猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2008年02月29日(金) 「yom yom」vol.6 て言うか十二国記

 最初はこんなものが出ているなど全く知らず、友人の日記で知って仰天したというていたらくであった。一昨日発売だったわけだが、どこでも完売の様子。昨日たまたま金山に行った際、ま一応探してみっかと、わりと大きめの本屋二店を当たったが、やはり売り切れ。実のところそれほど読みたいわけでもないので、半月もすればどうせ再版されるだろうさと、他駅の本屋へは行くこともなくそのまんま帰宅。ところが今日、松坂屋本店の中にある本屋に行ったら山積みになっているじゃないか。早いなあ。取次店にはまだあったってことなのかな。まあそんなわけで予想以上に早くゲットできた次第。

 当初は邪推しまくりと言うか、かなり意地悪な気持ちで読んだのだが、二章目であっさりと陥落されてしまった。これまで発表された外伝の中では一番いいんじゃないだろうか。王や官僚たちに運命を振り回される庶民の悲しさが、なんともさくっときました。暗愚な王のもとであってもそこで生きるしかない人々。その中で最低限のつとめを果たそうとする人々。主役が王だからついついそっちばっかり見ちゃうけど、こういう話もいいなあ。と言うより、十二国記のテーマというのは「どんな境遇の人間であってもその世界に責任がある」っていうことだと思うので、これはまさしくテーマど真ん中じゃなかろうか。ま、でも王が主役である本編にしても、大体こういう地味な雰囲気の話だけど。一方で射儀の描写はファンタジーの醍醐味たっぷりの美麗さ。いやー、短い中にたっぷり詰まった話だった。

 ただそんでも贅沢言っちゃうと、これは今読みたい話じゃないんだよな。やっぱり何はなくとも泰の行く末を書いて欲しい。その上でこういう話をやってくれたら。なんてなことを思ったりしたら失道かねえ。




2008年02月28日(木) まとめ

■引き続きIKKIで「ぼくらの」を追いかけ中。各編一人死ぬのがデフォルトだが、この分だと今回もう一人死にそうで恐い。気になることは腐るほどあるが、この戦闘が終わったらウシロがどうなるのかが一番気がかり。取り敢えずフルバの慊人みたいに安直に救済して欲しくはないけど。個人的にはたっぷりと地獄に落ちてほしい。いや別にウシロのこれまでの所業を考えて倫理的にどうこうってんじゃなく、この子はそういう風にした方が輝くからさ(ニヤニヤ)。


■「ちりとてちん」、師匠が死んでからつまらん。師匠の葬式で悪乗りする京本政樹は笑ったけどさ。まあもともと困ったちゃんの多いドラマではあったが、師匠という漬物石がなくなってからもう匂い放題である。例えるなら渡辺謙亡き後の「北条時宗」。あるいは姫登場後の「風林火山」。まあそれはそれとして最悪なのは主人公よな。あたしゃもうB子が本気で憎くなってきたんですけど、どうしたらいいですか。A子がかわいそうすぎて見てらんねえよ。B子のA子に対する接し方がもう腹が立ってしょうがない。「草々と結婚して落語家になる夢も叶ったB子」が、「夢を叶えるために草々を振ってまで東京に行ったのに挫折して帰郷したA子」に何をどう言っても嫌味にしかならんと思うが。しかしA子もなんつーか、故郷はついてないことだらけだよな・・・。お母ちゃん倒れちゃったし。こういう時は兄弟が頼りだったりするもんだが、肝心の兄は家業ほっぽらかしてデキ婚しちまってるもんだから、お母ちゃんの面倒もA子一人で看なあかん。その上家業が傾きかけてるもんだから、ちょっと力のあるとこと見合い結婚せなならず・・・。橋田ドラマだってここまで理不尽な境遇はねえよ。で、そんなA子にB子が何を言うかっつったら「好きでもない人とお見合いなんかしないでお願いA子」ですよ。あほーっ。・・・いやまあなんだ。B子の中に計り知れない葛藤があって、それでどうにもならずこんなことを言ってしまったってんなら、まだ分かるけど。いやそれはないな、あのB子からして。

