猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2004年04月30日(金) 思わぬお宝

 パソコンにスピーカーの取り付けをした。あと他にもアップデートやオンライン登録しなきゃいけないものを、ちまちまと片付けた。

 夜中0時から1時半まで、BS2でクイーンの特集をやっていたので、洗濯物を畳みながら見た。司会はローリー寺西。ローリーは番組途中であの有名な市松模様の衣装にお着替えするなど、お茶目なシーンも。クイーンが初来日した時の映像が流れた時は、知っている人が映っていないかと思わず探してしまった。

 その後は、26日に買った「この映画がすごい!」六月号の付録DVDをようやく開封して再生。中身は思っていたよりずっと豪華。何より嬉しかったのは去る2月28日に開かれたアメリカのインディペンデント・スピリット賞授賞式後のソフィア・コッポラとビル・マーレーへのインタビュー。この授賞式はさすがにどこの局もカバーしてくれなかったので一部でもこんな永久保存盤で見られたのは本当に嬉しい。ああ、ありがたや。インタビューはこの他にも、スパイダーマン2で来日したトビー・マグワイアへのものや、指輪物語の監督のピーター・ジャクソン(1月31日、サンタ・バーバラ国際フィルムフェスティバル。サム役のショーン・アスティンの声もあり)、「モンスター」の主演のシャーリーズ・セロン(2月3日、サンタ・バーバラ国際フィルムフェスティバル)がある。

 DVDメニューの中には最近公開が始まった映画やこれから公開される映画の予告編もあった。デビルマンの予告もあったので見たのだが、うーん、意外とまともな作り。いや、もっとどうしようもないものを想像していたからそう思ったに過ぎないのだが。

 取り敢えずなかなかおいしい付録だと思うので、特別定価1030円でもいいかと思う人は買ってみては如何だろうか。20日かそこらに出たばかりの雑誌なので、まだ店頭にもあると思う。




2004年04月29日(木) 悪い男/25時

 レディースデイと祝日が重なるなんて。今日はもう、どこの映画館も混んでいるだろうな。木曜がレディースデイじゃないシネコン系の映画館は別として。こういう日は早めの時間に見るに限る。働いている人はゆっくり寝ているのが普通だろうし。あと今日は7時45分からBS2で「ブルース・ブラザース」をやるからなおさら映画は早めに見ちゃおう。

 と思っていたのにやっぱり寝坊(働いていないくせに)。ああ「25時」、十時半からの回を見るつもりだったのに。仕方がないので名古屋シネマスコーレの「悪い男」の二回目を先に見ることにした。

 「悪い男」は「魚と寝る女」のキム・キドク監督作品。ただ、「魚」は未見。これも「悪い男」と同じく、名古屋シネマスコーレでやっていた。劇場で見たかったんだが、その頃の私は、ミニシアターは一本につき大抵二週間かそこらしかやらないということを知らなくて、ふと思い返した時にはとっくの昔に終わっていたのだった。「魚」はもうビデオになっているが、いまだに借りたことがない(いつかは見るつもり)。

 そういうわけで今度こそきっちり見るぞーっと思ってこうしてやって来たのだが、着いたのが上映直前で、しかもすでに劇場のお姉さんが整理券番号を呼び始めていた。慌てて窓口でチケットを買って、整理券を貰う。番号は53番。間違いなく補助席だが、この回に見るのは無理かもしれないとさえ思っていたので、一応この回の整理券が貰えてほっとした。

 「悪い男」を見終わった後、「25時」の上映時間を調べたくてコンビニに入り、その手の情報が載っている雑誌を探した。ついでに、ビル・マーレーが表紙になっていると言う宝島も探したが、どっちも見つからなかった。うーん、こんなことなら今日の新聞から「映画演劇あんない」を切り抜いて持ってこればよかった。仕方がないので直接ゴールド劇場に行って時間をチェック。次回は4時10分から、とのこと。もうここでチケットを買っておこうと思ったのだが、以前と内装もシステムも変わっていて、まず、以前あったチケットの自販機がなくなっている。どうも当日券は窓口で直接買って、そのまま中へ入らせられるような感じだ。それならと、チケットは買わず、お昼ごはんを食べに喫茶店へ行った。その後、「あ、そうだ今日はBSでBBやるよな。家にテープなかったから買っていこう」と、ビッグカメラへ行ってテープを一本買い、劇場に戻った。

 ゴールド劇場には上映開始20分前に入った。やはりここでも整理券が必要なほどの賑わい。ちなみに私の番号は21番だった(ちなみにここの席数は全部で220席)。さっきは入口からちらっと見ただけだったが、本当にロビーの内装がえらく様変わりしている。スターキャットのマークがやたら目につく所にあったり、スタバもどきの軽食ショップが入っていたり。前はいかにも非シネコンの映画館って感じの所だったのになあ。

 売店でロストの前売りを二枚買い、ロビーの方でやっているセールを覗く。普段では見かけない映画チラシや、宣伝用ポストカードなどが叩き売りされている。ポストカードは「ハイ・フィデリティ」(二種類)や、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」、「天井桟敷のみだらな人々」(見たことないけど)を買った。あ、「光の雨」のカードもデザインがなかなかだったので買った。

 やがて前の回が終わり、館内清掃も終わってようやく入場。一番後ろの右側で、中央通路に面した席に座る。ここはスクリーンの位置が高いので、一番後ろで見るのが適切なのだ。ただし、勾配がほとんどないので前の席に誰か来たら終わりである。もっとも今日は稀に見るラッキーで、誰もこなかった。

 トイレでのんびり化粧を直したあと席に戻ると、すぐ予告編が始まった。「25時」はもともとレンタルビデオで済ませるつもりだったのだけど、ロスト・イン・トランスレーションの予告を見たくてわざわざ映画館に見に来たのだ。入るのがもう少し遅れたら、危うく今日ここに来たのが70パーセント無意味になる所だった。って、んなことスパイク・リーが聞いたら暴れそうだが。いや、私だって初めから分かっているさ、映画としては「25時」の方が遥かに名作ってことくらい。だってスパイク・リーだもんね。

 すっかり感動して映画館をあとに。帰りに寄った本屋でSAPIO5月12日号のゴー宣を立ち読み。手書きの欄外で、最近気に入って見ているアニメとして鉄人28号をあげていた。もちろん、横山光輝への弔意も表していた。別の棚で、限定販売とか言ってロストのフォトブックなる物が平積みで売っていた。ま、ビルへのインタビューでも載ってりゃ即買いでしょうがね。これを買うか買わないかはこの目で映画を見てからにしておきましょ。

 それから帰りに近所の本屋にも寄り、やっと宝島を見つけて買ったのだが、時計を見てはっとした。ああ、BS2でブラザースをやるってのにすっかり忘れているじゃんよ。もう8時半だよ。くっ、何のためにテープ買ったんだか。ロストの予告編を見る前までは覚えていたのに。

 帰ってから急いでチャンネルを合わせると、レイ・チャールズがピストルを撃っていた。まだ夕ごはんを食べていなかったので、紅茶を入れて、買っておいたカロリーメイトをあけ、映画を見ながら食べた。

 放映していたBBはディレクターズカット版ではなく、今となってはビデオか通常版のLDでしか見られない劇場公開版。その上LDより音も映像も綺麗だ。特に、ジェイクとエルウッドが湖畔を宣伝してまわる場面はLDでもDVDでも黒いパチパチが目立っていたのだが、その辺が綺麗になっている(一体どういう映像を使用したんだ?)。なんにしても録画したかった。ああちきしょー。

 NHKなので、字幕はソフト版とはまた別の人がやっている。特にNHKらしいなあと思ったのは、企業名や商品名が伏せられている所。例えばダッジなら「国産車」とか。いろんなセリフの細かい部分や、ソフト版では適当に流されている挿入歌の歌詞にも日本語字幕が入っていて新鮮な感じ。エンディングである監獄ロックのシーンでは、“CREW”の部分に、ご丁寧にも「クルーのみなさん」と字幕を出していて、なんかほのぼのした気持ちになってしまった。あー、BSハイビジョンでもう一回やってくれないかな。・・・無理だろうな。はあ、それにしてもこの頃のダンはほんとにかっこいいなあ。痩せてるし。

 さて宝島。これを見つけにくかった原因は表紙のデザインだった。私の知っている宝島は、プレイボーイとかSPA!みたいな奴なんだが、現在の宝島は表紙のデザインがダイヤモンドとかエコノミストみたいになっているのだ。変わりすぎ。

 記事は一ページのみ。ただ、使われている写真が、他の映画雑誌に載っていなかった写真なので、これは嬉しい。ちなみにこいつは去年九月のベネチア国際映画祭の時、リド島で撮られた物である。

 あと、こんなことが分かっても何にもなりゃしないが、記事内のミスに赤入れ。まず、誕生日は5月21日じゃなくて9月21日じゃ。あと、「学生時代は医者を目指しカレッジに入学したが、父親の他界により1年で中退を余儀なくされる。」ってのも。中退したのは本当だけど、それは別に父親の死とは関係ない(そんな感心な理由じゃない)。そもそも父親が死んだのは17の時だし。ビルはカレッジに入ったものの、ロクに勉強もせずマリファナのディーラーをやるようになって、そのうちそれで捕まって大学をクビになったのさ(昔の『ローリングストーン』誌のインタビューで逮捕された時のことを喋っていたなあ)。ああ、書いてて悲しくなってきた・・・。


■悪い男
 見るからにヤクザ然とした男がいた。彼はふと街中で見かけた一人の女子大生に身も心も釘付けになる。それは一目惚れだとか、胸がときめいた、などというものとは全く違う。かといって魔が差した、というような感情とも違う。ただ、女の子の姿を見た次の瞬間から、男は彼女から離れられなくなる。しかし所詮彼はヤクザ者、手酷く追っ払われこそすれ、好意を貰うことなど不可能。かと言って忘れるなど、それにも増して不可能。一体、彼女と一緒にいるにはどうすれば? ――ヤクザのやり方でやるしかない。ここから先は、大方の人にとってのご想像通りに展開する。ただし、「なるほど、人間の汚い現実を描いてやろうって魂胆だな、この監督は」などと思ったら大間違いである。監督キム・キドクには半端なやっかみや悪意などない。むしろ良心的とも言える。ただし、それは通常とは異なるベクトルの良心である。主人公の男女を徹底的に追いつめ、試す。そして、男の最低な行為と女にとっては悪夢でしかない状況を、在るがままに、執拗に、映す。そういう良心であり、そういう誠意である。
 男が女に己の行為を償うことも、女が男を許すことも、絶望的である。最初に「釘付けになる」と表現したが、これはまさしく男と女が心の釘で互いを打ち合う物語である。愛がない? 全くその通り。しかし、愛は不条理でしかないという価値観をお持ちなら、この上なく心満たされる作品である。

