まあ、今日一日くらいはアップしたいな、というわけでオン書きしました。
夏コミの参加日は８月１４日土曜日、場所は「東館 メ−５５ｂ」、スペース名は猪面冠者（ししめんかんじゃ）です。サタデー・ナイト・ライブ第一期の頃について書いた本を出します。“大人ってキタナイっ”ｏｒ“いい年してこいつらバカ？”な裏話メインの、やや黒みがかった内容の本になるかと思われます。興味のある方はどうぞ、お立ち寄り下さい。
昨日の夜は蒸し暑くてさっぱり眠れず、うとうとしては覚め、の繰り返しだった。そのうとうとしていた間に見た夢が全部、当落通知を受け取る夢。白かったり黄緑だったり、目覚めるたびに一喜一憂である。今となっては笑えるが。
それやこれやでいつもより寝覚めが悪く、起きたのは１１時。屋内も蒸し暑かったが、外の空気も重く、風がある。夕立が来そうだ。ポストを見にいったが、まだ空。今日は一日雨かと思っていたが、まだ降ってきてはいない。
中村吉右衛門主演の「斬り捨て御免！」を見ながら、トースト一枚と野菜ジュース、それに牛乳。これはこの間までやっていた「父子鷹」の後番なのだが、可哀想な被害者は必ずといってもいいほど悪玉たちに無残に殺されてしまうわ、レイプも出るわ、拷問もやるわ、と毎回実にハード。「父子鷹」とはえらい違いである。悪の巣窟のような郭で、レズビアンプレイを悪い衆が杯片手に鑑賞するなどというシーンまであった。調べてみれば、８０年の作品とのこと。この頃まではこんな表現も可能だったんだなあ。
続きを適当に見ながら二階で洗濯物を干していると、外でバイクの音。どうやら郵便屋さんがここいらに来たらしい。タオルだけ全部干してから下に行くと、果たして二、三通の郵便物に混じって大きな封筒が届いていたのだが、宛名の所が白かったので、一瞬青くなった。が、よく見てみればスペースナンバー等が明記してある。やったー。安心して二階に戻り、１２時３５分からの「小公子セディ」を見ながら、洗濯物を干し終わった。セディを見ている間に、土砂降りの大雨が降り出した。
| 2004年05月26日(水) |
ビデオとＤＶＤ比べてみれば（剃刀の刃／パラダイス・アーミー） |
今日は「剃刀の刃」と「パラダイス・アーミー」のＤＶＤの発売日。当然ながらアマゾンで予約していた。昨日「ペリカンで発送しました」のメールが届いたから、届くんなら今日だろう。大抵午前中に届くので、そんなもんだと思っていたのだが、いざ配達されてきたのは夕方の四時過ぎだった（たったそれだけの間にひどくやきもきしてしまった。嗚呼）。
まず「剃刀の刃」。これもともとはシネスコだったのね。ビデオのスタンダード画面はオリジナルの左右をぶった切った物だったわけだ。「おっ、こんな場面にこんな人いたのか」と新鮮な驚きが多々。みんなで弁当を食べている場面もあるんだが、ビデオで見た時は全体的に薄暗くて黄色っぽかったので夕暮れ時だと思っていたのに、ＤＶＤだと思いっきり昼間だった。
あと、「パラダイス・アーミー」。スチルマン軍曹が望遠鏡で女子のシャワーを覗き見している場面、ビデオだとヘアの部分にピンク色の円を被せて隠してあったんだが、ＤＶＤだと無修正。ちなみに画面はビスタ。でもビデオの上下左右を切ってあるような感じになっている。切れていると言っても頭のてっぺんや肩の端がちょっと切れている程度だが。
| 2004年05月23日(日) |
ソルジャー（テレビ鑑賞）／鉄人２８号 第七回 |
今日こそ日記をアップしようと思ったのに、そういう日に限ってメ〜テレの日曜洋画劇場が前から見たかった映画をやってくれちゃうもんだから、またアップできなかったじゃないか。しかもプロ野球の巨人戦が延長したおかげで自室とテレビを行ったり来たりさせられちゃって、いらいらするったら（結局ぎりぎり９時２５分まで延長していた）。
生まれてすぐに兵士として選別され、訓練場と戦場だけに生きてきたトッド（カート・ラッセル）。ところが彼が四十だか五十になった頃、新たに「開発」された戦士の台頭で呆気なく捨てられてしまう。行き着いたのは砂嵐吹き荒れるゴミ捨て惑星。で、まあこの星にはお約束通り、故あってここで暮らさざるを得ない人々ってのがいて、トッドも彼らに拾われる。村人はみんないい人ばっかりだけど、戦場しか知らないトッドは馴染めなくって、やがて、最も彼に理解を示していた村人にすら煙たがられ、ついには村から追い出されてしまう。
で、この、村を追われたトッドがふと立ち止まった鉄屑の中で無意識のうちに涙を流すんですな。女子供も眉一つ動かさずに殺すわ、必要とあらば仲間も見殺しにしてきた、と言うかそういうことが平気でできるように子供の頃から訓練させられてきた（少年時代、訓練で友達を殴り殺す、なんて『あずみ』みたいなシーンもある）。だから人の優しさも、誰もいない寂しさも全然知らない。そういうのを人生ン十年目にして初めて、よく分からないうちに味わって、よく分からないうちに泣いている。なんかもう、サンライズかマッドハウスだかがやりそうなクサいシュチエーションである。しかも演じているのが、能天気筋肉バカのカート・ラッセル。なんだけど･･･。私もよく分からないうちに気がつくとこのシーンでボロボロ泣いていたよ（ボカ〜ン）。
まあ、カート・ラッセル主演ということからもお分かりの通り、最初っから最後まで、ＳＦというよりは筋肉男だらけのアクション映画である。と言って、ドラマ面がスカスカということもさほどなく、上記のように、泣ける展開あり、燃える展開あり、の見て損はない映画である。でもこれ、公開当時はコケちゃったような作品なので、あまり過剰な期待をして見るのはやめておいた方がいいかも。
トッドに親切にしてくれる村の女性役はコニー・ニールセン。「グラディエーター」の皇女役でブレイクした人だけど、この映画が当たっていればもっと早くブレイクできただろうな。
あと、新聞のテレビ欄を見ていた時、マイケル・チキリスって名前が出てたのが気になって、どの役をやっているんだろう、とチェックしていたのだが、ジミーって名前の太ってて気のいい村のおっさんの役で出てきていた。マイケル・チキリスなんてほとんどの人にとって誰さ？ って感じだろうが、ジョン・ベルーシの伝記映画「ベルーシ ブルースの消えた夜」（８９年アメリカ公開）でジョンを演じていた人である（結構うまかった）。あれから大分たったわけなんだが、もともと目とかくりくりしていてかわいい顔の人だったから、あんまり老けた感じはしていない。だけど頭髪はやっぱり年相応。禿げたというより剥けたという感じで、ダニ−・デビートの弟みたいだった。
