猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2008年05月31日(土) なるたる

 ああ、この間金券屋で買ったミニシアター券、今日までの有効だったんだけど、結局使わなかったなあ。もったいねえ、1200円。まあ、映画よりも家でゴロゴロしてたい今日この頃。原稿もやりたいし(て、本来それが第一義じゃないのかよ)。ああしかし、「幻影師アイゼンハイム」がすげー見たい。今日からTOHOでやってんだよなあ。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の時予告見てから、もうなんか見たくて見たくてさあ。予告で見ただけだけど、エドワード・ノートンとポール・ジアマッティ、あれはまさしく神演技よ。この間出た文春でも評判よかったし。ああーん、見たい〜っ。

 さて今日は「なるたる」に読み耽っておりました。昨日の夜から読み始めたんだけど、いやー、きっつい内容でした。噂どおり、ラストも救いがないし。人物同士のデスコミュニケーションっぷりがきつい。「ぼくらの」も大概ギスギスしてるけど、これに比べりゃまだ優しいよなあ。あと登場人物と設定が多すぎて、わたしゃ最後までこれらが把握できませんでした。特に、どの竜の子が誰のものなのかが、もう分からん(一番肝心な部分なのに)。お話自体は分かりやすいんだけどね。要するに地球規模で起こった「キャリー」ってことで。まあしかし、いじめやレイプのシーンがやったら多くて、「まあこれは『キャリー』だし」って分かってても滅入りましたよ。六巻以降は人体損壊描写もばんばん出るし。

 問題のラストだけど、これははっきり言って納得できんかったなあ。ここまでやらかしといて、どいつもこいつも己の生を簡単に投げちまいやがって。これじゃあ影で死んでった人たちが浮かばれないよ。まあこういう奴らだから竜の子とシンクロしちゃったんだろうけど。「ぼくらの」がこういうエンディングだったりしたら萎えるなあ。




2008年05月29日(木) えっ、へうげもお休み!?

 ギアスは火曜日に見た。来週はお休みですかそうですか。で、今週のモーニング。織部の「非情結構! 悪辣上等!」に笑った。でもってあー、言っちゃったか宗匠、あのことを。そうよ、いかに織部が腹黒じゃとて、宗匠の邪悪さに比べれば子供同然なのよな・・・。って、えええーっ、「へうげもの」もちょっとばかしお休み!? そんなあ、ただでさえ隔週掲載で読むの少ないのに。おうおうおうっ(涙)。




2008年05月26日(月) 今月の「風雲児たち」、「ぼくらの(ネタバレ)」

 ね、眠い。だが今日は何がなんでも近所の本屋へ行かねば。今月号のIKKIを買ってこなければ。あと乱も立ち読みせねば。

 まずはIKKIを立ち読み。いや、もちろん買うんだけど、取り敢えず立ち読みしてから買うの。だって家に帰るまで待ちきれないんだよう。その後、乱の「風雲児たち」を立ち読みして、IKKIをレジへ。

 まずは今月の「風雲児たち」。先月号でついに大老に就任した井伊直弼。いやー、長かったね、ここまでが! つってもここからもまたまた長引くんでしょうが。幕末ものでは悪役として描かれることの多い井伊直弼。が、この作品では決してそうは描かれない。てっきりのーてんき定信みたいな描かれ方になるのかなと思っていたんだけどなあ。ここでの直弼はほんとに真面目で律儀で、国際情勢に関しても冷静に把握しているのであった。生い立ちとかも含めると、まるで暴れん坊将軍吉宗ですよ。うー、こんな直弼が何をどうしたら安政の大獄なんてやらかすのだ!? 彼の徳川家に対する忠義心が、やがて彼を凶行へ追い詰めてしまうということなのか。だとしたら悲劇だよなあ。

 今月号では直弼の右腕、長野主繕が登場し、若き日の直弼との出会いから今日までの関係が描かれた。主繕もまた直弼と同様、これまでのフィクションでは悪の策士として描かれることが多かったが、ここでもまた直弼と同様、英明な人物として描かれている。この二人がいかなる過程を経て松陰や左内に死を与えるのだろうか。松陰も佐内も、当初は死罪ではなかったにも拘わらず、直弼の直接命令によって死罪に変えられたのである。うーん、相変わらず面白すぎるよ「風雲児たち」。

