猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2007年04月27日(金) 大河ドラマ「武田信玄」完全版第弐集

 今朝、めざましテレビのニューヨークのコーナーでスパイナル・タップが出てきた。トライベッカ映画祭のことだったんだけど、ロブ・ライナーが環境問題に関するショート・ドキュメンタリーを作って出していたのだ。で、そのドキュメンタリーん中でミュージシャンに環境問題に関するインタビューをするシーンがあって、そのミュージシャンがロブ・ライナーなだけに当然スパタプなわけ。いやー、最初は「けっ、何が環境問題だよ。カール・ライナーの息子ともあろう者が社会派ぶりおって」なんて思ってたんだけど、シャレだと分かってちょっと安心(笑)。まあしかしいきなり奴らが出てきた時はびびったわ。一瞬だったから録画する間もなかったけど、あれはHDDに録っときたかったなあ。

 まあそれはともかく月末処理は無事終了した。まあここ数日、何箇所か地雷を踏んでしまったが、その処理も含めて無事終了(ボカ〜ン)。三連休はとにかくぐうだらする。するったらする。でも「なんでレコーダーは大河録れなかったのだ悔しいぞ」祭がしたくなったので、大河ドラマ「武田信玄」完全版第弐集を只今よりバリバリ鑑賞しております。って、あんたいつの間にそんなもん買ったのよ、金もないくせに。

 で、第弐集ということでスタートは29話「勝利と敗北」から。第四次川中島戦の後処理からドラマは始まる。第四次において信玄の弟である信繁、山本勘助(西田敏行)は戦死。あー、西田敏行の勘助って全然覚えてないからちょっと見返したかったんだけど、だめだったか。で、勘助の最後の姿を彼の妻子に伝えに行くのが鬼美濃様(宍戸錠)と平三(勘助の足軽。読みは同じだが、風林の平蔵とは全くの別キャラ。演じているのは渡辺正行)。そう、こっちの勘助は奥さんと子供がいるんだよね(ちなみに妻役は田島令子)。うっちーの勘助に比べると人間もかなり丸かったよな。それにしても宍戸錠の鬼美濃様はかっこいいなあ〜。真田幸隆との漫才もかわいいし。これと比べちゃうと宍戸開の鬼美濃はまだちょっとスケールダウンだな。ま、あれはあれでいいけど。真田幸隆を演じているのは橋爪功。風林の幸隆様と違ってこっちはかなり飄々とした人だが、乱世において貧しい豪族が生き抜く難しさもよく知る、影の苦労人である。

 後半のメインドラマは何と言っても信玄(中井貴一)とその嫡男義信(堤信一)との悲劇である。川中島合戦後、いよいよ天下への道を進もうという信玄は、都への通り道である駿河を攻めることを決意する。桶狭間で今川義元が討たれた後、今川家は嫡男の氏真が継いでいたのだが、彼は歌や蹴鞠にうつつを抜かすボンクラだった。政も大半は重臣の庵川や寿桂尼様(岸田今日子)が仕切らざるを得ない有り様である。武田にしてみれば攻めるなら今というわけだ。しかしその今川の娘を正室に持つ義信としては愛する妻の里を攻めるのは嫌でしょうがない。ましてや駿河攻めは大っ嫌いな親父の発案なのだから余計納得がいかないというもの。長年に渡る親子の対立はいよいよピークに達したのであった。

 女々しい奴め、小心者めと息子をなじる信玄。しかしそれは信玄が晴信であった頃、父信虎に吐きかけられた言葉とほぼ同じであった。傅役の飯富虎昌(児玉清)はどうにか二人の間に立って事を収めようと奔走するが、親子の感情はこじれるばかり。義信は飯富虎昌に「このままではわしは父上に殺される。そなただけでもわしと立って父上を」と懇願する(これも晴信と板垣の関係と一緒)。虎昌は全て自分に任せてくれ、若殿は何もしなくてよい、と言い、深夜にわずかな手勢を率いて信玄の館に乗り込み、信玄を暗殺しようとするが、この計画は失敗し虎昌は捕らえられる。虎昌の謀反を事前に信玄へ伝えたのは虎昌の弟、三郎兵衛(篠田三郎)であった。虎昌は謀反を起こす前に三郎兵衛に己が謀反を起こすことをそれとなく伝え、いずれ自分が捕まるようにしていたのである。しかしながら、虎昌の謀反が彼の本意でないことは誰の目にも明らかであった。「義信のせいで死ぬことはない。父の代から仕えているお前を殺したくはない。詫びれば許す。頼むから詫びてくれ」と信玄は言うが、虎昌は聞き入れない。信玄はやむなく虎昌に切腹を言い渡す。介錯は長年虎昌の戦友であった鬼美濃が行った。虎昌が死んだことで信玄の義信に対する憎しみはいや増しとなり、義信は捕らえられて東光寺の暗闇に幽閉される。

 で、まあこっから先はひたすら暗い。いや画面じゃなくてお話が。義信は最終的には自害してしまうのだが、この前後がもうねえ・・・。これに比べりゃ独眼竜政宗のトリカブトも、太平記の直義の茶菓子も全然明るいよ。またこういう役が似合ってしまう貴一もすげえ。88年のドラマだから単純計算して貴一は27歳だったわけだけど、50歳近い信玄を全く違和感なく演じているのが凄い。なんか貴一って若い頃から若いくせに内面から老いがにじみ出ていたよね・・。義信役の堤真一もこの頃はまだ24歳だったんだけど(て、こんな年近いもん同士で父子役やってたんだ)、下手じゃない。「何もかもが憎い」というセリフの裏に、父への憎しみだけではなく、夫への恨みや諏訪の姫に対する嫉妬を息子である自分にずっと押し付けてきた母三条の方に対する憎しみをも感じさせてくれるところとか、凄くいい(いや、話は悲惨だけど)。