■25時
 スパイク・リー監督作品のくせに「ブラックパワー」な所が一切ないという世にも珍しい映画。まるでロボットが出てこない富野作品みたいだ。しかし、この人に限って自分自身のアイデンティティと直結していない作品を撮ることなど、やはり有り得ない。これはスパイク・リーが、「黒人としての自分」とはまた別に、「ニューヨーカーとしての自分」の目を通して、この街とこの街の奴らに対する限りない愛と憎悪を詰め込んだ物語である。うんと簡単に言ってしまえば、ご当地人情ものである。とはいえ、物語の舞台は9.11からそれほど日がたっていないニューヨークなので、差別・暴力・ドラッグ・セックスといったものが、否応なしについてくるし、ドラッグの売買で捕まった主人公がやがて行かなければならない刑務所は(タイトルの『25時』とは、主人公が娑婆で過ごす最後の二十四時間の後を指している)、更正の場ではなく、ケダモノたちに食い殺される所である(つまり『アメリカン・ヒストリーX』でノートンが演じた主人公と同じ目に遭うわけだ)。
 動かしようのない現実がある。どんなに手を差し伸べても届かない場所がある。しかし、最後にスパイク・リーは彼らに向かってこう言うのだ。お前は本当は祝福された存在なのだ、と。悲しいが、優しい映画である。




2004年04月28日(水) 出るんです

 2ちゃんから拾った情報ではあるが、確かなのでここでも書いておく。去年の末、“サタデー・ナイト・ライブ 25YEARS OF MUSIC”がポニーキャニオンからお出ましになったのは記憶に新しいが、なーんと、来る7月14日にSNLのDVDがまたもやポニーキャニオンから発売されるのだ! ちなみにラインナップは以下の通り。

■サタデー・ナイト・ライブ ベスト・オブ・アダム・サンドラー
■サタデー・ナイト・ライブ ベスト・オブ・エディ・マーフィー
■サタデー・ナイト・ライブ ベスト・オブ・マイク・マイヤーズ
■サタデー・ナイト・ライブ 25周年
■サタデー・ナイト・ライブ コンプリートボックス(初回限定)

 上三本はSNLのレギュラーであった各人のベストアクトを収録した物で、25周年と言うのは、2000年に放映された番組開始25周年記念スペシャルを収めた物。ビル・マーレーがポール・シェイファーと組んで約二十年振りのラウンジ歌手ニックをやって下さっているらしい。あと、アダム・サンドラーのベストも個人的に嬉しいな。オペラマンを入れてくれていると嬉しいぞ。定価の方は上四本がそれぞれ3800円(税抜)、一番下のボックスが15200円(税抜)。箱は四本がセットになった物なのかな? まだアマゾンとかには載っていないし、詳しいこともこれ以上分からないけど、まあその辺もそのうち出てくるだろう。

 はあ、それにしても。アダム・サンドラーと25周年以外は見事にどうでもいいラインナップだわ(ボカ〜ン)。いや、高い版権クリアしてこうして出してくれるポニーキャニオン様に対しては、ありがとうごぜえますだとしか言いようがないんだが、アダム・サンドラーやマイク・マイヤーズを出すんなら、クリス・ファーレイも入れてちょうだいよ。それと、第一期の皆さんの分はどうしたのかと。ダンやジョンは? あとスティーブ・マーチンは? もしかしたら、その昔アスミックから出ていたSNLのLDBOXをそのまんまDVD化してくれるという予定があるのかもしれないけど。25周年にしても、国内版が出てくれるのはすっごく嬉しいんだけど、まさかこうして出ると思ってなかったもんだから、リージョン2の物を昔買っちゃってあるんだよな(ボカ〜ン)。ああこんな所で負け組かい。それ以前にお金あるのか、自分(ボカ〜ン)。




2004年04月27日(火) ふたつのスピカ第6巻

 20分ばかり自転車をとばして元禄屋に行き、ふたつのスピカを発見。早速家で読む。ああもう、泣ける泣ける。ライオンさんの旧友の話なんてもう・・・。それと毎巻恒例の番外編も涙ばんばん。もうこの作品に関しては、しのごの分析する気になれないよ。て、今日の題名にまで掲げておきながら、こんな大したことない感想しか書けない自分が情けない。減らず口の私をここまで黙らせるとは、卑怯な作者だ。でも本当に泣くしかないんだもの、悔しいけどしょうがない。

 さて、やっと新パソでネットにも繋がったことだし、と3月8日の日記の末文にもリンクを貼ったレイトショー・ウィズ・デビッド・レターマンでのビル・マーレーのオスカー落選自虐スケッチを見ようと思ったら、なんとすでに削除されていた。うわあああああんっ!! こんなことなら例えフリーズしまくりになっても、前のパソでちゃんと見ておくんだったよおお。




2004年04月26日(月) 再生、が・・・

 朝、NTTに電話。ネットと電話はまた別とのことで、まずは電話方面のNTTに電話。すぐに電話の技術担当の人に来てくれた。すごいな、さすがNTTだ(調子いいね)。で、まずは電話の修理なんだが、こっちは原因も分かってすぐ終了。やっぱり私が変にいじったせいだった(ボカ〜ン)。そのうち修理代の見積もりをお送りしますが、と言われたので気になるお値段の大体の所を教えてもらったら、結構な額。とほほ、ま、さすがにこれは私のせいなので私が親に払うしかあるまいて。

 それからネットのこともちょっと訊ねると、家に来たNTTの人の一人がラッキーなことにパソコンに詳しい人で、試しに見て下さった。すると、もうこのターミナルアダプタかなり使っているから、本当ならXPにも対応している新しいTAに買い換えた方がいいんだけど、それも結構な値段だし、電話修理代もあるので今日の所はサービスで、とISDNを繋がるようにしてくれた。ありがてえ。

 こうしてめでたくネット開通。いや、ネット断ちすりゃ健康的だなんてとんでもなくて、むしろあれやこれやが気になってここ二日はかえっていつもよりそわそわしてしまっていたよ。こうしてやっと繋がるとリバウンドでこれまたいつもよりどっぷり電脳漬けになりそうだな。気をつけよ。

 と、ほっとしたのも束の間。先代からドキュメントフォルダとかなんとかを抜き忘れていたことが発覚。「お気に入り」とアウトルックで受信したメールが全て・・・。ああもう自分のドジさが信じられねえ。

 とはいえ、回線が繋がったことに何よりほっとしたのには変わりなく、取り敢えず安心で一杯。気をよくして近所の本屋へ映画雑誌他いろいろ買いに行った。映画ゾーンの棚を見ると、なんとCutの表紙がビル・マーレー(とその他の皆さん)! プレミアと共に即買い。それから、フルーツバスケットの14巻とエヴァの9巻を買う。レジをあとにして本屋の壁に貼ってある新刊発売予定表を見ると、23日にふたつのスピカ6巻発売、とある。慌てて本屋の中を探したが見つからない。店の人に聞いてみると、在庫数と入荷数を調べてくれた。が、返ってきたのは次のひとこと。
「五冊しか入れていないんですよね。だから、棚に出ていなければもうないですねえ」
 そ、そんなあ。

 がっかりしながら帰宅。今日買った日本版プレミア六月号とイギリス版エスクァイア一月号の記事をざっくりと読み比べてみたのだが、もしかしたらこの二つのインタビュー記事ってあんまり被っていないかも。というか、エスクァイアの方は字が細かすぎて流れがよく分からない。やっぱり辞書片手に読まなきゃ駄目なのか、面倒だなあ。

 笑えたのが、今日一緒に買った「この映画がすごい!」六月号の蔵出しビックリ写真館。だーれもいないどこかのビーチ。そこでたった一人、泳ぎまくる白髪の爺さん。誰あろう、スティーブ・マーチンなのだ(笑)。そりゃ、彼ほどの芸能人ならプライベートビーチくらい持っているんでしょうが、それにしても一人泳ぎ。しかも、なんか異様に一生懸命泳いでいて笑える。まあ、この人はテレビや映画の時と違って素ではとてつもなく偏屈で人見知りする人だって言うから(家族はロジャーって名前の犬だけ)、普段の過ごし方なんてこんなもんなのか。




2004年04月24日(土) 破壊

 今日は424の日だ、うわーいっ、と浮かれているゆとりもない。朝起きて母に、家の電話の子機が使えなくなってしまった、と言われた。うっ、きっと私がいろいろいじっているうちに回線のどこかを壊してしまったに違いない。NTTの相談センターに電話しようにも、土日祝日は受付していないのだとか。なんだそりゃ、日曜祝日ならともかく、土曜日ぐらいせめて午前中だけとかでもやっててくれよ。まあ仕方がないので、「それなら、月曜日に私が電話しておくから」と母に言った。

 幸い、親機の方は使えるので、まず昨日の続きでパソコン会社のカスタマーセンターに電話。案の定、順番待ちが長く、40分待った挙句にようやく繋がった。パソコンがある部屋と、この親機のある部屋が離れているので、センターの人に頼んで一旦電話を切ってもらい、私の携帯に折り返してもらって、いろいろと質問。相手の声に従ってパソコンを調べた結果、パソコンの方には何の異常もないとのこと。くう、じゃあ少なくともこの土日一杯はネットに繋げないのか。いろいろ返事しなきゃならないものもあるのに。やり取りの多い知り合いには携帯のメールを打って事情を知らせておこう。

 夜中の二時からスーパーチャンネルでサタデー・ナイト・ライブ。今日の#73はこれまでの順番からいくと、いわゆる「第一期」の最終回である第107回にあたる。ホストはバック・ヘンリー。・・・のはずなのだが、画面に映っているのはジョー・ピスコポ。でもってホストはエリオット・グールド。と、とばされている!? でもスーパーチャンネルのSNLは一回に二本収録することもあるから、前後入れ替えてこの次にやるのかも、と思って最後まで見ていたのだが、結局最後までビル・マーレーもギルダ・ラドナーも出てこず。ガーン。あ、でも前にもマーティン・シーンがホストの回をずらして放映したことがあったから(ちょうどこの頃NHK衛星で地獄の黙示録の特集をやっていて、BS2とハイビジョンで特別完全版、同じくBS2でアクターズ・スタジオ・インタビューのコッポラの回とマーティン・シーンの回をやっていたので、それにあわせて放映週をずらしてたっぽい)、今回もそれかもしれないな。そうであって欲しい。
 まあね、正直ジョンとダンが抜けてからはがっくりつまらなくなっていたから、もうそんな熱心に見ていなかったけど(ビルだけじゃあなあ)。それでもやっぱ最終回だけは別なんだよう。いつかちゃんとやってくれるかな・・・。