 さてお次は「ぼくらの」。今回はもろネタバレの感想なので、未読の方はこっから先は読まないでね。てわけでちょっと改行。






 先月号で自ら契約者となったウシロ。まあ、いずれこういう展開になるだろうとは思ってたけど、ウシロと戦う痛みを分け合う相手がもうマチしかいないってのが。今のウシロにはまさに母や妹が傍にいて欲しいとこなんだろうけど、それはもう永久に叶わないわけで。いやウシロにとっては今の状態の方が気楽なのかな。しかしウシロ以上にウシロとカナのお父ちゃんが痛々しい。この人、戦いが終わったら本当に何もかも失って一人ぼっちになってしまうんだよな。あと残り僅かな間だけでも、ウシロと親子らしい思い出を作って欲しいというのが私の個人的感情だけど、ぜってー無理だわな・・・。そもそもウシロはお父さんに対して関心が薄いし、事ここに至った今となってはウシロはもう完全に割り切っちゃってる感じだし。

 今月号ではマチもまた契約者に。でもってこの後のパイロットはマチ。そしてウシロがかつてのココペリと同じ役割を担うであろう事が示唆される。うーむ、もうこれでエンディングっすかね。や、まだ二転三転するかもしれんけど、この流れでもう終わりまで行く感じなのかなあ。残された時間で、仲間の遺族に会いに行こうと言うマチ。そうそう、それをやって欲しかったんだよ。死んじゃった仲間たちも可哀相だけど、家族だってねえ。だってこれから先も生きていかなきゃいけないんだもん。機密保持のために、家族の人たちには彼らがなぜ死んだのか全く知らされていないし、中には死んだことすら知らされていない人たちもいる。もちろん「死んだことは知らせないでくれ」っていうのが彼らの最後の望みだったんだから、それは尊重するべきなんだろうけど、やっぱりそれじゃ残された人たちにとってはあまりに残酷だ。や、もちろん知らない方がましなことなのかもしれないけど・・・。

 で、来月は「ぼくらの」休載ですと! ええええーっ!! 明日はイブニングも「少女ファイト」載ってないしなあ。なんかみんな謀ったように休んでますな。まあいいさ「ぼくらの」は。この間おんなじ作者が描いた「なるたる」をまとめ買いしたから、空白期間はこれを読んで凌ぎますよ。と、いうわけで今日はもう寝ます。あ、ギアスまだ見てない・・・。ま、いいや明日「たかじんのそこまで言って委員会」と一緒に見よう。

(6月1日追記)
 今日、書店のレシート見たら27日とあるじゃないか。記憶を一日間違えてましたよ(ボカ〜ン)。とゆわけでこれほんとは27日の日記ね。よう考えたら26日は仕事から帰ったらどこも行かんかったよなあ。やばい脳。




2008年05月19日(月) ニコ動もほどほどに

 CDプレイヤーが壊れたこともあってiTuneやニコ動に依存しまくりの今日この頃。なんだかんだで毎日30分ぐらいは貼りついてるなあ。だめじゃん。

 前はYou Tubeばっかり見てたけど、ニコ動に入ってからはニコ動オンリー。やっぱ自分とこのアニメやバラエティはこっちの方が充実してるね。画質もようつべよりいいし。ま、削除されるリスクもあるけど。

取り敢えずお気に入りをいくつか。有名どこは誰でも見てるので、半端な奴を。まずはアニメのOP。

「銀河戦国群雄伝ライ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm837262
 まさかこれを再び見られるとはなあ! 個人的にはシリーズ初期の、SEの入っていないバージョンで再見したかったけどね。ま、贅沢ですが。それにしても、くーっ、この和田薫スコアによるフルオケOPは何度聞いても素晴らしいね! けんたろ兄さんの歌声もしびれる。もちろんEDも大好きだ。原作はもちろん好きだったよ。アニメは半端なとこで終わっちゃったけど、この大河マンガは是非全ての人に読んでもらいたいものだ。絵柄がもろアニメ風なんで一見大したことなさそうに思えちゃうけど、なかなかどうして骨太な戦記ものなんですぜ!

