猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2004年02月29日(日)

 昼間、D−VHSテープを買いに、歩いて20分ほどの所にあるのコジマ電気へ。途中の近所の家で、庭の白梅にメジロがとまっているのを目にする。いかにも春らしい。ああ、こうやって徐々に徐々にクソ暑い夏が近づいてくるのかと思うと、本当にクソって感じだ。一年中秋と冬ならいいのに。

 それにしても明日はついにアカデミー賞か。明日の日記のタイトルが浮かれまくりなものになるか、それとも「ファッキン、アカデミー!」になるか。

 しかし明日は何時に起きよっかなー。直前ライブは朝の7時55分に始まるから、それに合わせて起きようかな。でもあんまり早く起きてやきもきした挙句にネットで結果を確認したら落ちてましたってのは、一番ガックリきそうでやだなあ。かと言って昼頃に起きてその起き抜けに「ビルじゃないのか!? ガーンッ」てのも、それはそれでやだし。ああなんか、コミケの当落以上にわなわなするよ。って最後にそんな例えが浮かんでしまう自分が情けない。てゆかそれ以前に、今日の日記の内容がいい大人としてかなりどういうものかって感じだよな。

 夜中にFLixムービーサイトのニュースを見ると、「ロスト・イン・トランスレーション」、インディペンデント・スピリット賞を総ナメ、とあるのを見つける。賞で候補となっていた、監督・脚本・作品・主演男優部門全てで受賞、と。パパコッポラも大喜びだそうだ。そりゃそうだろう。

 明日のことでなかなか寝つけそうにないので、母から貰った内職をやる。結局4時半に寝た。




2004年02月28日(土) 今日から見せびらき

 明後日はいよいよアカデミー賞授賞式・・・。昨日スカパーのガイドを読んでいたら、3月1日にムービープラスで「E!アカデミー賞直前ライブ」と「E!アカデミー賞ノミネーションSP」、そんでもって「E!アカデミー賞直後ライブ」っていうのをやるのを発見したのだが・・・。ちなみに私は現在スーパーチャンネルとヒストリーチャンネルに加入している。で、なんちゅーかその、結局今日カスタマーセンターに電話してチャンネルを一個増やしてもらった(ボカ〜ン)。WOWOWの生放送はS氏に録画してもらうことになっているんだが、まあそれはそれとして。取り敢えず今月だけ、ね。ま、500円増えるだけだし。

 電話すると一時間もしないうちにムービープラスが映るようになった。ぱっと映ったその時、やっていたのはレスリー・ニールセンの「裸の銃(ガン)を持つ逃亡者」。レスリー・ニールセンの一連の作品は今まで見たことがなかったので、雑用を手に、「これがレスリー・ニールセンなのかあ」としみじみ見る。いやー、面白かった。マイク・マイヤーズがいかにつまらないかってことが具体的に理解できて、なんかすっきりしたわ。

 夜9時からBSハイビジョンで「アフガン・零年・OSAMA」。この間のゴールデングローブ賞で外国語映画賞を獲った作品である。BS−2のGGAで映像がちらっと流れた時から、良くも悪くも気になっていたので見た。タリバン政権末期のアフガニスタンで、母や祖母と貧しく暮らす女の子、マリナ(確か12歳くらい。ちなみに演じている女の子は素人で、名前もマリナ)が主人公。生活のために母や祖母らはやむなくマリナの髪を短く刈り、そしてマリナは男になりすまして外で働こうとするんだが・・・、いうお話。周知の通り、タリバン政権下では女性は外出も外での労働も禁じられていた。映画では入院している家族の看病に行ってすら、殺されかねない状況が出てくる。

 タフで貧乏で萌えーな話だといいなー♪って感じだが・・・。「良くも悪くも」気になっていた方の、「悪くも」の方ばかりが的中し、結局30分としないうちに視聴をやめた。いやほんとにいっそ、萌えーな話だとよかったんだけどなあ(んなもんを期待したバチが当たったとも言えるか)・・・。うっすらと予感していたとは言え、まさかこれほどまでにいやげド真ん中とは。最後の方もちょっと見たが、劇中で物語なり、人物なりに、何らかの変化があったような雰囲気も伝わってこなかった。

 というわけで、上記のような穴ぼこだらけの視聴ではあるが、個人的な印象を。とにかくマリナの人物設計が嫌だった。いろいろ悲惨な目に遇ったりするのだが、そのいかなる状況においても、彼女は悲痛に思いつめた顔をしているか、ひたすら泣くかのどちらかなのだ。笑うことは勿論ない。そして悔しがることもなく、その素振りすら見せない。何かズルして裏をかこうともしない。一回くらいは「何とかするぞ!」って力を見せようとする場面があっても良さそうなものだが、ゼロ。そりゃ生まれた頃からこの政権下で育ったんならそうもなるさ、というのが正論だろうが、私には単なる根性なしにしか見えなかった(鬼って言いたきゃ言え)。「A.I.」のオスメント君が気に障った人なら、間違いなく嫌いになれる子である。

 まわりの大人も腹が立つくらい腰抜けだらけで、主人公と知り合う老若男女、どいつもこいつも現状を嘆くしかしない。

 しかもさらに追い討ちをかけるように、マリナは男に成りすましているのがバレて、井戸穴の中に吊るされたりするのだ。ここで例によってマリナは泣くのだ。それはもう、子犬を引き裂くような声で。ここで私は見るのをやめた。

 現実がベースになっている作品と言うのは、つくづく感想を言う上で難儀である。どんなに釈然としない部分があっても、「だって現実がそうなんだから」と言い返されれば、何の反論もできなくなってしまう。

 映画の後、主人公を演じた女の子を追ったドキュメンタリー、NHKスペシャル「マリナ」がやっていたので、これも見た。マリナの父はタリバン政権下で拷問を受け、足に障害を持ってしまい、働けない。母もまだ赤ん坊の末子を抱えているので働けない。そのため、マリナや兄弟たちが働く(道で物乞いをする)ことで、飢え死にしない程度の暮らしを続けている。マリナが道で物乞いをした相手がたまたまこの映画の監督で、それがきっかけで彼女は主役に抜擢されたのである。

 ドキュメンタリーの中で、「あなたはこれまでどんな風に暮らしてきましたか」と記者の一人に聞かれると、マリナは例の通りに子犬を引き裂くような声で泣き出した。まあ、ここに関してはそんな質問をする記者の方がアホだと思うが。ちなみに監督は他の演じ手も孤児院や難民部落を回って探した。字の読めないマリナに、監督が口伝えで場面やセリフを伝えている姿が印象的だった。