 「武田信玄」の三条の方(紺野美沙子)は「風林火山」の池脇千鶴ちゃんと違ってかなり性悪なので、同情できない点も多々あるが、義信が自害してからの彼女はさすがに同情せざるを得ない。「私は輿入れの日から我が子が死ぬまで指折り数えていたようなものだ。こんな日が来ると分かっていたら、荒れ果てた都で野垂れ死んでいた方がよかった」というセリフには涙が出た。池脇ちゃんもいずれはこういう運命なのかと思うとやりきれんなあ・・・。にしても三条の侍女、八重(小川真由美)は恐すぎるよーっ! 岸田今日子の寿桂尼様も恐ぇけど、八重に比べりゃまだ優しいもんだ。寿桂尼様、甲斐への塩止めを思いついて「塩じゃ塩じゃ♪」なんて言うシーンなんて、かわいい。

 ああどうしよう。第壱集も欲しくなってきた(ボカ〜ン)。




2007年04月25日(水)

 20日にお休みを取って二泊三日で北海道に行ってきました。旅行記はまた後ほどに。ゲゲゲん時同様、相当先になりそうだが。まあしかし何が悲しいってよ、旅行から帰って翌日の23日、DVDレコーダーをチェックしたら「風林火山」の16話と「花の乱」の33話が録画されてなかったことよ。ギャワーンッ!!! そのくせ一番どうでもいい(つーか旅先で見た)「地球へ・・・」はバッチリ録れてやがって。でも機械の記録には全部ちゃんと録れたかのようになっておる。なぜじゃ。風林は土曜の再放送を録ればいいけど、「花の乱」は最早機会はない・・・。まあ「花の乱」は野村萬斎と萬屋錦之介が退場して以降はある意味なくてもいいんだけどね。でも、ううううう・・・。

 で、そのショックのせいかどうか知らんがばっちり風邪をひいてしまったよ(ボカ〜ン)。月曜に出勤したらまわりがみんな風邪ひいてたからヤ〜な予感はしたんだが、案の定プレゼントされてしまった。嬉しくないーっ。まあそんなにひどい風邪じゃないけど、この状態で月末支払を処理するのはきついぜよ。




2007年04月22日(日) はるばる来たぜ札幌:三日目

 サンデーモーニングを見ながら起きてチェックアウトの支度。11時頃にホテルを出た後、車でターミナルビルへ。今日はJRタワーホテル日航札幌でランチビュッフェなのさ。ははん贅沢〜(ちなみに値段は一人2000円)。予約は12時からだったんだけど、もし早めに入れてもらえるならその方がいいかな、とマアタさんがホテルの人に聞いてみると、すんなり入れてもらえた。やったやった。はあー、しかしこのビュッフェ眺めがすんごくいい。その日は晴れてたし、窓側がとれてたおかげもあって遠くの山(いやそんなに遠くでもなかったか)までくっきり見えた。椅子もでかくてふかふかだ。いやしかし雰囲気を堪能するのもいいがやはりメシじゃメシ。鶏肉をトマトで煮たのがうまそうだったが、鳥は一昨日たんまりと食ったので、取り敢えず他を。菜っ葉のいためとかパスタとかいろいろつまむ。シチューがなかなかおいしかったなー。でも一番たくさん取って食べたのはなぜかポテトフライだった。なんでわざわざって感じだが、いやこれがうまかったんだよ。

 二時間ほど食いまくった後、お昼間の札幌市街を散策。つってもまんだらけ行ってその後アニメイトなんですけどね。もうねえ、こんなとこまで来てそういうとこ行きたいのかお前はという感じですが、まあなんつうの、オタならご当地のお店を回りたいと思うのが本音じゃないですか。ちなみに札幌のメイトはなかなか広うございましたよ。おっ、「フルーツバスケット ファンブック(宴)」が置いてある。これ地元のメイトで売り切れててまだ買ってなかったんだよな。わあい。

 その後は駐車場に戻ってマアタさんのお車で千歳空港へ。まだ時間はたっぷりあるので市内でお茶するぐらい余裕なのだが、この際空港に行ってからそっちでお茶した方がゆっくりできると、札幌を後にした。景色が白樺ばかりになった頃、一メートル立方ぐらいあって柵がついている箱を何個かのっけた車が前の方に見えた。車は軽トラとかじゃなくて、バンみたいな感じのもので、件の箱は天井にくくりつけられている状態。
「なんだあれ。まさか犬でも入ってんのか」
 と喋りあっていたのだが、追い越す時にちらっと見たら本当に犬だった。えええ。なんだったんだろう。猟なのかな。

 特に渋滞もなく千歳に到着。先にチェックインして手荷物を預けた。この時点でまだ5時ちょっと過ぎ。飛行機は19時50分千歳発、名古屋21時35分着の便なので、時間はまだまだある。みやげ物をちらちらと眺める。いやー、この辺って昔っから変わってないなあ。どこ行っても白い恋人たちが売ってるよ。その後我々は飛行機の時間までずーっと、上の階にあるタリーズコーヒーでだらだらと過ごした。店の前に椅子とテーブルが並んでいるフリーのフロアがあってそこにいたのだが、無駄に広くて、お構いなしで、近くにトイレもあって、どんだけ下らない話をしても障りのない、というなんともよい場所であった(いや、シーズンの時はこうもいかんだろうが)。

 飛行機の中で今日買ったフルバファンブックを読む。高屋先生のインタビューが泣けた。名古屋へはほぼ定刻どおりに到着。ああ暑い。その上なんだか蒸しててもう上着全然いらん。てか脱いでも暑い。そんなわけで電車の中では汗だらだらになってしまった。ああこっちはこれからどんどん暑くなるのね。やだなー。




2007年04月21日(土) はるばる来たぜ札幌:二日目

 8時半頃起床。だらだらとチェックアウトの支度をする。本日は夕方まで小樽をぶらぶらして、それから札幌へ、という予定。まあ観光といっても早い話、ひたすら食うだけだが(ボカ〜ン)。まずは朝食兼昼食ということで忍路(おしょろ)にあるパン屋Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)へ。マアタさんが去年の8月27日のブログで書いていたあそこですわ。あん時うまそうだなーっと思ったんで、楽しみだ、うけけ。ホテルからの距離は車で30分くらいだったと思う。国道五号線を走っていくことになるのだが、昨日より晴れているせいか、海岸沿いの景色がいい。五号線を走って、忍路トンネル手前の分かれ道で右手の道へ入るのだが、トンネルから走ってくる車が見えにくくて結構恐い。まあ一見さんがレンタカーで通るのはやめておいた方がいいだろう。五号線を離れると、景色はいよいよ田舎である。辺鄙である。ほんとにこんな所においちいパン屋さんがあるのだろうかと心配になってくるほどである。