「BLUE SEED」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm363906
 サントラ持ってたわ。原作って結局どうなったんだろ。この頃、OPにこうやってCGがちょこっと入っていると、「おお、なんか頑張って最新のハイテクを取り入れているねえ!」と思った。なんせこの頃のCGなので当時でさえ綺麗とも凄いとも思わなかったが。作画は今見ると普通か並み以下なんだろうけど、エヴァ以前のテレビアニメにおいて、これほどの作画クオリティはちょっとなかった。

「ロードス島戦記 英雄騎士伝」
http://www.youtube.com/watch?v=63o35MWtiKY
 98年。もう十年前かい。個人的に、菅野よう子の歌を使ったOPとしてはこれと「ラーゼフォン」が最高傑作だと思っている。しかしOPが神であるほど、本編がアレなものが多いような気がする。

「サイレントメビウス」
http://www.youtube.com/watch?v=jmmW31cui8s
 上のロードスと同時期に放映されてたなあ。ニコ動は削除されてたので、ようつべのを。意外と好きな人がいて嬉しいねえ。テレビ版は香津美の性格が女々しくなっててちょっとやだったけど、絵が好きだったなー。このOP、歌も映像も最高にかっこいい。ちなみに私はキディ(サイボーグのねえちゃん)が好きだった。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2502282
 一応ニコ動にもあった。音がCDから拾ったものだとかで、出だしとかのアレンジが微妙に違っている。でもさすがCD拾いなだけあって音は無駄にいい。

「ノエイン もうひとりの君へ」
http://www.youtube.com/watch?v=KauYsO5mR7M
 ぎゃ、これもニコ動にない。ついこの間のアニメのような気がしていたが、気がつけば三年前のアニメ(ファンチルだってもう四年前ですよ)。歌が好きで、このOPの映像も大好きだが、監督が赤根和樹ということでいまだに本編には二の足を踏んでいる。

「ぼくらの」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2533092
 高音質な奴を選んでみました。でも音よすぎてちょい割れてる。やあ、「アンインストール」は屈指の名曲だね! このOPは歌、映像共に神だ。「ぼくらの」のテーマや雰囲気がそのまま凝縮されておる。ああ神様石川智晶さまっ。アニメは没だったが、このOPとEDを世に出しただけでも意義はあったと言えよう。

 お次はMAD。
【MAD】「風の谷の」(「ぼくらの」OP曲で)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2479589
 「ぼくらの」のOPソング「アンインストール」にナウシカの映像を。こ、これは凄い! もう、ぞくっとくるような感動! ああナウシカ、原作読み直したくなっちゃったよ。

アンインストールをピアノ弾き語りで歌ってみた から FFXのMADつけた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm862749
 うわ、すげえ再生数。ピアノ切ないなあ。FFXを全く知らない私でも泣きました。男声の「アンインストール」もいいわあ。

東軍が倒せない
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1188822
 ロックマンの「エアーマンが倒せない」を石田三成の運命に被せて。ガラシャが出てくるタイミングがいい。ただ、この動画だとカラオケだから「エアーマンが倒せない」を知らないとちょっと楽しめんかな。元歌は以下にあるんで、なんだったらこっちを聞いてからどうぞ。
http://www.nicovideo.jp/watch/nm2839725

 他にもいろいろ。
ムハハのたかじん 2008/02/15
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2337254
 ゲストは岡田斗司夫。今明かされる、たかじんが「ガンダム」を歌った経緯! いやー、噂で聞いたことはあったけどさあ、この辺のことって。でもまさか本人の口から、しかもこんだけ細かく、ぶっちゃけで聞けようとは! 何が起こるか分からないなあ。

探偵!ナイトスクープ 栗饅頭を食べたい
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1941715
 福島県にある恐ろしく美味な栗饅頭と、同県の只見線の世にも美しい車窓。君は我慢できるか。私は無理です。この旦那の気持ち、ちょっと分かるなあ。でもいいなあ、ここ本気で行きたいよ。福島県は会津若松も含めて一度行ってみたいと思っているのだ。ちなみにこの岩井屋ってお店、栗饅頭屋としてはかなり有名というか、老舗みたいですね。って、こんなの原稿中に見たら、間違いなくやる気をなくします。




2008年05月15日(木) 今度のBSマンガ夜話は「へうげもの」!