カート・ラッセルの少年時代を演じているのがワイアット・ラッセルって、まあ本人の息子なんだが（幼年時代を演じているのはまた全然別の子）。もうっ、これが！ お母さんのゴールディ・ホーンそっくりのめちゃくちゃかわいい男の子なのだ。なまじ映画がＳＦチックなだけに、ＤＮＡ操作して両親のいいとこだけとってできたんじゃないかと思うくらい（ボカ〜ン）。･･･しかし、このネーミングセンスからして名づけしたのはカート・ラッセルの方と見たね（笑）。
夜中の１時５０分からは、鉄人２８号第七回「悪の手先 鉄人暴れる」。
敵にリモコンを奪われ、町で暴れる鉄人。その惨状に心を痛める正太郎君。ところが敷島博士の方はそんな正太郎君に対し、「私は鉄人を恐ろしいなんて思ったことはないよ。あれは素晴らしいものじゃないか」と至って呑気な物言い。いやー、シアワセな人だ。今までもそうだったが、本当にこの人って死んだ金田博士と鉄人のことしか頭にない人だね。というかそもそも、この作品でまともにものを考えているのって、正太郎君と村雨さんだけだよな。一応、敷島博士って作品の中では正太郎君の保護者的立場にいる人なんだろうけど、悩んでいる正太郎君に有効なアドバイスをしたことってあったっけ？ 確かに博士の言葉で正太郎君がポジティブな方向に思い直したりすることもあったけど、それは正太郎君が博士の言葉を実際よりかなり良い風に捉えただけのことで、博士の方はいつだってあの調子だったわけだもんな。はっきり言ってこの二人の会話って噛み合っているように見えたためしがない。悩むにしろ、その悩みを吹っ切るにしろ、みんな一人でやっている正太郎君が段々かわいそうに見えてきちゃうよ。なんかあんまりこの敷島博士ばっかり見ていると、ゴーストバスターズのスペングラー博士とか、フレンズのロスを見ても嫌な気分になりそうで困るなあ。
（５月２５日追記）
さて猪面冠者日記ですが、まことに勝手ながら夏が終わるまで更新はしないことに致します。ちょくちょく綴りはしますが、ここにアップすることはしません。何かするにしても、気がついて誤植を直したりする程度になります。更新の際は必ずトップ部分に明記しますので、それまで何卒お許し下さい。なお、中断期間も夏コミの当落結果だけはトップ部分でお伝えします。
こんな私の日常でも覗いて下さっている方々には申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。
| 2004年05月22日(土) |
ジェイミー・リー・カーティス＠ＳＮＬ |
本日のスーパーチャンネルのＳＮＬのホストはジェイミー・リー・カーティス。だったのだが、前から楽しみにしていたくせにころっと忘れていて、慌ててテレビをつけた時にはＯＰモノローグは終わっていた。まあでも最近のＳＮＬは次の週に再放送やってくれたりするし、と油断してビデオもセットしないでいた。が、スケッチの合間に番組表を確認してみたら、来週はちょうどその時間帯にチャンネルのメンテナンスが入るので、再放送がされないのであった。そうこうしているうちに番組もどんどん進行していくので、録画も諦めてリアルタイムで鑑賞。それにしても、この間「フォーチュン・クッキー」を見て、さらに１５日には日曜洋画劇場で我が最愛の（笑）「トゥルーライズ」をやったばかり。なんだかジェイミー姐さんを早戻しで見ているみたいだ。
しかしさすが、この頃は本当に若いし、ハイテンションな演技にも無理がない。生活に疲れた専業主婦が自分の心の闇を一冊の分厚いエッセイに著し、最後に自作のＣＭでその本を頭にガンガンぶつけて自殺するスケッチとかいろいろやって下さっていた。しかしなんと言っても有り難味があるのはジェイミー姐さんの完璧なボディ。洗濯バサミに襲われるという、なんかのホラーのパロディみたいなのもやっていたのだが、その時のジェイミー姐さんは長袖のＴシャツ一枚で、素晴らしいことにノーブラ。もちろん、洗濯バサミに乳首を挟まれそうになって必死にもがいたりして下さるのだ。もうスケッチの内容より何より、チチしか見ていなかった（ボカ〜ン）。ちなみにミュージックゲストはジェームス・ブラウン。もうこの頃五十かそこらだったはずなんだが、パワフルな歌いっぷりはもちろん、その足元の軽いこと。この人バケモンだねえ。
ＥＤはいつも通りレギュラー、ホスト全員集まってわいわいやりながらカメラに手を振っていた。ジェイミー・リー・カーティスとエディ・マーフィーがハグしてチューしていた。そっか、この二人って「大逆転」以前にＳＮＬで顔を合わせていたんだな。
今回はうっかり録画を逃してしまったが、ビル・マーレーがホストの回だけは死守せねば、と心に誓いつつ、テレビを消した。
| 2004年05月20日(木) |
父子鷹とかシティボーイズとか |
先週から気づいて楽しく見ていた「父子鷹」が今日で最終回だった。松竹の時代劇で、中身は人情あり江戸っ子の笑いあり、のごくごく普通の時代劇なんだが、最近ろくな時代劇がないだけに、いや、はっきり言ってしまえば「新選組！」がひどすぎるだけに、こういう昔の時代劇がしみじみと胸に響いた。昔、と言ってもナレーションで柳生博が「この辺りは今では関西国際空港があって」などと言っていたりしたから、そんなに大昔に作られたものではない。そのわずかの間に気がつくと日本のテレビから時代劇は事実上絶滅したのだ。
今日は従兄二人と一緒にシティボーイズ（大竹まこと・きたろう・斉木しげるから成るコメディトリオ）の観劇。場所はてっきり栄の芸術劇場だと思っていたんだが、今日行く前にチケットをよく見たら金山にある名古屋市民会館の大ホールだった。去年行かなかったから知らないけどいつのまにか格下げか？ まあ、ここの方が家からうんと近いし、何よりこんな大雨の日に地下鉄駅から直通路が延びているこの施設でやってくれるのはありがたいんだけど。それにしても、一昨日がビル・マーレーで今日は大竹まこと。仏頂面の親父ばっかり見て私も何が楽しいんだろうか。
大竹まことがなんとなく好きになったのは、小学生か中学生の頃のことだ。テレビ愛知（テレビ東京系）で「大竹まことのただいまＰＣランド」という、当時はやっていたゲーム機器・ＰＣエンジンのゲームを紹介するバラエティ番組が放映されていて、その司会が大竹まことだった。番組自体は夕方枠に相応しく、ゲストも素人の子供が中心で内容の構成もあくまでゲーム好きの子供向けのものだった。しかしながらこの番組は子供向けゲーム番組らしからぬブラックな笑いに満ちた異様な番組だった。その異様さを一手に担っていたのは、もちろん司会者である。毎回、ゲストの子供に罵詈雑言を吐き、常に苦虫を噛み潰したような顔で番組を進行させるという、子供番組では空前絶後の司会者であった。一応、ゲームとは全然関係ないコーナーもあって、まことさんが本領を発揮するのはもちろんここ。自称「宙に浮く」とかいうアヤしい子供ゲストが出てきたりして、まことさんがそういう変なガキを容赦なくイジるのである。
