月04日(水) キーシンに行ける

 先月下旬のこと、ワイエスを見に行った帰りにおんなじ愛知県芸術文化センターの地下にあるチラシコーナーを見回っていた。

 さて話は一旦去年に遡る。昨年の11月26日水曜日、私は母と千住明のコンサートに行く予定であった。が、私は体調が悪くてぼーっとしており、一方母は仕事が超絶忙しく、二人とも揃ってこの日をすかーっと忘れていたのであった(ボカ〜ン)。気がついたのは私の方でこの時すでに7時過ぎ。母は恐らくどう足掻いても行けない。しかしチケットは母が持っているから行くとしたらまず会社に取りに行かないといけない。今から死ぬ気で急いでも・・・、てなわけでそのまんま流れてしまったのであった。まあその時は実際だるかったのでまあええかとすら思っていたのだが、日一日とたつにつれ、「ぎぎぎ」となっていった次第。ああ、ゲストで真理子も来ていたのになあ。ひょっとしたら生で「風林火山」とか「鉄人28号」とか聴けたかもしれんのに。そんでもってこの日のチケットS席だったんだぜ! もう、私のばかばか。うっくうっく(大泣)。え、原稿? 野暮は言うなよ(ボカ〜ン)。

 まあそんなわけでなんとか千住明を補って余りあるクラシック鑑賞をしたいわけで、今回のチラシ探索である。個人的にはやっぱりピアノコンサートがいいなあ、それもロシアや東欧系の。ブロンフマン来ないかしら(無理無理)。ほしたらドンピシャでブロンフマンが・・・! とよく見たら違った、キーシンだった。をいをい、あんな血色のいいデブ(ジョン・キャンディに似てる)と、こんな若手マッドサイエンティストみたいなのと、どうやったら見間違えるんだよ(ボカ〜ン)。や、でもいいじゃないの、キーシン! 十二分に大名物だよ! ほほう、4月15日に来名かい。てことはもう下手したらチケット出始めてるよなあ。いい席残ってるかしら。

 取り敢えずチラシだけパチって帰り、チケットは本日ネットのぴあで購入した。一般売りはもう12月4日から始まっていたので残りが心配だったが、S席で取ったらかなりいい所に当たった。ちなみにD席は完売済。や、私は迷わずS席で購入したんだけども、やっぱりオペラやバレエと違ってピアノとかオケだと、安い席からなくなっていくもんなのかね。まあ実際聞けりゃいいわけだし。

 その後近所のファミリーマートでチケットを受け取り。ふふふん、4月が楽しみ〜。




2009年02月01日(日) 「バーダー・マインホフ・コンプレックス」が見たい

 30日にBS−2で放送されたゴールデン・グローブ賞を見る。今年もさしたるお目当てさんがいるわけではないので、生ぬるい気持ちで鑑賞。まあしかしこういうのはやっぱ、ただ見ているだけでも楽しいもんやね。アニメ部門は当然のごとくウォーリーの一人勝ち。てゆか出席者もみんなウォーリー大好きみたいで、ノミネート作品の名前が読み上げられていく段階で、ウォーリーが一際拍手&歓声を貰っておりました。もうこの時点で決まりって感じだったよ。

 主演男優賞映画ドラマ部門は、「レスラー」でミッキー・ローク。受賞の瞬間に一同ご起立で拍手&歓声であった。ミッキー・ロークは緊張でもしていたのか、途中の階段ですべってたけど(笑)。スピーチがなかなかよかったですね。転落期から今まで世話になった人たちに一通り感謝を述べた後、最後のこれにはちょっとほろっと。
「それから俺の飼い犬・・・。天国にいる何匹かも含めてね。男が孤独な時、友達は犬だけだ。俺にとってすべてだった。最後に(主題歌の)ブルース・スプリングスティーンに。愛してるよ。どうもありがとう」

 「レスラー」、楽しみですねえ。

 それと楽しみなのが、外国語映画賞にノミネートされていたドイツ映画「バーダー・マインホフ・コンプレックス」。やー、全然知らなかったんだけど、この映画。ノミネートの映像で初めて知ったよ。その映像ってのが「満場の学生を前に檄を飛ばす」、「赤い旗をぶんぶん振る」、「騎馬警官に蹴散らかされる学生集団」。何これ連合赤軍? あ、いやドイツだからドイツ赤軍か。で後から調べたら、はたして70年代からベルリンの壁崩壊まで、西ドイツで暴れ回ったドイツ赤軍の映画なのであった。日本でもやるのかなあと思っていたら、今年シネマライズから順次公開されるらしい。名古屋にも来るといいなあ。それこそシネマスコーレでやって欲しいけど、GGAのみならずアカデミー賞にもノミネートされたとなると値上がりしてそうだから、スコーレでは無理かなあ。

 ドイツの過激派と言えば、一昨年になるけど柳下毅一郎のこの日のブログ。
「極右と極左は通じあう」
http://garth.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_4192.html
 これ見たいなあ。や、こういう拾い物をするためには毎年山形にまで詣でないといけないのか。

 もうすぐアカデミー賞だけど、外国語映画賞はGGA同様、イスラエルの「戦場でワルツを」でしょうかね。これも非常に楽しみです。これは監督であるイスラエル人のアリ・フォルマンが、19歳の頃に参加したレバノン紛争を振り返るドキュメンタリー。ドキュメンタリーと言ってもこれはちょっと変わっていて、全編ほぼアニメ。アリ・フォルマンが当時の記憶を確かめるためにかつての戦友と語り合うパートも、回想パートもみーんなアニメ。ま、アニメっつっても絵柄は大人向けのリアルな絵ですけど。で、この監督がなんで戦友を尋ねていくかって言うと当時の記憶をほとんど失っているからなんですが、じゃなんで記憶を失っているのかって言うと、まあそんだけ、えげつないことをしたからなんだって言うことがだんだん分かっていくという・・・。非常に胸糞悪そうで楽しみです。

※(2月8日追記)昨日、アップ済みの24日を除いた1月21日から30日までの日記をアップしたが、29日分をアップし忘れていたことに気づいたのでアップしておいた。



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