2004年04月23日(金) おニューのマシンまで後一歩

 本日、いよいよニューマシンへの移行。パソコン自体は去年の末に買ってあったんだが、諸般の事情で設置できなかった。ここ一年強、はらわたを引き摺るようにして働いてくれていたNECのバリュースターNX(Win98)とも今日でお別れである。

 先代の浄化作業と、ニューマシンの設置自体は特にこれといって支障もなくできたのだが、インターネットの接続だけがうまくいかない。あれこれいじったが、どうにも駄目なので、パソコンのカスタマーセンターに電話をする。が、電話番号をよく見たら、すでに受付時間を過ぎている。しょうがないので、今日のところは諦めた。ま、しばらくネットを断つのも健康的でいいかもしれない。




2004年04月22日(木) 卒業の朝/わが故郷の歌

 先日ネットでこれから見る映画の上映予定をチェックしていたら、ケビン・クライン主演の「卒業の朝」が今週までであることを知った。名古屋シネマテークで先週からやっている「わが故郷の歌」も期間が短いから早いうちに行っておきたい。でもってこれまたそろそろ終わりそうな「グッバイ、レーニン!」も二回目を敢行したい。というわけで本日のレディースデイはこの三本をはしごすることにした。あんまり映画館で映画を見るのは好きじゃないんだけど、どれもレンタル屋に並ぶかどうか微妙な作品ばかりだからしょうがない。つっても「卒業の朝」はケビン・クラインが出ているから見に行くだけだけど。私は、映画は自宅でビデオやDVDをゆったり見るのが一番、というアンチ映画館人間なのだ(シネコンで見るのは好きだけど)。マニアからすればけしからんと言われそうだが、別に私は映画ファンでもマニアでもないから、そんなもんどうでもいい。

 「グッバイ、レーニン!」は午後8時25分からの一回のみなので、その回を見るとして、シネマテークも今池駅にあることだから、最初に見るのは11時50分からの「卒業の朝」。アイデンの時のこともあるから、最初に見るものはあんまり超傑作じゃないといいなあ。せっかく梯子するのに最初の一本でやたらに感動力を消耗しちゃうのはちょっとね。

 前日、遅くまで日記のアップをしていたが、なんとか無事に起きてまあまあの時間に家を出られた。と思っていたんだが、「卒業の朝」をやる名演小劇場は栄駅からけっこう遠く、その上映画館が改装されてから入るのが初めてだったせいで、入る所を間違えてしまった。おかげで中に入った時にはすでに予告が始まっていた。しかし、考えても見ればこの映画館に入るのはこれが四回目だ(最初に使ったのは去年の夏か秋にやったヘルツォークの『神に選ばれし無敵の男』、次が二回見た『イン・アメリカ 三つの小さな願いごと』)。いい加減、駅からの距離をつかめよ。暗い中、画面の明かりを頼りに座っている人たちの足をまたぎながら(すみません)席に着いた。

 映画は二時頃終了。見終わってなんとなくぐずぐずとした気持ちのまま(理由は下にまとめて書いた感想を参照のこと)、それでもケビン・クラインのコメント読みたさにパンフレットを買い、次の映画をやる今池駅へ行った。開始の三時まで少し時間もあったので、今池駅前にある中古ソフトショップを覗いた。ダンが主役の「花嫁はエイリアン」のDVDが二千円くらいで売っていたので、一瞬買おうかと思ってしまったが、この間うちから随分贅沢をしているのでやめにした。第一、面白くないしね、これ(自分で言うのも悲しいが)。

 シネマテークに入り、ロビーに座ってカロリーメイトと燃焼系アミノ式で昼食。そばにある雑誌棚をふと見ると、映画秘宝の最新号が出ていたので読もうと思ったのだが、横にある日本版プレミアの表紙を見て驚いた。項目文字の中に「ビル・マーレイ」などと印刷されてあるじゃないか。インタビュー記事が載っているのだ、信じられん。ああもうこんな風に日本の雑誌に彼の名前が堂々と載るなんて。もう二度とないだろうから、また近いうちに買わねば。

 早く読みたいのでさっさと食べ終え、棚からとって読んだ。結構大きめの写真なんかが載っててまたまたびっくり。写真自体はそのほとんどがイギリス版エスクァイアの一月号に使われていたものだったし、インタビューもそれを流用したものっぽいが、訳すのが面倒臭かったので大いに嬉しい。それに見開きのモノクロ写真は初めて見る物だったので、ますます嬉しい。結局、入場開始時間になるまで読んでいたのだが、いやあ、「うそこけ!」と突っ込みたくなるような発言満載だった(笑)。まあ、それでこそビルよな。

 五時少し前に終わり、映画館を出た後、近くにある書店でさっきのロビーでは読めなかった映画秘宝を立ち読み。おお、「スクール・オブ・ロック」と共にジャック・ブラックが特集されている! やっぱりね。それと、この間のロフトプラスワンでもネタにされていたメル・ギブソンの「パッション」もばっちり突っ込まれている。ううん、これも早く見たいなあ。他、映画関連の本の棚にデビッド・リンチのインタビュー本があったのでこれも立ち読み。イレイザー・ヘッドの部分を読んだが、やはりあの畸形児のことに関しては「手品師がマジックの種を明かすなんてことは野暮なだけだ」と、ほぼノーコメントだった。だが、「イレイザー・ヘッドを撮るにあたり、その作品世界を掴むために猫を解剖した」なんて素敵なコメントがあってとても楽しめた。

 一時間ばかりいろいろ立ち読みした後、近くにある漫画喫茶に入って時間を潰した。この間友人が絶賛していた由貴香織里の「ゴッド・チャイルド」を選んで読んだのだが、やたらに詰め込みが激しいこの人の作品のこと、とにかく読むのに時間がかかって、一時間の間に一巻と少ししか読めなかった。うーん、これじゃ買って読むのと変わんないや。

 国際劇場へ入り、窓口でチケットを買って、ロビーに入った。レーニンの前に名探偵コナンをやっているので、高山みなみの声が時々聞こえてくる。ロビーでもう一箱のカロリーメイトを食べ、残りのアミノ式を飲んだ。

 ここは今池国際劇場(216席)と今池国際シネマ(106席)と、扉違いで劇場が二つ入っているのだが、名探偵コナンをやっているのは前者で、レーニンもここでやっている。レーニンは終日上映の頃は国際シネマの方でやっていたのに、夜一回のみの上映になってからは広い方の館でやってもらっているのだ。変な感じである。しかし夜の回でしかもこんなマイナーな作品目当てとはいえ、やはり日が日であるだけに、気がつけばロビーには女性の客が十人強いた。思い入れのある映画なだけに、少しでも来てくれるのは嬉しい。

 やがてコナンが終わり、劇場の中へ。早く来たおかげで今回はいい席に座れた。客も女性ばかりなおかげで、大して勾配のないこの劇場でも、人の頭で見えないことがない。二回目鑑賞だと、筋を確認するだけになってしまったり、途中で長いこと眠ってしまうケースがよくあるのだが、そんなこともなかった(さすがにちょっとだけうとうとした時もあったが)。むしろもう一度見て知る味がある。特に冒頭のホームビデオの場面や、幼いアレックスが自作のロケットを打ち上げる場面などは結末を知っているがゆえにじーんとくる。ああやっぱりもう一回来てよかった。

 家に帰る頃には小腹がすいていたが、もう遅いので我慢して、歯を磨いた。日記は忘れそうな部分だけ大雑把にだけ書き残し、寝た。


■卒業の朝
 前売り券(買っていないけど)のデザインを見ての印象は、生徒と一教師の心暖まるヒューマンドラマ。ケビン・クラインが主演じゃなかったら、まずわざわざ見に行ったりはしなかっただろう。別にそういう学園ものが嫌いと言うわけではない。あんまり人にばらすのは恥ずかしいが、「生徒諸君!」とか好きだし(うわあ)、「若草物語 ナンとジョー先生」も好きだ。まあただ、こういうのはふと何かの弾みで見て感動するのがいいのだ。わざわざ見に行くのは何かかえっていやらしい。

 さて、「卒業の朝」である。ケビン・クラインの好演は言わずもがな。問題は話だ。引退した一教師による過去の回想と、現在、そしてその後、といういかにもな構成であるが、残念ながら「チップス先生さようなら」や、「陽のあたる教室」のような気持ちよく泣ける話ではない。かと言って、「さようなら子供たち」のようにずしっとした重みのある話でもない。はっきり言ってぬるかった。そもそも、いくら私立の名門校とはいえ、70年代の高校男子があんなに清く真面目なのはおかしい。真面目で熱心な先生と、その熱意をただただまっすぐ受け止め、受け止め返せる精神を備えた生徒との間に緊張やドラマが生まれるはずもなく、途中までは見ていてかゆいほど。ああはずれか、とこっちが思い始めた頃、クラスに他校から放校された一人の問題児が転校してきて、物語は緊張感を帯び始める。

 上院議員を父に持ち、「役に立つこと」が全てという考えを叩き込まれて育ったセジウィック。彼にとってはハンダート先生(ケビン・クライン)が説くところの教養も、「努力すれば必ず報われる」、「理解しようと思えば誰とでも理解し合える」という言葉も、無意味なものでしかない。当然、セジウィックは授業態度も生活態度も反抗的。しかしセジウィックは、上院議員である父からのプレッシャーや無理解に心の中では苦しんでいた。実は自分も偉大な教育者であった父からのプレッシャーに悩んだことがあったハンダート先生は、この不良少年セジウィックの心の内を察し、彼に対する同情から教師として一度だけある罪を犯す。しかしその結果は最も報われない形で終わる。しかも善良な一生徒、ポールが、このために犠牲になってしまうのだ。

 やがて物語は現在に移り、ハンダート先生がこの二人の教え子に対して犯した罪への答えが出されるのだが、セジウィックとハンダートに用意されたどうしようもなく苦い結末に対し、映画の最末尾に用意された善玉生徒ポールとハンダートとの決着のつけられ方はあまりにもぬるいハッピーエンドで、結果としてセジウィックが退治されて当然の悪者であったかのような印象を見る側に与えるように描かれており、納得がいかなかった。さらに「けっ」なことに、大人になったポールはよりによって大学の講師、つまり学校世界の人間になっているのである。そりゃ、身内になら許してもらえて当然だろうよ。