 しばらく進むとマアタさんが「ああ、ここここ」と言うので見ると、おお確かにブログで見たとおりのかわいらしい小屋があるじゃないか。白いペンキ塗りの小屋の傍に薪が一杯束ねてある。ああこれでパンを焼いているのね。ただ車を停める所は二、三台分くらいしかない。前を走っていた車が最後の一スペースに入ろうとしていたので、ああ困ったなあ・・と思っていたら、中から赤ちゃんをおぶった人が出てきて「あ、いいですよ、私停めませんからこっちに入れて下さい」と言って下さりほっ。お母さんはお店の中に入っていった。あ、なんだお店の人だったのか。開店時刻の11時ちょい前くらいに店に入ったのだが、中はすでにレジ待ちの客で一杯だった。つっても七、八人も入ればぎゅうぎゅうになるような狭いとこなので、あっという間に満員になるわけだが。レジの横に大きなテーブルが置いてあって、見本用にゴトゴト並んでいるパンを見て選び、レジに告げる、という注文形式である。はあ、でもどれもおいしそうで迷っちゃう〜。クロワッサンやパンオショコラは定番としてあとはどれにするかのう。なんにせよ後がつかえているのでちゃちゃっと注文せねばならず、結局マアタさんにおんぶだっこしてぱっぱと選んでもらった。いやあしかし開店しょっぱなから忙しいお店だのう。裏で旦那が焼いてたのを並べて袋に詰めてんだけど、奥さんもレジ打ちながら袋に詰めてなおかつインカムで喋ってた。

 戦場を脱出した我々は取り敢えずどっか適当な所に車を停めて食おうと、周辺をうろうろとした。そのうち小さな漁港が見えてきて、そこにまあまあのスペースがあったので、停めてがっつき始めた。最初にクロワッサンとショコラを食べた。いやしかしデニッシュなんで食いカスが半端じゃない。でもって食いカスを拾うと分かるのだが、触るとバターぎとぎとである(ズボンに落ちると一瞬で油染みがつく)。でもお味はいたってあっさりですわよ、不思議。とにかく生地そのものの味がうまい。三個目は名前は忘れたがチーズと一緒に焼かれたピザ風味のパン。いやあ、これもおいしい。しかしかたい。パンと言うより柔らかい煎餅と言えようか。でも中のパンはとっても柔らか。マアタさんが先にお腹一杯になったので、そのまんま小樽の観光地へ向けて出発となったのだが、結局私はそのパンを30分くらいかけてガリガリ食っていた。ああおいしかった。でも顎が疲れた。さあ次はケーキだケーキ。

 忍路を出て小樽市街へ。小樽と言えば幕末ファン、特に新撰組ファンには二番隊隊長永倉新八が晩年を過ごした土地として馴染み深いだろう。新撰組は嫌いだけど永倉新八と十番隊の原田左之助だけは好きだったりして。永倉新八は明治14年から19年まで樺戸集治監で看守らの剣術師範として働いていた。現在はもうその監獄はなく(当たり前だ)、月形にある樺戸博物館が当時の様子を残している。新八抜きでも、刑務所を見るのは好きなんで今日はこっちに寄るつもりだったが、時間が中途半端になってしまったのでお見送り。

 有料駐車場に車を停めて観光街へ。小樽なんで北一硝子のお店も一杯。さっきのパンの腹ごなしも兼ねてちょこちょこと首を突っ込みながら歩く。しかし団体客が多い。まあ小樽だから当たり前なんだけど。でも日本語喋ってない団体がやけに多い。みんなの中国や韓国から来てるのかねえ。ぶらぶらしているうちに目的地の「小樽洋菓子舗ルタオ」へ到着。2時頃だったが、案外すいててすんなり座れた(と思ってたらその後すぐ混んできた)。あんだけこってりしたパンを食べた後ではあったが、ちょっと歩いて小腹がすいたので、ややがっつりめなのがいいな、とカフェオレとミルフィーユを注文。有名店なだけあって味の方はやはりいい。しかしミルフィーユって大好きだけど、食べるのに難渋するよな。横に倒してナイフで切って食べるのがセオリーだけど、なかなか綺麗にいかないんだよねえ。テイクアウトして家とかでグチャグチャ食べるにしても、倒れやすい形だから持ち運びにも不便だしな。まあしかしうまい。あっちゅう間に食べ終わって少々寂しかったのでダージリンを頼んだら、嬉しいことにポットで出てきた。てかポットで出てくると分かっていたら最初から飲み物はこれだけにしたのに、ちと悔しい。そんなこんなで食ってくっちゃべって2時間を過ごす。

 その後札幌へ。市内の道すがら、マアタさんから「札幌でイベントといえばここ」という会場を指差して教えてもらう。むう、名古屋よりやばそうだ・・・(他意はない)。ホテルには5時頃到着。荷物を置いてしばらくはクカーッとしていた。気がつくと6時。なんとなくテレビをつけて二人で「地球へ・・・」を見てしまう。見んでもええのに。なんか昨日「ザ・コア」を見てしまったことに通じる何かがある。

 ちょっとだらだらした後、歩いて市内にあるインドカレー屋「スープカリーイエロー」へ向かう。それにしても札幌の街並みは碁盤目の道路といい、街の中央にあるタワーといい、名古屋の栄に気持ち悪いくらいよく似ているなあ。これで松坂屋があったら完璧に名古屋だ。