 モーニング本誌で「へうげもの」立ち読み。織田長益が有楽斎になりました。もともとこのマンガに出てくる以前から好きだったんだよねー、有楽斎。なんか立ち位置が「太平記」の判官殿っぽくて。とは言え文化人なだけにめったに取り上げられることのなかった有楽斎。その彼がこんなに目立って描かれる作品が現れてくれてほんとに嬉しいわあ。茶々に啖呵切るとこ、かっこよかったわ。あとみんなで温泉入ってるとこ、和んだけど切なかったよ。蒲生殿は会津に行ってからすぐ死んじゃうから、蒲生殿がゲヒ殿たちと会うのってこれが最後なんだろうなあ。いやそれよりやっぱ今は宗匠ですよ。前回も今回もお出ましにならなかったよ。宗匠は出ても出なくても恐いよ! ちなみに宗匠が壮絶な切腹を遂げるのは2月28日です。ひいい。

 で、その「へうげもの」が今度BSマンガ夜話で取り上げられるってんで、あたしゃもう小躍り。ちなみに今期のラインナップはこちら。
6/17(火)山田芳裕「へうげもの」
6/18(水)雁谷哲原作・池上遼一作画「男組」
6/19(木)羽海野チカ「ハチミツとクローバー」
 ゲストは未定だとか。へうげの回は呉智英だといいんだけどな。




2008年05月14日(水) さよなら。いつかわかること

 休み中にヤフトピ見たら、渡辺文樹逮捕のニュースが。しかしどんな罪状かと思えばホテルの泊まり代踏み倒し。ちなみに逮捕したのは宮城県石巻署(ボカ〜ン)。渡辺文樹っていろいろ騒動を起こしつつも逮捕暦はなかったような覚えなんだが、そうすっとこれが氏の唯一の逮捕暦になるのか。一応反権力を売りにしている人としては、あまりにもかっこ悪い前科だな。まあ、らしいと言えばらしいけど。一緒に泊まっていたのは上映会にもいた奥さんと子供だと思うんだけど、ニュースでは妻子とは表記されていなかった(翌日、読売新聞のトピの方を見たら内縁の妻とあった)。えっ? あの人たち正式に結婚してなかったってこと? いやもしかしたら全然違う「女性」と「子供」なのかもしれんけど。しかし奥崎謙三にしてもそうだけど、こういうとんでもない奴って大概盲従型のパートナーがくっついてるよね。気違いの本人ってある意味単純だからまだ理解できる部分があるんだけど、こういう人ってほんとに理解不能で不気味。

 それにしても渡辺文樹ってまだ55歳だったんだね。意外だった。もっと年食ってんのかと。

 ま、そんなことはともかく会員レディースデーということでミリオン座にジョンキューの新作「さよなら。いつかわかること」を見てきた。ちなみに生まれて初めてのプライベートシアターでした(ボカ〜ン)。まあ、20時45分からという、勤め人には厳しい回だったせいもあるだろう。この前の18時50分からの回だったらもうちょっといたはず。あたしだって映画が85分という短尺じゃなかったら、こんな回見ないけど。

 夫婦と娘二人という一家のうち、妻がイラク戦争に従軍して戦死。お母さんが戦死したということを娘二人にどう告げたらいいか、お父さんは苦悩するというお話。地味ながらいい映画だった。イラク戦争とは何かという問題は取り敢えず置いといて、一家の生活と心情のみをひたすら追うという形にしているのがいい。一応、登場人物が戦争関連のニュースを見たり、政治や戦争の話をする場面もあるんだが、テーマとしてではなく、いち生活描写に留めている。人によるだろうが、実際戦争で家族を亡くした人というのは、確かにこういう風なんだろうなあ。お互いの心をどう支えるかが第一だよね。ま、しかしこの映画イラク人からしてみたら、「てめえら人ん家に火ぃつけといて、自分たちがちょっと火傷したぐらいでビービー騒いでんじゃねえよ」って思うよなあ。

