猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2005年08月22日(月) 夏が終わった

 オン書きです。まず、私の009本をお買い上げ下さった皆様、ありがとうございました。というわけで、もう昨日のことになりますが、江戸に続き、大阪の陣が終わりました。

 そう、今年の夏は祭りというよりいくさであった。自分の体力との・・・。昨日大阪から日帰りして、夜中の一時半に寝たんですが、疲れすぎてあんまし眠れず案の定変な夢を見ちまって寝起きは最悪(夢の中でなぜかホリエモンが出てきた。なんでだ)。起きた時は死にたい気分でしたが、朝食後にアリナミンEXを飲んだのと、本日の所属フロアがハードな所だったのでウダウダやってる場合じゃなかったってので、どうにか無事に帰宅できました。今日はこれから約二十分後に始まるERXの最終回を見たらすぐ風呂に入って何がなんでも寝ます。

 いやーしかし気温に関してだけなら大阪は東京より遥かに楽でした。中も外もなんせ涼しかったしねー。中なんかちょっと寒かったくらいで、ほんとこの冷気を過去の東京にワープさせたかったわ。ただそれでも会場からの帰りではぐったりしてしまいまい、打ち上げでも酒は飲まず、メシも食べませんでした(涙)。でも席上で一年分くらい笑ったので満足しております。何で笑ったのかって、まあ詳しく説明するのがめんどくさいので割愛しますが、とある所で私が買った「十年に一度」と言われるブツを席上で披露したところ、約一名に死ぬほどウケたということです。その人の笑いっぷりを見た他の皆さんは、ブツそのものよりもその人の笑いっぷりの方にウケていました。もちろん私も(笑)。ああ、東京でこれが出ていたなら私はもっと元気だったかもしれない。

 というわけでやりたいことはいろいろありますが、それはまた数日後ということで。そうそう、ペーパーでは冬は受かったらSNLで参加とかぬかしておりますが、新刊のあとがきにあります通り、冬は同人活動はお休みです。一般参加やお手伝いとしてなら行くかもしれませんが、要はそれだけです。大阪は多分行かないと思います。五月はどうかな? その辺もいずれ同人活動予定でアップする予定です。んではまた。




2005年08月08日(月) 八月八日と言えば

 ブーツホルツさんの誕生日ですよ。しかしこうしてちゃんとその日のうちに思い出すのは何年振りだろうか。それもこれも最近、なぜかブーツホルツさんのことをしみじみと妄想する機会が多くなったからですが(気持ち悪いよあんた)。ふう、今年で十二歳ですね。久し振りにアニメディアの93年8月号を引っ張り出してきて読み耽りたいところですが、これから出発までにペーパー作って荷造りして持ってく本の値札作らなきゃいけないので我慢します。

 ところで12日のことなんですが、日記にはどこのスペに委託して貰っているかまだ明記していなかったので、書いておきます。
東館2ホール X38−b Marmalade Tank
です。松尾マアタさんと一緒に売り子もしとります。声をかけたいという方の中で我々の顔を知らない方のためにどっちがどっちか言っておきますと、巨乳で美少女な方が私です(嘘です)。

 あと21日の大阪インテのスペースもついでに。こっちは3号館 イ 41−aです。猪面冠者で直参です。009本の既刊・新刊を持っていきます。

 全然話変わりますけど、ジム・ジャームッシュ監督の新作でビルが主演の「ブロークン・フラワーズ(原題)」めっちゃ評判いいみたいじゃないですか。正直ここんとこのジム・ジャームッシュの作品については「10ミニッツ・オールダー」も「コーヒー&シガレッツ」にもダメだったんで期待していなかったんですけどね。カンヌでは作品がグランプリとったし、ゴールデン・パルムにもノミネートされたりと、上々ではありましたがジム・ジャームッシュみたいなのがカンヌ受けするのはありがちっちゃありがちなんで、これに関しちゃほとんど考慮に入れていなかったんですけどね。

 ところが昨日アメリカの超辛口映画評論家、ロジャー・エバートのレビュー・サイト見たらびっくり。批評は八月五日に更新されていたのですが、なんと「ブロークン・フラワーズ」に星四つですよ。こりゃ期待していいってことですかね(しかしこの人は時々とんでもないもんに星奮発するんだけどね)。てゆかあたしはもう「ゴールデングローブ賞にアカデミー賞」と勝手に期待しまくっていますよ。取り敢えずイベント終わったら洋雑誌立ち読み行脚をせねば。