 店は入り口こそ小さいが、中は広め。店の中に70年代のレコードジャケットや音楽雑誌が一杯飾ってあった。ライブのチラシとかも置いてあってボンクラ臭濃厚。マアタさんが見つけたのだが、レジの後ろにある棚にアップルの初期モデルが置いてあったそうだ。二人ともぷりぷりエビの入ったスープカレーとラッシーを頼んだ。私は一番ゆるい辛さ、マアタさんはそれより一段強いものを頼んだ。マアタさんのを試しに一口もらったのだが、私だったらこれ全部食べるのは無理だー。ああゆるいの選んで正解。てゆか一番弱い二つでこの辛さなら、最高ランクなんてどうやって食べるんだか。お味の方はカレーとは言え実にすっきり。昨日食べた北山龍のラーメンにも共通しているが、さっぱりしておりつつ豊かな味わいがある。野菜の風味もしみていてなおうまい。お腹がすいていたとは言え、パンとケーキをたらふく食べた後じゃ途中でもたれるかも、なんて思っていたのだが、杞憂であった。もういくらでも食べられる。スパイスの妙か、体もぽかぽか。どうでもいいことだが、お膳を運んできた東アジア系のウェイターさんがえらいつるつる肌で、腕毛もなかったのが印象的であった。

 ホテルへ戻ってからは適当にだらだら。風呂に入った後何気なくテレビをつけたらデスパ妻をやっててついつい見てしまった。ああ、相変わらずフェリシティ・ホフマンが可哀相・・・。




2007年04月20日(金) はるばる来たぜ札幌:一日目

 今日から二泊三日で札幌へお出かけ。10時発の飛行機に乗るべく、家を8時ちょっと過ぎに出る。金山駅から名鉄急行を使い、中部国際空港へは9時半頃に着いた。ああしかし何が許せんって今日から三日間の札幌の天気よ。曇りのち雨ばっかりとは何事だ。許さん。例え本土が沈没しようとこの三日間、北海道は晴れろ・・・! という毒電波を飛ばしすぎたせいかどうかは知らないが、チェックインを済ませた後、急に激しい腹痛に見舞われた。その後、搭乗まで何度もトイレで悪戦苦闘する羽目に。いやあしかし、広いトイレがどこかしこにもあるっていいことだね。でもこんな形で堪能したくはなかったぞ。

 不思議と飛行機に乗った途端に腹痛はケロッと直ってしまった。なんだったんだろう。しかしながら肝心の飛行機が離陸渋滞のために20分も遅れてしまった。まあこれが飛行機というものよな。飛んでからしばらくするとドリンクサービスがやってきた。季節限定のクランベリージュースがおいしそうだったが、結局毎度のコンソメスープを貰った。天気がよくないので窓を見ても雲ばかり。スポーツ新聞を読んだ後は到着までずっとうつらうつら。

 20分遅れだった飛行機は途中でどう飛ばしたのか、結局ほぼ定刻通りに到着。手荷物も自分のはすぐに出てきて快速エアポートにもタイミングよく乗れた。エアポートに限らず北海道で乗る電車は窓からの景色が本土とは一味違っていてよい。山の木々も本土だったら杉とか樫とかが生えているところに白樺が生えていて、いかにもという感じ。まわりはみんな旅行者という感じだが、中にはサラリーマンっぽい人もいる。出張かな。まあそれ以前に今日は平日なんだよな。

 札幌駅には1時頃到着。中央北口外で待ち合わせということで駅の外に出ると小雨が降っていた。ちきしょう、空港にいた時は降っていなかったのに。マアタさんはすでに車でお待ちかねであった。ちなみに以降の道中は全てマアタさんの運転であった。なお北海道での運転は一見はやめといた方がいい。まわりがみんなスピード出しすぎなのだ。まあ名古屋が安全すぎるという面もあるが。ブルース・ブラザースのサントラをかけていただきつつ、まずは昼食ということで市内にあるラーメン屋へ。それにしても札幌の人家はどこもブルーやホワイトの色鮮やかな壁と三角屋根の家ばかりで、おもちゃの町みたいである。

「らーめん 北山龍」の名物はチベット海底岩塩ラーメンである。添加物を一切使わない独自のスープが売り。私はしょうゆ味、マアタさんは塩味を頼んだ。さっぱりしているが味がある、こくがあるけどくどくない、という理想的な味のスープである。麺が縮れた細麺で、スープがよく絡んでこれまた旨い。ネットではチャーシューが薄いという意見があって、まあ確かに薄いのだがおいしいチャーシューだったので別によし。むしろこのくらいが私にはちょうどいい。プラス200円で食べ終わった後のスープと丼をそのまま使っておじやを作ってくれる。我々の腹としてはまだまだそのくらい楽勝だったが、初日の昼からドカ食いすると後がきついからなあ、ということで断念。つか、ラーメン食べてその後おじやなんてあーた、デブ一直線ですよ。

 幾分未練を残しつつ店を出る。初日は小樽泊なのでこのまま小樽に向かってもよいのだが、札幌から小樽までは一時間そこらなので、せっかくだしと石狩浜へドライブ。北海道の道路は概ねだだっ広いが、中心街から遠ざかるとその広さは一層である。雪国なので信号機も縦型だ。雪に埋もれても歩道と車道の境目が分かるように、矢印のついた標識が一定間隔で設けられている辺りもそれらしい。車道の線がどこも随分かすれているなあと思ったのだが、聞けば、春先は季節がぶり返しやすいため、簡単にタイヤを替えられず、結果として雪のない道路でもチェーンやスタッドレスがぶんぶん通ってしまうため、このように線がかすれてしまうのだとか。へえ。

 この時サントラは「バッファロー69」になっていたのだが、いやあ寒々しい景色によく似合う。どこまでも続く広くてまっすぐな道路。オフシーズンなので閉まっている店舗群。数十メートルおきにしかない人家。バッファローもそうだが、「カポーティ」にも出てきそうな町だなあ。ああどこかの家にシリアルキラーが住んでいないかしら。死体が埋まっていないかしら。