 別にセジウィックを導くことができなかったとはいえ、それはそれで仕方がないじゃないか。挫折は挫折として描けばいい。少なくとも、岡本富士太演じる南先生が主役だった頃の中学生日記は毎回そんな話ばかりだった。南先生は真面目に教育を考え、真摯に生徒と向き合う理想的な先生だが、実際となると、生徒に思いが通じなかったり、あるいは通じ合っていてもいい結果にならなかったりすることなどしょっちゅうだ。親や学校の方針に流され、やむなく生徒を傷つけることもしばしだった。南先生はいつもそうした己の到らなさを一人の大人として常に自問しつつ、いくばくかの諦めと共に潔く受け入れていた。少なくともこの時代の中学生日記は、現実のやるせなさと、そのやるせない現実に向き合った時の大人と子供を多面的に描いていたと思う。「卒業の朝」は、途中まではそういうものを目指していたのだろうが、結末に到って放棄してしまった。ハンダート先生は南先生には遠く及ばない。


■わが故郷の歌
 地雷で父親を亡くした幼いクルド人兄弟たちを描いた「酔っぱらった馬の時間」のバフマン・ゴバディ監督による第二作。もちろん、この監督の映画なので登場人物は全てイラン、イラクの国境に暮らすクルド人たちである。

 描かれているもの、描こうとしているものは「酔っぱらった馬の時間」と全く同じである。これは喜びも悲しみも含めた今この時を謳歌している人々の物語である。まるで全てのクルド人がこの世界から消える時がすぐそこに来ているかのように、バフマン・ゴバディはクルド人たちの涙と笑いとそして美しい歌に満ちた瞬間を、情熱を込めて切り取る。真の意味でのヒューマンドラマ。




2004年04月19日(月) スクール・オブ・ロック(試写会)

 昨日の夜暑くてなかなか寝つけなかったせいか、起きたら時間は昼の1時。外は雨。昨日の夜寝る時にかすかに雨音がしていたのでそんな予感はしていたのだが。窓を開けると、雨は少ないが風が強い。

 台所に降りると、午前中に届いたらしい宅配のダンボール箱が置いてあった。開けると、大きなたけのこが八本ばかりある。母の友人が送ってきた物だ。届いたら茹でておいて欲しいと母に頼まれていたので、早速皮を剥いて、鍋にお湯を沸かし米糠と唐辛子を入れて茹でる。たけのこがでかいこともあって鍋一つでは足りず、やや小さい鍋をもう一つ出して茹でた。小さい可燃ゴミ袋二つがたけのこの皮でぱんぱんになった。茹で上がる前の間、雨が降り止んだ隙に郵便局へ行ったり洗濯物を干したりした。

 一時間半後、たけのこを取り出して皮を全部剥き、根の堅い所を落とし、真水にさらした。あちこちに糠の湯がとんでしまい、後で拭くのが面倒だった。

 金曜に買って冷蔵庫に入れてあったピザを二切れ食べ、服にアイロンをかけて顔と髪をちゃんとさせて、5時半前に家を出た。隣の家の八重桜の花びらが今日の風雨で散り、雨で濡れたアスファルトの道路にびっしりとはりついていて、異様に綺麗だった。雨は結構強くなっていたので、めがねに水がかからないように気をつけて歩いた。

 会場である栄のテレピアホールには6時10分前に着いた。天気のせいで行列が蒸し暑い。6時開場だったが、やはり二、三分遅れて開いた。並んでいた時、またもや前に入ってくる人がいたのだが(すぐ前ではなく、五、六人ぐらい前の所に入られた)、すごくいい席に座れたので、別によかった。さて、いよいよだ。

 天性の役者であり、天性のコメディアンであり、天性のミュージシャンであるジャック・ブラックがその個性を全身で現してくれた。

 「スクール・オブ・ロック」は、もし音楽好きなら絶対に見るべき映画だと思う。いや本当に、こんなに自分が音楽ファンじゃないことが悔しい映画はない。もちろん、ロックを知らなくても充分面白いけど、知っていたらもっともっと楽しめるんだろうなあ、というのが実感。音楽好きならやはりジャック・ブラックが脇役で大暴走してくれる「ハイ・フィデリティ」がさらにおすすめだが、これはもうビデオになっているので、これからリアルタイムで、大きな画面で、「スクール・オブ・ロック」を見て欲しい。忙しくて映画館に行けないなら、レンタルビデオでもいいから、絶対見て欲しい。

 音楽映画としてだけではなく、これはまた上質のアメリカン・コメディでもある。エネルギッシュでハッピーなアメリカン・コメディ、あるいはアメリカン・コメディアンを愛する全ての人におすすめする。

 メイン以外の部分に関して言えば、ジャック・ブラックが教える生徒たちがみんないい味を出していた。アメリカの子役ってのはみんなすでにして玄人で、逆にそこが子供らしくなくて嫌、という人もいるだろうが、この映画の子役のほとんどは「楽器が弾ける子」ということでオーディションして集められた子供たちばかり。どの子も仕草などに出来すぎた部分がなく、かえっていい。クラスの委員長役の子だけはハリウッドの子役だが、この子はこの子でませたキャラクターなので合っている。彼らが通う名門私立校の女校長役に、公私に渡るジャックの友人、ジョーン・キューザック。コメディエンヌの本領を如何なく発揮してくれている。

 すっかり幸せな気分でホールを後に。風は相変わらずだが、雨はほとんどやんでいた。ちょっと贅沢したくなって(この間したばっかりだろ)、夕ごはんは中日ビル地下の山本屋本店でみそ煮込みうどんを食べた。

 帰宅後パソコンをつけたら、FLixムービーサイトにジャック・ブラックのインタビューが載っていた。トップからも行けるが、興味のある人は手っ取り早くこちらをどうぞ。あと、日本版公式サイトはここ

 ジャックにはこれからもさらなるブレイクを期待したい。ジョン・ベルーシやクリス・ファーレイの二の舞にならないことだけを切に願う(先日見たプロモではLSDでトリップするスケッチやってたけど・・・)。

 11時頃、パソコンをつけて4月7日以降の日記をまとめる。今日中にアップしたかったが、気がつけば夜中の2時。しかもまだちゃんと書けていない。今日の所は諦めて寝る。




2004年04月18日(日) 鉄人28号(TV)第二回

 そもそも鉄人がまたリメイクされたこと自体、ついこの間まで知らなかった。最近アニメ雑誌をきちんと読まないから、夕方枠はテレビ欄でチェックできても、こういう深夜枠でこっそりやっているようなものは、うっかり見そびれてしまう。今回も同人仲間の掲示板を読まなかったらこの番組の存在を永久に知らないままだったかもしれない。

 まわりでの評判がとてもいいので、今日は朝から早く夜中にならないかと楽しみだった。絵柄やガジェットはよく作り込まれたレトロテイストだという。ますますいいじゃないか。ちなみに名古屋ではテレビ愛知で毎週日曜日の深夜1時50分からの放送である。ま、深夜だから時間は微妙にずれたりするのだろうが。

 で、開始。OPの前に例の「テレビを見るときは〜」のアバンタイトル(ちょっと違うか)。それを見たとき、一瞬、「怪傑蒸気探偵団」が始まるのかと思ったのは私だけか。OP、走る正太郎君の足元に下記のような追悼テロップが出た。

去る4月15日原作者の横山光輝先生がご逝去されました
謹んでご冥福をお祈り申し上げます

 ちょっとしんみりしてしまうが、続くミサイルの動きと爆発、そして鉄人の勇姿に圧倒された。ああ、なんか久し振りにテレビを見ながらピュアにわくわくできる。主題歌は初代のものが使われているのだが、千住明の豪華絢爛なアレンジもあって、絵に負けていない。Vガンダムの頃から好きだったけど、まだそれほどでもない年齢とハイソな育ちに似合わない大仰なメロディの千住明は、やはりアニメが一番その個性を発揮できる。この調子で挿入歌とかもじゃんじゃん作ってくれたら言うことないなあ。

 絵に見惚れる一方で、テロップもちらちらと注意して見ていると、プロデューサーに大月俊倫とあって、ちょっと懐かしい。キャラデがなかむらたかし。すげえ。監督は今川泰宏。おおこの横山マニアがついに代表作中の代表作を。・・・うーん、心配だな(ボカ〜ン)。

 始まった本編もOPから湧き出た期待感を裏切らない。「でかい・強い・かっこいい」というロボット物における一番シンプルなカタルシスを存分に味わわせてくれる。あとちゃんと昭和時代劇にしてくれたのも嬉しい。いやもう、それが一番嬉しいくらいだ。あと、敷島博士の声が牛山茂ってのが拍手もの。まあ、ごく個人的なツボなんだが。牛山茂はどっちかって言うと洋画の人だけど、私の好きなゴーストバスターズのイゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)の吹替えをやっている人なのだ。こうして同じ博士の声で聞けるのは、何だか得した気分である。

 しかしやはり今川節全開。もはや当人の芸風とはいえ、世間の横山番長諸兄からすると、この過剰さというのは賛否両論だろう(まだ2ちゃんねるとか、横山系のサイトとかチェックしていないので、その辺実際どうなのか知らないが)。シナリオレベルで矛盾は多々ある。まあ今川泰宏に整合性あるドラマを書けってのも筋違いなんだが。勝手に断定してしまうが、マニアからすれば、「完璧なジオラマでこちらの目を奪うのは結構だが、ドラマ部分での欠陥をどうにかしろよ」と言いたいに違いない。もちろん今川泰宏なら少年漫画レベルでのクールさとか、技と技の対決とかもがっちりやってみせてくれるだろう。だがこの人は、先へ行けば行くほどそういう部分より、宿命とか因縁とか、浪花節にばかり重点をおくようになる(それにつれて登場人物もどんどんバカになる)。しまいには因縁話だけになって、伏線も何もかも放置、煮えつまるだけ煮えつまって、あとには広げた風呂敷の残骸ばかり・・・、というのがパターンだからなあ。だからジャイアント・ロボも途中で見るの止めちゃったもんなあ。まあ今までが全部そんな感じだったから、今回もいずれはその轍を踏むことになるのだろうが、当分は映像の心地よさに浸らせてもらおう。

 さて、ここからはかつて平成版009を見てしまった者としての愚痴である。興味のない人、あの009が好きな人は読まないように。

 いや全く009を好きであることが悲しくなったよ、鉄人見ていたら。少なくとも鉄人は、求められるレベルをちゃんとクリアしているもの。一番やって欲しくなかったことばっかりやられまくった没ゼロとはえらい違いだ。ああ、せめて絵だけでもこのレベルだったらどんなによかったか。あるいはOPだけでも鉄人みたいな雰囲気のだったらもうちょっと慰めにもなったのに、何が悲しゅうてこっちのOPはトップ払い下げのミュージシャンだったのか。

 て、もうきりがないのでこの辺で。こんなことより、明日はジャック・ブラックだ!




