猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2005年09月29日(木) 一生に一度かもしれない

 自分でもほんとに不思議なんだけど、ここんとこ「日記を書くのはおいといて、今は小説が書きたくてしょうがない」状態です。今日だってレディースデーなんだからセンチュリーシネマに「メゾン・ド・ヒミコ」でも見に行きゃいいのに(ま、これはDVDでいいや)。いつもいつも暇さえあれば雑文やビデオ鑑賞で現実逃避しているこの私なのに。有り得ないよ、こんなの。なんだか私じゃないみたい(ボカ〜ン)。なんでだろう。

 いや、そんなことを考える必要はない。このグランドスラムなみの貴重かつ珍奇な機会はきっと多分もうないだろうから(笑)、今は何も考えず小説書いていた方がいいね。だって、少なくとも次の五月までは続きそうにないよ〜。というわけで、芸術の秋らしくこれよりしばらくはそっちに没頭することにする。日記は(またいつも通り)ちびちびになりますが、まあよしなに。

 あ、でもこれだけは言っとかんと。「酔っぱらった馬の時間」、「わが故郷の歌」で知られるクルド人映画監督、バフマン・ゴバディの「亀も空を飛ぶ」は皆さん是非見に行きましょう。名古屋では十月下旬から公開なんで私は当然まだ見ていない分際なわけだけど、もう傑作に違いないと断言します! 決してだらっと見られるような内容じゃないんだけど、とにかく力強いものを心に残してくれる、そんな作品を見たい人は是非見に行け、と言いたい。この人の作品はなかなかDVD化されないので劇場公開を逃すと泣きを見ます。なんなら前売り買っておく方がいいですよ。




2005年09月28日(水) 銀河ヒッチハイク・ガイド

 今日から二連休。そろそろ終わっちゃいそうなので絶対今日見に行こうと思っていた「銀河ヒッチハイク・ガイド」を見てきました。友達が面白かったと言っていたし、他でもちょこちょこいい評判を聞いてたんだけど、いやー実際世評通り面白かった! クリストファー・ゲストやウェス・アンダーソンのようなオフビート・コメディを愛する者には、この作品のノリはたまりませんな。脇が無駄に豪華キャストってとこもいい(あ、でもジョン・マルコビッチはパンフレットを立ち読みするまで分かりませんでした。とほほ)。特に「宇宙でも一、二を争うほど高性能なんだけど年中鬱病」のロボットの声がアラン・リックマンというのがいい(笑)。ギャラクエのトカゲヘッドとか、「ドグマ」の「天使だから性別はないんだよ」とか言いながら何もついてない股間をわざわざ見せる天使とか、この人ほんとに天下のシェイクスピア役者なんだろうか(笑)。

 ただこういう作品を鑑賞するのって、ある意味体力がいるんだよな。展開がハードで画面も豪華っていう、作品自体の血圧が高い映画って疲れている時でも案外見られちゃったりするもんだけど、こういう血圧が低い映画って下手にこっちが疲れていたりすると途中で寝ちまうんだよな、どんなに好きでも。はたしてストーリーの真ん中あたりはちょっと眠かったよ。地球が一瞬のうちに全生命もろとも消滅したり、宇宙のカラクリを解き明かそうと奔走したりと、ストーリーだけなら高血圧なんだけどね。

 何せ原作を読んだことがないので手放しに誉めていいものかどうかは分からないけど、秋に相応しい大人の楽しい映画でした。




2005年09月21日(水) ライフ・アクアティックが届いた

 家に帰ったら「ライフ・アクアティック」のコレクターズ・エディションDVDが届いていた。昨日の夜にアマゾンから「メール便で発送しました」とのメールを受け取っていたので、今朝家を出た時から楽しみにしていたんだよな〜。

 というわけで今日はビルのお誕生日だから景気よくいくぜと、ご飯を食べた後早速再生(繋がり不明)。パッケージを開けてリーフレットを読むと、ビルの吹替はなんと安原義人! うわあ、安原義人がビルをあてるのって「恋はデジャ・ブ」以来じゃん! 正直もう安原義人がビルをあてることはないだろうと思っていたので、これは嬉しい。そりゃ江原正士もいいに決まってるけど、やっぱり「ゴーストバスターズ」をはじめとする安原義人の絶妙っぷりも捨て難いわけで。