 しかしB子の無神経さってのはある意味リアルだよな。コンプレックスまみれでいじけてる奴って、人から与えられる劣等感に敏感なあまり、「自分が人に劣等感を与えていることだってあるかもしれない」っていう発想はゼロだからなあ。まあ超ナルの私にはB子の心理なんざ頭では分かっても、共感は全くできないが。

■コイルもグレンも結局挫折に終わったよママン。グレンは螺旋王との決戦を録り忘れて以来そのまんま予約セットすることなく、今日に至ってます。まあ、この決戦部分だけでもレンタルで補完しようとは思っているが。コイルは肝試しの回までは見たけど、もうキャラが生理的に限界。たまーにおばあちゃんとかが息抜き担当みたいにして出てくるけど、そのおばあちゃんですら私にはうぜえ。

■篤姫毎回20パー越えですかそうですか。ああっ、自分が嫌いなものが世間でこんなに支持されているなんて、本当すてきねっ。腹が立つを通り越して憎いわ。もう人一人殺しかねんよ(ボカ〜ン)。「八代将軍吉宗」の頃は「まあ大河存続のためには、たまにこういうノリの奴を入れるのもしゃあねえか」なんて思ってたさ。風林の時だって「こういうちゃんとしたのが五年に一回ぐらい見られるんなら、あとはおちゃらけでもいっか」なーんて思ってたさ。だが正直今の私はもうリアルタイムの大河はいつなくなってくれてもええと思っとる。五年に一回良作が見られたとしても、なくてよし(断言)。我が夕日町はCSに在り。四月から時専で「風と雲と虹と」が始まるしな。ああもうこれを考えると今この時もにやにやが止まりませんわよ。ちなみにすでに同志約二名からダビング依頼が来ています(ボカ〜ン)。五月あるいは八月はこの話題で盛り上がりそう。
 秋から始まる「坂の上の雲」はどうなんでしょ。印象からして私のようなうるさ方向けにやるっぽいのだが、はてさて。阿部ちゃんは好きだけど。

■今年のアカデミー賞、去年以上にご贔屓がいなくて今後のBS放送も今一つ見る気が起きず。ケイシー・アフレックぐらいかなー。ヴィゴたんもいたけど、なんか影薄そうだ。

■長谷邦夫先生の2月9日のブログ。うーむ。なぜこう石ノ森関連のニュースというのは残念なものばかりなのか。ま、それはそれとして3月16日にBS−hiでやる赤塚不二夫の特番は楽しみですな。




2008年02月22日(金) 時専で「風と雲と虹と」

 現在、時代劇専門チャンネルでは「翔ぶが如く」が放送中で、自分としては「次は太平記だよな!」と毎度のこととして根拠のない妄想を膨らましていたところ、残念ながら3月20日からは「おんな太閤記」でございますということで大層がっかりしておりました(いや別におんな太閤記があかんというわけではないけど)。が、今日時専のサイトにアクセスしたらなんとーーーっ!!!

■2ヶ月連続企画(2008年4月〜5月)
特集 加藤剛

 へっ!? まさかひょっとしてあれを・・・? とわなわなしつつ詳細をクリックしてみたら果たして! 4月17日から「風と雲と虹と」の再放送がスタートだ!! もちろん全話!! 加えてCSBS初! で、それに伴って4月16日には特別オリジナル番組として「加藤剛が語る その時代劇の世界」(昼と深夜の12時、二回放送)など! というわけでもう楽しみで死にそうです。 




2008年02月20日(水) 「アニメギガ」に田中公平

 「アニメギガ」は40分のトーク番組で、毎回アニメの監督や声優がゲストとして登場し、自分のキャリアや仕事に対するスタンスなどを語ったりする。雰囲気はいたってフランクで声優が実際にその場でアフレコを披露したりすることもある。福山潤がゲストだった時はホリックをやってくれたっけ。で、今回は公平先生とあって当然録画。本放送は昨日夜中の12時からBS−2でやってたんで、そっちで録ったんだけど、家に帰ったらBS−hiで再放送をやってやんの。なーんだハイビジョンでもやると分かってたらこっちを録画したのにい(トーク番組でも高画質にこだわる女)。