2004年04月16日(金) N.Y.式ハッピーセラピー

 昨日中川コロナワールドの上映スケジュールをチェックしていたら、「N.Y.式ハッピーセラピー」はなんと今日まで。しかも上映は午後1時40分からの一回のみ。先月からやっていたのに、千円の日に行くことにこだわっていたらいつの間にか最終日か。それにしても市内でやっているのがここだけってあたり、やはりアダム・サンドラーは日本ではつくづくマイナーだ。そう言えば、去年スティーブ・マーチンの「女神が家にやってきた」も、上映していたのはここだけだったな。アメリカではどっちも国民的コメディアンなのにね。

 この物語はこういうもの。いつでもどこでもツイてないアダム・サンドラーが、ある日ちょっとしたことでキレたところ、そのキレた相手から訴えられてしまい、裁判所で判事から「怒り抑制のためのセラピー『アンガーマネージメント』(←原題)を受けろ」と命令された。命令に従ってそのセラピーを受けることにしたのだが、担当カウンセラーはなんとジャック・ニコルソンだった(ボカ〜ン)。

 て、ストーリーだけならとっても面白そうなんだが、どうもつまらなかった。だからせっかく売っていたパンフレットも買わなかった。いや、面白い部分は一杯あるのだ。ただそれは全部、アダム・サンドラー以外の奴が出ている時ばかりなのだ。カウンセラーでありながら実は一番アブない奴のジャック・ニコルソンはもちろん、アダム・サンドラーのセラピー仲間のジョン・タトゥーロとか、まああと、ネタバレになるから書かないがサンドラー映画恒例の無意味に豪華なカメオ出演とか、その辺を見ている時しか面白くない。アダム・サンドラーの部分だけ、何か妙に間が悪いというか、演出もギャグも弱いのだ。確かにアダム・サンドラーって昔から演技はあんまり巧くないけど、それにしてもなあ。本人のせいなのか、監督のせいなのか分からないが、「ウォーター・ボーイ」と「リトル・ニッキー」をこよなく愛する私としては、次回に期待する。というわけで“50 FIRST DATES”が日本でも公開されますように。

 映画のネタを私の知識の範囲内で解説。

※アダム・サンドラーのゲイの弁護士を演じているケビン・ニーロンは、サンドラーと同じくサタデー・ナイト・ライブ出身のコメディアン。サンドラーより少し前にレギュラーとして参加していたので、番組内では先輩格だった。ケビン・ニーロンはSNL時代、ダナ・カーヴィー(『ウェインズ・ワールド』の金髪メガネの方)と組んで、「ハンズ&フランツ」という、オーストリア出身のボディビルダーでちょっとゲイっぽい二人組みを演じていた。その後、「リトル・ニッキー」など、サンドラーの映画に度々ちょい役で出ている。

※ジャック・ニコルソンがゴルフクラブで他人の車を叩き割る場面があるが、ジャックは実際つい最近(一、二年くらい前?)、自分の前に止まっていた車が邪魔だとか何とか言う理由で、その車の窓をゴルフクラブで叩き割ったことがある。

 近所の本屋で昨日出た週刊文春を立ち読み。映画評に「ロスト・イン・トランスレーション」。東京では明日からなのね。ちなみに名古屋ではゴールド劇場で五月中旬から(TOHOシネマズは無理としてもせめてセンチュリー・シネマでやってほしかったよ。ゴールド劇場なんてあんな座席の固い所・・・)。

 映画評は中野翠もおすぎも三ツ星。まあ、こんなもんか。中野翠は「日本の描写が書き割りどまり」、おすぎは「日本のステレオタイプな描写が不愉快」だ、そうだ。この星の三つは映画よりも役者陣に与えられたものと見たね。




2004年04月15日(木) 行く先々死ばかりだ(by『風の谷のナウシカ』)

 何やらショックなことの多い一日だった。

 昼近くに起きてメールチェックがてらネットに繋いだらヤフーニュースに横山光輝が自宅で火事に遭い重態などというトピックスが出ているわ、また別の時間のトピックスには、昨日急死の報が入った鷺沢萠が、本当の死因は当初発表されていた単なる心不全ではなく、自宅での首吊り自殺だったとか出る。それから、今日が15日だったので5のつく日は一本100円のレンタル屋にティム・ロビンスの「さよならゲーム」を借りたくて行ったら、すでに店が潰れていた。この店はもともと、サイバーフォーミュラ11を置いてくれている店として通い始めた所で、以来これまで随分使わせてもらってきた思い出深い店であった。小さい割には品揃えがなかなか凝っていて好きだった。最近はとにかく安くなって、悪いなあと思いつつもありがたかった。旧作一本180円だとか、特別会員(と言ってもただでなれる会員である)になると5のつく日は旧作一本100円だとか、無茶な値下げをやりだしたのは、近くにTUTAYAができてからだったから、その頃から危なかったのだろう。最近また近くにGEOが来たのが追い討ちをかけたのかもしれない。

 そして、夜中1時をまわった頃に再びネットに繋いだら、横山光輝がとうとう亡くなったという報が出ていた。まあ、手塚治虫のように気になる未完作品を残して死んだわけではないので、読者としての心残りはないが、鉄人28号のテレビアニメもよい感じでスタートしたこの頃になあ(私は未見だが、周囲での評判はすこぶるいい)。今川監督はさぞかし沈んでいるだろうが、また一方で厳粛な気持ちで作品に向かっていることだろう。ただ、そういったものが悪く影響しなければいいのだが。それにしても、自身の煙草の不始末が原因での焼死とは、わりとスマートな印象のある作品を多く世に出した作家らしからぬ死に方である。

 ちなみに、横山光輝の死を知る少し前に、イラクの日本人人質三名が解放された、というニュースも目にした。これとはまた別に、つい最近誘拐され行方不明になった日本人二名はいまだ消息が分からないらしい。ま、先の三人にしろ後の二人にしろ、殺されたとしても深く同情する気にはなれないし、生きて帰ってきてもあまりそれを喜ばしくは思えない。全員、キャラが痛すぎる。あの人質三人たちにしろ、その家族たちにしろ、肥大しきった自意識が全身からぷんぷん匂って、テレビなどから目に入るにつけいやなこと。高遠さんの母親なんて、朝日新聞に詩を載せているし。娘が白土漫画のヒロインみたいな死に方するかもしれない時に詩を書き、あまつそれを世間に見せる母親って一体。まあ、ボランティア活動している人もいるのだから、人質の方々もそれなりに立派な人なのだろうが、それにしてもあの胡散臭さ。突っ込みの餌食にしてくれと言っているようなものである。あんなのがテレビにしょっちゅう映っていたのでは、真の意味で現実意識を持って困難に当たっている他の非政府組織の印象まで悪くなるよな。




2004年04月13日(火) エレファント・マン(テレビ鑑賞)

 朝昼兼用のごはんを食べながらラジオ欄の脇にあるBSデジタル番組表を見ていると、お昼からエレファント・マンをやるとある。うわーい。まあ、いろいろやっつけなきゃいけない用事もあるからそれをやりながら見よう、と思ったのだが、この最高にいびつな夢物語に限ってそんな風に見られるはずもなく、結局最初から最後までみっちり画面に集中して見てしまった。やっぱいいなあ。象男の真情も、それを取り巻く人間たちの善意・悪意・偽善・欲望、といったものも、ただ、「何だかよく分からない」ものとして描いているところが好きだ。リンチという人は人間の真の内面というものを決して描写しない。シルエットだけがこの人の全てなのだ。ただ、リンチの目はそれぞれのシルエットを異常なまでに細かく見てしまう人なので、内面を描いているように見えてしまうのである。この作品が感動作として取られてしまうのはそのせいだろう。

 こうして、二時間と十数分経過。後はいろいろ急いで片付けた。




2004年04月12日(月) 受付確認ハガキが来た

 思えば去年の冬コミには申し込みすらしなかったから、このハガキを見るのは一年ぶりということになる。

 などといきなり感傷的な書き出しをしてしまうほど、季節ごとの時間割がコミケベースになっているのが我ながらなんとも。ハガキは即、申込書と照らし合わせてジャンルコードを確認。受付番号の前半下三桁は703。うん、ちゃんと「TV・映画・芸能ジャンル」のコードである。取り敢えず、書類不備は免れたと見ていいだろう。思えば一昨年、夏コミの申し込みの際、封筒にジャンルコードを書き忘れて書類不備になったんだよな。あの時、受付確認ハガキだけは届いたもんだから、申し込みの段階では何事もなかったものと思っていたのだ。そしたら、5月の26日だったかに届いたのだ、白地の宛名シールが貼られた封筒が(この頃はまだ小さい封筒だった)。シールの下の方に「封筒にジャンルコードが無い」って書いてあるのを目にした時は魂が抜けそうになったわい。ちなみにこの時のコードの前半下三桁が982で、これが書類不備などを指すものだと知ったのはもう少し後の話である。

 なんだか昔の失敗をくどくどと解説してしまったが、これは新刊が間に合うのかどうか、そしてそれ以前にそれを出す金があるのかどうか、何とも言えない現状に対する逃避に過ぎないので気にしないでくれ(ボカ〜ン)。




2004年04月11日(日) ジャック・ブラックを・・・

 朝、帰りの新幹線に間に合うように起きたつもりだったが、ちょっと読みが甘くて午後1時56分発のこだまに乗り遅れてしまった。アパートを出てから駅のすぐ傍まで来て部屋に上着を忘れたことに気がつき、まあ間に合うだろうと思って戻ったのがいけなかった。あとたった二、三分早ければ余裕で間に合っただけに自分にがっかり。ま、しょうがないので30分後のこだまの自由席の所に並ぶ。のぞみかひかりの自由席で帰ろうかとも思ったが、ぷらっとこだまの乗車券しか持っていない所に検札されたら、料金丸ごと払えとか言われそうなのでこだまに乗って帰った。まあ、例えこだまでもぷらっとこだましか持っていない以上、こっちでも丸ごと払えとか言われそうだが。幸い、名古屋まで一回も検札には来られなかった。ぷらっとこだまのドリンク券と引き換えにホームで牛乳を買い、昨日の昼に食べるはずだったカロリーメイトを車中で食べた。

 名古屋には五時半頃に到着。せっかく名古屋駅に来たことだし、と、ヤマギワに寄る。安売りのCDがぎっしり入ったワゴンの所に、ギターの形をしたカードが一枚、ぽつんと置いてあったのでふと手に取ると、なんと「スクール・オブ・ロック」のポストカード(恐らく宣伝用。ポストカードのギターはジャックが劇中で使っているもの)。裏返すとキャッチコピーのようなものが刷ってある。「ジャック・ブラックをよろしく!」。思わず目をそらしたくなった。何と言うか、「に」じゃなくて「を」っていう所がまさしく苦し紛れ候で、余計にイタい印象である。しかしなんだってこんな所にこんなハガキがなあ、と思いつつ、店員さんに断りもなくカバンに入れてしまった(ボカ〜ン)。いいよね、売り物じゃないし。

 駅からバスに乗って七時頃自宅到着。家のドアには鍵がかかっており、父も母もいない様子。家に入って郵便物をチェックしていると、中にジャック・ブラックが載っているポストカードがあった。なんでまた、とよく見ると、「スクール・オブ・ロック」の試写会招待券! おお、以前WOWOW主催の試写会をネットで申し込んだものが見事当たったのだ! 試写系のもので普通に申し込んで普通に当たったのなんて、「ブレンパワード」の第一話先行上映会以来だ(笑)。もちろん、映画では初めてである。ああなんて嬉しい、もう私の人生はこれからバラ色だよ!