 こんなエピソードを知ってしまうと、のんべんだらりと暮らしている私なんぞはいよいよ文句を言う資格を失うが、心が鬼なので言う。こんな何やられても一発も殴り返せないようなガキが主人公の話なんか作るな。演じている本人もそういう子だって分かってんなら、なおさらタチが悪い。イメージにぴったりだったか知らんが、こういう子がぴったりの映画にこういう子を使うなんて悪趣味だよ。そのくせ、この映画に出たおかげでマリナとその一家が、思わぬ糧を得られたってのが、ますますやり切れんわ。せめて、いつかマリナちゃんがソルボンヌK子のように真っ黒い根性の持ち主になってくれることを祈るばかりだ。

 私は子供が悲惨な目に遇う話や、肉体的・精神的に痛めつけられる場面を子供に演じさせることが、人道的に許せないというわけではない。ブラジルのスラムを舞台に子供同士の銃と麻薬の日々を描いた「シティ・オブ・ゴッド」も、地雷で父親を亡くしたクルド人兄弟たちが、生活のために、地雷と国境警備兵の只中を密輸品を積んだロバを引いていく「酔っぱらった馬の時間」も好きだ。大人とか子供とかは関係ない。魔法使いのおばあさんでも現れない限り幸せになれない人間の話なんぞが見たくないだけだ。不愉快なだけだから。

 深夜、知っている所に日記のリンクを記した。カウンタがこれまでのアップの作業だけで、すでに120くらいいってしまっていたのでゼロに戻した。




2004年02月27日(金) Biography − John Belushi

 amazon.comで注文していた“Biography − John Belushi”が郵便で届いた。早速再生してみたのだが、残念なことに以前ヒストリーチャンネルでやっていたバイオグラフィーと同じものだった。うーん、てっきり最近作ったもう一本の方のバイオグラフィーかと思っていたんだけどな。この最近作ったバイオグラフィーの方は、葬式の時の映像とか入っているから見たかったんだけど。

 このまんまじゃちょっと悔しいので、最後まで見ることにした。ヒストリーチャンネルでやっていた吹替え音声つきのものを、すでに暗記するくらい見ているので、何もなしでも普通に見られるのがなんか恥ずかしい。ああ、小っちゃい頃のジョンの映像は何回見てもかわいい。休暇中にヴィンヤード島でのんびりしている様子も、後のことを思うとしんみりとせずにはいられない。

 24日にアップされたFlixムービーサイトのニュースによると、映画俳優組合員賞の主演男優賞はジョニー・デップが獲ったとのこと。分っかんねー。彼のこれまでのキャリアからしたら、作品としても役としても、「パイレーツ・オブ・カリビアン」なんて賞貰うようなもんじゃないのになあ。ああ、ますますアカデミー賞が不安だ。

 深夜1時50分、毎週恒例「ふたりは最高! ダーマ&グレッグ」再放送。これは毎週三話立てでやっているものなんだが、今日は一話だけで終わり、その後いきなりアクターズ・スタジオ・インタビューでスピルバーグ(後編)が始まった。ああそう言えば二週使って地上波で前後編をやるっていう予告を見たっけ。うーん、忘れてた。先週気がつけばよかったなあ。別にスピやん自体には何の興味もないけど、「1941」の裏話とかがもしあったら聞きたかった。ま、こんな失敗作の話なんかどうせ逸らされるだろうけど。

 さして眠くもなかったので、雑事をやりながらちらちらと番組を眺める。話が進み、やがて「シンドラーのリスト」になると、今までのこの番組で見たこともないほど大きな歓声が、生徒たちからあがっていた。分っかんねーな、アメリカ人って・・・。




2004年02月24日(火) 確定申告、ラン・ローラ・ラン、花嫁のパパ

 昼頃BSフジでジェレミー・アイアンズ主演の「ロリータ」をやっていた。雑事をしつつ横目でちらちら見る。どんな汚れ役を演じても、どこか美しい哀れさを漂わせるジェレミー・アイアンズ・・・。しかも音楽はエンニオ・モリコーネ。やー、いいねえ。涎出そう(ボカ〜ン)。そう言えば、先月21日にアクターズ・スタジオ・インタビューで、ジェレミー・アイアンズはロリータについて、「共演のエマ・トンプソンが云々」って言ってたけど、よく見たらトンプソンは出ていないんだよな。うーん、テロップではエマ・トンプソンと言っていたのに、何だったんだろう。あの回は録画していなかったから、今となっては確かめようがないなあ・・・。

 さて二月ももうすぐ終わる。というわけで以前勤めていた会社から貰った源泉徴収票を持って確定申告のために出かけていった。区役所に(税務署だろ、バカ)。・・・で、税務署に行くと、当たり前だがえらい数の人がいた。番号カードを貰って並ぶが、前には十人くらい並んでいた。しかし意外にも早く進んで、結局入ってから20分もしないうちに終わってしまった。ま、私の場合、生命保険だのなんだの加入しているものがないもんな。

 8時58分からBSジャパンで「ラン・ローラ・ラン」。賛否両論の作品だが、私は普通に面白いと思った(別にベルリンが舞台だからいいってわけじゃなく)。所々やたらキーキーうるさかったりするので、不特定多数で鑑賞するには向かないが。構成がビル・マーレーの「恋はデジャ・ブ」にちょっと似てる。つっても「ローラ」はかなりオフ・ビートだけど。主人公の彼氏役の人は「es」の主人公やっていた人だね。

 eiga.com本日更新分によると、アメリカの映画俳優協会(SAG)主催の全米俳優協会賞が発表されたとのこと。主演男優賞はどう考えてもショーン・ペンかビル・マーレーだろうと世間も私も予想していたのだが、蓋を開けてみればなんと、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップ。ジョニー・デップは同じ役でオスカー候補にもなっているが・・・。わっかんないなあ。彼のこれまでの芸歴からいったら「パイレーツ〜」って一番どうでもいいような仕事だと思うんですけど(幼い娘を喜ばせるために出たとはいえ)・・・。ちなみにジョニー本人は欠席していた模様。同じく賞の候補にあげられていたショーン・ペンは、柄にもなく出席していたのにこういう結果になったわけだ。なーんか釈然としないなあ。ま、この手の賞が妙なのは今に始まったことじゃないけど。