 いやーでも、面白かった。もちろんNHKだから白い公平先生だったけど、どの話も「さすが公平先生」といったものばかりで、大いに惚れ直した。以下、特に痺れたお言葉を。

 公平先生と言えば新人の頃からの超人的な多作っぷり。最初にやった作品では80曲オファーされたのだが、スケジュールの都合により6日間しかなかったという。しかも写譜の時間も考慮に入れると4日で全曲仕上げなければならなかった。しかし公平先生はこれをなんと3日半でやり遂げてしまった。しかも毎日きっちり8時間寝た上で、である。
「ここに限らずどの業界でも当てはまることなんですけど、新人の頃は人が断るような仕事をできなきゃいけないんですね。でも結局そういう過酷な条件がチャンスなんです」
 睡眠時間きっちりについては、ちゃんと寝なきゃいい曲なんて書けないし、ちゃんと睡眠時間をキープしておくために、一曲一曲を集中してガガーッと仕上げる能力がなければプロとしてやっていけない、というようなことを仰っていた。ああなんて凄まじい根性だ。比べるのもアレだが己の同人進行を思うと本当にもうなんちゅうか。

 あと、これまでのアニメの音楽家はどうしても制作陣とは隔絶感があったとし、自分はそういうのではなく、作品やスタッフには密に関わっていきたい、だからスタッフや声優同士の飲み会にもよく行く、てなことも。むう、その辺に関してそれ以上喋ると黒い公平先生になりそうな気が。

 他「サクラ大戦」のとっかかりの話なども。あとガガガの時の米たに監督から貰った曲の注文メニューが紹介されてたんだけど、これがすげー笑えたわ。番組の終わりには先生御自らの伴奏と美声でオリジナルソングを披露して下さった。公平先生はこれまでも劇伴の端っこや何かの機会で素晴らしい歌声を聞かせてくれていたわけだが、今年はついに歌手活動も念頭に入れてお仕事を進めていくそうで! こちらとしては嬉しい限りである。

 全然話変わるけど、先日職場で来年度の休日表が出された。まだ仮のものなので変わる可能性はあるが、大体変わることはないのでこんなもんでいくのだろう。気になる夏休みは16日から。って15日休み取らなきゃいけないじゃん。取れるかなあ。まあ取ってみせるけどさ。ちなみに12月は28日から。これは問題なかろう。休み取るにしても冬は絶対取れないから、ありがたい配分である。




2008年02月19日(火) あと一ミリ?

 歯列矯正もいよいよ(やっと)峠にさしかかっている。ワイヤーとブランケットを装着し始めたのが去年の四月末。その前に犬歯のすぐ奥の歯を上下左右抜いたので、四箇それぞれに歯一本分の隙間があったわけだが、ワイヤーでの矯正によってその隙間がもうほぼ埋まっていて、今やくっつく寸前まできた。ワイヤーは月に一回交換して、その度に太いワイヤーにしたり締め方を強くしたりする。月によっては特殊な輪ゴムをつけたりして全体を調整していく。装置をつけているとどうしても圧迫感があるし、器具に食べ物が引っ掛かったり、肉が噛み切れなくなったり、うっとうしいことは多々あるが、一番厄介なのはやはり口内炎だった。口内炎なんてただでさえ痛いのに、そこに器具が触れた時の痛さときたらもうもう。ま、しかしそれらの甲斐もあって徐々に徐々に隙間は小さくなっていった。そうしてついにここまできたのである。