 そんなわけで音声解説をじっくり聞くだけにするつもりだったのを返上して、今日は吹替版で最初から最後まで堪能してしまった。もちろんすごーくよかった。ただ、ビルの方が安原義人があててた頃から大分老けちまったのに対し、安原義人の方は相変わらず若々しい声だったので時々違和感を覚えたのは確か(笑)。ちなみに息子役のオーウェン・ウィルソンの方の声は平田広明。んー、こっちはオーウェン・ウィルソンには明らかにもったいない。声の演技は上手いのに表情の演技は全然下手なもんだからこっちもある意味違和感あり(笑)。ま、オーウェン・ウィルソンはあの棒読みっぷりが味なんで、下手は下手でも欠点に繋がる下手ではないんだけどね。ただそれならやっぱり同じような芸風の声優をあてるべきではあるよな。

 ドキュメンタリーもちょこっと見たけど、ウェス・アンダーソンのビルへの萌えっぷりが相変わらずだったのが自分的に一番よかったところかな。て、それだけかい、あんた。




2005年09月20日(火) 一日遅れだけど

 昨日は結局残業で、当然ながら三越のユーハイムに寄ってくどこじゃなかった。で、火曜日は三越は定休なわけである。なんで昨日を休みにしなかったのかな、私。先月希望シフトを出した頃の自分を絞め殺してやりたいわい。まあ先月の今頃の私じゃあ、そんなことに気がつくはずもないか。はあ。

 でも松坂屋にもユーハイムってあったよね、と松坂屋に足を運んだのだが、松坂屋のユーハイムはクッキーしか置いていないのだった(高まるやさぐれ)。しかし待て。九月といえば決算月だから三越もひょっとしたらやっているかもしれないじゃないか。というわけでダメもとで三越まで足をのばしてみたら、めでたくも営業していた。きっと私のためだよな。そう思うことにしちゃうぜ。

 今年も去年と同じくレッフェルクーヘンを買ったのだが、「ドイチュランド」なるステキな名前のケーキがあったのでそれも一個買った。中身はナッツ、チョコレート、とあと分かんないけど何かのムースの三層になっていて、外はてかてかのどす黒いチョコでコーティングされている。で、その上にちょっとウェーブのかかった薄い板状のホワイトチョコがのっかっていて、さらにそのチョコの上に黒、赤、黄色のパウダーがまぶしてあるというもの。味は外側のチョコがとにかく激甘かった。その後食べたレッフェルクーヘンが薄甘く思えるほど。中身のムースは普通においしい甘さだった。というわけで今年もアルベルトお誕生日おめでとう〜。

 ところで世間では角川から石ノ森の全集が出るってことに関していろいろ悲鳴が上がっておるようですな。私はファンじゃないんで痛くも痒くもないっちゅうか、むしろ、「きたきた! 石ノ森のビンボー話!」といつものとおり黒く楽しんでおりますが。詳しくは知らないけど、全巻揃いで六十万ちょっとで、全巻購入特典が例のビジュコンのDVDと創作ノートなんだとか。いやー、なんちゅうか昨日今日資本主義社会になった旧社会主義国みたいな商売ですな。まあ非常に石ノ森らしいビンボくってイモ臭い話題だよなあ。これも菊容子の祟りなんかね。




2005年09月16日(金) 海辺の家(BS−hi)

 「ハイビジョン金曜シネマ」枠で夜の十時から「海辺の家」をやっていたので見た。監督は「レイジング・ブル」、「ライトスタッフ」「グッドフェローズ」等のプロデューサーをやっていたアーウィン・ウィンクラー。監督としては「真実の瞬間」、「五線譜のラブレター」の人。主演はケビン・クライン。