 なんだかもやもやしつつ、現在のアメリカの興行ランキングをチェックしていたら、アダム・サンドラーの“50FIRST DATES”が初登場で堂々の一位。わあ嬉しい〜〜っ! いや別にアダム・サンドラーが特に好きってわけじゃないんだが、これダンが脇役で出ているんだよ。彼の関連作品が当たってくれるのはやっぱ嬉しい。“50FIRST DATES”は主人公(アダム・サンドラー)と、その恋人で毎日朝になるとはそれまでの記憶がなくなる病気にかかっている女性(ドリュー・バリモア)とのラブコメディ。厄介な病気になっていても、彼女のことが好きな主人公は毎日毎日ラブラブで接するものの、翌朝になれば彼女の記憶はまた真っ白。二人の行く末はどうなる? っちゅう話。ダンは彼女の主治医の役らしい。日本でも是非公開して欲しい! とこだが、同じアダム・サンドラー主演のコメディで、これから日本でも公開される「N.Y.式ハッピーセラピー」が東京ですら限定二週間公開というお寒い状況では、ちょっと無理かもしれん・・・。

 東海テレビで夜中の1時59分からスティーブ・マーチンの「花嫁のパパ」。なんかいかにもぬるそうなファミリーコメディという先入観があったので、私の中でのレンタル屋で借りたいランキングは限りなく下位のこの作品。せっかくテレビ放映で見られるなら、といい加減眠い目を擦りながら鑑賞。

 意外に面白かったし、かなりよくできていた。マーチンの演技にしても、役としての演技と、スティーブ・マーチンらしいアッパー系神経症演技がちゃんと同居している。まあ確かにマーチンが娘かわいやのパパ役なんて物足りないっちゃ物足りないんだが、ここまで完璧に演じられちゃ、こっちも好き嫌いばかりは言っておられまいて。それにこの作品、一応私みたいなわがままな観客向けに、脇の方で、フランス訛りのオカマっぽいウェディングコーディネイター(マーティン・ショート)とかちゃんとクセ者を泳がしておいてくれてるしね。

 個人的にキタのは一瞬出てくるユージーン・レヴィ。マーティン・ショートがスティーブ・マーチンに紹介した披露宴の歌手として出てくる。残念ながらスティーブ・マーチンが「他の歌手に変えてくれ」と言っちゃうので、本当にちょい役なんだが。

 しかしこうやってユージーン・レヴィを見ちゃうと、スティーブ・マーチンとユージーン・レヴィのキャストが逆だったらなあと、どうしても思ってしまう。ユージーン・レヴィだったら、マーチン以上に味わい深く、娘を嫁にやるパパを演じてくれただろう。そして変な歌手の役をスティーブ・マーチンにやってもらって、映画のクライマックスである披露宴のシーンで大いに歌い、踊っていただければ完璧じゃないか。まあ、言うだけならタダですが。興行的にユージーン・レヴィが主人公になることなんて有り得んことくらい分かっているさ(涙)。でも、レヴィもクリストファー・ゲストと組んだ「ドッグ・ショウ!」を経て、最近ではようやく世間から哀愁親父として認知されるようになったよな。日本じゃ相変わらず知名度ゼロだけど。昨年末は「みんなのうた」でN.Y.批評家協会賞助演男優賞を受賞した。今さらだけどおめでとう。ちなみに「みんなのうた」は、東京ではすでに公開中。名古屋でも早くやって欲しい。




2004年02月23日(月) マリカ・・・

 ふたつのスピカで録画し忘れた回の内容を確認したくて、先週分の予告編を見る。・・・で。大好きな割にはここ数週間録りっ放しのままろくに見ていない罰が見事に当たった。一昨日の第15話は、マリカの過去にアスミたちが触れる話だったのだ。マリカぁぁあああああああああああーーーーーっ。



2004年02月22日(日) 空想 万年サーカス団、ダンの足

 朝9時半頃起きて、部屋で母と二人、棚に入っているティーパックの緑茶と、昨日母が木村屋で買ってきた菓子パンで朝食を食べる。その後、支度をしてチェックアウト。それから母は前日と同じくアパート探しに池袋へ、私はオタクショップ巡りのために中野へ、それぞれ出かける。中野ではオースティン・パワーズ・ゴールドメンバーが表紙になっている日本版プレミアの02年9月号と、オースティンパワーズが表紙の日本版エスクァイア99年3月号を買った。プレミアは「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のウェス・アンダーソンへのインタビュー、エスクァイアは元SNLライターのトム・デイビスへのインタビューや、みのわあつお、柳下毅一郎、みうらじゅんらによる最近のアメリカン・コメディに関する対談が載っていたので買った。

 3時頃、原宿で母、妹と落ち合う。服のお店を一件覗いた後、地下鉄渋谷駅まで歩き、そこから新橋へ。新橋演舞場には4時頃着いた。三人ともまだお昼ご飯を食べていないので相当お腹がすいている。開演まで30分ほどあるので劇場地下の喫茶店でサンドイッチを食べる。

 で、「空想 万年サーカス団」。キャストは藤山直美、中村勘九郎、柄本明とえらい豪華なのだが・・・。死ぬほどつまらなかった。でもまあ、40代から50代のおっちゃんおばちゃんたちはみーんな笑っていたから、正しい層に正しく受けたと言えるのだろう。ふと横を見れば、むかつくことに母と妹は笑っている(笑)。ああ、東京に連れていってくれたのはとっても嬉しかったんだけど・・・。これってこの間のミスティック・リバーへの面当てなのですか、母よ。

 ちきしょー、いっそ帰りてえ〜、と思いながら休憩時間に扉の外に出ると、40代くらいで、痩せてめがねをかけたおっさんが、扉口に立っている案内の女性に向かって、「オラ松竹、なんじゃこら、つまらんのじゃっ!」と罵声をあげていた。いや、案内のおばちゃんに当たったところで己の格を下げているだけだが。・・・分かるぜ、そうしたくなる気持ち。

 昼間、ろくに水分も取らずに歩き回ったので、喉が渇いてしょうがない。休憩の間に外の自販機でペットボトルの水を買い、ひたすら飲む。4時半から始まった上演は8時頃まで続き、その間三回休憩が入るので、映画と違って膀胱を気にせず水分を補給できるのはありがたい。