ただ先月に限ってはかなり強烈にワイヤーを締められたから、それがなかったらもっと隙間は太かっただろう。先月の交換直後は本当に痛かった。交換すると一日二日痛いのは当然なんだけど、先月の時は四日たっても痛みが収まらなかったもんなあ。しかも食事時以外も痛かったし、口内炎もできたりして、史上最高に苦悶したことよ。まあそれも無駄ではなかったけどさ。ただ今、噛み合わせがよくないんだよな。上と下の前歯がごっつんこしてて、口を閉じるとガチッってなって食べる時に厄介なのだ。矯正してると基本的に歯が食い縛れなくなるんだけど、今はこの前歯のせいもあって余計に噛みが変なことになっている。今週土曜にまたワイヤー交換するけど、それによってこの不具合は解消されるだろうか・・・。

 装置自体は最低あと一年は続くだろう。基本的に整列までに一年必要で、整列した状態をうまくキープさせるのにまた一年と言うからな。痛いのどんとこいですよ。




2008年02月18日(月) リタイヤできず

 どうも親父の様子がおかしい。うちは毎週日曜夜8時代は、取り敢えずなんとなーくジャンクスポーツに合わせるというのに、先週からなぜか「篤姫」。無論、私の意向では決してない。母はテレビなんて興味ない人だからこちらも同様。てことは犯人は一人だ。最初のうちはまあ取り敢えずNHKに合わせたんだろう程度に思っていたのだが、昨日の様子からしてそんなもんじゃなさそうだ。なんか明らかに意図的に「篤姫」に合わせている。しかもなんかちゃんと見てる(ボカ〜ン)。まあメシ食いながらではあるが、食いながらなりにきちんと画面を追っているのだ。さらに親父、どうやら目当てはあおいちゃんであるっぽい(ボカ〜ン)。
「今度のこの主役の子いいなあ」
「なあ今度のこれって結構視聴率いいんだろ? 面白いもんなあ」
 ええい!! 私に振るなアアア!!!!

 まあね、あおいちゃんが素晴らしいのは誰に言われるまでもなく当然至極のことですよ。だけどさー、あの大概な中身だよ。私ゃ辛抱たまりませんよ全く(かと言ってチャンネル変えてもええ? とも言えん雰囲気・・)。まあ昨日の回もあおいちゃん限定ではよかったさ。両親との別れなんてジーンとしたし。でも脚本の方は相変わらず意味不明なわけで。篤姫が斉彬の養女となったことで今後はいよいよドラマも主題に向かっていくことになるから、最初の頃ほどアホなことはやらんだろうと思うのだが、そうは言っても、まっとうなもんを期待する余地はない。あああもう・・・。




2008年02月17日(日) 七つ目のボムスターは

 ニコ動で「ボンバーマンジェッターズ」を見続けているというのは、先日述べた通りなのだが。おやっ、だがどうしたのだ。ここにDVDBOXの3があるではないか(ボカ〜ン)。・・・ええまあその。大阪インテのすぐ後ぐらいに買っちゃったのよ、箱の1と3を(いずれは2も・・)。なわけで32話まではニコ動で見て、そっから先はDVDで見ておりました。いやー、接続でいらいらすることがないし、画面も大きくて綺麗だし、いいもんですなあDVDで見るのは。ええ、いくらしたかって? 聞くなよ。

 で。なんだかんだで昨日の時点で48話「激突?!ジェッター星!」まで見て、今日49話「シュヌルバルト奪還!」から感動の最終話「進め!ジェッターズ!」まで見終わりました。48〜52話までは五年前(!)に友達から借りて見たんだけど、あの時はそれ以前のエピはあらすじでしか知らない状態だったんだよな(その節は神あらすじをありがとうw)。そんな乱暴な見方してた時ですらすげー感動したけど、やっぱり本編を全部見た上でこのラストというのはもう本当にもうなんちゅうか。ゼロの最期やミスティの思いに涙したのは言うまでもないですが、今回はボン婆さんとバーディに泣いたわ。いや、前見た時だって大概泣いたけどさ。「バカヤロウ!」とか「マイティ! ここにいるぞ!!」のとこなんてボロ泣きでした。

 最後のお花にとどめをさされつつ、外を見ると雪が降っておりました。マイティが降らせてくれたよ(ちゃうちゃう)。ちなみに今お昼の一時半。いつもの日曜日だとこれからたかじん見るんだけど、とてもそんな気になれんのでタイマーにしとく。さっ、今からニコ動の方でコメントつきの最終回を見てきます(ボカ〜ン)。