 前評通り、ジョンキューはこれまでの持ち味とは全く正反対のキャラクターを見事に演じていた。だってあのジョンキューが、イラク戦争支持でアメリカ万歳で、そして何より音楽にも映画にもさして興味のないごく普通のアメリカ人を演じてんだぜ! ジョンキューらしさを感じるのはシカゴ人てとこくらい(こういうキャラって本来ならポール・ジアマッティとか、一昔前のケビン・スペイシーやビル・パクストン辺りが演じるもんだろうけど)。しかしあたしゃ正直な所、演技云々よりジョンキューの劣化ぶりの方に終始心がざわついておりました。もう本当にただのおっさん。つーか若い頃のうちの親父みたいな顔で、大変嫌でした(ボカ〜ン)。ま、もともとイケメンじゃなかったけれど、それにしてもひどかった。オーラ消しすぎ。願わくばこれは演技とメイクのなせる業であって欲しい。




2008年05月10日(土)

 ダビングやら編集やら一日DVD機器にかじりついていただけで一日が終わってしまいました。あかんよ、これじゃあ。ちなみに今日は12時から時専で「木枯らし紋次郎」の1話〜9話までの一挙放送をやっておりまして、RAMに保存しておりました。来週おんなじ日に10話から18話までだったかな。もともと先月の14日から「追悼 監督・市川崑」ってことで紋次郎の第一シーズンをやってくれとって、今日はさらに一挙再放送というわけ。ふふーっん、何かの合間にちょっとずつ見よっと。

 それはそうと「ホミサイド 殺人捜査課」がDVDになったんだね! 来月に第一シーズンの箱が発売ですってよ。ええ、もちろんそんなもん買うゆとりないですけど、ボーナスをなんとか(以下略)。いやあこれ、前スーパーチャンネルでやってたんだけど、ほとんどスルーしちゃってたんだよねえ。後になってから「OZ」とおんなじスタッフが作っているって知って悔しかったのよ。まあなんにしてもこれで「もう二度と見られない」という不安だけはなくなった!

 明日は大阪に遊びに行ってきますが、その後は原稿のために当分潜りますんでよろしゅうに。




2008年05月09日(金) ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

 気がついたらTHXつきの7番スクリーンでの上映は今日まで。慌てて行ってきました。でも正直、音響の悪いとこで見た方が良かったかも。音がとんでもなくでかくて時々心臓に悪かった。いやまあこれはこれでいいんだけど。

 PTA嫌いの私だが、これは面白かった。いやもう、間違いなく大当たり。やはりこれまでの個性が最大限に抑えられていたからだろう。見る前は伝記ものというか、大河ドラマ的な印象をもっていたんだが、実際にはそうじゃなかった。それっぽくしてはあるけれど、要はこれ怪獣もの。だから音楽も伊福部チック(な気がする)。二大怪獣は石油屋ダニエル・デイ=ルイスと、牧師ポール・ダノ(『リトル・ミス・サンシャイン』の喋らないお兄ちゃん!)。大河じゃない証拠にこの映画、女絡みが一切出てこないのである。強欲野郎の一代記ってなったら普通、女でウハウハってのが必ずあるはずなのに、そういうのがない。だから怪獣ものなのだ。怪獣ものっていうのは怪獣同士のバトルこそが最大のエロスなのであり、そこに間違っても女なんか出てきた日にゃあ全てが台無しなのである。

 それにしてもポール・ダノ。わたしゃダニエルさんよりポール・ダノの方が数倍恐かったよ。ダニエルはなんだかんだっつっても己の欲望に忠実なだけだからねえ。カルトよりゃ金の亡者の方が理解できるわ。その点牧師はなあ。出てくるだけで本気で「ぎゃー」って叫びたくなるキャラなんて久し振りだったよ。だから正直最後の決着は不満。もし続編ができたら、是非双子の兄さんとダニエル・デイ=ルイスを対決させて欲しいです。