 というわけでネットから「ブロークン・フラワーズ」の写真やらなんやらをガシガシ落としまくっているのですが、しかしこれ、ビル以外特に好きな役者が出ていないってのが物足りんですわい。ジェシカ・ラングとかジュリー・デルビーとか顔も演技も変にうっとおしくて好みじゃないんだよなー。私にとってはビルのベストワン・ヒロインはシガニー・ウィーバー(次点はジョーン・キューザック)なので多分映画館で見たらジェシカ・ラングの出番は全てシガニー・ウィーバーに脳内変換されるのであろうよ。




2005年08月06日(土) ミュージカル・バトン/本棚バトン

 伝染病のようにあちこちで増殖中のなんとかバトンの類がうちにも回ってきたんで書きます。まずはミュージカル・バトンから。

■今コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
ない。

■今聞いている曲
「太陽の牙ダグラム」のOP、“さらばやさしき日々よ”。ちなみにCDは七年前にキングレコードから出ていたスターチャイルド・シングルコレクションvol.10。同コレクションは他にイデオン(テレビと劇場版の二種類が出ていてどっちもジャケットが北爪宏幸描きおろしでかわいかった)とかザブングルとかいろいろ買ったなあ。でも個人的にはその当時未CD化だったダグラムを主題歌だけとはいえ復刻してくれたのが一番嬉しかった。にしても高橋良輔作詞の歌はいつも発作的に聞きたくなる。ボトムズとかも。

■最後に買ったCD
SINGER SONGERの1stシングル「初花凛々」の初回限定版DVD付。一昨日アマゾンで注文して今日届いた(ほんとなら昨日だったんだけど、まあまたいつもの不在配達ってやつで)。これから聞きます、楽しみ。
ちなみにそのちょっと前に買ったのは「蒼穹のファフナ−」の主題歌シングル“Shangri−La”。angelaのアルバム「I/O」にも入っていてこっちはすでに持っていたんだけど、シングルとアルバムではEDテーマの“Separation”のアレンジが違うので、まあこっちもというわけで。

■よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
・「伝説巨神イデオン」ED“コスモスに君と”
まあ今さらこれについてどうこう言う必要もない。

・新ゼロOP“誰がために”
すぎやまこういちのアレンジといい詞といい、やはり名曲。これで歌ってる奴があんな悪声じゃなかったら・・・。もうつくづく石(以下略)。あとこの曲に関して私は長年「実は作詞は高橋良輔」説を妄想している(敢えて賛同者は求めず)。

・「機動戦士Vガンダム」挿入歌“いくつもの愛をかさねて”
最終回の挿入歌。聞くとあの何とも言えない余韻が蘇る。

・「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」主題歌“少年期”
そりゃあたしだって武田鉄矢なんて嫌いだよ。でもこればっかりはどうしようもないのよ。

・「ブレンパワード」ED“愛の輪郭”
菅野よう子作曲歌の中で、これこそが最高傑作なのではないだろうか。思えば菅野が関わったどの歌も、菅野よう子本人の仕事は常にハイランクだが、詞や歌手の歌唱力は凡庸、というパターンが多い。そんな中でこのように詞・曲・歌の力がどれも高値というものは貴重なことだ。

■バトンを渡す5名
スルーです(ボカ〜ン)。


 お次はしんさんからいただいた本棚バトン。

●家にある本棚の数
三つ。一つはガラス張りのかなりでかい奴なんだが収納下手なのであまり活用できていない。あと現在妹が他所で一人暮らし中なため奴の本棚にもいろいろ置かせてもらっている(ボカ〜ン)。あと床に置いてある本の数が多分本棚に入っている数と半々。前はほこりが溜まるのがイヤだったんだけど、もうその辺の感覚が麻痺しているので置きまくり。

●今読んでいる本
・原田純「ねじれた家 帰りたくない家」
漫画でも小説でもひどい親とその子供のドラマというのは、定番中の定番である。貧困と暴力で子供の体と心を蝕んでいく大人と、その大人によって憎悪と自虐に取り憑かれまっとうな人生からはじかれる子供、という負の人間関係が織り成す悲喜劇は、いつの時代も娯楽好きな人々にとってたまらない腐臭を放っている。著者である原田純が辿ってきた人生はまさにそのたまらない腐臭にまみれた悲惨なものだった。ただし幸か不幸か、彼女の愚かな両親は目に見える暴力を振るうような人ではなかった。しかし、毎日殴ったり罵倒したりしなくても、人はこういう風にして一人の人間を限りなく破滅に近いところまで追いつめることができるのだという恐ろしい見本がこの中にはある。読んでいる時の重苦しい緊張感は「ファザーファッカー」を凌ぐものがある。読んでいると思わず「ありがとう! こんな親じゃなくて!」と自分の親に感謝したくなる作品だ。ああ早く読み終わりたい。