 母の携帯に電話をすると、今日は父と一緒に奈良へ出かけていたところで、今は帰りに実家に寄っているとのこと。了解して、一人でうどんを作って食べた。それから、いい加減3月23日より先の日記をアップせにゃあ! と、3月24日から4月6日までの日記をあちこち手入れしてアップ。4時前にようやく終わって寝た。




2004年04月10日(土) ファビュラス・バーカー・ボーイズin新宿ロフトプラスワン

 ちなみに先日の日記では書き忘れてしまいましたが、ファビュラス・バーカー・ボーイズとは、映画秘宝のメインライター、その他様々な映画関係のコラム・批評の書き手として知られている町山智浩(まちやまともひろ:ウェイン町山)と柳下毅一郎(やなしたきいちろう:ガース柳下)の二人組みのことです。

 8時半起き。イベントが12時開場12時半開演というスケジュールのわりには早起きだが、今日の私は並ぶ人(気合)。まあ、この手のものならやっぱ開場する一時間ぐらい前から並んでないとね。以前、ここで行われたオタクアミーゴスのイベントに行った時、入口の前で人がとぐろを巻いていたからなあ。ごはんはロフト内に入ってから開演までの間に食べてしまうことにして、取り敢えず冷凍庫のアイスクリームを食べて、9時半過ぎに部屋を出る。

 前にも来たことがあるくせにちょっと迷ってしまったが、ロフトには10時半に着いた。ロフトの入口は地下二階にあるのだが、行ってみてもまだ閉まっていた。地下の入口の前にいようか、一階の階段の前にいようか迷ったが、しばらく一階の階段の前で立っていることにした。それにしても見事に誰もいない。まあ、オタアミに比べるとマイナーなのかもしれない。10分くらいしてから、30ちょっと過ぎくらいの女の人が来たが、後から来たのに私の前に並ばれてしまった。・・・なんて言うかね、チラシとか持ってて明らかにそれ目当てで立っているんだから、一人とはいえ、後ろに並んでちょうだいよ(ちょっとオバちゃん)。また私も気が小さいからなかなかそういうのを面と向かって言えないのが我ながら歯痒いところ。

 11時頃、店主らしき人が到着。私も含めてすでに数人並んでいる。下に降りて並ぶ場所を聞いてみると、地下の入口の傍にある階段から並んで下さい、とのこと。意地で一番前に並ぶ。しかしさすがに並びながら寂しくなってきたので、Mさんにメールを打つ。Mさんは11時半頃に来てくれた。開場の方は、やはりこういう場所のせいか、10分くらい遅れて開いた。

 席は一番前だと首が疲れそうなので、二番目の真ん中辺りにした。モニター越しではなく、出演者が直接見られる席に座れるのが嬉しい。やっぱ早めに来てよかったなあ。お昼を食べようと昨日買ったカロリーメイトを出そうとしたら、部屋に忘れてきたことに気がつく。幸い、Mさんがお菓子を一杯持ってきていたので、それを食べた。それにしてもまわりを見るとほとんど鮨詰め。トイレに行きたくても無理かもしれない。ロフトの決まりとして、ドリンクのオーダーも回ってきたので二人でドリンクとポテトを頼んだ。しかしこれだけの人数の注文をここの少人数のスタッフでまかなうとなると戦争だろうな。

 一応、この日の主な出し物は、テネイシャスDのアルバムのプロモ映像、町山智浩によるキル・ビルは子連れ狼だった説の立証(笑)、メル・ギブソンの問題作「パッション」の解説、「宇宙からのメッセージ」のマッドビデオ、などなど。ゲストは高橋ヨシキ。途中で中野貴雄監督がゲストとして入ってきたのだが、その後さらにキャットファイトだか何かの女優さん二人が入ってきて、傍からしたらどうでもいいような居酒屋トークが延々続いて、ここだけ興醒めした。

 一番面白かったのは何と言っても、最初に流したジャック・ブラックの映像であろう。これのために上京したようなものだが、その甲斐は十二分にあった。

 多彩な芸人として今やアメリカでは大人気、日本でも知る人ぞ知るジャック・ブラック。その彼の活動の一つが、コメディアンのカイル・ガスと組んだロックバンド「テネイシャスD」である。コメディアンのバンドと言うと、ブルース・ブラザーズやウェインズ・ワールドのウェインとガースが思い浮かぶが、彼らが音楽センスやミュージシャンとしての存在感の点ではともかく、テクニックの点では今一つだったのに対し、テネイシャスDは二人とも本当に巧い。それでいてシリアス要素はゼロ。いやもう、本当にバカで下品なのだ。

 で、この日のプロモ映像。まずはライブでの二人がお目見え。ギターは二人ともアコースティックギター(ウェイン町山曰く、『世界初のアコースティックギターによるハードロックバンド(笑)』)。
 ジャカジャンジャンジャンジャンジャン♪ おおっ、聞くのは初めてだがどっちも本当に巧いぞ。ああ、なんかかっこいーわっ。
 ジャジャジャジャッジャンジャンジャン♪ おっ、おっ、ジャックが何か歌い始めるぞ。何だろうっ、何歌うのかな!?
 ジャンジャンジャン♪・・・

「フラッ―ァ――――――シュッ!!!!! アアァッ―――!!!!」

 ・・・で、まあこの後もジャックとカイル自作自演のプロモ映像が続くのであるが、ほぼ全てウンコ&ザーメンネタ。しかもなぜかどの場面でも二人は全裸かパンツ一丁(繰り返しになるが、これはミュージックプロモーションビデオである)。ううん、すごい、素晴らしい! こんなものを作れるのは、気違いか小学生男子だけであろう。ますます好きになった! いやあ、もうすぐ公開されるジャック・ブラック主演映画、「スクール・オブ・ロック」が待ち遠しいぞ!

 満足しつつ、イベント終了。最後の方は時間がおしてしまい、予告にあった実在のキルゴア中佐の映像が見られずじまいで残念だった。携帯の時計を見ると4時少し過ぎ。この後、銀座で5時半からやる「アップルシード」の試写会があるので、二人ともちょっと急ぐ。そのおかげで会場には無事間に合った。

 「アップルシード」の感想だが、まあ、私とMさんも含めた大方の皆さんの予想通りの、ただで見るに相応しい安い映画だった。まあ、アクションとか適度に見せ場はあるので途中で眠くなるなんてことはないんだが。最大の売りである映像が、同じ士郎原作ものであるゴースト・イン・ザ・シェルと比べて明らかに見劣りする出来(イノセンスは未見)。また、劇場版の攻殻と同じく、キャラの性格や世界観から士郎正宗らしいドライなダンディズムがごっそり抜け落ちてて、全員うだうだ言ってばかりでうるさいこと。「それが何になるのか」という類の青臭さなんざ一切抜きに、西部劇の牛追いの如く、己の体で覚えたものだけを頼りに仕事や任務を全うする。士郎正宗は(当時流行していた)サイバーパンクなビジュアルの中に、そうしたアナクロさを意図的に描いてきたのだが、その辺二次創作になると途端に無視されるのはどうしてか。て、士郎正宗嫌いなくせにまるでファンみたいな書き方しているな、私。ちなみになんで嫌いかというと、背景がメカばっかりのものが生理的に嫌いだから。だから作者は違うけど、「銃夢」とか読んだことないし、ブレードランナーとかも嫌い(でもルドガー・ハウアーには萌え)。あと、士郎正宗の漫画は、欄外に説明が多いわりには大して必要な説明じゃない所もうっとうしい。で、そのくせ肝心な部分がちゃんと描写されていないことが多くてなおさら嫌。ついでに押井守も大っ嫌いだ。あんな大学映画サークルによくいるキモい男子の頭ん中をそのまんま映像にしたようなもんに、なんであんなにファンが多いのか謎。押井守以上に押井シンパもこれまたうざくて嫌。どうせ毎回「俺たちは犬だ」みたいなオチばっかりじゃん。いつだったか監督違いの奴とかも見たけどそれはそれで「俺たちは人の皮を被った狼だ」とかやっててもうええ加減にせえって感じよ。何が面白いのかさっぱり分からんし、分かりたくもない。真面目な話、病的な感じしかしない。中途半端な所で自閉して、一方的な人間観だけが肥大しきっている感じ。でまた押井守ってのはそういう点を仮に指摘されても、「それもこっちは分かってやっていることだから」って理屈で開き直っちゃうからな。こういう人は他人とか自分のキャラとかを自分と同じ目の高さで見ようとしない。そういう視点でやっているな、ってのがちょっとでも匂ってくる作家は誰であれ、私は無条件にぺっぺだ。

 批判するならこんな生理的な言葉でなしにもっと理論的に責めるべきだろうが、いろいろ検証する以前に押井作品の印象というのがとにかく圧倒的に不愉快なんだからしょうがない。映像が凄いのは認めるけど、それを見て心地よくなる以上に、押井守の電波がキモいのでそんなものにお金は出しません。

 ううん、今日の日記のつもりがなんだかアップルシードから別の方向に。話を戻そう。

 映画が終わった後は、かの叙々苑(新宿駅中央東口の店)へ行った。とにかく二人で文字通りうまい肉を鱈腹食べた。どれだけ食べたか、詳しくは書かないことにする(ボカ〜ン)。

 二人で萌えな会話をしまくって時計を見るとすでに12時過ぎ。あ、そう言えば今日はJRじゃないからそろそろ帰った方がいいんだっけと思い出して、お開き。幸い、電車には間に合った。・・・と思ったんだが、なんと途中駅止まり(ボカ〜ン)。そうでしたそうでした、この時間帯はもう途中駅止まりしかないんでした。去年の夏も同じ勘違いをして肝に銘じたはずだったのに、もう忘れている・・・。まあ幸い、同じような見誤りをしたらしい人々が止まりの駅からぞろぞろ歩いていたので、それに加わることにした。ま、大した距離じゃないんで寝る前の運動にちょうどいいや。