2008年02月10日(日) ヒトラーの贋札

 3時からの回目当てで1時頃にシルバーへ。さすが早くに行ったおかげで整理番号は二番目。なにせシルバーはいい席が少ないからこうして早めにとっとかないとね。チケットを取った後、アニメイトへ。「ぼくらの」のオフィシャルブックと「闇金ウシジマくん」10巻を購入。シルバーにあるカフェでちまちまと読む。いやあ、どっちも鬱な内容だこと。

 「ヨーロッパ ヨーロッパ」、「鯨の中のジョナ」、「戦場のピアニスト」、「この素晴らしき世界」、「ブラックブック」その他いろいろ、ホロコーストを扱った映画で名作佳作と言われるようなものは大概被害者だった国の人が作っている。のわりにどれも人物の描き方が公平だよな。その辺がいつも不思議。まあしかしあれか。考えてもみれば、今挙げた映画作った奴って変態ばっかりじゃん(腐女子にロリコンに露出狂・・)。正面切って「これは善! これは悪!」なんて言う資格のある奴はおらんな(ボカ〜ン)。今回の「ヒトラーの贋札」にしたって、監督は「アナトミー」の人だよ。あの人間の腹を生きたまんまプスーっと引き裂く恐い映画じゃよ。パンフでは「自分には収容所の虐待を描ききる自信がない」なんて言ってたけど、できるんじゃないのあんたなら。

 ユダヤ人撲滅作戦とは言いつつも、ナチスドイツとてすべてのユダヤ人を片っ端からガス室送りにしていたわけではない。秀でた頭脳や職能の持ち主はそれ用の収容所に送って、軍事・医療その他何かにつけ役に立てていた。まあ、資源はリサイクルってことですな(ドイツなだけに)。で、本作はそんなユダヤ人たちの中でドル札の大量偽造に従事させられた男が主人公である。

 偽ドル作りというのは、敵国イギリスの経済を破綻させるためにナチスが立案したベルンハルト作戦のことである。この作戦のために各地の収容所から金融・印刷・製紙の熟練者が集められる。なんせユダヤ人ならタダでこき使えるし、作戦がばれたらみんな殺しちゃえばいいので合理的だ。そして主人公サリーはこの作戦で最も重要な技術者として、連れてこられた。何しろこいつはヨーロッパ各地で紙幣の偽造をしてブラックリスト入りした奴なのである。勿論パスポートや各種証書の偽造もお手の物だ。しかし作戦が成功したら自分たちは当面生かしといてもらえるけど、ナチスに利するってことは他大勢のユダヤ人にとっては地獄期間の延長になってしまうわけで。こういう矛盾した立場に置かれたユダヤ人もいたということだ。

 と、こんな非常に重いテーマを扱いつつ、きっちりエンターテイメントに仕上げた監督の手腕は見事。二時間半超が大半の歴史ものにおいてたった96分に仕上げてのけた構成力。贋札作りの過程なんかもハウツーもののようなわくわく感があって飽きない。一応お色気シーンもあるし。てゆかこの主人公実にセクシーなんだよな。いや、実際にはハゲだわ頭でっかちだわ、一歩間違えばロベルト・ベニーニなんだけどね。個人的に「ヨーロッパ ヨーロッパ」といろいろ似た点があるのも嬉しいところ。どっちも主人公の名前がサリーだし(『ヨーロッパ〜』はサレクでこっちはサロモンだが)。被差別者としての悲しみや怒りを抱きながらも、ちゃっかりと現実を謳歌している辺りなんかも似ている。