 そろそろ海岸という所で表通りから細い道に入っていくと、突然進行方向に大鷲の群れが! いや大鷲だったかどうか知らんけど、とにかくバカでかい猛禽類が、それも見たこともない羽数で飛んでいた。死体にでもたかっているのか? 幸か不幸か道の外でかたまって飛んでいたので、ニアミスすることもなかったが、山でも海でも見たことのない光景であった。まるで「鳥」みたい。マアタさんもこんなのは初めて見ると言う。ああデジカメがあったら絶対撮ったのに。

 はまなすの丘公園ビジターセンター(オフなので閉まっている)の前に車を停めて外に出る。気温は札幌と変わらないのだろうが、ちべたい強風が常に吹いていて、上着の前を閉めないといられない。人は我々以外見当たらない(後から一組来たが)。浜茄子やらなんやら、蔓や草ばかりがぼうぼうと生えている中に小さな遊歩道が設けてあるのだが、広すぎてどこまで続いているのか見えない。聞こえるのは風と波の音ばかり。まるで夢の中か死の世界に足を踏み入れたかのごとくである。ああ、これこそ北海道だねえ。

 映画好きならご存知の如く、石狩浜は木下恵介の「喜びも悲しみも幾歳月」に登場する浜の一つである。映画に出てきた灯台もここにあり、遊歩道の脇に映画の歌碑もある。ちなみにマアタさんから聞いて初めて知ったのだが、この灯台のもともとのカラーリングは白一色で、今の赤白縞模様のカラーリングは、監督が映画映えするように塗り替えさせた色なんだそうだ。へえ。まあ確かにあの映画にはいろんな所の灯台が登場するから、何か特徴がないと観客の印象に残りにくいわな。それにしても海岸のそこかしこに「密漁禁止」とあるのはまだ普通として、「密入国禁止」とかあるのはいかにも北海道だなあ。日本海側だから海の向こうはロシアあるいは北朝鮮なのだ。

 その後また車でちょっと走ってマクンベツ湿原へと向かう。海岸そばの道路に沿って白いペンキ塗りの粗末な柵が続いている。柵の中には笹に似た変な植物がびっしりはえていた。しばらくの間は道路とボロい柵と笹もどきばかり見た。あとはたまに閉まっている海の家とゴミぐらい。ああこういう景色は何十時間見ても飽かない。こういう景色が似合う話を書きたいものだ。

 さて湿原。遊歩道の入り口が分かりにくかった。なんせオフシーズンだから他に車もなく、見当がつきにくい。そんなこんなで変なとこに入ってしまったりもしたが(笑)、一応正確な場所に到着。マクンベツ湿原は水芭蕉の名所である。ここも人っ気なしかと思いきや、遊歩道に入ると意外に人がぱらぱらといた。すれ違い様に「こんにちは」と挨拶してくる人もあり。ああ山好きの人なんだろうなあ。さすが水芭蕉の名所というだけあって株の数は多い。まだ本咲きとはいかないが、それでも充分堪能できる。湿原には水芭蕉だけではなく湿原特有の木や草が茂っているのだが、ちょっと前に嵐があったとかで、倒れかけている木々が多い。しかしこうしてつくづくと眺めるに、水芭蕉という花は絵や写真だと綺麗だが実物は大変グロい。フランソワーズは好きとか言ってたけど、奴の美的センスを疑う。マアタさんが「どう見てもエイリアンの卵」って言ってたけどほんとだよ。そんなもんがわらわらと咲いている上に、倒れかけた木や草があちこちにあって、ついでに湿原の水もところどころ油が浮いてたりするもんだから、ますますもって死の世界よろしくであった。ああこういう景色は(以下略)。

 エイリアンを見た後は小樽へ一直線。宿泊先のヒルトン小樽へ。市内にワーナーマイカルのばかでっかいショッピングセンター兼アミューズメント施設があるのだが、この中にホテルがある。ちなみに駐車場は施設の一角にあるのだが、入り口が結構分かりにくいので行く人は気をつけよう。まあしかしヒルトン小樽はヒルトンとつくだけあって、フロントも部屋も広くて綺麗だ。でもその割にはネットで予約するとかなり安いんだよね。よっぽど利用者が少ないのか? まあ北海道の中でも敢えて小樽に泊まる人はあんまりいないのかな。

 部屋に荷物を置いて一息ついた後、ちゃちゃっと支度をして温泉へ向かう。夕食のお店のラストオーダーが8時なので、風呂を早めにということで朝里川温泉へ。朝里川温泉は小樽から車で4、50分走った先にある温泉街で、スキー場としても知られている。私たちが行ったのはその中の朝里クラッセホテル。露天風呂つき大浴場があって、入湯料を払えば泊り客じゃなくても入ることができ、有料だがタオルもくれる。ネットで格安のパックがあったから当初はここに泊まろうと思ってたんだけど、ちとタイミング悪くて満室になっちゃってたんだよな。だがそれにしても広いお風呂はやっぱりいい。売店に牛乳がないのが玉に傷だが。露天風呂のまわりは白樺の森になっていて、動物の一匹や二匹いてもおかしくなさそうだ。木の枝に発光ダイオードの豆電球がついててピカピカしている。山の傍だけあって外の気温は四月下旬とはいえすこぶる低く、おかげで長湯ができた。外の閉じたパラソルを地蔵と勘違いしたのは茹だったせいだと思う・・。

 さっぱりした後は夕食の「ニューなると」へ。道すがら選挙の宣伝カーとよくすれ違う。時たま「お車からの応援ありがとうございます」などと言われたりするが(いやこちらからは何のアクションもしていない)、二人とも小樽市民ではないのだから、単にやかましいだけである。「ニューなると」の近辺は観光客がぶらぶら歩くための通りなので基本的に道が狭く、ぴょいと停められる所も見つけ辛い。それでも運良く停められそうな所が見つかったが、交番のすぐ傍というのが痛い。まあ交番からは死角だが。どうか見つかりませんように。