 で、この舞台の感想をもうちょっと詳しく。人情喜劇なのに、明らかにそれにそぐわない泣きや笑いが入っていて、見ていてなんとも不愉快だった。戦中が舞台なのは分かるけど、サーカスの虎が射殺されたりする場面をズバリやるのはいかんでしょ、人情喜劇で。しかもこの虎、着ぐるみで、中に入っている人の顔も丸見えな構造になっているのに。そんなもん使ってそんな場面やられてもむかつくだけだよ。でも、この舞台がつまんなかった最大の理由は勘九郎だね。テレビの芝居じゃ騙されてきたけど、この人こんなに下手だったんだ・・・。頭がちょっと弱いっていう設定の人物を演じているのに、変に照れていると言うか、中途半端に素が出ている。どう見てもそんな風に演じるべきキャラじゃないのに。こういうバカをバカにしたような演技って大嫌い。その点、藤山直美は完璧にバカにしか見えない演技だし、笹野高史も柄本明もそれぞれのポジションをぴったりと演じていて、この三人を見ている時だけは楽しめた。

 見終わってから食べ物屋を探して三人で銀座近辺をうろうろ。歩いている最中に「ふたつのスピカ」の録画予約をし忘れていたことを思い出し、ますます気が滅入る。

 それからトンカツ屋を一軒見つけて入った。三人共カツ丼。母と妹が感想を楽しそうに言い合っていたが、まあ、そこに口を挟むのも野暮な気がしたので、黙って食べる。

 夜の12時頃、母と二人で帰宅すると、先日amazon.comのユーズドコーナーで注文した“MR.MIKE’S MOND VIDEO”が届いていた。てっきりまた船便で出されて届くのは二ヵ月後かと思っていたので、ちょっと吃驚。同じ日に通常のビデオコーナーで注文したジョン・ベルーシのバイオグラフィーはまだ届いていないのに。

 まあそんなことより“MR.MIKE’S MOND VIDEO”である。いやもう正直絶対手に入らないと思っていたので、こうして現に入手できて、嬉しくて嬉しくてしょうがない。もう今日のあの舞台のことなんて忘れてやらあ。こちとら寝てる場合じゃないぜ! と早速再生。

 モンドというのは、まあ起源はいろいろあるが、要するにゲテモノドキュメンタリーである。人食い土人とか幻のナントカやらがぞろぞろ出てきたりするのが多いが、基本的にヤラセ。まあ、川口浩探検隊をもうちょっと芸術っぽくしたようなもんだろうか。で、この“MR.MIKE’S MOND VIDEO”はどういったモンドなのかというと、サタデー・ナイト・ライブ第一期のライターの中で中心的存在だったマイケル・オドナヒューが作ったものなんだが・・・。うーん、実際見たところモンドっぽさは全然なかった。いつものSNLと一緒。ダン・エイクロイド、ビル・マーレーにギルダ・ラドナーも顔出ししているし、やっぱりSNLでバックバンドのキーボード担当兼パフォーマーだったポール・シェイファーまでご丁寧にSNLとおんなじようにキーボード弾いて出てきてる。

 ちなみに、れっきとしたあっちのビデオなので字幕はない。なのになぜこんなものをわざわざ買ったのか? それは、ダンの足の水掻きが見られるからである(ボカ〜ン)。

 日本でもビデオとLDになっている「ベスト・オブ・ジョン・ベルーシ」。この中で、SNLの面子がジョン以外全員早死にしたと言う設定のスケッチ、「怒りをこめて振り返らない」において、ダンの墓石を前にし、爺さん姿のジョン・ベルーシはセリフでこう言う。

「(ダンは)ハーレーが大好きでな。280キロで突っ込みおった。疾風じゃよ。遺体の確認はワシが行った。足の水掻きでやっと分かった」

 足に水掻き? ダンの足指にはそういう畸形があるの? 最初にこのスケッチを見た時はよく分からないままただのジョークかと思っていた。だが、あとで事実ダンが合指(ごうし)症であると知った時は・・・えらくときめいたものである(ボカ〜ン)。もう、どんな風になっているのか気になって気になって。今回ついに念願のビデオを手に入れ、早送りでもして一刻も早くその場面を見たいと思いつつも、テープの劣化を恐れて普通に再生させること22分余り。そこでついにダンがバストショットで登場し(以下の感想は公序良俗に反するので自主規制)。




2004年02月21日(土) 母のスネで東京

 明日の22日は母と私と妹の三人で、新橋に中村勘九郎と藤山直美が出る舞台を見に行く予定である。どうせ東京に行くのなら、来年度から東京に就職した弟のアパート探しもしようと、母は前々日に夜行列車で出発する予定だったのだが、結局なんだかんだで夜行はキャンセルして新幹線で今日のお昼頃出発と言うことになった。私の方は母とは別で、ちょっと早起きして10時の新幹線に乗った。

 この日私はMさんと銀座で待ち合わせして飲む(こう書くとなんてリッチな感じなんでしょ)のであるが、その前に神保町をまわる。しかし神保町では何もゲットできず。まあ、目当てがEsquireのバックナンバーじゃなあ。取り敢えず待ち合わせの時間までまだ大分あるので、三省堂書店へ。中へ入ると人が行列していたので何かと思ったら、今日ここで中井貴一のサイン会をやるためであった。何時から始まるのかは分からないが、本人はまだ来ていないようである。

 行列を横目に発売されたばかりの映画秘宝やこの映画がすごい! を一通り立ち読み。店を出る頃はサイン会の真っ最中だった。人ごみの間から貴一の横顔をちらっと見て帰った。

 それから銀座へ。Mさんから30分遅れるというメールが入ったので、それじゃあゆっくりぶらぶらしようと、地下街から地上へ出た。銀座の交差点一帯は歩行者天国になっていて、おかげですいすい歩けて気分が良かった。すると交差点の歩道の一角で、5、60歳くらいの車椅子に乗った婆さんが、自作と思われる反戦の歌をがなっていた。一人の若い警官が「こんな所でやめて下さい」と、気の毒なくらい丁寧に言い聞かせるも、婆さんの歌声は強烈になるばかり。どこまでいっても息継ぎなしの完全ノンストップである。こんな車椅子に乗った婆さんのどこにこんな肺活量が、と思わずにはいられない。で、婆さんの歌う反戦の歌がどんなものだったのかと言うと、何せ、ジャイ子が歌っているみたいなひどい歌声だったので歌詞もよく聞き取れなかったが、「広島とー、長崎にぃー、原爆をっ落とされた国がっ、なーぜーっ!」てな風だったと思う。面白かったので適当に眺めていたが、なんせリアルジャイ子である。到底いつまでも聴いていられるようなものでもなく、しばらくしてから離れた。あの歌を間近で聴かざるを得ない警官さんに同情する。