 とまあこういった娯楽要素がふんだんにある一方で、歴史ものに要求される「現実をどれだけきっちり描いているか」という真面目な部分もちゃんとやっていて、まあそつがないったら。女にモテモテで軽犯罪テクニック抜群で世間知もある主人公を置きつつも、決して世渡り上手君万歳映画にはなっていない。だって歴史もの、それも戦争とホロコーストの映画だから。優れた人間であってもなくても、歴史という巨大な運命の前では結局みんな役立たずなのさと言わんばかり。ユダヤ人たちの人間模様も可哀相一辺倒ではなく、「いじめられている人間はやがて自分以下のいじめられっ子を探し始める」というリアル面も惜しみなく見せている。その上であの鮮やかなエンディング。でもその鮮やかさの中に物凄い悲しみと虚無がつまっててエンドロールでは思わずぼーっとしてしまった。短くも見事な映画である。




2008年02月09日(土) 雪やこんこん

 お昼頃に起きて外を見ると辺りは一面の雪だった。うひゃー、うっそー、夢みた〜い!!! 今日は映画見に行くつもりだったけど、やめやめ! 今日は夜までずーっと外を回るぞーっ!!! ああ今日が会社じゃなくてよかった〜。るんるん。小鉢はどうしておるのやらと思って小屋を覗いてみると中で丸くなっておった。まあ無理もないか。こやつ去年は子犬だったから家ん中で一番あったかい部屋にいたもんなあ。去年と今年じゃ天国と地獄よの。

 いい感じに10センチぐらい積もっている。やったやった。取り敢えず栄。新栄の布池カトリック教会なんぞ、今日は雪を被ってさぞかし綺麗じゃろうと見に行く。が、3時半頃新栄の駅を出ると外は雨に変わっているではないか。ガーン。その後しばらくみぞれになったり雪になったりしていたが、結局4時頃には完全に雨になってしまい、足元はどんどんグズグズになっていった。あ、教会そのものは綺麗でしたよ。そっから歩いてペギーまで行きたかったが、靴ん中まで濡れてきたので地下鉄で。ペギー、客少ないかと思いきや結構入ってる。みんな取り敢えずあったまりたいのね。いつもどおりカフェオレとアイスクリームをと思ったが、なんか小腹がすいてきたのでトーストを頼んだ。喫茶店のトーストはおいしいや。ペギーを出た後はデパートをぽつぽつ回って帰宅。

 三連休とも親がいないので正月と同じくシチュー三昧。10時頃外を見ると雨がやんで雲もなくなっている。ああ夜中にはまた雪に変わるかと思ってたのに、短い夢だったな。ちょっぴりしょんぼりしながら小鉢と散歩。最初はちょっと嫌そうだったが、普通どおりに歩いてくれた。雪が大嫌いで、よう歩こうとせんかったグーとはえらい違いだ。それにしても、道の表面がカチカチのシャーベットになっていて滑りそう。何度もこけそうになったよ。雪のほとんどはシャーベットか灰色のぐちゃぐちゃになってしまっていたが、たまに綺麗な雪だまが転がってたりすると、小鉢が食っておりました。うまうま。




2008年02月08日(金) 織部十作が

 中日新聞夕刊のテレビ欄をぺろっと捲ったら左介が「『織部十作』を新たに定め 美濃物を天に轟かす!」と叫んでおった。何事かと思ったら、岐阜の若手陶芸家が「へうげもの」にあやかって現代版織部十作を作るのだとか。声かけ人は土岐市の陶芸家、青木良太さんで、へうげの大ファンで山田センセにも熱心にファンレターを送っていたとの由。参加する現代の匠は十名で、各々十点制作で合計百点。おおすげえ。ついにこういう企画が出たか! それだけじゃなくて、さらにびっくりなことにこれらがなーんと3月21日発売のへうげ6巻の購入特典として抽選で百名様に当たるのだと! ちなみに一人一点選べるそうな。うわあ、こりゃ応募しちゃうぞ!