 小雨がぱらつく中、店内へ。内装は民宿とか田舎の居酒屋みたいな感じ(まあ実際田舎だが)。名物はマンガ肉である。いや、そんな名前じゃなかったが、るるぶを見る限りそうとしか言いようがない外見なのだからしょうがない。二人でマンガ肉の若鶏定食を頼む。マンガ肉が載った皿は給食のお皿みたいな金属製であった。なんでまた。まあ皿はともかく肉の方はうまいうまい。衣に塩味がきいててまたうまい。でもやっぱ私の腹には少々でかかった。いや正確に言えば、白いご飯が肉に合うもんだから、空腹も相まってがっつきすぎて早くお腹が膨れてしまったせいだろう。最初は楽勝で食えるかと思ったのに、三分の一くらい残してしまった。あとこの頃歯列矯正のやり始めで、すでに奥歯にブリッジがついていたので、口蓋の金具に肉が引っ掛かりまくった(笑)。

 お腹一杯でお店を退出。車は交番に見つかることなくそこにあった。ほっ。ホテルに帰った後、NHKのプレミアム10でカーペンターズの番組をやっていたので見ていたのだが、途中でふとチャンネルを変えたら日曜洋画劇場で「ザ・コア」をやっていた。ああまたしょうもないもんをと、二人で軽く突っ込みながら眺めていたのだが、結局最後まで見てしまった(ボカ〜ン)。この映画、主役二人は有り得ないくらいの幸運につぐ幸運でハッピーエンドになるんだけど、その割を食って、脇キャラの死に方のむごいこと(笑)。旅先でわざわざバカ映画を見るっていいなあ。でもこれキャストだけは豪華だよね〜。ヒラリー・スワンクとかアーロン・エッカートとか(この二人は『ブラック・ダリア』にも出てたなそーいや)。まあなんだ、二人ともこの頃は選べない立場だったのかもな。

 風呂に入ったりグダグダしつつ、一時前に就寝。




2007年04月18日(水) ブラッド・ダイヤモンド

 うーむどうしたことか。めちゃくちゃ面白かったはずなのに、感想があんまり湧いてこない。1から9まで「ホテル・ルワンダ」並みにド悲惨だったくせに、最後の10だけハリウッドエンディングだったせいだ。そうに違いない。



2007年04月15日(日) ふたつのスピカ12巻

 発売されたのは先月の23日だが、なんだかんだで買いそびれちゃってて、昨日のシルバー劇場の帰りにアニメイトに寄って購入した。アニメイトって8時閉店だったけど、いつの間にか8時半閉店になっていたのね。店員さんお疲れ様です。「地球へ・・・」のキャラグッズが出たらまた来よっと。ちなみに四日市店が近々開店するのだとか。そうそう、三重県には今までメイトがなかったんだよねえ。しかしこうなると必然的に名古屋店がいろいろヘルプするんだろうなあ。て、それよりこれよりなんですか、スピカのこの展開は! 秋が、秋があ! ああ、でも実際にこの目で確かめるまでは信じぬぞ。しかし次巻発売はまだまだ先だよ、うわーんっ。



2007年04月14日(土) 13/ザメッティ

 「善き人のためのソナタ」の頃に予告が流れていて、それがあまりにも面白そうだったので行ってきた。シルバー劇場で7日から公開されており、来週金曜までの公開である。貧しいブルーカラーの青年がふとした偶然からロシアンルーレットの賭博に参加する羽目になってしまう、という話。カイジみたいな話だが、実際カイジみたいに面白かった。上映時間は90分ちょいとコンパクトだったが、ロシアンルーレットの緊迫性や端々に見える人間の因業っぷりにぐいぐい引き込まれた。是非おすすめ。



2007年04月13日(金) ブラック・ブック

 昨日見るつもりだったけど、ゴールド/シルバー劇場のレディースデーはストレスがたまるので今日見てきた。スターキャット系の劇場はPECカードを提示すれば200円引になるからまあいいさ。金曜日は男性会員1000円の日だったからもうちょっと混むかと思ったけど、結構ガラガラだった。作品の方はめちゃめちゃ面白かった。こんな単館公開は勿体なさすぎる。


*********
(以下5月4日追記分)
 あらゲオルグ役の人って「ブラック・ブック」にも出てんのね。て、あんたこっちでも女に騙される役かい。好きねえ、あんたも。

 お話は大雑把に言ってこんな感じだ。
「ピンチ→裏切る→ピンチ→裏切る→ピンチ→裏切る→(中略)→生き残る」
 で、バホなんで隙あらばシモが入る(エロと言いたい所だがバホの超大味なエロはエロと言うよりシモ)。て、これじゃ一体何の話だかって感じだが、いたってシリアスな歴史ドラマである。オランダ人であるバホがオランダを舞台にして描いてはいるが、「祖国をナチスに蹂躙された哀れなオランダ人」はほとんど一人も出てこない。どいつもこいつもしぶとくって下品で、どこまでも己の欲望にこだわり続ける。だがそのくせ同じ心にいっぱしの愛や理想を抱いていたりする。ああなんてタチの悪い。彼らの業の深さは救い難いレベルなのだが、別に神に救ってもらわなくても生きていけるような連中ばかりなので、見ていて安堵こそすれ、殺伐とした気持ちにはならない。下品も極めれば一種の福音である。

 似ているなあと思ったのはマイベストワン作品でもあるアニエスカ・ホランドの「ヨーロッパ・ヨーロッパ 僕を愛したふたつの国」だ。ユダヤ人の主人公が嘘と裏切りを重ねて生き抜く様や、行き着く先々で周りの人間の心があっけなく変わっていく所が非常に似ているし、主人公と唯一本気で愛し合った相手がナチスだったという所も一緒だ。そしてアニエスカ・ホランドはポーランド系ユダヤ人、バーホーベンはオランダ人と、どちらも戦争時代はナチスの被害者だった。しかし作品だけ見ていると作り手が何人かは全く分からないくらい、どっちつかずの描写である。が、それにしてもバホはまさにあの時代を経験したオランダ人なのに、ようも自国人をあんなに汚く描けるよなあ。あれ下手すりゃナチスと変わんないよ。それとも実際あんなもんだったんだろうか。