 長年建築会社に勤めてきたものの、パソコンを使えない(使わない)ためにクビとなり、挙句その日のうちに自分が末期ガンで余命数ヶ月と知ってしまったジョージ。彼に残されたものと言えば、十年前に離婚して別れた妻と息子(ヘイデン・クリステンセン)、それと、物心ついた時から壊したいと思っていた生家だけだった。ジョージには昔から夢があった。何一ついい思い出のない生家を取り壊してそこに自分が設計した美しい家を建て、家族と睦まじく暮らす。しかし妻も息子も今は所詮別の家庭の人間。せめて息子とは時間を作りたいと願うものの、彼はまわりの人間全てに心を閉ざし、薬に溺れていた。

 ラストも含めて何から何まで想像通りの展開なんだろうなあと思っていたので、今まで見る気がしなかったのだが、実際の内容ははたしてその通りの内容だった。ただしいい意味で、である。泣かせ所はどこにでもあるような泣かせ所なのだが、「今得た幸せで過去を取り戻せるわけではない」という思想が基調としてあるので主人公たちの行動や心理がとても切実に感じられる。

 それと情景美が素晴らしい。西海岸の澄んだ海、その海に沿う町並みが絵のように美しい。その上今回はハイビジョンだったので最初から最後までうっとりと見入ってしまった。

 それとやっぱりケビン・クラインがいい〜。あまりによすぎて息子のヘイデン君が最初のうち単なるイタタちゃんにしか見えないってのが完成度の高いこの作品の唯一の欠点だろうか。まあ劇中のヘイデンは頭に青のメッシュを入れ顔にピアスをし部屋の壁にはマリリン・マンソンのポスターを貼っているという、実際イタタちゃんだったりするが。「あーもうあたしの親父がケビン・クラインで末期ガンだったらもう絶対ほっとかんのになあ。ヘイデンのバカバカ!」と、映画とは全然関係ないとこでイライラしちまったり。ストーリーとは直接関係ないけどこの映画、劇中でケビン・クラインが犬にペロペロされたり、ステキな胸毛を披露しつつ海に飛び込んだり、と萌え度もさりげなく高い。あとヘイデン君はやっぱり美しいねえ。親父がケビン・クラインで息子がヘイデン、なんてまさに映画でしか有り得ない親子だよ。それにしてもケビン・クラインの実生活での子供ってどんな顔しているのかな。ま、ケビン・クラインとフィービー・ケイツの子供ならばよほどの間違いがない限り美人に決まっているだろうけど。




2005年09月15日(木) あの人は今

 お休みの日が木曜日ってんなら映画館に行きたいのが山々なんだが、たまには栄近辺でぶらぶらお買い物をしたいなあ、と思ったので今日は一日そうしていた。まずは下着を買いに。前回採寸したのは一昨年だったんだが、今回計ってもらったら大体どこも一センチずつくらい縮んでた。まあ夏だから当たり前と言えば当たり前なんだが前に計った時も夏だったことを考えると、普通に縮んだってことか。どおりで最近ズボンがはきやすいはずだよ。

 その後は愛知県芸術文化センターへゴッホ展を見に行った。別に大して興味があるわけじゃなかったのだが、まあこんな機会でもない限り生でゴッホの絵を見るなんてまずなさそうなんで一応。入ったのは三時か四時頃だったんだが、平日だってのに人の数は噂通りとても多かった。もう夏休みは終わったし、ひまわりも戻っちゃったから少しは減っているかと思ったんだが。でもって超有名画家なだけに客層がよくない。はっきり言ってうるさい。まあでも名古屋はまだましなんだろうな。東京の妹が行った時は、通勤ラッシュ並みでそもそも見るどこじゃなかったつうからなあ。

 美術館を出てからは、ペギー喫茶店でお茶とケーキ。前回行った時のレモンパイはもうなくなっていて、今日はフルーツケーキ。相変わらずおいしかった。それからノリタケのショールームに行ってくまのプーさんのクリーマーを買った。しかし小さいことながら少々腑に落ちないことがあった。私が買ったのは原作絵柄のものだったんだが、なんでこれにまでディズニーのロゴが入ってるんだ? まあディズニーにおけるプーさんは手塚におけるトリトンや日アにとってのハイジと同じく鬼門なのであまり深くは考えんが。