私なんぞは毎回げらげら笑いながら見ていたが、当時まだ小学校低学年だった妹は、この番組の黒さが非常に嫌だったらしく、早く終わらないかといつも思っていたらしい。まあ、この辺の気持ちは私でも何となく分かる。私も妹くらいの年齢の頃はひょうきん族が嫌で嫌でしょうがなかったもんな。まあその妹も今では私と同じくシティボーイズのファンだが、私なんぞはいまだに幼少のトラウマを引き摺ってビートたけしが嫌いだったりする。
まあ、話を戻して。その後、妹の思いが届いたのか、番組はある日突然終わった。今でも最終回の出だしのセリフはなんとなく覚えている。まことさんは苦笑いをしながらこう言った。
「ええー、こんな子供の教育に悪い番組はいい加減やめろ、と苦情が殺到したので、今日で最終回です」
その大竹まことがシティボーイズというコメディトリオを持っているのを私が知って見に行くようになったのはつい最近。従兄に誘われて三年前、「ラ ハッスルきのこショー」を見に行ったのが最初である。翌年０２年の「パパ・センプリチータ」（←ゲストの犬山犬子が最高）も見に行ったが、昨年の「ＮＯＴＡ 恙無き限界ワルツ」は未見。今回の「だめな人の前をメザシを持って移動中」はちょっと久し振りのシティボーイズである。ちなみに私は一回もチケット代を払ったことがない（ボカ〜ン）。いや、太っ腹な従兄がいてくれて幸せなことよ。
感想は、まあ、全編ナンセンスギャグのスケッチばかりなので、書きようがない。強いて挙げるなら、斉木しげるが各人にシチュエーションを言って演じさせるというスケッチ。ここで大竹まことに振られたのが、「マンションに入ったら、部屋に三人の別々の女性が集合していた」というもの。この時のまことさんは演技とは思えない表情をしておったわ。
終わった後は、お互い小腹がすいたということで金山駅の傍にある和食居酒屋へ。おにぎりとかおでんとかを適当に食べる。箸を動かしながらさりげなく「ロスト・イン・トランスレーション」をすすめたが、従兄の方は「あー、あれはいいや、ビデオで」とつれない反応。ちっ。
従兄たちは明日も仕事なので十時半にお開き。従兄の一人に車で家まで送ってもらった。車中でＳＮＬの舞台裏話をいろいろ聞かせたら喜んでいた。
今日はＴＯＨＯシネマズがレディースデイだが、まだ一昨日のロストを引き摺っているので、何も見たくない。ネットで調べたら、「キルビルｖｏｌ．２」が今週一杯まで、「パッション」のＴＨＸつき劇場での上映が今週一杯と知る。どっちも先週は今日見に行く気でいたんだが、今はとてもそんな気になれない。
キルビルは劇場で見たかったし、パッションはＴＨＸつきの大きい館で見たい。でもって千円以外の日に見るのも嫌だ。というわけで行くなら今日しかないのだが。まあ、いいか、どっちもビデオで。特にパッションに関しては、ビデオでも見るかどうか微妙な所である。というのも、ちょっと前に予習としてレンタルで見た「最後の誘惑」、「ドグマ」の二本のキリスト教ものが面白くて、すっかり満足しちゃっているんだよな（一緒に見た『ジーザス・クライスト・スーパースター』はつまんなかったけど）。特に「ドグマ」はブラックなパロディを愛する全ての人におすすめ。
| 2004年05月18日(火) |
ロスト・イン・トランスレーション（試写会） |
思えば今日この日まで、この一本のために激しく一喜一憂してきた。それもこれも、ソフィア・コッポラの前作「ヴァージン・スーサイズ」が、どこからどう見てもひどい映画だったせいだ。いきなりロストが評価されたって、何か落とし穴があるんじゃないかと思うのが人情というもの。そりゃ、ビル・マーレーの主演作品が誉められて嬉しいなあ、とは思ったけどさ。
まあしかし何はともあれ、そんな私の約一年に渡る悶々とした日々も、完璧に報われたのであった。
ようやく自分の目で見ての感想であるが、最高のひとことである。いやー、幸せな二時間だった。もうどのくらい幸せ一杯だったかって、あの映画を見ている最中の私の傍にいりゃあ死人も生き返ったんじゃないのかと思うほど。見終わった後の気分が幸せすぎて、別の日にもう一回見るとか、ＤＶＤで見返すとか、そんなの勿体なくてやりたくない。
もうこの文章だけで充分お分かりいただけるかと思うが、今の私はいつもにも増して冷静さゼロ。例えば、「ビル・マーレーを差し引いた上でこの映画が本当にいい映画かどうか」なんて分からない（ボカ〜ン）。思えば、ブラピが出演している映画のおすぎの映画評を見るたびに、「ったく、あんたはブラピが出てりゃいいんでしょうけど、あんたのその感想じゃこっちは分かんないのよ」と、心の中で文句を言っていたものだが、もはや私もおすぎを哂えない。ちなみに、私がこの文章を書き始めている日時は、実は１８日ではなくて２０日の夜中だったりする。だって、１８日の私の頭の中なんて「※＠□＃☆◎△○ｷﾀ―――――ｯ」ってなもんで、文章なんて書ける状態じゃなかったんだもの。今でも反芻すると脳細胞が祭りになっちゃう。て、ほら、いつまでたっても感想らしい感想が始まらない。
ビル・マーレーに関しては、本人がどう思っていようが、彼はコメディアンであり、曲者役者であると私は思っているので、例えばリチャード・ドレイファスをストーキングしてノイローゼにしちゃったり（『おつむてんてんクリニック』）、レストランのテーブルの上に水虫だらけの足を裸足のまんまドッカとのせたり（『バクテリア・ウォーズ』）しているビル・マーレーの方が好きだ（例えどこからも評価されなくても）。ロマンチックな役とか、マジメな役をやったりしていたりすると、見ていてむしろ照れ臭くなる。もちろん、後者のような役を演じたことだって今まで一杯あったし、こと萌え度に関しては、そういう類の映画の方が圧倒的に高い（ああもう、どんどん他人が読んでもどうでもいい文になっていく･･）。ただ、ビル・マーレーのようなキャラでそういうのを成り立たせるのはとても難易度が高いのだ。だってあんな嫌われ者オーラ濃厚な奴が、綺麗な女に好かれたり、ちょっと人生に悩んでいたり、なんて胡散臭いだけではないか（笑）。役者としても決して器用ではないビルのこと、誰からも好かれるいい奴、なんてのを自然にこなすなんて絶対無理。だから全ては演出頼みである。嫌われ者というキャラに、多少の言い訳をさせてやりつつ、それでいて決して甘やかさず･･･。微妙なさじ加減が必要なのだ。