 帰宅すると妹はすでに寝ていた。お風呂に入って二時頃就寝。




2004年04月09日(金) 東海道線を行く

 朝9時30分金山発の浜松行きに乗る。平日の午前中だというのに席は全部座られているわ、立っている人までいるわで意外。金曜日だからか? 鈍行での長距離移動はイベント等でよく使うものだが、安いとはいえ、座席やトイレばっかり気になっちゃうのが嫌な所。混んでいると、例えトイレのある車両にいてもそこまで動くことができないんだよな。もちろんトイレのない車両になんぞに乗ってしまったら完全アウトだ。ま、途中で降りて駅のトイレにでも入ればいいんだが、そうすると乗り継ぎのタイミングなどで30分、40分とロスしてしまう。ま、そっちの方がもっと嫌、という性分なんで、ある程度人がすくまでは、座ってごはん食べるのもトイレも我慢さ。

 大府、刈谷を過ぎた辺りでようやく傍の人が立ってくれたので、座ってカロリーメイトをがっつく。電車もすいてきたおかげでトイレも行けた。浜松駅には10時48分頃に着いた。ここで三島行きに乗り換え。三島行きの列車は幸いにもすぐ隣の線路ですでに停車しており、階段も使うことなくすぐ乗って座れた。向かいに座っているおじいさんがお茶を飲んでいるのを見ていると水が飲みたくなった。52分の発車までちょっとは間があったのでホームの自販機で紙コップ入りの壮健美茶を買い、席で飲んだ。当分乗り換えもないので景色をまったりと楽しんだ。さすがにこの辺りだと景色はほとんど山。桜はほとんど散っているが、木によっては満開になっている。木々それぞれの萌黄色も見ていて飽きない。

 それから今度は沼津で13時7分沼津発の東京行きに乗り換え。今回は乗り換えの回数が少なくて楽である。この電車でもすぐ座れたんだが、熱海だかどっかでえらく行儀の悪いおばさん(ちょっとお水系で服装が変に若かった)が私の向かいに座った。このおばさん、席にどっかと音をたてて斜めに座ったかと思うと、すみませんの一言もなく私のすぐ隣に足をずんと載せる。ところが、シートにガタがきていたのか、おばさんが座った途端にシートが座席から外れてしまい、おばさんは仕方なくシートをガタガタいじりつつ、おとなしくそこに座ったのであった。やれやれと思っていたら今度はバッグからストラップがお祭りのようにジャラジャラついた携帯を取り出し、友達らしい相手に電話をかけ、「あいつがどうたら」とかなんとか男か何かの悪口を受話器に向かって喋りまくっていた。しかしこのおばさんは幸いにしてそれほど長くはおらず、やがてどこかの駅で降りてくれ、その後は感じのよい母娘が乗ってきた。娘の方は七、八歳くらいの小さい子だったが、お母さんの方がちゃんとまわりに気を使っている人で、あんまり女の子をうるさくしないようにしていた。女の子の方にしても、外の景色なんぞに声をあげこそすれ、きーきーうるさい感じじゃないので実にかわいらしいものだった。手持ちのバッグの中に「○○ちゃんへ」と書かれた、女の子の友達かららしい手紙が入っていたから、転勤か何かで移動している道中だったのかもしれない。

 東京には午後3時17分、無事到着。そのまま乗り換えて秋葉原へ。実は前日までは「ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション」を見に行ってもいいなあとも思っていたのだが、東京近郊の映画館の上映時間を調べたところ、予定の到着時刻ではどこの館でも最終にすら間に合わないと分かったので、9日はいつも通りDVDと古本漁りをすることになったのである。しかしこの映画、多分名古屋でも見られそうにないなあ。なんせ映画館が家からじゃちょっと遠いし。いや、バックスバニーは別にどうでもいいんだが、ジェナ・エルフマン(ダーマ&グレッグのダーマ役)に、ブレンダン・フレイザー(ハムナプトラ、原始のマン)に、スティーブ・マーチンが出ているから、すごく見たいんだよな。またこの手の映画だとビデオとかになるのも遅いから、なるべく映画で見てしまいたいのだ。ちなみにこれ、吹替え版も上映しているんだが、ブレンダンの声は森川智之なのに、ジェナ・エルフマンの声は雨蘭咲木子じゃないんだよ。ふざけているっ(ダーマ&グレッグのファンにしか分からない怒りなのでスルーしてくれ)。

 さすがにお腹がすいていたが半端な時間だったので、ちゃんとは食べずに秋葉原駅の近くでソフトクリームを一個食べる。通りに出ると、焼け焦げた上をシートで覆われたヤマギワの店舗が目に入った。何件かの中古DVDショップを見回る。

 その後は中野。まんだらけで同人誌を何冊か買った。それから映画系のお店に入ると、在庫処分とかでSwitchのバックナンバーが一冊100円で床に山積みになっていた。山の中にティム・ロビンスのインタビューが載っている95年6月号が見つかったので買った。この雑誌のバックナンバーは大体どこでも500円〜1000円くらいするのでこういうのはありがたい。通常の棚を漁ると笠智衆特集号があったのでこれも買った。さすがにこれは高くて1000円。他に中古DVDショップも回ったが、どうしても欲しい類のディスクがなかったので、そのままアーケードを後にし、駅前のラーメン屋で適当に食べて、妹のアパートへ向かった。

 駅からアパートに行く途中にあるスーパーで雪印のリーベンデールアイスクリームを買っていった。これは市販の数あるバニラアイスの中でも一番好きな味で、私や家族がよく行くお店のメニューにあるおいしいアイスに使われているを知って以来のお気に入りである。が、やはり雪印のせいかなかなか見つからず、せいぜいここのスーパーでしか見たことがない。そんなわけで妹の家に行くとは必ず買って、デザートやイベントの日の朝ごはん代わりに食べている。

 スーパーを出てから明日の昼ご飯のことを思い出し、途中にあるコンビニでカロリーメイトを買う。二日連続で昼食がカロリーメイトってのもなんか嫌だが、まあしょうがない。

 寝る前に妹から叙々苑の金券を貰う。なんでそんなもんをウチの妹が持っているのか謎だが、取り敢えずこれでロストの件は許してやることにする。それから床に布団を出してもらい、12時過ぎに寝た。




2004年04月07日(水) 殺人の追憶

 水曜日はTOHOシネマズレディースデイだ、というわけで、韓国映画「殺人の追憶」を見に行く。監督は日本でも批評家に絶賛されたブラックコメディ、「ほえる犬は噛まない」と同じ人。「犬」も上映されていた頃見に行きたかったんだけど、話の中で犬がマンションから突き落とされたりするっていうから、どうにもためらわれてそれっきりにしてしまった。にしても、「犬」はシネマスコーレ(名駅の近くにあるミニシアター。席は50くらい)だったのに、それが評判になった途端、今度はTOHOシネマズとは。まあでも、内容からしてカップル向けじゃないし、早めに行った方がいいには違いない。案の定、館内は客もまばらで、その客もちょっと年のいったマニアっぽい人ばかりだった。

 物語の舞台は80年代後半、軍事政権下の韓国。この当時は軍事演習が夜間でも行われ、灯火管制が敷かれることもしばしば。一方で若者による民主化運動も各地で勃発。また、朝鮮戦争終結後からの経済復興もようやく実を結んで高度経済成長が始まりつつあり、それにつれて、都市と農村の貧富の差がじわじわと現れだしていた。そんな頃の韓国のとある小さな村で起こった連続婦女暴行殺人事件が起こった。犯人を突き止めようとする地元刑事二人組、そして彼らの応援にやってきたソウルの刑事がこの映画の主人公である。

 さて、こうくりゃ大概の人は「おおっ、なんか松本清張!」って思うよね。私もそう。だって日本の昭和40年代のような世相を舞台にした殺人事件ものといったら、誰だってそれを期待するでしょ? ところがこの映画はある面においては松本清張なんだが、もう一方の面では全く松本清張していないのだ。しかもそのだめなもう一方の面というのが、刑事ものとしての面なんだから、かなりがっかりくる。ソウルから来た刑事はまともに仕事をこなしているのだが、地元刑事二人組がプロらしさゼロのどうしようもない能無しなのだ。いやもう、こいつら如きが刑事をやっているこの頃の韓国なら、ドジな私でもトンズラできると思えるほど。昔から捕まえる相手は常に当てずっぽう。しょうもない根拠で目をつけた相手を勝手に犯人と決めつけて、無茶な拷問と誘導尋問で無理矢理自白させ、それを証拠として提出して恥じない。まあ、当時の田舎の警察なんてこんなもんかもね、と嫌な意味でのリアリズムなら感じられるのだが、話が犯人側の残忍な狡知よりも、刑事側のしょうもない不手際ではまり込んでいくばっかりでは、こちらはひたすらイライラするだけ。結局サスペンスらしくなるのはラストの3、40分ほどなのだ。

 というわけで総合的にはあんまり評価したくないし、人にもそうそうすすめられないのだが、一方でどうしようもなく魅力的な部分もある。顔の見えない犯人が、一人、また一人と手に掛けていく場面の不気味さ。その度に被って流れるラジオの歌謡曲。こういう作り手の黒い遊び心はつくづくいい。やっぱこういう作品にはそういうものがないとね。

 そしてやはり、声を大にして言いたいこの作品の最大の魅力は、濃厚な「あの頃」の匂いである。扇風機しかない仕事場。舗装されていない道路を走る丸みを帯びたフォルムのバス。チョゴリ姿と洋服姿が混ぜこぜの群衆。ガラス障子の居酒屋。ひしめく平屋の家屋と入り組んだ路地。そしてどこまでも広がる稲穂の海。そして、これら背景をそのまま擬人化したかのような、深い陰影のある顔と演技力を備えた役者陣。日本ではもう決して育たなくなった作物が、韓国ではまだ生育可能なのだ。懐かしくも妬ましい作品である。

 ところでTOHOシネマズと言えばシネマイレージなのだが、あれ、自分以外の分はカードを通して買ってもマイレージは加算されないのね。ちぇっ。・・・て、説明はよく読もうな自分。

 夕ご飯を食べて帰宅後、ネットでニュース。えっ、カエルのカーミットやミス・ピギーなどなど、ジム・ヘンソンプロのマペットがディズニーに売却される? ジム・ヘンソン・プロとディズニーは確かジム・ヘンソンの死後、業務提携していたから(業務提携の話はヘンソン急死以前に持ち上がったもの)、まあ、事実上はこれまでとあんまり変わらないのだろうし、どこであれ、より残りやすい環境に行けるならその方がいいんだろうけど、複雑だなあ・・・。