 一方先週出たモーニング9号、本編では本阿弥光悦と小堀遠州が初登場。どっちも江戸初期の芸術家と言えばこの人というメジャーな人物だが、遠州の方はともかく光悦の方はなんか地味な感じですな。まあこれからいろいろおもろい面が出てくるのかもしれんけど。それにしても遠州はなぜオカマなのか(笑)。あとどうでもいいことだが左介殿はいつまで板をしょってるのだろうか。

 でも今回の目玉はなんてったって政宗ちゃんだよ。ついに小田原参陣だよ! いや正確にはまだ奥州にいるけど。小次郎殺しと母上追放がセリフの上でフォローされてたのにニンマリ。いや、なんせ自分つい昨日DVDで「弟を斬る」を見返した(またか。何回見てるんだ)ばっかりなんで。今回は虎哉和尚まで登場してくれて、もうサービス過剰だったね。しかしあの和尚の顔は麿赤児?

 夕刊と歴史物繋がりでちょっと別の話を。今夕刊で「下天を謀る」って藤堂高虎が主人公の小説が連載されておって、毎回読んでおります。いやー、好きなのよ藤堂高虎。戦国武将で一番好きなのはもちろん松永弾正様ですが、高虎はその次ぐらいに好きなの(ああまた行きたいぜ伊賀上野城)。ついこの間も高虎の表紙目当てに「センゴク」の14巻買っちまったぐらい。とは言え高虎を魅力的に書いてくれた小説ってまずないね。まあ成り行き上しょうがないんだけどさ。一回くらい、おべんちゃら者ではない高虎を読んでみたいなあ。で、「下天を謀る」ですが、もうつまんないのなんの(ボカ〜ン)。高虎が主人公じゃなかったら読んでないよ。まあ作者が高虎大好きなのは分かったけど、信者のマンセーみたいなのは勘弁だ。「下天を謀る」を読んだ後、決まって口直しに司馬遼太郎の「関ヶ原」読んでんだけど、まあ、比べちゃいかんが同じ人類が書いたものとは思えないくらい面白いですわ。家康のヒールっぷりがも〜うぞくぞくしますねえ(高虎はと言えばシバリョー先生なので無論ただのおべんちゃら野郎である)。昔読んだ時はもっぱら大谷刑部様マンセーだったけど、今読み返すと島左近の渋さが最高にいい。てゆか左近のかっこよさは異常。でも三成はいつ読んでも困ったちゃんですな。

※「下天を謀る」の感想ですが、その後2009年12月4日分の日記にも書いたのでよかったら読んでね。今回の感想と書いてることは変わんないけど。




2008年02月06日(水) 相棒14話「琥珀色の殺人」

 相棒1stの「殺しのカクテル」が名作なのはファンなら言わずもがなのこと。なわけで今回前と同じ櫻井脚本で蟹江敬三が再登場するのはそりゃもう物凄く楽しみにしていた。・・んだけど、正直がっかりした。これならわざわざその後なんて見たくなかったなあ。犯人の殺害動機がどうも軽いし、殺される方のキャラクターも類型的。「殺しのカクテル」の方には被害者にも加害者にも共感の余地があったんすけどねえ。ついでに言えば美和子のおばさまの思い出とか犯罪以外のドラマも面白かったのに。うーむ。



2008年02月05日(火) 夏コミ申し込んできた

 受かる落ちるは運なので定めに任せるのみだが、書類不備だけは勘弁だな。今回うっかり間違えそうになった所があったんで、まじ焦ったよ。やはり一年振りに書くといろいろと忘れている部分があるね、ふう。

 どうでもいいけど今日夕飯を外食して家に帰ったら、段々顔が痒くなってきて、鏡を見たら瞼と唇が蚊に刺されたみたいに赤く腫れててびびった。心当たりは夕食に食べた海老炒飯。私は若干海老アレルギーがあって、体調の悪い時なんかに海老を食べたりすると、ちょっと顔が痒くなったり気持ちが悪くなったりするのだ。えー、でも今日別に疲れているとかないし、海老だってそんなにたくさん入っていたわけではないぞ。そもそもこんな風に腫れるなんて初めてだ。はっ、まさか中国産(ボカ〜ン)。

 話全然変わるけど、「ちりとてちん」にはまり中です。いやー、朝ドラと言えば主演女優の登竜門で、男はあくまで添え物というのが大半だったのに、こんなに素敵男子がわらわら出てくるなんてもう夢みたい。最初は四草に目がいってたけど、今では松重190cmと小次郎おじちゃんに夢中です。時々24に変換して(以下略)。先週からはとうとう録画するようになっちゃったよ。スタパも1、3、4の分は録画したぜ。でももっと早くから録っておくべきだったっ。

 先週は丸々一週間かけて弟子ズの過去話をやってくれて、もうメロメロ。特にあのシーソー。「九官鳥の飼い方」て。そんな本持っとんなよ、かわいすぎるだろ!