ロストはこのさじ加減がちゃんとできている。主人公ボブ・ハリス（ビル･マーレー）とシャーロット（スカーレット・ジョハンソン）は最後まで相手に何を与えることも与えられることもないまま、ただ、自分が人生の上で得たもの・失ったものをはっきりと知る。年も性も異なる二人に共有する感情はたったそれだけ。そんな二人の間に芽生えるのは「意外な共感」というものであり、それ以上でもそれ以下でもない。ロストでは事前にあった脚本はシチュエーションが使われた程度でアドリブがほとんどだったというが、このようなベースを作り、なおかつそこにビル・マーレーとスカーレット・ジョハンソンをキャスティングしたというだけで、（今回に限って）ソフィア・コッポラは大合格である。
ところで本作は、映画監督のスパイク・ジョーンズと結婚してから、夫や夫の友人たちと接するうちに、彼らが本人自身の才能で立っていてなおかつ成功を収めているのを目の当たりにして、物を作るうえで最上の環境を与えられていながら彼らには遠く及ばない自分、というものを知ってしまったソフィア・コッポラの挫折感が投影されている。･･･というのはどこの映画雑誌でも指摘していることなので、私の日記ではどうでもいい（三十近くにもなってから初めて自分の才能に疑問を感じたってのも凄いが･･）。ロストがソフィアの自伝的映画であることは間違いないが、もう一つ、ビル・マーレーの自伝的要素も濃厚な作品である。特にボブ・ハリスが自分の妻、特に子供について語る場面にそれが現れている。子供ができることの不安と喜びについて、ビルはまたいつもの口調でぼそぼそと言うのだが、これが本当に心にしみる（て言うか泣いたよ）。
ビルに最初の子供が生まれたのは、ジョン・ベルーシの葬式から一ヶ月とたたない頃のことだった。そして、二番目の妻（つまり今の奥さん）との間に最初の子供が生まれた時は、先妻との離婚がまだ正式に成立していなかった（要するに二重生活してたのだ）。どちらの時も、子供の誕生を無邪気には喜べなかっただろう。ちなみに、この場面のボブのセリフもビルのアドリブである。
まあ、特殊な状況でなくても親になる不安や、子供を重荷に感じたりすることは誰にでもあるわけで、彼が言っているのもそういうことなんだが。ちなみに、電話の声のみで登場するボブ・ハリスの奥さんを演じているのは、この映画の衣装デザインをしているナンシー・スタイナーなのだが、現実のビルの奥さんもファッションデザイナーで、映画やテレビの衣装をいくつか手掛けており、ビルの過去作品でも何作か衣装で入っている。それと、ボブ・ハリスとシャーロットがホテルの部屋で枡酒を飲みながら見ている映画は、フェリーニの「甘い生活」。ビルがサタデー・ナイト・ライブのレギュラーだった頃、この映画をパロディ化したスケッチをやったことがあり、その時主役を演じたのは当時ビルがつきあっていたギルダ・ラドナーだ。
ああすっかり長くなってしまった。日本中でもこの映画に対してソフィア抜きでこんなにだらだら書いているのはあたしくらいだろうな。まあ、無駄にあれこれ思い煩う期間が長かったから、やっと見られて何はなくともありがたがっているだけかもしれん。妹の意見（３月２３日の終わりの方参照）が案外正しかったりしてな。んで、あとからＤＶＤで見たらショボーンとしてしまうなんてことになったら、･･･ヤだなあ。
ここからは本日の日常日記。
試写会は７時開場だが、そこへ行く前に親の会社へ紙折りの手伝いに行かなければならない。というのも昨日母から、「明日の３時頃にチラシがン千部刷り上がってくるので、届いたら電話をするからこっちへ来て事務所の人たちと一緒に折るのを手伝って欲しい」と、言われたのだ。ところが、いざ今日電話が来たのは予定より遥かに早く１２時で、１時頃には届くのでそのぐらいに来て欲しい、とのこと。その電話こそ今日の私のモーニングコールだったのだが。すっかり３時って気でいたので、油断して昨日大分夜遅くまであれこれやっていたんだよな。嗚呼これから洗濯物干して化粧して･･･。あと一時間でそりゃ無理だ。
遅れに遅れて出かけたせいもあって、私が着いてから一時間後には届いた分全て折り終わった。もっとも、まだ刷り上がっていない分があるとかで、「それは今夜家に持って帰るからあんたが折ってね。明日の午前のうちには仕上げてね」と母。はいはい、と返事して私は会社を出た。
三重交通のバスに乗って名駅へ。試写会への並び方をチェックしようと、最初にゴールド劇場へ足を運ぶ。すると、劇場入口の前に「試写会の方は入口前にお並び下さい」とか何とか書いた紙が貼ってあるだけ。整理券等は出していないらしい。しかし、まだ５時半かそこらだというのに、三人ほどもう並んでいた。私はさすがにそんな根性はない。
取り敢えず６時半ちょっと前くらいに並びに行きゃいいや、とメルサのヤマギワに行って時間を潰す。アニメＣＤのコーナーを適当に覗いていると、「日本アニメーションの世界 主題歌・挿入歌大全集 第１集 ハートフルアニメ編」などという物を発見。三枚組みになっていて、「ピコリーノの冒険」、「りすのバナー」といったレアなアニメのレアな挿入歌がぎっしり詰まっている。特に「ピコリーノの冒険」は永井一郎とはせさん治のデュエット「どら猫ぼろ狐」が入っていて嬉しいといったらない。でもこれ４７２５円もするのね。そう言えば、これと同じような形式で名作劇場の挿入歌集もちょっと前に出たなあ。どっちも早いうちに買っておきたいけどね･･･。
ヤマギワの近くにある本屋も一緒に覗く。長い間立って待っていることになるのに、時間潰しになる本を持ってくるのを忘れたので、何かないかと探す。文庫コーナーを見ていたら、竹書房文庫の新刊で「トム・ソーヤの冒険」があったのだが、なんとこれが名作劇場のアニメの絵が表紙になっている。描き下ろしではなく本編の絵を組み合わせたものだったが、物珍しさに一冊買ってしまった。ページの後ろにＯＰとＥＤの歌が入ったシングルＣＤがついていて、口絵は関修一によるイラスト。これも描き下ろしではなく、以前ジグゾーパズルに使われた絵なのだが、背景も担当したことがある関修一の筆なだけあって、そんじょそこらのアニメーターが描いたインチキ臭いイラストとは一線を画す見事な水彩画。ちなみにこれは「世界名作劇場文庫」なるシリーズでの刊行らしく、このトムと「愛少女ポリアンナ物語」が第二回の配本で、第一回はラスカルとアンとフローネ。帯によると第三回の配本は五月末にあり、「小公子セディ」と「七つの海のティコ」だそうだ。
劇場へ並びに行くと、すでに人の列は入口前の三十段ばかりある階段ほぼいっぱいに延びている。おいおい、まだ６時１５分だぞ。まあ、試写会の並びなんてこれくらいが普通だけどさ。