2007年04月11日(水) ロング・グッドバイ

 18時30分の回で行ってきました。整理番号が004。ちなみにこれが末番でした。おいおい、一般で1300円の入場料だってのに、見に来た奴はそんだけかい。まあ今日は水曜だからみんなTOHOや109に行っちゃってるのかもしれないけど、ロバート・アルトマンのリバイバルだってのに・・・。まあいいけどね、半端な観客ってマナー悪いから、見る側としてはこういう状況の方が気楽さね。もうねえ、最近100〜200人クラスのボックスにおける観客マナーの悪さに怒り死にしそうな時があるのよ。特にゴールド/シルバー劇場はサービスデーや土日にゃ行きたくねえなあ、全く。名演小劇場も規模は同じくらいだけど、こっちは万民向けの奴やオシャレ作品はぜってえ掛からない超地味な小屋だから安心だ。ミリオンも100〜200クラスだけど、こっちは新しい分環境が整っているからまだましやね。

 と、ついついエリオット・グールドのように長々と愚痴ってしまったが、いやさすが少ない人数で鑑賞しただけあって中身にしっかり集中でき、クールな作品世界にどっぷり浸かれました。ほんとこの頃のエリオット・グールドとロバート・アルトマンは時代の人だなあ。スクリーンで見られて幸せです。




2007年04月07日(土) 「ヒロイック・エイジ」「地球へ・・・」第1話

 今日は仕事の関係で岡崎をひたすら歩いておりました。川沿いの桜が綺麗だったけど、5時起きは辛かったぜよ。でも今日から「地球へ・・・」が始まるんだ。第一話ぐらいはテレビからそのまんま見たいのでまだ寝んぞ。ついでだからテラが始まる前に録画しっ放しの「ヒロイック・エイジ」も見ておきましょ。と言うわけで早速感想を以下に。

■ヒロイック・エイジ
 ファフナーの冲方丁がシリーズ構成ということで一話をチェックした。ちなみに製作もファフナーと同じXEBECで、その他諸々のスタッフもかなり被っている。今回は登場しなかったが、OPもやっぱりファフナー同様アンジェラさんがやるそうで、来週が楽しみだ。いやーしかし同じ平井久司キャラでもファフナーに比べるとえらく見やすい絵になっていることにまず驚いた。慣れたのか、私。今日の作監は山岡信一だけど、この人はファフナーでも作監やってたんだよなあ。一体いつ何がどう変化したのやら。話の方はさっぱり見えないが、相変わらずのベタなSFという感じ。面白そうな手応えはあるので来週も予約しておこうっと。

■地球へ・・・
 OPソングに面白味がないのはソニーだからしゃあないとして、結城信輝のキャラデにはとっても満足した。まあ好き嫌いは分かれそうだが。でもキャラ表ではもっと濃ゆい線だったのが、実際のアニメ絵はそれよりあっさり目になっているので、結城絵が苦手な人でもなんとか見られるだろうか。
 しかし話はだめです(ボカ〜ン)。上っ面っていうか、原作エピソードを順番通りなぞってるだけですわ、これ。まとめるだけはまとめているから、一見さんはこんなもんかと思うだろうけど、原作読んだことあったら、「なにーっ」な所が一杯。実に、実にデジャ・ブですね(ボカ〜ン)。早くも没の匂いがするよ、ああ。20分余りの中に細かい設定を入れるのは確かに難しいけど、それを差し引いてもいただけない所がありまくりじゃ。中でも特に信じられんのはジョミーの仮両親がジョミーを本当に我が子のように慈しんでいる点。おいおい、親子関係というものが完全に機械的になっている社会じゃないのか、この世界は。
 みんな優しいけどそこに愛はないっていう、うすら寒さがあって、でも誰もそれに疑問は持たない。感動の親子愛が存在しないのと同様に児童虐待もない社会は、ある意味理想の社会なわけだし。だけどジョミーだけはそれに違和感を覚えていて、それゆえにジョミーはミュウなわけでしょ? なのにあーた、それなしにしてどうすんのよ。これじゃあ「そして昔・・・人々は皆大人も子供もいっしょに暮らしていたんだよ―――」というあの場面も重みゼロですよ。
 まあ「地球へ・・・」はそう大好きってもんでもないからダメージはないけど、コアなファンはズタズタでしょうな。OPを見る限りキースがすっごく綺麗なので、取り敢えずそれ目当てで視聴は継続するつもりです。




2007年04月06日(金) 今月の「ヴィリ」

 忘れそうになったが、今日はダ・ヴィンチの発売日であった。先月お休みだった「ヴィリ」が今月からまたスタートするのでいそいそと立ち読みした。で。・・・ええええぇ〜っ! こりゃテレプシとは全く別の意味で衝撃の展開だよ。山岸凉子恐るべし。



2007年04月04日(水) 善き人のためのソナタ

 面白い。ああなんて面白い。しかも巧い作品だなあ。全編思わず唸る小技の嵐。主要キャラの名前がゲオルグとアルベルトなのもツボ(ただし外見は似ても似つきません)。水曜日はシネコン系でレディースデーの所が多いから今日は前売り使ってゴールドに行ってきたんだが、明日ゴールドがレディースなのでまた行ってくる。ちなみに今日は試写会をやっていた関係で時間帯が通常よりずれていて、しかもゴールドじゃなくてシルバーでの上映だった。整理番号は006だったけど、ちゃんといい席に座れたのでよかった。明日のレディースデーもちゃんと座れるといいんだが。

 さらに。ロバート・アルトマンの遺作となった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」が14日からミリオン座で始まることに絡んで同劇場にて「追悼 ロバート・アルトマン」として「バレエ・カンパニー」と「ロング・グッドバイ」がリバイバル上映される。やったーっ! 詳しくはこちらの上映スケジュールを参照http://www.eigaya.com/index.html「ロング・グッドバイ」は前にDVDが出たけどまだ見ていないので是非劇場で見たいぞ。でもなんでもう一個が「バレエ・カンパニー」なんだよ。ここは「M★A★S★H」をやるのが筋なのでは!? 「M★A★S★H」だったら仕事さぼっても見に行くのに(いけません!)。