・ディック・モーア「ハリウッドのピーター・パンたち 黄金時代の子役スター物語」
映画関連の伝記やルポルタージュにはどうしてなのか、外れがない。これもその一冊。大不況のまっただなかの1930年代に映画界で活躍した子役スターたちについての本。シャーリー・テンプル、ジャッキー・クーガン(チャップリンの『キッド』の男の子)、エリザベス・テーラーらに自身もこの時代の子役スターであったディック・モーアが現在の彼らに自分たちの子供時代とその後の人生を振り返ってもらう。金銭を巡る親とのトラブル、ろくに寝る間もなかった苛酷な労働状況など、子役にはつきものの因果なエピソードが満載。しかし現役だった当時、彼らのほとんどがそういった状況にあっても「自分こそがこの貧しい世の中で一家を支えているのだ」というプライドをもって日々を送っていたという事実など、一枚岩でない幸不幸が面白い。ちなみに原初はアメリカで84年に刊行(この邦版の発行年は87年)。

・武居俊樹「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」
もうあっちこっちの書評に出ているので、ある程度年齢のいった漫画オタならもう買って読んでいるだろうが、サンデーで赤塚番をつとめた武居俊樹による回顧録である。しかし知らなかった。赤塚不二夫がここ二年余り死人同然だったなんて。いや前からだろと突っ込みが入りそうだが、そうじゃなくて言葉通りそういう状態だったというのだ。えええええ・・・。去年出た長谷邦夫の「漫画に愛を叫んだ男たち」にはそんなことひとっことも載っていなかったから全く寝耳に水である。本自体はまだ触りしか読んでいないが、もうすでにバカ全開(笑)。それでいてプロ同士の火花散るエピソードなんかもあったりしてもう面白いのなんの。「漫画に愛を叫んだ男たち」と同様、これも裏「まんが道」としてその手のオタは読んでおくべきだろう。

・山田庸子「ドイチュラント ドイツあれこれおしながき」
この方が開いているドイツサイトが好きなので迷わず買ってしまった。うーん、サイト同様、こっちの中身も充実しているなあ。かわいく粋な今のドイツが一杯。

●最後に買った本
コスミコミケVol.1 パロディ古典古典(どこの本屋でも見当たらなかったので結局アマゾンで買った)。

●特別な思い入れのある五冊の本
・フランシス・ホジソン・バーネット「秘密の花園」
最初に児童版で読んだ時はそんなにいいとは思わなかったのだが、小六かそこらの頃にたまたまテレビをつけたらやっていた映画版を見て釘付けに。ずっと後になってから完訳版を読んで原作の良さも知った。それ以来、児童文学のベストワンである。花園の美しさもさることながらそこに隠された悲しくもロマンチックな物語に惹かれる。何より、子供たちだけで何かをするというわくわくさがたまらない。主人公メアリーの非常識っぷりもいいし、他のどのキャラも味がある。93年に「ヨーロッパ・ヨーロッパ」のアニエスカ・ホランド監督の手で映画化されたが、映像美には目を見張るものの、全体的にキャラの性格が辛気臭くなってしまっているのが不満。やはり自分的には小学生の時に見たバージョンがベストかな。ブロードウェイ・ミュージカル版も素晴らしい。

・下村湖人「次郎物語」第一部
これも読んだのは小学生の時だが、大人になって読み返した時の方が遥かに感動が大きかった。正直、小学生の頃は次郎の心理は分かるものの、次郎を取り巻くやたらに現実的な大人たち(ただし例外的に父親はとても理想的な人だが)のありようというのがよく分からなかった。しかしいざ自分が大人と呼ばれるような年齢になってみると、彼らの冷淡さや背負った体面の重みというものが非常によく分かる。例えば、最初に読んでいた頃、私にとって次郎の母親の変化というのは「最初悪い人だったのが病気になって改心した」というものだった。しかし今読み返してみれば前半の彼女は息子である次郎に対し単にうまくとっつけなかっただけだったのだ、ということが分かる。口うるさく冷たかった母親が病気というものをきっかけとして(あるいは口実として)次郎に対して優しさを見せるようになり、次郎もまた素直に彼女を母親として慕い、そしていたわるようになる。よくある人情話といえばそれまでだが、その後半の泣かせに到るまでに積み上げられた乾いたドラマから察するに、「こういうきっかけでもなければ親子ですら情が通い合わない」という作者のニヒリズムがあるように思われる。なお、第二部からは話がかなり説教臭くなるので読むのは第一部だけで充分。あとこの作品は映画版もかなりいい。次郎にとって理想の大人である父親の役は加藤剛。