立ったままさっきの本を読んでいると小腹がすいてきたので、買っておいたカロリーメイトを半分食べた。それにしても、私は階段に並べたのでよかったが、後から来た人の列は車道の方に延びてしまっていて危なそうだった（歩道の方に並ぶこともできるんだが、そうすると劇場の建物に入ってくる人を塞いでしまう）。でも何せ小さい劇場だからだろうか、大した人員整理をしに来ることもなく、ただ「車が危ないのでなるべく隅の方へ寄って下さい」と言いに来るだけ。それでもさすがにやばいと思ったのだろう、予定の開場より五分早く人を入れた。
入場させる際に係員が整理番号券を配ったのだが、ロビーに通されただけで、劇場そのものにはまだ何か調整中なのか、入れてくれない。人が一斉に入ったせいで、狭いロビーはパンパン。うーん、まあ、道路に並んでしまっている人を中に入れられたのはいいとしても、五分早く入場させた意味があまりないような気が。これならもっと早い段階で、入口に受付けに来た人から順に整理券だけ渡して散らし、開場時間寸前までは一切人を入れずにいればいいものを。実際センチュリーシネマはそうしているじゃないか。同じスターキャットなのになんでこっちはこんなに要領が悪いのか。
などということを三十分間人に揉まれている間に考える。ロビーで映画のパンフレットがもう売られていたので買った。
番号が呼ばれ始めた。私は２２番（ゴールド劇場は全２２０席）。すでに真ん中側はあらかた埋まっていたが、運良く頭の低そうな女の人の後ろが空いていたのでそこに座った。この劇場は一番後ろの席が見やすいとは前に書いたが、今日座れた席は一番後ろから二列目の席。しかも位置は真ん中。これはいい感じ。まだ人が全員入りきるまでには時間がたっぷりかかりそうなので、その間にトイレと化粧直しを済ませ、ごはんを食べた（４月２１日の新聞にあった『映画演劇あんない』の切り抜きが出てきたのだが、ゴールド・シルバー劇場の所に『２３日迄 改装の為休館致します。』とある。この時ロビーの改装と共に、椅子の入れ替えもやったのだろう。『２５時』の時にはすでにそうなっていたが、以前の物と比べてちゃんとした椅子になっていた）。
ぴあ中部版編集長による益体のないスピーチ（雑誌の宣伝、映画の内容の説明などなど）の後、７時４０分頃から上映開始。左隣にちょっとごそごそうるさいおっさんが座っていて気になったが、スクリーンにビル・マーレーの顔が映った途端消し飛んだ。
一時間四十二分に渡る祭りの後、ぼーっとしながら地下鉄で家に帰る。私が帰ったすぐ後に母も帰ってきて、折りを九百枚渡してくれた。普段ならこのくらいの枚数、長くても三時間ちょっとでもあればできるのだが、あまりに眠かったせいでのろのろとしかできず、ほとんど徹夜までして終わったのは翌日の１０時。何やってたんだろう？ と自分でも不思議（ボカ〜ン）。
１１時頃、ポストを覗くともう郵便物が届いていた。昨日は雨だったからなあ。大体、雨の日の翌日は結構早く届くんだよな。
郵便物の中に自分宛ての封筒が一通あった。差し出しはぴあ。はて、何かチケット頼んだっけ？ と、中身を開けると、出てきたのはなんと、「ロスト・イン・トランスレーション」の地元試写会用チケット！ この瞬間まで忘れていたが、そう言えば１１日の火曜日に近所の本屋でぴあ中部版を立ち読みしていた時、「『ロスト・イン・トランスレーション』ぴあ特別試写会開催」ってのを見つけて、応募したんだっけ。締め切りが１３日必着だったから、ソッコーでそのぴあを買って応募券切り抜いてハガキに貼って出したんだよな。わざわざ熱田の集中局に投函して。とにかく慌ててやったもんだから、出した後はほっとしてすっかり忘れていたよ。ちなみに試写会は１８日。場所は公開する所と同じゴールド劇場。名古屋での公開は２２日からだからそれより四日早く見られるというわけだ。それにしても、事前にこれだけ人気があって、しかも１１０組合計２２０名様ご招待という抽選に当たるとは。ああ、今日これまでの地道な活動を神様が見ていてくれたんだわ。そうに違いない。もう映画の出来不出来とか、そんなこと今はどうでもいいわ。はっ、でもこれで夏コミに受かるための運を使い果たしたなんてことはないだろうな･･･。
朝刊紙面の下の方にある新刊案内に目をやると、白泉社の広告欄に「ぼくの地球を守って」の愛蔵版の案内があった。なんでも今月の２８日にまず一巻と二巻が発売されるとのこと。大きさはＡ５で、印刷もこれまでより鮮明に、しかもカラーページも完全に収録されるらしい。スラムダンクといい、最近こういう理解のある愛蔵版をやってくれるのはとても嬉しい。値段は一冊につき税込１０００円。うーん、値段からして全巻揃えるのは無理そうだが、一部の巻だけでも欲しいぞ。もともと本誌で読んでいた時も「ああ、単行本もこの通りの大きさだったらなあ」って思っていたし。絵的には清水玲子作品もこの仕様で読みたいものだ。
| 2004年05月12日(水) |
フォーチュン・クッキー |
「フォーチュン・クッキー」は、どこの映画サイトでも評判がそれほどでもなかったので、見ないで済まそうかなあと思っていたのだが、やはりコメディはなかなか劇場では見られないし、何より久し振りのジェイミー・リー・カーティスだし、というわけで「スクール・オブ・ロック」の二回目鑑賞も兼ねてＴＯＨＯシネマズに行ってきた。二作ともすでに夜に二回ずつ上映しているだけなので、見に行くのなら今週のうちがいい。ＳＯＲはもう見たから、「フォーチュン・クッキー」を先に見ることにした。まあこっちは６時３０分からだからいいとして、ＳＯＲは９時１５分からか。うーん、帰るのが大分遅くなっちゃうなあ。まあいいか、どうせ暇だし（ボカ〜ン）。
劇場に入ると、どういうわけか、「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌である平井堅の何とかって曲のプロモみたいな奴がエンドレスで映っていた。しかもこのプロモ、曲がヘンな所で切れてリピートする形になっているので、実に頭に悪いのなんのって。ああ早くジェイミー姐さんが見たいよお。
ジェイミー・リー・カーティスを見たのは、大学一年の冬休みの時、部活で行ったスキーの帰りのバス内で「トゥルーライズ」のビデオを見たのが最初だった。最初は夫のシュワちゃんに対して無理解な、ギスギスした奥さんとして出てくるのだが、夫であるシュワちゃんに騙されてヘンな任務をやらされるうちに、彼女自身も気づかなかったぶっとんだ一面が覚醒して、どんどん明後日の方向にはじけていく。で、この奥さんを演じるジェイミー・リー・カーティスの演技がもう本当に凄くて凄くて、以来すっかり好きになってしまったのだった。その後、トゥルーライズよりさらにぶっとんでいる（時代的にはトゥルーライズより先だけど）「ワンダとダイヤと優しい奴ら」（←ケビン・クラインも最高！）、おいしいとこさらいまくりの「フォーエバー・ヤング」、「大逆転」、じんわりとした演技を見せた「マイ・ガール」などなど、全部好きである。