 5時半に無事Mさんと会って、夕食その他いろいろ。目当てのレストランが潰れていたというアクシデントに見舞われるも、それ以外は何事もなく終電まで楽しく過ごした。




2004年02月20日(金) エンピツに貢ぐ

 もうすぐお試し期間が切れる。まあ、継続はしたいので指定金額をエンピツの口座に振り込み、有料登録をした。そのうち登録完了のメールが届くことだろう。今んとこ2月12日分までアップしているから、大分溜まったってことだなあ。しかしいつ公開しよう(ボカ〜ン)。



2004年02月19日(木) アドルフの画集、ビッグ・リボウスキ(テレビ鑑賞)

 1000円の日ということで、矢場町にあるヘラルド・シネプラザに「アドルフの画集」を見に行く。それと、21日に母と二人で東京へ行くので、出かけるついでに金山駅で私の新幹線の券と、金曜日に夜行で出発する母の寝台車の券を買う。

矢場町まで来たのでパルコにもちょっと寄る。お店をぶらぶらと見てから、ブックセンターで新しく出たCutを立ち読み。スカーレット・ジョハンソン(今までどこの雑誌でもヨハンソンと表記していたのでそう書いてきたが、この間のGGAではっきりジョハンソンと発音されていたので、これからはそう表記する)のインタビューが掲載されていた。監督とはどうやって知り合ったかとか、ビル・マーレーとの共演はどんな風だったかなどを語っていた。もちろん買い。

 映画を見る前に、同じヘラルドのビルの中にあるビレッジ・バンガードで立ち読み。ここは映画秘宝のバックナンバーが一部置いてあるのである(単に返本がめんどいだけかもしれん)。何月号だったか忘れたが、イエスタデイ・ワンスモアで「イレイザー・ヘッド」と「ブルー・ベルベッド」を書いている号があった。イレイザーが大好きなのでその部分だけみっちり読む。いや、あたしも激しく気になるよ、あの奇形児の構造は。

 さてアドルフの画集だが、この作品、今月の7日に始まったばかりだというのに、なんと明々後日の22日が最終日なのだ。アシが早いなあ。上映館はてっきり50人席の館かと思いきや、256人席のシネプラザ2。これは意外。

 実は数日前から昨日まで早起きしなきゃならん日が続いていたんだが、プーの身の悪癖、丑三つ以降に寝てばっかりいるもんだから、早朝起床に合わせた就寝時間に眠れない。今日は普通に(?)遅く起きたんだが、なんかぼーっとしてしまっていた。これじゃ映画の途中で寝ちゃうんじゃないかって思っていたのだが、全くの杞憂。最後まで飽くことなく楽しめた。ジョン・キューザックが無償で出演を引き受けたのも頷ける。

 この物語は青春物語であると共に、才能残酷物語でもある。独裁者アドルフ・ヒトラーという人間が、成るべくして成ったのではなく、「そうは成らなかったかもしれない」才能をいくつか持ちながら、その才能だけはそのままに、歴史の主人公となっていった、そういう人物観に基づいた作品である。ただ、映画では指導者となってからのヒトラーは一コマたりとも出てこない。そしてそれがまた、後の彼を知っている我々に暗いお楽しみを与えてくれている。

 役者陣に関して言えば、ジョン・キューザックが相変わらずいい。若い頃のヒトラーを演じるノア・テイラーの力みまくった演技も、ジョン・キューザックの自然さと、コントロールの効いた演出のおかげで、映画の中でも浮くことなく、いい味になっている。それにしてもジョン・キューザックの演技はいついかなる時も素晴らしい。お姉ちゃんのジョーン・キューザックも盲目的に大好きなんだが、ほんとにこの姉弟は巧い、巧すぎる。どのくらい巧いかと言うと、どこがどう巧いのかが全く分からないくらいの巧さなのだ。

 帰りに近所の本屋で今日発売の週刊文春を立ち読み。映画評に「グッバイ、レーニン!」の評価が載っていた。中野翠の評価は星三つ、おすぎは星四つであった。うーん、五つ星満点でこの評価なら、取り敢えず駄作ではないということか。東京では21日から始まるけど、名古屋ではいつからなのかなあ。

 夜にBSデジタルの何チャンネルだかで、コーエン兄弟の「ビッグ・リボウスキ」をやっていた。コーエン兄弟は好きなので見たのだが、これはつまらなかった。演出や役者の演技は相変わらず「アメリカのマイナーな人」を一杯に現していて面白いんだが、話の展開がこの監督らしからぬ平板さで、ちっとも締まらず。なんか起承転結の承の部分だけが延々続いた挙句、しょぼしょぼと終わってしまった。

 寝る前に何気なくアマゾンをぽちぽちと検索していたら、ダン・エイクロイドとジーン・ハックマンが共演した刑事もの、「キャノンズ」が4月下旬にDVD化されるというのを知る。まあ、未DVD化作品が一本でもDVDになることは嬉しいんだけど、キャノンズかあ・・・。これつまんなかったんだよなー。ただまあ、吹替え版が未見なので、DVDに収録されるのが楽しみではある。でもどうせなら、ウォルター・マッソーと組んだ「カウチ・トリップ」をDVD化して欲しいよな。これはいかにもダンが好きそうな腐れ縁二人組の話で、話もちゃんと面白かったし。ただいかんせん、日本ではビデオリリースで終わっちゃったんだよな。こういう作品だとDVD化はやっぱ難しいかな。




2004年02月18日(水) ダンの新作

 FLixムービーサイトの本日更新分のニュースに、ダン・エイクロイドの新作についての情報があった。わーお、ここんとこビルの情報ばっかりだったんで(なんか冷たい言いようだな)、久々にダン情報が国内で確認できて嬉しいよう!

 それによると、新作のタイトルは「スキッピング・クリスマス」(原題)。ジョン・グリシャムの小説が原作で、クリスマスにカリブ海へ出かける夫婦のコメディであるらしい。夫婦役はティム・アレンとジェイミー・リー・カーティスで、ダンはその夫婦のお隣さん役とのこと。監督は「アメリカン・スウィートハート」のジョー・ロス。「アメリカン〜」は見たことないから何とも言えんな。脚本の方はクリス・コロンバス。グーニーズとグレムリンの脚本書いた人やね。あと、ホーム・アローンとハリポタの監督やってたね。まあ、毒や深みは期待できそうにもないけど、それなりに面白い話を作ってくれそうな布陣みたいで取り敢えず安心。それとやっぱ、共演者の中にジェイミー・リー・カーティスがいるってのがいい。「大逆転」とか「マイ・ガール」とか、とにかくこの人と一緒の作品は佳作が多いからな。