 続いてまんだらけで同人誌を漁る。嬉しいことに宝を発見(ジャンルと作者は敢えて伏せておく)。この人のこのジャンルの本はすでに二冊持っていて、そのうちの一冊は個人的に右の最高傑作で、今日発見したこれは左の最高傑作として長年探し続けてきたものだった。なんせ十年近く前の本なので発見はほとんど諦めていただけに、ゲットできて大興奮である。ビンテージ本のフロアでは昔コロコロコミックで連載していた竹村よしひこの「ビックリマン」の二巻から六巻までを発見。うわーい、これ小学生の頃大好きだったんだよ。ああ、たまに出かけるといいことあるなあ。

 帰宅した後は件のお宝同人誌をひたすら読む。ううー、やっぱり素晴らしい。とにかく読む側にネガティブな負荷がまったくかからないってのがいい。絵やセリフが自分の中に吸いついてくるような感じとでも言おうか。決して幸せな話ではないんだけど、読んだ後とても幸せな気持ちになれた。それに前に読んだ時よりいろいろ深読みできたし。作者さんのあとがきを読んでも共感することしきり。

 しかしこの作者さん、今どこにいるんだろうな。オンでもオフでもさっぱり見かけんし。単に自分の探し方が悪いだけでご本人さんはご本人さんの場所で堂々と活躍してらっしゃるのかもしれないけど、それならそれで今どこにいるのか本気で知りたいよ。




2005年09月08日(木) 取り敢えずここ最近についてまとめ書き

 まあとにかく覚えていることだけ書き残しておきましょ。

■今日は夕方の三時からBS2でアクターズ・スタジオ・インタビュー。ゲストはジェームズ・カーン。ま、別に興味もなかったんだけど暇だったのでなんとなく最後まで見ておりました。しかし生い立ちは意外だったな。「ゴッドファーザー」のソニーのイメージから勝手にイタリア系だと思っていたんだが、実は両親共にドイツ系ユダヤ人なんだそうで(母の兄弟は何人かホロコーストで死んだ、と語っていた)。まあ考えてみりゃこの苗字ならどう考えてもドイツ系だよなあ。もっとも私のような勘違いをしている輩はアメリカでも少なくないらしく、ある年なぜか「今年のイタリア人」に選ばれたりして苦笑いしたとか。
 強面とか乱暴者とか言われているジェームズ・カーンだけど、番組の途中で流れた「ミザリー」のキャシー・ベイツの方が私には千倍くらい恐かったわ。夢に出そう。
 ところでまだ先の話だけど、ついにエド・ハリスのアクターズ・スタジオ・インタビューをやってくれるんだって! 日にちは10月12日、時間は夕方三時からBS2で。もちろんD−VHSで永久保存決定です!

■ペーパーにも書いたけどこの間スーパーチャンネルでついに最終回を迎えた「OZ」にはまり中。いつもながら何にでもはまるのが遅い私だ。ちょっとおどろおどろしい番宣に惹かれてたまに見てはいたんだが、やったらキツそうな内容だったんで毎回見るのは敢えてしなかった。あとその頃物語自体がかなり進んでいて、予習する必要があったんだけど、それがめんどかったってのもあって敢えてあまり興味を持たないようにしていたのだ。なのに第四シーズンの後に放送された「OZファイル(これまでのおさらい用の特番)」をうっかり見たらまんまとガーっと引き込まれてしまった。ところが第五の初回を見逃してしまったために、なんだかんだで第五シーズンまでをもスルーしっぱなしのまま、結局「ついに最終シーズン!」ってことで慌てて第六シーズンからやっと見たわけである(予習は各地のファンサイトにあったエピソードガイドを見て済ませた)。
 いやあしかし・・・。やっぱり最初の私の勘は正しかったよ。傑作には違いないけど相当キツいわ、このドラマ。数々の因業モノでならしたこの私のタワシ毛の如き感性をもってしても骨の髄まで打ちのめされる鬱展開の数々・・・。ここの世界と比べれば、児童虐待や未成年の薬物依存のエピソードが毎回出てくるとはいえ、ERやサードウォッチの世界なんてまだまだあったかいなあ、と思えるよ。ま、片や病院、片や刑務所ではそれも当たり前と言えば当たり前なんだが。ちなみに私はミゲルが好きだったんだが、最終回の彼は思い出すだに哀れ・・・。
 そんな「OZ」だが嬉しいことに10月から第一話からの放送をまたやってくれるそうだ。取り敢えず全話DVDに落とすぜ。