というわけで「フォーチュン・クッキー」。カウンセラーとして活躍する一方で、夫の死後、息子と娘、それとすっかり老いた自分の父親を養ってきたジェイミー姐さんだったのだが、この頃は娘とも衝突しがち。その上、再婚を控えたジェイミー姐さん相手に娘はますます反抗する。もうすぐ結婚式という日、再婚相手も一緒に入れて出かけた先の中華料理店でも二人はケンカ。原因は娘が友達とやっているバンド。ハウス・オブ・ブルース（※）十周年記念のアマチュアバンド・バトルのオーディションに受かったのだが、バンド・バトル当日はよりによって結婚式の日。せっかく掴んだチャンスだからどうしても行きたいと言い張る娘。それを撥ね付ける母親。そんな二人を見かねた中華料理店の大女将は、二人におみくじクッキーを食べさせた。翌朝、二人が目を覚ますとお互いの心と体があべこべになっていた。原因は昨夜のクッキーらしいのだが･･･。
ま、上記の粗筋からたやすく察しがつくだろうが、映画としては可もなく不可もなく、の万民向けのベタなコメディ。ジェイミー母さんの中身がロック少女してる実娘とは言っても、そうそう無茶なことはしないし。ま、ディズニー映画だからな。ただ、ベタさがベタさなりにちゃんと感動に繋がっているのがいいのだ。特にラスト近くでジェイミー母さん（つまり中身は娘）が、スピーチする場面なんて結構ほろっときてしまったし。
しかし、映画の筋とは全然関係ないけど、娘（リンゼイ・ローハン）が好きって言っているミュージシャンがラモーンズってのはどうなんでしょ。ラモーンズが好きなのって三十代とかその辺じゃね？ 高校生にしちゃ趣味がちと古いような気が（ディーディー・ラモーンが死んだことがきっかけで知ったとか？）。その割には、この子の部屋ってマニアックな匂いは全然ないんだよな。そもそもこの映画、現代が舞台なのにヒップホップのヒの字も出てこない（笑）。
はあ、それにしても。五十手前ともなればこれが普通なんだろうが、老けたなあ、ジェイミー・リー・カーティス･･･。まあ、酒とドラッグを散々やってた割には維持できている方なのか（ジェイミー姐さんは若い頃、親父のトニー・カーティスと一緒にフリーベースをやりまくっていた）。まあでも、老けようが垂れようが芝居をしている彼女が素晴らしいことに変わりはありませんが。
ＳＯＲが始まるまでまだ４５分ほどあったので、ロビーでカロリーメイトを齧りながら、一階の売店で買ったＳＯＲのパンフレットを読んだ。その後、隣のベイシティ内にあるビレッジバンガードへ行った。店の中のテレビで、ガチャピンのチャレンジ映像とかいうものを流していた。ガチャピンがスキューバやったり、モトクロスやったりする衝撃映像のエンドレス。恐いっ、さっきの映画の感動も吹っ飛ぶ。特に恐いのがスキーのジャンプに挑戦するガチャピン。
「夜の方が雪が凍って、より遠くまで滑れるんだって。というわけで夜に跳ぶことにしましたっ」
と、無邪気にはしゃぐガチャピン。あー、声の人は気楽でいいよね。中の人のことを思うとあたしゃもう。なんか他にもいろいろ立ち読みしたい本とかあったのに、結局ほとんどこれに釘付けになっちゃってたよ。
出るついでにお菓子でも買おうかなあ、とビレバンで売っているキャンディやキャラメルを見ていたら、バンビキャラメルなるものを発見。一応、復刻版って書いてあるけど、んなキャラメル見るの初めてだ。製造元は北海道。地方限定品なのかな。どっちにしてもお菓子の名前に親近感を覚えたので、チョコレート味とミルク味の両方を買った。
劇場に入ると、ここでも平井堅エンドレス。もういや。は、早くジャック・ブラックを始めてくれ･･･。
さすがに公開されてから時間がたってしまったせいか、千円の日といえども客はまばら。うーん、やっぱこの映画はよりたくさんの人と見たいよなあ。でも私の後ろに座ったカップルが、ジャックのギャグに毎回即座に反応してて、我がことのように嬉しかった。
（※）ハウス・オブ・ブルース･･･ダン・エイクロイドとジム・ベルーシが作ったライブハウス。シカゴとロスに支店あり（トロントにもあったかも）。出資者の中にはエアロスミスや故リバー・フェニックスもいる。何かの折にブルース・ブラザーズ・バンドが出たりもする。
１１時半起床。もっと早く起きるつもりだったのに、呑気な旅行の夢を見ていたせいで、こんな時間になってしまった。まあ、ここんとこ戦場だとか処刑場だとか、仕事で物凄いミスをしたとかハードコア（笑）な夢ばかりだったから、やっと平和な夢が見られて、必要以上に寝てしまったのはしょうがないと言えばしょうがないのだが。ああそう言えばテストで全然答えが書けないなんて夢もあったな。起きた後、ああ夢でよかったとほっとした反面、学校を卒業したのなんて遥か昔なのにこんな夢を見てしまう自分が恥ずかしかったものだ（それをこうして日記に書くのはもっと恥ずかしいね）。わりと最近見た中で楽しかった夢は、ジェームズ・ウッズの運転でオープンカーに乗ってハイウェイを猛スピードで突っ走るという夢。まあ夢自体は大変楽しかったのだが、ジェームズ・ウッズなんて別に好きでもなんでもないのになぜ夢に現れたのか、今もって謎。第一、このシチュエーションで私が見るんならダンじゃなくてどうするよ。って自分の脳に文句言ってもしょうがないけど。まあでも、万が一ダンだったりしたら私は多分、永久に目覚めんが。
ごはんは、一週間ぐらい前に作った牛丼の残りを冷蔵庫から出してレンジで暖め、それを残りごはんと一緒にして食べた。
近所の本屋へ行って、ＦＬＩＸ六月号（ジャック・ブラックが映画の宣伝を兼ねて東京のハードロック・カフェに訪れた際の模様を伝えてくれている）、ＭＯＶＩＥＳＴＡＲ六月号（ビルへのインタビューあり）を買った。外の週刊誌の棚で週刊文春の週間映画評をチェック。今回は「スクール・オブ・ロック」とカナダ映画「みなさん、さようなら」。お、中野翠のＳＯＲ評は五つ星！ やったあ。もしかして満月雑記帳でも取り上げてくれているかも、と思ってサンデー毎日５月２３日号をぱらぱらとめくると、おおう、ばっちり紹介してくれているよ！ というわけでサン毎も買った。私には嬉しすぎるくらい誉めてくれているので、一部引用する。
「何と言っても主役のインチキ教員を演じるジャック・ブラックが凄い。暑苦しい顔をした小肥り男だが、パワフルでスピーディでリズミカルで……。ジョン・ベルーシ以来の強力キャラクターじゃないだろうか。ほとんど、こいつの一人舞台。出突っ張りの怪演だ。」