 思えばここ数年・・・、いや93年のコーンヘッズ以降、主役でも脇役でも、ダンは全くいいとこなしだ。もちろんどんな作品においても彼自体は素晴らしいのだが、肝心の作品がこうも駄作ばっかり続くとねえ・・・。ちょい役で出ているものの中には、「チャーリー」とか、まあまあマシなのもあるけど、やっぱり「エボリューション」とか「パール・ハーバー」みたいなひどい奴の方が圧倒的に多い・・・。つい二年前かそこらに出ていた、ウディ・アレンの「スコルピオンの恋まじない」にしても、作品は悪くなかったけど、ダンが本領を発揮していたとは言い難い役だったし。まあ、作品選びも本人のセンスの内だから、この辺はダンにも責任のあるとこではあるんだけどさ。もしかして、本人にあんまりやる気がないのかな。アメリカのネットに載ってた最近のインタビューでも、「そろそろ引退も考えている」なんて不穏なこと言ってるし。はー(溜息)。今度という今度こそ良作への出演を切実に願う。




2004年02月17日(火) 英国アカデミー賞ゲット

 eiga.com本日更新分によれば、15日にイギリスで英国アカデミー賞(BAFTA)が発表されたとのこと。eiga.comでは指輪物語が何部門か取ったことを主に取り上げていたが、下の方で、「ロスト〜」も何部門か受賞したと書いていた。その内の一つとして、ビル・マーレーが主演男優賞を取ったとのこと。おめでとう〜。早速ヤフーに飛ぶと、ニュースにトロフィーを持ったソフィア・コッポラの画像があった。だがもう一方、ロンドン批評家協会賞の方の主演男優賞は、ビルもノミネートされていたものの、ショーン・ペンがとっていた。

 はあ、しかし一つ賞取るごとに、嬉しいは嬉しいものの、なんか現実感沸かないよ。やっぱ夢なんじゃねーの?




2004年02月12日(木) Biography − Gilda Radner

 今日はいつもより早く、午前中に郵便が届いていた。郵便物の中にamazon.comで注文していた中古ビデオがあったので、早速見る。

 これは、アメリカでやっている“Biography”という番組をビデオ化した物。今回買ったのはギルダ・ラドナーの回で、A&E Entertainmentから95年に発売されたものである。正味45分間で、当然字幕なしなのだが、ナショナル・ランプーン・ラジオアワー時代の声とか、一時期ガンが持ち直した頃にゲスト出演していたコメディ番組での姿が見られるので、それなりに甲斐はある。ビデオの終わり近くには、彼女の死が世間一般に報じられた直後の回のサタデー・ナイト・ライブも少し登場する。ギルダ・ラドナーは5月20日に亡くなったのだが、その日はなんと土曜日で、しかもこの日のSNLのホストは偶然にもスティーブ・マーチンだったのだ。マーチンは少し涙ぐみながら二人の傑作、「ダンシング・イン・ザ・ダーク」を紹介していた(でもダンシング・イン・ザ・ダークなんだよな・・。いやいや何も言うまい)。

 ううん、字幕なしではあるが買ってよかったなあ。でもやっぱ何言っているか分からんのは辛い。いつかスカパーのヒストリーチャンネルで字幕つけて放映してくれないだろうか・・・。

 昨日従兄と電話をしていた時に気になったスティーブ・マーチンの映画は何だっただろうかと、押し入れからアメリカ版PREMIERE(2003.12/2004.01)を引っ張り出してめくる。ちなみになんでこんなもん買ったかというと、ベネチア映画祭でのビルの写真と、「ロスト〜」の批評記事が載っていたから。ベネチアでの写真はアメリカ版より少し大きい形で日本版の12月号にも載っていたけどね。

 取り敢えず誌面の縦広告の中にそれっぽいものを発見。タイトルは“CHEAPER BY THE DOZEN”。意味は十把一絡げって感じかな。

 いかにもアメリカのパパって感じの格好をしたスティーブ・マーチンが、子供たちの写真を何かに繋げて縦にパラパラと広げている、という図である。なるほど、これがあっちでは大ヒットしたのかあ。なのに賞にはかからなかったと。気の毒な話だ。同じクリスマス映画でも “BAD SANTA”なんて、ビリー・ボブ・ソーントンがGGAのコメディ・ミュージカル部門で主演男優賞の候補になったと言うのにね。あ、別にソーントンが悪いってわけじゃないけど。ちなみにバッドサンタは見たい。大酒飲みで下品極まりないサンタの話なんて面白そうじゃん。ちなみにこれ、最初はビル・マーレーがやるはずだったんだよね。実際、ビルのためにあるようなキャラだよな。

 まあバッドサンタはおいといて。やっぱこの手の賞って、お笑いとメガヒットには本当に冷たいね。同じお笑いでも、シリアス系の人がお笑いやると妙に評価したりするんだよな、これが。取り敢えずお笑いでメガヒットな作品はまず賞の対象にはならない、と。あーでも、ジム・キャリーですらゴールデングローブ賞貰ってんのに、スティーブ・マーチンが取ってないのは間違ってるよ。ま、あの人のことだから賞なんか屁とも思ってないでしょうが。

 しかしそれよりも気になるのは、それ以前の問題。これ日本でやってくれるのか? この間の「女神が家にやってきた」だって、アメリカではメガヒットしたのに日本じゃえらくしょぼい公開されてたからなあ。なんせ前売り券もパンフレットも作られなかったんだから。なんかこの作品もビデオスルーで終わりそうな気がする。クリスマスなんて季節ものだし。ああ〜、もうマイク・マイヤーズなんぞの「ハットしてキャット」ごときをやるくらいだったら、こっちをやって欲しい。できればパンフも前売りもつけて。




2004年02月11日(水)

 夜、借りていた「デーヴ」のDVD他三本をTUTAYAに返しに行くと、店のレジの前にインクジェットで出力したと思えるチラシが貼られていた。「レンタル価格見直し云々」と書かれていたので読んでみると・・・。なんと、3月からビデオ&DVDのレンタル価格がこれまでの一本390円から400円になる上、もうこれから水曜レンタル料旧作半額がなくなるのだ! バッキャロー、もう3月から使わねえよ!