■「OZ」と同じく「サードウォッチ」にもはまっております。ドラマの内容は「ER」の舞台をニューヨークに移して登場人物を警察、消防士、救命士に振り分けたもんだと思ってくれていい(つか製作者がERと一緒)。日本で最初に放送したのはWOWOWだったんだけど、去年辺りからスパチャンでもやっているというわけです。
 第一シーズンのリピートがあんまり長いんで、もしかしてスパチャンでは第二シーズンはやってもらえないのかと心配していたんだが、来週からついに第二シーズンもやってくれるんだそうだ。とっても嬉しい。しかし番宣で流れたストーリー見てると、いろんな意味で心臓に悪そうな展開のようですな。あと、その番宣見てて何がびっくりしたって、ボビーの幼馴染として登場する新キャラの役者さんが「OZ」のミゲルだったってことですよ。ちなみに「OZ」第六シーズンでミゲルを誘惑するトルケマダの中の人はボビーの人だったりするわけで、なんかもう脳内が祭りです。こっちのミゲルの声はどうなるんかな。ボビーの声は成田剣だったけど、トルケマダは違ってたから、「OZ」とおんなじじゃないかもしんないな。
 それにしても「長年独身だったサリーに恋人が」ってのはどうなのよ。しかも一回り以上年下で、んでもって実は厄介な問題を抱えててサリーがそれに巻き込まれるて・・・。ああ、サリーのイメージが・・・。
 「夫が失業中にも拘わらず、妊娠してしまったヨーカスは、ついに重大な決断を下す」って、その展開で決断ゆうたら一個しかないじゃん。ああ、ヨーカスをこれ以上不幸にせんでくれえ。この人がまっとうでいないとボスコが危険なんじゃあ。
 「再婚を控えたジミー、それに対するキムは」って、こいつらはどうでもいい(笑)。

■8月14日はメルシャン品川アイマックスシアターに「バットマン・ビギンズ」を見にいってきました。アイマックスの映画館って入るの初めてだったんだけど、いやーでかかったね〜。目の前はひたすらスクリーン。画面がでかい分劇場の勾配がかなりあるので前に誰が座ろうと大丈夫(あ、でも位置によっては字幕が見辛かったりするかも)。とにかくでかいので席はうんと後ろの方じゃないとえらいことになるよ。
 そんなこんなで再見した「バットマン・ビギンズ」は大変堪能できました。なんか初めて見るシーンも一杯あってなおさら感動。どうやら初見の際、私は上映時間のほぼ半分を寝潰していたらしいです。
 それにつけてもマイケル・ケインは素晴らしかったね。ブルースぼっちゃまへの慈愛ビームを見ているだけでこっちはもう幸せ一杯の気分だよ。アルフレッドのぼっちゃま探知能力も凄いね。ぼっちゃまが地球の裏側にいようが誰よりも早くお迎えに現れるんだからさ。実は坊ちゃまの体の中に発信機の類でもこっそり埋め込んでいるのでは、と邪推してしまったんだけど、あのアルフレッドさんはそんなもんなくても愛の力でぼっちゃまのもとへ駆けつけているのだ、と映画を見ているうちに思い直したよ。うん、やっぱこういうのがよくできた映画ってやつなんだよな。
 ちなみに「サイダーハウス・ルール」ではケイン先生の慈愛ビームがそれこそ死ぬほど浴びられます。おすすめ。