・ハンス・ペーター・リヒター「あのころはフリードリヒがいた」
高三の時に続編の「ぼくたちもそこにいた」「若い兵士のとき」が出て、すぐに買って読んだものだった。しかしこの年になって読んでも十二分に恐い話である。「一匹の蟻が運悪く蟻地獄にはまる→砂に足をとられてずるずると落ちる→巣の下にいる蟻地獄に捕まる→体液を吸われる→最後の一滴がなくなる」てのを延々見させられているような感じだ。んでもってそんな恐い昆虫観察が三冊分あるのである。ああ恐い。

・遠藤誉「卡子」(チャーズ)
数年前、「大地の子」が本作の盗作であるとして本作の作者である遠藤誉が「大地の子」の作者、山崎豊子を訴えていたことがあったのでタイトルぐらいなら記憶にある人もいるかもしれない。まあそんなことはどうでもいいとして、とにかく悲惨な話。読んだのは高三の時だが、読んだ後、読書をしたというより何かの通過儀礼を終えたような気持ちになった。とにかくその気持を外に出さずにはいられなくってその年の夏休みの読書感想文に感想を書いたのを覚えている。たまたまその時の感想文を今読み返したんだけど、鼻息荒い感想文にびっくりしたよ。ろくに推敲もしてないのだろう、文法もとにかく変だった・・。まあそれはそれとして。あまり読んでいる人はいないかもしれないが、実は「卡子の検証」という続編的な本も出ている。「卡子」を読んだ人はこちらも是非読んで欲しい。

・陳凱歌「私の紅衛兵時代 ある映画監督の青春」
「さらば我が愛 覇王別姫」、「始皇帝暗殺」などで知られる中国を代表する映画監督、陳凱歌が十代の頃の自分を振り返って綴ったもの。文化大革命まっただなかの北京で中学生だった陳凱歌は同級生の大半がそうであったように紅衛兵となり、徒党を組んで「反革命的」なるものに対する破壊行為を行う。父が元国民党員であった陳凱歌は、自己顕示欲と、十代らしい親への反抗心から糾弾の矛先を父へと向ける。日常の大半が隣人同士の疑心暗鬼に費やされ、やがて少年凱歌の心は虚ろになっていく。とはいえこの自伝は過去の歴史や全体主義を告発するものではない。そういう面も多少はあるが、社会の恐ろしさよりも人間の恐ろしさや無力さの方がずっしりと心に残る作品である。

●バトンを渡す五名を指名/もちろんスルーOKです。
んじゃお言葉に甘えてスルーします(ボカ〜ン)。




2005年08月05日(金) チーム☆アメリカ ワールドポリス

 原稿明けの初映画として爽快感もたっぷりに行ってきました。この作品、名古屋では中川コロナワールドのみでの上映。ま、アメリカンコメディにはいつものことですな。

 一応最初に言っておくと、私の中でトレイ・パーカー&マット・ストーンに対する評価はそんなに高くない。「サウスパーク」は雰囲気は好きだし、あの不謹慎かつ凶悪なギャグも好みと言えば好みなんだが、そういったポイントでの面白さはあっても、話全体としては今いちつまらん、というのが大好きになれない理由だ。あ、あとこういうギャグっていかに軽妙にやってのけるかが重要だと思うんだけど、トレイ&マットってその辺ができないんだよな。妙に肩に力が入っちゃってるの。やっぱり洗練度において「シンプソンズ」や「キング・オブ・ザ・ヒル」あるいは「パワーパフガールズ」には遠く及ばないと思う。まあもっとも「サウスパーク」がイケてない原因は、作品そのものよりも吹替えや字幕がダメダメってことの方が大きいかもしれないが。

 というわけでチームアメリカ。期待半分、期待してない半分で見に行ったせいもあると思うが面白かった。少なくとも劇場版の「サウスパーク」よりは遥かに面白かった(字幕が普通だったせいか?)。でもやっぱ個人的には「これならレンタルでもよかったかな〜」という感じ。投げ捨て公開なせいもあってパンフレットも作られていなかったし。ただミニチュアは一見の価値ありなのでその辺が好きな方はやっぱり劇場で見るべきかと。

 話は変わるがこの日八時半頃、上映前にロビーで座っていたら友人から携帯メールがきていたのに気がついた。あちらからの送信時間は八時ちょい前。曰く、
「Mステにシンガーソンガー(COCCOとくるりの合体バンド)出るよ! 気づいてなかったら早くテレビに!」
 ・・・。消沈しながら「今映画館にいる。COCCOのMステは知らんかった」と返信すると、すぐに「DVDに録画しておいたからコピってあげる」とのお返事が。おお友よありがとう。



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