帰宅後、アマゾンを覗いていたら、二、三日前にアマゾンに送信したカスタマーレビューがアップされていた。前にアマゾンを覗いた時に、ＤＶＤのトップページにあるリストマニアにたまたま「我等の生涯の最良の年」が出ていたので、なら私も少しはこの名作を宣伝したい、と、以前日記にアップした感想をちょこっとだけ直して送ったのだ。
ところが、実際にアップされた物を今見たら、改行のミスや文章に変な部分があったりして、思わず「ええっ」。プレビューを表示させてちゃんと直して送信したつもりだったけど･･･。まあ、どーせまた何か見落としていたってだけだろうな、私のことだし。これから投稿する際は送信画面で手直ししたりせず、ワードか何かで改行も表記ミスも完璧になくした状態にしてから、それをコピーして送信することにしようっと。
この映画はレンタルで済ませるつもりだったのだが、あまりに評判がいいので、今日レディースデイに見に行くことにした。サスペンス要素と、画面の美しさが素晴らしいのだそうだ。今が旬のスカーレット・ジョハンソンが画面一杯に綺麗に広がっているのなら、そりゃ見ねば。
場所はパルコ８階にあるセンチュリーシネマ。ここは以前、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を見に行った所でもあるが、座席の勾配がとにかくきついので、前の人がどんなに巨人でも邪魔にならない。それでいて、スクリーンが下の方に設置されているので、ちょっと前の方に座っても首が疲れることなく、見やすい。好きな映画館である。ちなみに、前に行ったゴールド劇場＆シルバー劇場と系列は同じ。前にも書いたが、どうせならロストもこっちでやって欲しかった。
「真珠」だが、一回目に見るつもりが、いつもの通り寝坊して間に合わず。ま、そのおかげで二回目の整理券が早い順番で取れたので、これはこれでいいのだが（ちなみに四番！）。次の回までの間、お昼ご飯を食べたり、パルコブックセンターで立ち読みしたりして時間を潰した。
整理券が早い順番で取れたおかげで、座席もいい所がすぐ確保できた。トイレに行くと、これから入場するために並んでいる人がまだ一杯いるおかげで、トイレはがら空きでラッキー。ちなみに、系列が同じなおかげでここでもロストの予告編が見られた。
「真珠」はよかった。美しいものを美しく、おぞましいものも一つの妖しい美として、撮っている映画だった。いやしかし。凄いかも、こんなに見たあと何も残らない映画って。芸術もクソもない。「スカちゃんがっ、スカちゃんがっ」しかない（ボカ〜ン）。フェルメールの代表画“真珠の耳飾りの少女”がどういったドラマを経て描かれたか、という物語なんだが、芸術に関する部分はあんまりなくて（てゆか印象に残らなくて）、
・ フェルメールがいかにして嫉妬深い妻から怪しまれることなく、一女中であるスカちゃんを絵のモデルとしてアトリエに留めておくのか？
・ フェルメールのパトロン（お約束でとんでもないスケベ親父）にスカちゃんがいつ犯されるか！？
・ フェルメールには性格の悪い娘がいて、常に市原悦子のようにガラス越しから柱の陰からお家のドロドロした舞台裏をパパラッチしているのだが、こいつにスカちゃんがフェルメールの絵のモデルになったことを知られてしまう。このガキ、母親にチクりゃしないだろうな？
以上のような、登場人物たちの下心や駆け引きを、ひたすらはらはらしながら見守るという映画なのだった。で、残念ながら脱ぎシーンや濡れ場は一切なし。その代わり、役者さんたちの悪想念のこもった演技がねっちりとしたエロさを出している。スカちゃんのメイド服も萌え！
帰りはナディアパークへ。ヤマギワでＤＶＤの新発売予定表を眺めていたら、６月２３日発売で、「アメリカン・パイ３ ウェディング大作戦」というタイトルを発見した。･･･つまり「アメリカン・ウェディング」は日本での公開はなし、ＤＶＤリリースのみってことなのね。ガーン。･･･まあいいさ、ＤＶＤを発売してくれるだけでもありがたいと思わねば。
| 2004年05月03日(月) |
知らなかった私もバカだが |
今日は地元の友人二人とＳさん家で集まって、六月の頭頃にみんなで志摩スペイン村へ行く計画の相談をした。ごはんを食べに行ったりいろいろして、Ｓさん宅を後にしたのは夜の十時半。いやー、今日も明日も私だけではなく日本中が休みってなるとついついのんびりしてしまうな。いや、ゴールデンウィークといえども休まず働いている人は大勢いるのだが。
パルケ・エスパーニャとは関係ないが、Ｓさんからいいことを聞いた。パソコンではＤＶＤはリージョンに関係なく再生できると言うのだ。マジ？ いやひょっとして常識なのかな。今の今まで知らなかった私はバカ？ まあいいや。
疲れていたが、帰宅し即座にパソのスイッチを入れ、ずっと未開封だったウェス・アンダーソン監督作品「天才マックスの世界」のクライテリオン版ＤＶＤを再生。まあ、ＤＶＤが再生できるとは言っても、家のパソコンは液晶画面だから映りは今一つだが、さすが、再生はスムーズ。ま、先代パソはＣＤ−ＲＯＭしかついていない上にペンティウム�兇世辰燭�ら、それと比べればどんなパソコンだってゴージャスに思えて当然だが。
「天才マックスの世界」のＤＶＤは特典なしのバージョンなら国内でも出ていいるけど、この豪華特典満載のクライテリオン版は輸入版（リージョン１）しかない。同じウェス監督の作品でも「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」はクライテリオン版（日本版ではコレクターズ・エディションと表記されている）も出ているんだけどね。ま、「天才マックスの世界」は日本ではビデオリリースのみだったからしょうがないんだけど。
あ、ちなみに国内版の「天才マックスの世界」のＤＶＤがアマゾンでセール中です。今ならなんと４０パーセントオフの１５７５円で買えますよ。この映画が好きな人は今のうちに是非買いましょう。あ、あと、ジョン・キューザック主演、ジャック・ブラック事実上主演（笑）の「ハイ・フィデリティ」のＤＶＤも今なら同じく４０パーオフで買えます。これも１５７５円！ アマゾンは１５００円以上買うと送料タダだし、いろんな意味でお得ですよ（あたしはアマゾンの回しもんか）。