■今月一日に見た「ライフ・イズ・ミラクル」は相変わらずのエミール・クストリッツァ・ワールドでありました。舞台は「アンダー・グラウンド」や「黒猫・白猫」などのこれまでのエミール・クストリッツァ監督作品同様、内戦でドロドロのボスニアなわけなんですが、中身はやっぱり「アンダー・グラウンド」や「黒猫・白猫」とおんなじで、とにかくボスニア人はどんなに悲惨な状況でも「食う・ヤる・騒ぐ」は忘れない、という心暖まる作品でありました(『黒猫・白猫』は内戦出てこないけど)。
 ちなみに上映は名演小劇場で、「ライフ〜」は一階での上映だったんだけど、三階では「ヒトラー 〜最期の12日間〜」が上映中だった。これ、そこそこ評判いいみたいだけど、個人的に「伝記映画に傑作なし」と思っているので見ないだろうな。それ以前に今日こんなベラボーな戦争映画を見ちゃった後だと「ヒトラー〜」ってどうもフツーのマジメな映画って感じがしちゃってねえ。
 ここで映画を見終わった後は、大概ここの近くにある喫茶店に寄っていく。ケーキがおいしいのだ。ケーキは日替わりなので前に食べたのをもう一回、っていうのができないのがちょっと残念ではあるのだが、いつもおいしいので満足している。今日はレモンパイがあったのでそれとアイスカフェオレをおいしくいただいた。レモンパイは予想以上に旨かったんだが、レモンパイというとどうしても「ミリオンダラー・ベイビー」を思い出してしまうわけで、はたしてあのエンディングをばっちり思い出しまくってしまった私はなんだか湿っぽい気持ちでお店をあとにすることになったのであった。




2005年09月05日(月) 奥さまは魔女/愛についてのキンゼイ・レポート

 台風が近づいている影響で雨がぱらつく中、車を転がしてTOHOシネマズまで行って参りました。オクマジョの方は大期待もしていない代わりに駄作予想もしていなかったのですが、蓋を開けてみればなかなかの好作品でありました。ただダーリン役がウィル・フェレルだったのはやっぱりミスキャストだなあ。いや別にウィル・フェレルがダメだったという意味ではないよ。ウィル・フェレルの本領が発揮されていなかったなあ、という話だ。でも巷での意見の大半は私と逆で、みーんな「あのダーリン役の人、魅力ないじゃん」って感じのこと言っているんだよな。ま、この映画だけ見てりゃそう言われてもしゃあねえかって感じだけどさ。しかし、しかしだ。数年前に降板するまでSNLの看板レギュラーとして番組を背負い、降板後もコメディ作品で地元アメリカでは大活躍、まさに00年代のアメリカン・コメディ界のホープであるウィル・フェレル様がようやく我が国の全国公開作品でお出ましだというのに、みんなよってたかってに言いたいこと言ってくれやがってぇ〜! そんなウィル・フェレルの初主演作品“ELF”が「エルフ サンタの国からやってきた」なる邦題でようやくビデオスルーされるとのこと。私はこっちを楽しみに待つとしよう。

 て、ちっともオクマジョの感想に行きませんな。うん、面白かったよ。よくできたロマンチック・コメディだった。例えそういうのが苦手な人でも、ニコール・キッドマンたち魔女が繰り出す魔法の映像を見ているだけで充分楽しめると思う。いやほんとにこれが面白かったのよ。そんなに大掛かりなエフェクトは用いられていないんだけど、人間の視覚の弱点や癖を実に上手くついていて、十分ごとに「へえー」って感心しちゃったよ。

 あとやっぱびっくりしたのはニコールがかわいかったこと。正直言って今までこの人の顔って苦手だったんだよね。美人には違いないんだけど、きつそうな感じがどうしても好きになれなくて。でもこの映画ではそんな鬼顔のニコールが終始かわいく見えた。今さらながら実はこの人演技上手かったんだなあ、と思ったよ。まあダーリンのウィル・フェレルが必要以上に身長がでかかったせいもあったかもしれないが(知っての通り、世の男優の大半はニコールより背が低い)。あとやっぱり、ウィル・フェレルの顔が必要以上に濃ゆいせいもあって、あのニコールが柄にもなくきゃぴきゃぴした演技をしていても、それほど浮いて見えなかったというか。