2004年04月06日(火) ジョン、星になった

 昨日の朝、これまでの内職を収めてほっとしたのも束の間、また新たな内職の山が。ま、金曜から東京に行くことだし、ちっとは稼がないとな。

 ネットであのハリウッドの星に、ジョンの星が加えられたというものを発見。てっきり、もうとっくの昔に星になっていたと思っていたので、正直意外。そう言えば、あのランディ・クエイドも星が貰えたのはつい去年のことだったな。

 4月2日のニュースによれば、1日にその星を飾る催しが開かれ、ジョンゆかりの人々が集まったらしい。弟のジム・ベルーシ、そしてダン・エイクロイド、それからジョンの奥さんだったジュディがいるのは当然として、ジョン・ランディスはなんでいないんだろ。でもって、なんでチェビー・チェイスがこの場にいるのか謎。この人ほんとに調子いいな(笑)。

 アメリカの各オンライン・ニュースに、この時のジムやチェビーのコメントも載っているが、ジョン・ベルーシについて何かひとことと言えば、やはりダン。この日の写真では後ろの方で写っていましたが、語るとなるとやはり違う。
「俺たち芸能人は、みんな今すぐここへ来てジョンの星を磨きに来るべき」
「ジョンがさっきから何か言いたがっている・・・。う〜ん、『来る時はブラッソ(某金属研磨剤の名称)を忘れるなよ!』だってさっ」

 相変わらずジョンのこととなると誰よりも熱い。でもそんなダンが好きさ。




2004年04月05日(月) ぷらっと

 今日は髪を切りに行く。ちなみに、この前切りに行ったのは11月の終わりか12月の頭頃である。長くない髪のわりに放置しすぎだが、他にいろいろ使うんだから仕方ない。まあ、金がある時でもない時でも、いつ美容院に行くかが原稿の締め切りやイベントの日程に沿う形になるところは同じなのだが。美容院のお兄さんに髪を切られながら、「仕事見つかった?」などと話しかけられ苦笑。この美容院は母も常連である上、毎回切るのも同じ人なので、その辺の話は筒抜けなのだな。切り終わってさっぱりとしつつ会計をしてもらった時、ポイントが溜まったからとかでこの美容院の金券を貰った。ありがたい。

 美容院の近くにあるHMVや、パルコをちょっと見た後、東京用の切符を買いに名古屋駅へ。金券ショップで18切符の一回分を買い、みどりの窓口でぷらっとこだまを買いに並ぶ。こだまは五時前だったこともあってその場で貰えた。支払いの際、受付のお姉さんから諸注意。なんと、今月一日からぷらっとこだまの席数の割り振りが変わるのだそうだ。もともとぷらっとこだまは人気があるから、繁忙期などの場合、ぷらっとこだまに割り当てられている席数はすぐにオーバーしてしまう。こういった際、今までなら同じ号の他の指定席から予約を取ることができたのだが、これからはそういった処置は一切なくなり、ぷらっとこだま用の席が足りなくなっても「追加」などはせず、もうそれで売り切れということにするのだとか。あともう一つ、当日販売がなくなる。ま、これは別にいいのだが、ううん、前者はコミケ者にとってはとてつもなく痛いぞ。アレの時期のぷらっとこだまの車両なんてその道の人ばかりだというのに、みんなどうするのだ(会社に勤めていた頃は、会社が名駅のすぐ近くだったこともあって、アレの時期は仕事が終わるやロッカーの荷物を引っ提げてこだまに乗ったもんだった。そして車内ではペーパー折り・・・)。ま、ぷらっとこだまは本数が限られている上に繁忙期は値上げされちゃうから、今までだって上りの時くらいしか使わなかったけど、これは痛いなあ。




2004年04月02日(金) パピヨン/戦争の犬たち/すみれは、ブルー/キング・オブ・コメディ

 朝(と言うよりほとんど昼)起きてメールチェックしていると、Mさんから、今度10日にロフトプラスワンでやるファビュラス・バーカー・ボーイズのトークライブに一緒に行かないか、とのメールあり。また、同じ日にやるアップルシードの試写会にも当たったので、これもどうか、とのこと。

 町山智浩と柳下毅一郎のトークライブは、予定のネタの中にジャック・ブラックがあったので行きたいと思っていたところ。アップルシードの方は微妙だが(笑)、映像の方に興味はあるのでこれも行けるもんなら行きたい。

 というわけで両方OKのお返事をしたいところだったが、妹のアパートに泊まれるかどうかと、当日の交通費が心配だったので、先にその確認。妹の方は泊まってってもいいよ、とのこと。ま、先日のロスト試写会の件を考えれば泊まらせてくれて当然よな。それと調べてみたら、18切符が今月の10日まで有効とのこと。これなら、11日に帰る時はちょっと贅沢してぷらっとこだまで帰っても大丈夫だな。どうせ今年の5月は東京も大阪も行く積もりないし、その分ちょっとくらい贅沢したってねえ(我ながら甘すぎ)。

 というわけで当日両方OKのレスを送信して、内職に戻る(ああまだ終わんねえよ)。

 お題の四本を先日借りてきた。だが今日が返却日だというのに、まだ一本も見ていない(ボカ〜ン)。勇気を出してお仕事の締切りについて母に聞いてみると、同じ物を他二人にもやってもらっているのだが、どちらもまだかかりそうだし、先方から急かされてもいないので、多少は伸ばせるとのこと。複雑な気分でほっとしつつ、ある程度枚数を片づけてから、ビデオ四作一気鑑賞。

パピヨン
 なるほど、これが例の“足が映っている”か・・・。あ、いや失礼、ひとりごとです。
 スティーブ・マックィーン主演の脱獄映画。絶海に囲まれた島にある地獄の刑務所に無実の罪で投獄された男、パピヨンが何度も何度も脱獄を図るものの、その度に追手に阻まれたり、裏切りにあったりして失敗してしまう。そしてさらに過酷な罰を受け、ただただ年月ばかりが過ぎていき・・・というお話。あれやこれやの虐待描写には感心したが、うーんやっぱ私には「ショーシャンクの空に」の方が好みだな。そう思ってしまう一番の原因は、パピヨンとドガ(ダスティン・ホフマン)の人間関係だ。これがどうしても引っ掛かった。ドガがなんでパピヨンにあそこまでよくしてくれるのかがよく分からなかったし、パピヨンはどう見てもドガに餌付けされただけのようにしか思えないし。いや、彼らが放り込まれたまさにホロコーストな牢獄の環境を考えれば、リスクを犯してまでちゃんとした食糧を与えてくれたドガの行動っていうのは、何ものにも勝る恩なのだろうけど、なんかそれだけって感じがしちゃったんだよな。他にも二人でいろいろ助け合っているんだけど、そのどれもあんまり印象に残らなかった。

戦争の犬たち
 クリストファー・ウォーケンを愛する者全てのための祭り映画。今よりぐんとスリムで白髪の一本もない若きクリスが傭兵に扮し、頭と体を張って大活躍。勿論、拷問シーンもあり(ボカ〜ン)。もはや他に何もいらないおいしすぎる映画。

すみれは、ブルー
 ケビン・クラインとシシー・スペイセクによるラブストーリー。70年代に青春を過ごした二人の若者。二人は恋人同士だったが、とある事情から彼らの道は分かれ、やがて男の方は故郷で仕事を得て結婚し親となり、女の方は仕事にのみ明け暮れた。そんな彼と彼女が十数年振りに故郷で再会し、互いに得たもの失ったものを知るという、実はラブストーリーじゃなくて人生ドラマ。映画というよりはテレビでやる二時間のスペシャルドラマみたいだが、ケビン・クラインとシシー・スペイセクをこよなく愛する者にとってはそれでも充分満足。主役の男女、どちらの生き方も否定しない作り手の姿勢も嫌味がなくていい。

キング・オブ・コメディ
 小堺一機は映画館でこれを見て、恐ろしさのあまり後で吐いたのだそうである。そしてそれを聞いて何がそんなに恐かったんだろうと思った関根勤は、映画のビデオを当時の自宅にあった14インチのテレビで見てみることにした。気がつくと見終わるまでに一リットルペットボトル入りのお茶を全て飲み干していた。恐怖で喉が乾き、汗が止まらなかったからだ※。
 てなことを知ってしまえば、恐いもの見たさで見たくなることは必然的。特にこれは今までのレンタル屋には置いていなかっただけに、期待も大。
 主人公の名前はルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)。ただし、それが本名なのかただの芸名なのかは分からない。コメディアンになることを夢見ているが、どこのクラブで芸を披露しているわけでもなく、部屋でそれらしい真似事をしているだけ。要するにエエ年こいて定職もなく親元暮らしというボンクラなのだ。なんだあたしと似たようなもんだな(ボカ〜ン)。で、そんな彼が人気コメディアンであるジェリー・ルイス(ジェリー・ルイス本人がやっている)を、とてつもない憧れと、とてつもない嫉妬をこめてストーキングするというお話。うん、確かにプロの芸人にとってはこの上なく恐ろしい物語である。
 公開時は不入りで赤字まで出てしまったと言うが、初期スコセッシ作品の中では一番娯楽作品らしい仕上がり。何よりテンポがいい。それまでのスコセッシ作品の常識であった「主人公が暴走に至るまでの鬱々とした日常」の描写をばっさり切ってルパートをすでにいかれている人間にし、物語の構造を「追う者と追われる者」というシンプルな形にしているので、見る分には非常に楽。
 有り得ないバカが有り得ないバカを有り得ない回数繰り返して話を進める。この手の、トラブルメーカーが登場する作品は概ねこうだ。でも私はこういう話はコメディであれなんであれ、見ていて途中でイライラするばかりなので大嫌いだ。だからこの手の作品はできるだけ避けている。「キング・オブ・コメディ」もそういう系統の作品である恐れは大だったが、人間性に関しては徹底してクソリアリズムのマーティン・スコセッシが作っているからだろう、そういう匂いは一切感じられなかった。マイナーだがもっと広く見られるべき作品。
 内容とは直接関係のない話なのだが、ルパートとは別に登場してジェリー・ルイスをストーキングする女の役に、デ・ニーロはメリル・ストリープを望んでいた。演技力もありコメディセンスもある彼女に是非と思い、実際オファーしたのだそうである。ところが彼女はその役に気が乗らず、結局断ったのだとか。まあでも、あの女の役は無名の人がやったからこそよかったと思うけどな。

 ビデオは夜中の二時頃に全部見終えて、自転車に乗って返しに行った。ま、ビデオは部屋の中でくつろぎながら休み休み鑑賞することができるので、これだけ見てもそんなに辛くない。どれも面白かったしね。

※「関根勤×江戸木純 シネマ十番勝負」



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