 ちなみにスター怪獣以外の登場キャラは彼らを盛り上げるためだけに存在している。彼ら「背景」が逃げ惑い、無残に踏み潰される様は実にすがすがしい。




2008年05月07日(水) 4日のギアス、今月のテレプシ

 いやあ相変わらず面白すぎるわあ、ギアス。放送前は「エー、日曜の五時? けっ、どうせパンピー受けするために内容薄めるんだろー」なんて邪推して悪かったです、本当に。正直前より面白い。今回なんて、まさかナナリーがあのタイミングで、しかもあんな形で再登場するなんて! ルルとしては何が何でもナナリー奪還に動くだろうけど、それはまさにブリタニアやスザクの思う壺なわけで。ああスザクがますます憎いねえ。「ナイトオブワンになって11を貰う」なんて、一瞬「おっ、それってなかなかいいかも。ルルの方法より近道なんじゃ?」なんて迂闊にも思っちゃったけど、そんなわきゃないよなあ。てっぺんが日本人になったところで、上層の大半をブリタニア人が占めている以上、スザクがどのような改革を打ち出したところで、それを動かしてくれるブリタニア人がいるもんか。ブリタニアなんて死所詮「日本=サクライダイト、日本人=搾取する対象」っていう視点しか持ってないんだし。要するスザクが総督になったってなーんも変わらん。むしろ総督が日本人でありながら社会構造が変わらないという状況は、日本人の不満を高めるだけだ。その憎しみの矛先はアンクル・トムであるスザクに向けられる。ま、暗殺されるのがオチだな。あるいはブラック・リベリオン並みの騒乱が起こって、その責任をブリタニアから追及されて追い落とされるか(でその後日本人に殺される)。

 しかしスザクが将来本当に総督になったとして、まず何をやるかな。取り敢えずユフィの日本人虐殺はゼロの仕業ってのは公にするんだろうなあ。その上でルルーシュを処刑。で、「みんなの真の平和のため、二度と黒の騎士団のような間違った者たちを出させてはいけない」とか言って、自分のやり方に不満を抱く日本人を弾圧するの。うわー、絶対やるぞあいつなら。ま、要するにスザクは結局、どう転んでもブリタニアに利することしかできないってことだ。

 それにしても新総督がナナリーかい。でもって公式サイト見たらナナリーの姓がランペルージからヴィ・ブリタニアに変わってる! しかしこの子が公に姿を現すとなると、シャーリーたちにルルがブリタニアの王子ってことがばれるんでは。カレンにもばれるよなあ。カレンはルルの素性を知ってどういう反応を見せるのか。ルルはカレンに自分のことを話すの? いや、そんなことよりナナリーの哀れさよ。目が見えないからギアスにかかることはないけど、このまんまいくと何らかの形でユフィと似たような運命を辿りそうだよ。そんなのいやあ〜っ! ギルフォード辺りに直属騎士になってもらって、みっちり守っていただきたい。あと公式見て気になったんだけど、ナナリーの新しい家政婦さんの声がヴィレッタと同じ声の人なんだよな。これはどういうことなの? 顔も肌も違うから全くの別人ってことなんだろうけど、気になる。

 あと今日立ち読みしたダ・ヴィンチ。友達とかにはよく喋ってたけど、圧倒的な才能と絶望的な欠落が同居する異形という点において、空美ちゃん=厩戸皇子であるとする私としては、この再登場は嬉しい限り。えっ、違うんですか。中国系アメリカ人ローラ・チャン? いやあれは空美ちゃんだよ。だって先月号でさ、冒頭、六花ちゃんの夢に空美ちゃんが出て、最後のページで彼女が登場ってなったら、もう彼女は空美ちゃんでしょう。これで違ったらギシ先生、立派な「出る出る詐欺」ですよ。




2008年05月04日(日) なんでか東京へ その2

 9時起床、11時にチェックアウト。朝食はドトールでレタスドッグ。ところで今日はお昼からシンプソンズのイベントが都内で開かれておりますのよ。行きたかったけど、お昼からだもんなあ。貴重なお話がいろいろ聞けただろうし、楽しかっただろうなあ。ああでも今日の私は目の前の同人誌を買うことの方が(ボカ〜ン)。