 まあそんなわけでどのキャラも楽しくていいんだけど、主人公のB子だけは好きになれんですね。まあこいつがウダウダせんことには話が始まらんからしゃあないけど、何かっつうと「私ってだめなの私ってだめなの。こんな私をみんな励まして〜」っていう調子で、うざいことこの上ないです。草々じゃなくても「勝手にせえ」と言いたくなるわ。中のしほりちゃんは好きなのでその分救われてはいますが。

 まあB子はこの際どうでもよくて気になるの死亡フラグ最高潮の師匠ですよ。あんな問題だらけの弟子ズがおっちゃ死んでも死に切れんだろうに(涙)。残される弟子ズもあの師匠を失ったらどうなることやら。あたしゃ特に四草が心配だよ。他の奴らはそれぞれ「誰か」がいるけど、四草は年老いた平兵衛しかおらんのだぞ。師匠が死んで平兵衛も死んでまったら、もう四草生きていかれせんわ(涙)。あとA子も気になるわ〜。小浜に帰ってきたのはなんででしょ。何やらテレプシ千花ちゃんフラグが立っているように見えるのは私だけ? いや天下の朝ドラでギシ展開は有り得ませんけどね。ああどっちにしてもはらはら。

 あ、ちなみに顔の腫れは今日この日記を書いている間に直りました。なんだったんだ一体。




2008年02月02日(土) アメリカン・ギャングスター

 「ジェシー・ジェームズの暗殺」と「アメリカン・ギャングスター」とどっちを見るか迷った。ジェシーは160分、アメは157分。どっちも膀胱我慢大会って感じだな(ボカ〜ン)。ジェシーがそろそろ終わるから単純に考えればこっちをみるべきなんだろうけど、アメの方がドンパチが多めっぽいから取り敢えず気ぃ散らさんと見とれるだろうということで、アメにしました。ごめんよ、ケイシー・アフレック。君の出世は“Gone Baby Gone”で必ずや見届けさせてもらうので、今回は許して。

 さすがリドが監督とあって、終始飽きさせない展開ではあった。が、やはり「内容のわりには尺が長すぎる」という印象は拭えない。ベトナム戦争のどさくさを利用してドラッグで巨万の富を築く黒人マフィアのデンゼル・ワシントンと、彼を挙げようとするユダヤ系刑事ラッセル・クロウが主人公となっているのだが、物凄いドラマを背負っているはずのデンゼルの描写が妙に上っ面だけで、要所のみをぐっぐと描写すればいいはずのラッセルが必要以上に出ずっぱりなのが、どうにもアンバランス。まあ、デンゼルが感謝祭に家族揃って豪華な食事をとっているところと、ラッセルが同僚たちとジャンクフードを食ってるところが相互に映るシーンは、「フレンチ・コネクション」みたいでちょっとニヤリとしましたが。

 でもまあラッセル一人がクローズアップされるのはまだいいとして、ラッセル以外の麻薬捜査官一人一人にまでキャラを与える必要なんてなかったのではと思います。あいつらは顔出し程度でええぞ。リドにしては丁寧なキャラ描写してるかなあとは思ったが、デンゼルも含めて結局誰にも感情移入できなかったよ(ボカ〜ン)。この辺、クリント・イーストウッドやマイケル・マンだったら何の問題もなかったでしょうに。まあリドにはリドの得意分野があるんだから、そっちで存分にやって欲しいです。



 < 過去  INDEX  未来 >


バンビーナ [MAIL] [HOMEPAGE]