 ううしかし、ここのTUTAYAは家からまあまあ近いから重宝していたんだけどなあ。まあ、ここが当てにならなくなっても、車で10分くらいの所に別のTUTAYAがあるからいいんだけどさ。ああでもレンタル屋如きにいちいち車で行くのもなあ。去年12月の18日くらいに、近所にGEOができてここの100円割引券がまだあるから、当分はここで旧作が200円で借りられる。あと近所の別の小さいレンタル屋は相変わらず5のつく日は旧作ビデオのみ一本100円でいける。まあこれからはこの三件でやってくかー。ま、近所にこれだけレンタル屋があるだけでも考えてみれば贅沢だよな。

 従兄と電話。当然ながら賞レースの話になったのだが、その時従兄が言っていた、「スティーブ・マーチンの、子供がたくさん出てくるなんとかっていうクリスマス映画が記録的な大ヒットをしたのに、全然賞にかからなかった」とのこと。知らなんだ、そんなことになっていたとは。そう言えば、GGAでも各地の批評家協会賞でも、その他の賞でもスティーブ・マーチンの名前は見なかった気がする。どの作品だろ、それ。確か以前に買ったアメリカ版PREMIEREでそれらしい画を見たことがあったなあ。明日にでも探してみようっと。

 同人仲間から電話。本当は昨日電話してくれたのだが、電話を取った父が聞いた名前を忘れてしまったのだった。というわけで今日電話。申し訳ないことである。

 電話の中で相手さんから「××さん(本名)って、オスとメスでいったらメスの入った作品が好きだよねー」と言われ、うん、そうだよなー、と思う。中島みゆき好きだしなー。齋藤なずなの漫画も好きだしなー。近藤ようこも大好きだ。でも内田春菊は嫌いなんだよな。あと向田邦子のドラマも嫌いだし。どれも同じメス物だけど、ただ、その中でこれら好きなものと嫌いなものとで何がどう違うのかは、よく分からない。




2004年02月10日(火) ミスティック・リバー二回目、GGAスピーチの真相

 てな通りに行ってきた。当初は妹と二人でヴァージンに見に行く予定だったのだが、なぜか母も一緒に行きたいと言い出したので、三人で行った。正直、映画の内容が内容なだけに、あんまり母は一緒に来て欲しくなかったのだが、映画代を出してくれるということでついつい同行していただくことに・・・。一応言ったけどね、救いのないお話だよ、とは(母はこういう話は嫌いな人だ。いやフツーみんなそうか)。映画は10時半過ぎに終了。帰り、母は言葉少なであった。

 母娘三人、まだ夕ご飯を食べていなかったので、そのままファミレスへ。勿論、ここも母持ちである。ああかなーり自己嫌悪だよ。

 eiga.comの、今日更新されたゴシップ欄にGGAでのビル・マーレーのスピーチに関する記事が載っていた。なんでも、エージェントを解雇したことと、専属トレーナーの自殺は事実である、と。詳しく書くと、エージェントの解雇は二ヶ月前、トレーナーの自殺は去年の7月なのだとか。あー、これ、セレブのゴシップに詳しいサイト「ぢごくみみ」でも言ってた奴だ。IMDbがソースだった(ここはソースも紹介してくれるから本当にありがたい。こんな所で言ってもしょうがないかもしれないが、陰ながら感謝致しております。ってだからそういうことは直に言えって)。

 あの時のビルのスピーチは、あの手の壇上で受賞者が「○○さんありがとう、それから××さんにもありがとう、そしていつも私に〜〜してくれる△△さんにも心からどうたらこうたら」ってだらだらお礼言う習慣(?)をギャグにして言ったんだ、と誰でも思ったことだろう。実際、出席者も私も笑ってたしなー。本人どういうつもりでアレを言ったんだろう? 考えられる正解は二通り。

A.ギャグのつもりでは全くなく、マジで言ったのにみんなが知らずに笑った。
B.笑えない事実なんだけど、自分が言ったらみんなギャグとして取るんだろうなー、と確信犯でやった。

 絶対Bだろうね。つってもいつものあの、何もかもどーでもいい〜って表情からじゃ実際のハラは分かりませんが。でも絶対わざとだよ、ありゃ。

 ま、自殺した人の遺族にはとっても悪いが、ほっとしましたよ、あたしゃ。やー、だってもう近頃こんなにあちこちから高く評価されちゃってさあ。本人が悪い意味でその気になっちゃって、キャラが変わっちゃったらどうしようって、実はすごーく不安だったんですが、彼はこれからも変わらず我らのヒールでいてくれそうです。ああ嬉しい。

 あともう一つ。内心ね、アカデミー賞主演男優賞の候補陣の中でさ、ヒール度においてビルはショーン・ペンに負けているって思ってね、なんとなく。だからその点悔しかったのよ、あたしは。でも今回のことで私の中では、ビルはショーン・ペンに勝ったね。政治的に嫌われる奴より、社会的に嫌われる奴の方がかっこいいよ、絶対。・・・って、こんなこと思う私はだめですか。




2004年02月08日(日) 夢うつつ

 いつだったかは忘れたが、数日前に父がサントリーの「響」を買ってきた。今も未開封のままキッチンの棚の上に置いてある。もう目に入る度にニタニタしている。私はアホである。

 さて、本日はNHKBS2で午後7時20分〜9時55まで、第61回ゴールデングローブ賞授賞式を編集したものをやってくれる。もう起きてからこっち、気が落ち着かなかったことと言ったら。

 で、たった今見終わった。なんか・・・。まだ夢と言うか、テレビ画面の中のあの会場のただ中にいるみたいな気分である。今日一日、これを見た以外で自分が他に何をしたのか、さっぱり思い出せない。一応、夕方に(やっと)コミケの申込書と、ロスト・イン・トランスレーションの試写会応募ハガキを熱田の集中局へ出しに行ったのは覚えているんだが。なんか、GGA見るのに興奮しすぎて今魂が抜けている。

 で、とにかくビル。まだ一回見ただけだけど、受賞の席ではこんなことを喋っていた。

「先日エージェントを首にした。・・・専属トレーナーは自殺した。誰にお礼言ったらいいんだろ。製作会社かな。甘い汁吸おうとしている幹部たちにも言わなきゃだめか?」
「仕事でいない間に家と子供たちを守ってくれる妻に感謝を」
(↑仕事じゃなくてもフラフラしてますが)
「監督のソフィア・コッポラに感謝を。最高の作品だ。作品を見れば誰だってこう言う、『けっ、あの野郎ラッキーだったな。この作品なら誰がやったって主演男優賞だ!』ってね」
「(マイクに顔を近づけてまわりによーく聞かせるように)これが終わったらまた今夜中にイタリアに戻る。新作の『ザ・ライフ・アクアティック』の撮影がまだまだ終わってないんで」
「コメディ部門でノミネートされた他の主演男優に敬意を表します。しかし我々がどれだけ素晴らしかろうと、忘れないでいただきたい。ドラマ部門の方を。我々とはまた違った方法で人生の苦悩を表現してくれています」