 で一方、ニコールの父さん役のマイケル・ケインはバットマンの時とは正反対の気の抜けた演技(笑)。でも好みの女性を口説く所なんかはやはりいつものステキなケイン先生だった。ニコールの隣人役で出てくる女性を演じているのが、ミュージカル“Wicked”で南のよい魔女・グリンダを演じていたクリスティン・チェノウェスだったので、「おお、もしかしてお隣さんも実は魔女だったってオチなのかな」と思ったんだが、最後まで何も出てこなかった。ちぇっ。

 しかし字幕はひどかった。コメディなのにセリフの歯切れがとてつもなく悪い。語呂が悪い単語ばっかり使われてるし。セリフは簡単なものばかりだったので私程度でも何言ってるか大体分かることができて、役者の演技やセリフのリズミカルな様を見ているだけでも楽しめるのに、画面下の字幕を読むと萎えちまう。一体誰だよ翻訳者はと思っていたら、エンドロールの一番最後に出た翻訳者の名前は戸田奈津子(ボカ〜ン)。おいおい、なっちよ、ラブコメだけは得意だったんじゃなかったのか。シャレにならんぞ。

 でお次は「愛についてのキンゼイ・レポート」。これは思ってたほど面白くはなかった。つまんねえってほどじゃないけど、まあレンタルでもよかったかという感じ。全体的にちと平板な印象だった。

 それでも最後までもったのはひとえに芸達者なリーアム・ニーソンとローラ・リニーのおかげであろう。あとキンゼイ博士の父親を演じたジョン・リスゴーもよかった。キンゼイ博士が人間の性行為を研究の対象にし、そしてそこにのめりこむようになった発端の一つは、厳しい禁欲で知られるメソジスト派の牧師であった父親への反発があったわけなのだが、この父親にレポートの被験者としてキンゼイ博士が対した際に、当初は語ることを拒んだ父親がついに自分の体験を語りだすシーンはとても感動的だった。幸せな場面ではないんだけどね。

 ちなみに館内にカップルで来ている客がいたんだが、映画の真ん中辺りで揃って帰ってしまった。まあ根本的には、まさにタイトル通り愛についての映画なんだけど、どう考えてもカップルで見るような内容じゃないもんなあ、これ。てゆか選ぶ方が間違っているよな。




2005年09月04日(日) 当分日記も上がりませんよ、のお知らせ

 取り敢えずリンクのページだけちょっといじりました。やあもう最近疲れはてておりますの。映画も見れてないし、スーパーチャンネルの「ER」も「シックス・フィート・アンダー」も見逃しまくり。それでもこの間の一日ファーストデーは淀長先生のご加護か、バイトがお休みだったので根性でエミール・クストリッツァの「ライフ・イズ・ミラクル」を見てきましたが。「愛についてのキンゼイ・レポート」と「奥さまは魔女」がそろそろ終わっちまいそうなんでお休みの明日にでも行けたら行きたいなあ。オクマジョはバイト先で前売り券を貰ったんで、是非活用したいのだが。でもってTOHOシネマズが6ポイントたまったんでキンゼイもタダで見られる。しかし問題は明日、二本見る気力があるかということだ。絶対どっちかで寝そう(ボカ〜ン)。

 ところで「砂の器」のデジタルリマスター版はいつになったら名古屋で上映されるのでしょうか。二ヶ月くらい前に東京・大阪・京都でやってて、今は札幌でやっているんだけどさ。このまんま名古屋はスルーとかだったら泣くぞ。

 ビルの「ブロークン・フラワーズ」は8月26日〜28日の時点でボックス・オフィス13位と、単館にしては大変健闘しております。しかし“The 40−Year−Old Virgin”強いなあ(フィギュアオタクで40歳の童貞男が女と筆おろしために四苦八苦するラブコメ)。キリアン・マーフィー主演の「レッド・アイ」やテリー・ギリアム監督の「ブラザーズ・グリム」をぶっちぎって二週連続一位ですよ(笑)。まあそれはさておき、「ブロークン・フラワーズ」がこの調子でこつこつと収益をあげ、評価も摑み、GGAにノミネート→全米拡大公開となってくれると嬉しいなあ。ところで今日気がついたんだけど、ビルとジェシカ・ラングって「トッツィー」で共演してたんだったね。つっても直接会話する場面はなかったような。まあどうでもいいですが。



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