 新宿駅のロッカーに荷物を入れようとしたが、どこも満杯。しゃあないのでロッカーのためだけにお茶の水駅へ行ってそこへ預ける。東京駅のロッカーに行くことも考えたが、あそこも一杯な時はどこも一杯なので、やっぱお茶の水。ま、今日はほぼ終日中央線ルートだからして。しかしそんな風に寄り道してたおかげで会場に着いたのは1時半。遅い。ま、肝心の本はあらかた買えたのでよし。その後は中野でお買い物。ああ欲しい! と思うものが一個あったが、ちょっと高かったので見て見ぬ振り。いやお財布は足りてるけど、ちょっと今使うにはやばい値段だ。まあ、何が何でもというほど欲しいわけでもないので今回はスルー。いろいろ回って、王民で昼食件夕食。

 その後は吉祥寺をのんびりぶーらぶら。オタクにどっぷり漬かった後は吉祥寺のこじゃれた風情がとりわけ心に染みますなあ。途中、「珈琲散歩」でカフェオレとアイスクリームのエスプレッソがけ。ここ夏にも行ったけど、んまい。バターや小麦粉の価格高騰のためか、焼き菓子類が休止になってたのが残念だったけど。

 吉祥寺駅に戻るとまだ6時半。帰りのこだまは7時57分発なので時間はまだある。そんなこんなで秋葉原へ。ああもう、せっかく吉祥寺で心の洗濯をしたのに、またオタクのただれた世界へ入りやがって、意味ねえよ。で、久し振りに寄った秋葉原は大分以前と違ってて、昔あった中古CDやDVDのお店が見つけられなかった。がくっ。でも以前なかった(と思う)大型のブックオフができてたのでそっちへ寄った。が、特に捜しものは見つからず。

 お茶の水へ荷物を撮りに寄って東京駅へ。新幹線のシートに座ったのは出発5分前だった。ちょっとやばかったな。11時半頃に帰宅。予約録画してった分がきちんと録れてるかの確認だけして、あとはすぐ風呂入って就寝。




2008年05月03日(土) なんでか東京へ その1

 なんでかって白々しいったら。スーコミへお買い物に行くんでしょう、お嬢ちゃん。というわけで行ってきた。しかも泊りがけ。二日間とも行くんかい。うん行くよ。だってアニメと漫画で日にちが分かれちゃってるんだもん。ここんとこコミケでもアニメの(つーかファンチルの)同人誌買えなくていい加減欲求不満なのよ。しかし昨日例によってギリギリで旅支度してたもんだから4時間しか寝てなくて、もう今から道中が心配だ。

 ホームできしめんを食べて7時47分発のこだまに。今回往復ともぷらっとこだま。つっても行きはグリーンしか空いてなかったもんだから、無駄にゴージャスな往路に。ああでもグリーン席っていいよね、当たり前だけど。広いし静かだし、おかげでじっくりとカタログチェックができましたよ(ボカ〜ン)。東京に着くと雨が降っていた。まあ小雨だからいっか。一応雨でも使える日傘持ってきたし。

 新橋駅のロッカーに余分な荷物を入れて、ゆりかもめへ。会場には11時半頃に到着したが、例によって入場制限してて入口までは迂回ルート。パンフを先日買っていたおかげでパンフ購入の列に巻き込まれることなく入れたけど、それでも会場に入れたのは到着から30分後。雨は少なかったけど、風が強かったせいで、持って行った紙袋がすでによれよれに。しゃあないので会場で防水のきいた紙袋を新たに購入。いの一番に「ちりとてちん」の島に行ったが、目当ての本はすでに完売。そそそんなあ。まだ12時過ぎたばっかですぜ。つかもう今回の上京はこの本買うために来たといっても過言ではないほどなのに。おんおんおん(涙)。見本用の本だけ立ち読みしたが、やはり内容は素晴らしく、それだけに悲しみは深かった・・・。ま、でもその後ファンチルの本はいろいろ買えたのでそれでよしとしようや。