で、肝心の特典の中身なのだが。再生させてみたところでこっちは英語が聞き取れるわけじゃなし、特典のインタビューも音声解説も全く分からないんだけど。でもいいの。そんなの分かってて買ったんだもん。それに、視覚的な部分で充分に楽しめる特典も一杯あったしね。特にこの作品の出演者による映画パロディ劇（一応この作品の主人公マックスは高校で演劇サークルをやっているという設定）は楽しかった。ウェス・アンダーソンは今でこそ“おされ系映画監督”みたいにカテゴライズされているけど、将来きっと「ジェイ＆サイレント・ボブ 帝国の逆襲」とか、「キル・ビル」みたいな映画を撮るね。ちなみに特典だが、個人的にはビル・マーレーが撮影終了後に、ヘア担当さんに髪の毛を切ってもらっているシーンがツボだった。思わずリピート再生しちゃったよ。
| 2004年05月02日(日) |
イアン・マッケラン＠アクターズ・スタジオ・インタビュー |
家から自転車で２０分ばかり行った所にかなり大きいブックオフがある。今日は夕方そこへ行ったのだが、ＤＶＤコーナーを覗いていたら「トンネル」が３３００円（税込！）で売っていた。普通に買えば消費税込みで４９３５円する。
「トンネル」は壁建設直後の東ベルリンで、壁の地下にトンネルを掘って脱出した人たちの話だ。ま、有明な本の資料としては便利。･･･便利なんだけど。話としては嫌いなんだよな。ああでもやっぱ手元にあった方がいいし、「トンネル」を３５００円以下で買えることなんてないだろうし･･･（秋葉原でも見つけたけど、そん時は税抜で３８００円したのでやめたのだ）。と、うだうだ迷っていたが、結局レジに持っていった。ちなみに「トンネル」を発見する前に、同じコーナーで廃盤となって久しい「ザ・ベスト・オブ・カーミット」のＤＶＤがあった。また、私がここへ来る途中で寄った中古ソフトショップで、「デーヴ」のＤＶＤが１４００円くらいで売っていた。でもって「スクール・オブ・ロック」のサントラが定価より何百円か割安で売っていた。この三つの方がよっぽど欲しいや。いや、もちろん三つとも買うのは絶対無理だけど、この三つのうちどれか一つを買ってあとの二つを諦めるとかだったら、すがすがしく帰れるのに。でも「トンネル」を買ってあとの三つを諦めるってのはなんかさ･･･。まあしょうがないや。
二、三日ぐらい後にＢＳ２とＢＳハイビジョンでロード・オブ・ザ・リングをやる関係で、午後５時１０分からＢＳ２でアクターズ・スタジオ・インタビュー「イアン・マッケラン 自らを語る」の再放送があった（ちなみに昨日は四時からケイト・ブランシェットの回をやっていた）。イアン・マッケランは１月２２日にやっていたのを見逃していたので、ラッキーである。
それにしてもまあ、その芸歴の輝かしいこと。出自こそイギリス北部生まれの中産階級だが、奨学金でケンブリッジ大へ入学し、そこの学生劇団に入って間もなく頭角を現し、以降、特定の劇団に所属することもなしにシェイクスピア役者として成功を収め、９０年にはサーの称号を与えられ･･･、まあ、実力なんだけどさ（本人は『単なるラッキーさ』って謙遜してたけど）。それにしても、同じイギリス役者でも労働者階級出身（しかも父親はジプシー）であるために、無数のＢ級作品に出ることで糊口をしのいできたマイケル・ケインのことを考えると、こういう格差がイギリスの現実なのかなあ、と思う。ま、そのマイケル・ケインも今では同じサーだけど。
で、イアン爺さんと言えばやはり、イギリスのゲイ・ムーブメントの中心的存在。サッチャー政権が公的な場での同性愛的表現を禁じる法律を立案した８８年、彼はそれに対する意思表明としてラジオ番組でゲイであることを公表した。
“１９８８年にラジオで同性愛者だと告白するまで、どのように性的交際を？”
「性的嗜好という個人の本質の部分を４９年もの間ずっと隠し通せたなんて、想像もつかないだろうね。だが言わなければ可能だったんだ。友人たちは皆知っていた。私が黙っていた相手は、肉親である家族とマスコミだけだ。心は内気な少年のままだった。それが英国の大劇場で華々しく舞台に立ち、賞賛を受けてきた。でも自分の核の部分は隠し続けてきたんだ。でも家族やマスコミに同性愛者だと告白した時、その殻が破れた。･･･舞台で初めて泣けるようになった。『ワーニャ伯父さん』の時だ。演出は元恋人のショーン・マシアス。共演は公然の同性愛者アンソニー・シェール。教授を演じた俳優は隠れ同性愛者だ。告白してよかったよ。肩の荷が下りた。自分でも気づいてなかった胸のつかえが取れたんだ。楽になった。以来、考え方も演技もどんどん良くなってる。告白したことが功を奏したんだ。」（場内拍手）
あと、学生劇団時代の思い出でこんな色っぽいお話も。
「当時の仲間がデレク・ジャコビ。私は恋心を抱いていた。」
“彼は承知を？”（しっかし毎度毎度、このジェームズ・リプトンってゲストにとんでもなくスレスレなことを聞くなあ）
「いや、でも最近告白されたよ（笑）。彼も私に恋してたとね。何もせず損したよ（笑）。はるか昔の話さ。時代が難しかった。」
それとやはり、マイノリティの物語ということで、Ｘ−メンの語りも熱かった。
「彼らは普通と違うがゆえに社会から疎まれている。パトリック・スチュワートが演じる善玉ミュータントは社会との共存を求めるが、私が演じるマグニートーはミュータントたちで結束し、権利を求めて戦うべきだ、という意見なんだ。市民権運動と同じ論争だ。数ある漫画の中でも最も貴重な作品だと思うよ。いじめられている子供たちに訴えかける題材だ。指から糊を出して壁を上るノンキな男の話とは違う（真顔）。差別を受ける者たちがどんな問題に直面し、それとどう戦うかを描いているんだ。同性愛者や黒人も励まされるはずだ。」
また、番組恒例の十の質問で、“嫌いな言葉は？”と言う問いにはひとこと、「カント（女性器の意）」。
その後一応フォローするように、こう言った。
「それ自体は悪くない。･･･いいものらしいね。（場内爆笑）女性をさげすむ言葉として使われるのが嫌なんだ。」
七時から名駅へ母と一緒にお買い物。近鉄にあるタワーレコードにてＧＱ日本版六月号、ＥＹＥＳＣＲＥＡＭ（海外カルチャー紹介がメインの日本の雑誌）六月号を買う。ＧＱにはロストのメイキングＤＶＤがついていた。帰宅後再生。日本で使われた予告編（この間の『２５時』の時に見たものだ）、映画撮影の合間のやり取り、監督・主役・ヒロインへのインタビューが入っていた。コピーガードがかかっているせいなのか、音と映像が妙な具合だったが、ひどく気になるというほどでもない。ＥＹＥＳＣＲＥＡＭの方はジャック・ブラックのインタビュー（もちろん写真あり）。それと、買った時は気がつかなかったが、コーヒー＆シガレッツのことも一ページだけ書かれてあった。ちなみに、日本でもアスミック配給で公開してくれるんだそうだ。やったー。でもそれ来年なのね。
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