******************
(以下5月1日追記分)
 ま、感想っつうよりつぶやきですけど。

 いやあやっぱドイツってナチでも共産主義でも、やることマメだよね。相手が例え反逆者でも証拠きっちり挙げてから捕まえるしさ。

で、まあそれはそれとして。

現実に起こった悲劇は、恐怖の全体主義国家のせいなのか。それともその人間の持っているどうしようもない部分から生まれたものなのか。ゲオルグはアルベルトやクリスタ、そして自分自身を救うために国家に挑んだが、結局彼は誰も救うことができなかった。彼が国家を告発するために書いた論文の内容を思えば、二人の末路は本当に痛々しいものがある。壁が崩壊した後ゲオルグが書けなくなったのは、誰も救えなかった悲しみからであることは明らかだが、それ以上に、結局自分は愛のためでもなく正義のためでもなく、己の弱さや愚かさを糊塗するために芸術に逃げ、「国家との戦い」という物語にのめりこんでいったのだ、と悟ってしまったからではないだろうか。さらにもう一つ、創作力がなくなることを最も恐れていたにも拘わらず、実際には芸術が作れなくても、それどころか一番愛していた人間を失ってもなお、それなりに生きていけてしまう自分というものが、どうしても受け入れられなかったからではないだろうか。・・・で何が言いたいかというと名前こそゲオルグだけどこの人境遇はどっちかっつーとアルベルトだよね! 萌え! ってことです(ボカ〜ン)。ゲオルグ役の人はあのゲオルグとは全然似てないんだけど、メガネをかけた顔が出てきたりするとついニヤニヤしてしまいました、はい。

 あ、あと真の主人公であるシュタージのおじちゃんなんだけど、パンフの解説とかで言われている「ゲオルグたちの芸術に感動するうちに彼らに加担するようになった」っていう解釈がねえ、あたしゃどうしても納得できんな。芸術なんてこの話ん中じゃはっきり言って四の次五の次ぐらいにしか見えんかったよ、少なくとも私には。アルベルトの遺作を耳にしてヴィースラーは盗聴器の向こうで涙を流すけど、あの涙は音楽に感動して流した涙には見えなかった。あれは羨望の涙だ。でも本来ヴィースラーは彼らを羨ましがる必要なんてない。だってヴィースラーにはヴィースラーの「芸術」がある。彼は共産主義を信じ、国家に尽くし、そしてそんな自分に誇りを持っているのである。ただヴィースラーには誰もいないのだ。どんなに素晴らしい生き方をしていても、道を同じくする者がいなければいつかは虚しくなってしまう。ゲオルグたちが持っている絆は、かつては自分も持っていたであろう絆なのだ。だからでこそ今まさに仲間と繋がって生きている彼らが羨ましく、アルベルトを失った彼らの悲しみが我がことのように思え、涙を流さずにはいられなかったのだ。アルベルトの遺作を弾きながらゲオルグは「この曲を聴いた者は悪人にはなれない」などとめでたいことを言う。まあ実際この物語に悪人は一人もいない。でもそれは芸術のおかげではない。結局人は悪人だろうが善人だろうが、誰もが孤独で、例えそうでない者がいたとしても、明日にはもう誰もいないということがごく当たり前に起こるからだ。それが作品の真のメッセージではなかろうか。

 納得できんついでにもう一個。パンフの中で監督もヴィースラー役の人も「グッバイ、レーニン!」のことを「東独時代を茶化したり美化したり、けしからん作品」みたいに言ってるのよな。・・・ええっ、そうなの? そう見えるの? まあ私みたいな外人が何言ってもしゃあないけどさ、あれって極めて真面目な作品だと思ったんだけどなあ。まあ当事者の目からするといろいろ複雑なものがあるのかね。




2007年04月03日(火) ドリームガールズ

 というわけで、おっきい箱でやっている間に見に行ってきたわけだが、振り返ってみればミュージカル場面とエディ・マーフィ以外あまり見所のない映画だった。見事なショーとその裏で繰り広げられる芸人たちのエゴのぶつかり合いを描く話なんだけど、展開も描写も、さらにはディテールですらもどっかで見たようなもんばっかりで、さらにそれらが突っ込みも浅いままに続き、どうにも退屈だった。何より主人公である天童よしみ・・じゃねーや、ジェニファー・ハドソンの芸に対する執着が今一つ見えにくかった点が痛い。歌はこいつが一番巧いっていうのは分かるんだけどねえ。対仕事にしろ対己にしろ、どう見てもビヨンセの方がジェニファー・ハドソンより誠実じゃんよ。遅刻もしないし、まわりに文句も言わないしさ。ジェニファー・ハドソンも最後は自分の歌に対する愛を再確認して、過去の行いを反省するわけなんだけど、それでもやっぱりビヨンセの方がストイックで、ジェニファー・ハドソンはワガママな甘ちゃんにしか見えなかった。本来逆じゃなきゃいけないような気がすんだが。

 エディ・マーフィは神。ま、十代の頃からの十八番、JBのパフォーマンスなんだから当然っちゃ当然だけど。取り敢えず四、五年に一度こういう役をやってくれればあとはぬるいファミリーコメディで結構です。ああなんか久し振りにSNLのLDを見返したくなったぞ。




2007年04月02日(月) 受付確認ハガキ届いた

 あれ、なんかいつもより届くの早くないか? 毎年こんなもんだったっけ。まあ番号を見る限りこっちの書類不備はなさそうだからいいんだけど。サイトにある通り今回は009ですが、恐ろしいことに冬のあれから一行たりとも進んでいません。そもそも原稿自体見返していない。我が事ながらうすら寒いよ、ぎゃわーん。しかしどっちにしても当分は書くの無理だなあ。事務職の人はこの時期大体こんなもんだろうけど、私も年次更新の真っ只中で脳みそが磨耗してきておる。小説書く脳ぢからがない。ないよう。他のもん見て感想書く程度の脳みそならこの通りあるし、逆に少しでも鑑賞脳みそを使っていないと、オタク脳全域にガタがきそう。しっかし明日が臨時休日ってのがいやんなるよ、もう。出勤さして欲しいわい。


 < 過去  INDEX  未来 >


バンビーナ [MAIL] [HOMEPAGE]