 いろいろ漁った後1時ちょい過ぎに会場を脱出。新橋で荷物を出して一旦新宿のホテルへ寄った後、渋谷へ。行く先はNHKアーカイブス。なんでまた。ふふふ、以前シシガミで話題にしたフランキー堺主演の山頭火のドラマ「山頭火 何でこんなに淋しい風吹く」を見るためさ。ちょっと前に公開ライブラリーのリストをネットで見たら、あったのさこれが。ま、公開ライブラリー自体はオンラインで全国の放送局と繋がっているから地元のNHKでも見られるんだけど、地元のNHKだと土日祝祭日は一人一時間までしか見られないんだよ(まあすいてりゃ二時間でもオッケーかもしれんが)。ドラマは90分だからどう足掻いてもぶった切りなわけで。このドラマをぶった切りで見るなんて絶対嫌なので、二時間見させてもらえる渋谷を選んだ次第。

 ちなみに渋谷の公開ライブラリーはみんなの広場の辺りにぽんと建っているふれあいホールの三階にある。のだがもうここに着くまでが大変だった。いや、入口を間違えた私が悪いんだが。NHK自体、渋谷から坂をぐぐーっとのぼっていかなきゃいけないんで、それだけでもお買い物後の足には辛いのだが(代々木から行った方が近いのかも知れんけど、なんぜ代々木は行ったことがないから不安で、渋谷から行った)、そもそもどでかいNHKホール、門から門へ行くだけで一駅分ありやがる。ああこれでライブラリーの席が一杯だったらどうしてくれよう・・だったのだが、幸い三席ぐらい空いてて余裕で座れた。取り敢えず手元にハンドタオルを置いて鑑賞。

 で。小六の頃と違ってかなり冷静に見られて、その点のみ我ながら拍子抜けだった。つまらなかったとか見応えがなかったというわけではない。今見てもきつい場面はたっぷりあったし、最後はやっぱり泣いた。最後に山頭火が死んで(それも実に呆気なく)、それを見てて昔は「ああこれでやっとこの人は解放されたんだな」と思ったけど、その辺の悲しい安堵感は今見ても変わらなかった。ただ、山頭火に対しも、また当時見ていた自分に対しても、あるいは今の自分に対しても、分析的になれるようになった、ということが大きな違いか(えれー低い分析力ではあるが)。なんつーんだろ、昔はやっぱガキだったからとにかく山頭火の放つ負のオーラというものに当てられっ放しだったんだよなあ。もちろん今見てても山頭火という人間に対して分からない部分というのは一杯あるんだけど、そういうのもひっくるめて「ああ、こういうもんだよな」と腑に落ちるようになった。「にんげんだもの」みたいな。あと、今回は主人公よりもまわりの人間に目がいったかな。山頭火が何かしでかすとは、奥さんはもちろん、他にもいろんな人がその尻拭いをするんだけど、みんな理由も聞かずに親切にしてあげるんだよねえ。なんかそういう人情に凄く感動した。

 まあそれにしても、役者の演技はほんとに素晴らしかった。確かに当初は渥美清主演で進んでいたとはいえ、できあがったものを見てしまえば、もう山頭火はフランキー堺以外自分の中では有り得ない。当時は気づかなかったけど、山頭火の父親役が大地康雄で、妻役が桃井かおりなんだよね。他にも浜村純とか凄い人がちらちら出ていてその辺も大いに楽しませてもらった。

 20分ほど余った時間で山田太一の「冬構え」を見る。まあ冒頭だけなんでぶった切りでも別にいいや。こっちは地元で見よっと。どっかで平日休める時とかあるだろうし。

 6時ちょっと前にNHKを出た後、渋谷の「すうぷ屋」で夕食。いい加減疲れていたのでそのまんまホテルへ帰るつもりだったが、やっぱりまんだらけへ寄ってしまった(まあ収穫はそれなりに)。だらけを出た後、坂の途中でよさげな喫茶店がふっと目に入ったので思わず中へ。プリムローズという名前のお店で、建物の階段を上がって二階にあるお店。内装はもう完璧に素敵! だったのだが、肝心のカフェオレはあんまりおいしくなかった(まあ、よくあること)。ちなみに今日、もし元気があったら渋谷のミニシアターでまだやってる「4ヶ月、3週と2日」を見に行こうと思ってたが、予想通りそんな余力はなし。つーか、山頭火でもうお腹一杯です。もうホテルへ帰りますわい。お部屋で獲物をゆっくり味わい、明日のカタログチェックをして11時半頃就寝。



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