 ちなみにビルはソフィアとか他の受賞者に拍手する時以外はほぼずっと、このスピーチの時も、いつものあの無表情だった。隣に座っていた奥さんは今にも泣きそうなくらい感激顔してたのに(笑)。

 他にも式で同席していたティム・ロビンスとその息子が笑っちゃうくらい激似だったり、ニコール・キッドマンとトム・クルーズがほぼ必ず交互に映っていたりと、見所いろいろでありましたが、何をおいてもビル・マーレー。・・・はーっ、もうカッコよすぎ。てゆか、映画の場面以外での姿が自宅のお茶の間で鑑賞できたってのがねえ、もう至福十連発。一部のNHKらしい作りに不満もあったけど(変な司会者二人ね)、NHKにしては少なかったよ。あと番組始まる前は「ええっ? 前半はGGAの歴史について? いらねーよ、んなもん」とか思っていましたけど、撤回。激しく撤回。アチラのGGA関連番組をそのまんま流しただけではあったんだが、すごくよかった。歴代の受賞者の映像をたくさん見せてくれて本編とはまた別の意味で感動したよ・・・。

 特に98年のゴールデングローブ賞での模様。「リングサイドの帝王」で主演男優賞を受けたビング・レイムスが、席に着いているジャック・レモンに、「俳優が人に何かを与える仕事であるならば、私は今この賞をあなたに捧げます」と言って自分のトロフィーをジャック・レモンに渡したのである(ジャック・レモンの方はちょっと困った顔してたけど。そりゃそうだ)。そういう事実があったことは知っていたが、それを映像で見られるとは。20世紀最高の俳優の最晩年の姿だ。

 ああ、まだなんか身も心もぷかー、ぷかー、してるわ。夢じゃありませんように。


 で。そんな夢心地の中、前々からやりたいなあと思いつつ、めんどくさいしなんか怖いしーなどと躊躇していたウェブ日記って奴をやってみることに決めた。こんな気分が浮ついた日の、しかも夜中などに決断してしまっていいのかと我ながら不安だが。

 3時頃まで日記の設定をいろいろやる。さすがに本名でやるのはヤバイので、一部で使っている仇名をハンドルに使うことにした。この年じゃもう恥ずかしいけどな、このハンドルじゃ。でも、もともと自称したわけじゃないからいいか。ただ正確にはバンビーナじゃなくて、どす黒バンビーナなので、名付け親には申し訳ない。




2004年02月05日(木)

 先月30日にFLixムービーサイトで拾ったショーン・ペン、オスカー出席の元ネタと思えるもののリンクが、2ちゃんねるのアカデミースレに貼ってあったので辿る。smh.com.auの1月19日のニュースである。内容はFLixムービーサイトとほぼ同じ(当たり前か)。一応ざっくり読んでみると、代理人が発表したショーンの出席理由は、「『ミスティック・リバー』に力添えしたい」てことなんだとさ。真面目に出席するショーンには悪いが、プレゼンテーターがマドンナだったら面白いのにな〜。もちろん私は引き続きビル・マーレー取るべし、である。



2004年02月04日(水) デーヴ(DVD鑑賞)

 水曜日は近所のTSUTAYAが一本190円なので、「デーヴ」のDVDを借りてくる。と、TSUTAYAへ行く前に途中の郵便局で夏コミの入金。と思ったら、お金が足りないことに気がつき、銀行までお金を降ろしに行く羽目になり、そしてまた郵便局へ戻ってやっと支払い終了(申込書は明日入念に完成させて投函するつもり)。ああなんて要領の悪い。

 で、やっとTSUTAYA。行ったのはいいんだが、なんか店の方針が変わったらしく、「ただいま四本で1000円」という風に変わっていた。てことは一本250円かい。ここは毎週水曜日はビデオ一本190円で、しかもDVDも同じ値段で借りられるというのが有り難かったのに、もうそれはやめちゃったのか・・・。ううん、こうなっちゃもうここもあんまり使いたくないなあ。まだ借りたい奴一杯あるけど・・・。とりあえず、デーヴと他に三本借りる。

 デーヴは先月の24日に東海テレビでやってたんだが、あの時は冒頭をちょこっと見逃していたので、ここで見直し。DVDなら吹替えも入っているしね。

 ところが見てびっくり。なんと市販ソフトの吹替えとこの間見た奴だと声優が違うのだ! 主人公のデイブが安原義人じゃなくて納谷六郎なのだ! うええーん、こんなことならこの間の奴タイマー録画しておくんだったああああああ〜〜っ。まあ別に納谷六郎がイヤってわけじゃないんだけど、安原義人が本当に本当に最高だっただけにこれは残念すぎる。でもホワイトハウス広報官・アラン・リード(ケビン・ダン)を富山敬がやってたりして、市販版は市販版で捨て難い。ついでにヒロインのエレン(シガニー・ウィーバー)の声はというと、弥永和子。これもこの間のテレビ版とは違う。テロップが出ていなかったので誰だったかは分からないが、ゴーストバスターズの時と声が似ていたので、あの時は多分、駒塚由衣だったと思う。あー、でも田中敦子だったかも・・・。うーん、デーヴのDVD、もし吹替えが安原義人版だったら買ったけどなー。いつかまた東海テレビでやってくれないものかしら(涙)・・・。




2004年02月03日(火) またまたローマの休日

 えーっと。現在ヴァージンシネマズ名古屋ではプレミア2にて期間限定で旧作を数本、1000円という特別料金で上映中である(普段は2600円。水曜日などのサービスデイでも値段は変わらず。普段ならとても行けない)。この中になんと、去年の年末ヘラルドでやっていたローマの休日も入っていて、ちょっと前からやっているんだよなー。なーんだ、ここでやるって分かっていたらわざわざあんな設備の悪いヘラルドなんぞへ行きゃしなかったのに(ヘラルドでやっているのを知った時は偉いぞヘラルドって言ってたのになんてけなしよう)。まあでも、ヘラルドで客が入ったからここでもやるってことになったのかもね。いや、実際入っていたかどうか知らんけど。

 で、結局行ってしまった(ボカ〜ン)。もう三回目だよ。ああでもプレミアって一回入ってみたかったし、その初体験がローマの休日なら申し分ないじゃないかってわけで行ってきてしまいましたよ。

 プレミアはヴァージン名古屋にはプレミア1、プレミア2、と二つあり、同じ館内にあるものの、プレミアの区画だけは他のスクリーンとはやや隔てられているような位置にある。ヴァージンの中にいてもここへ入る時は一旦自動ドアをくぐることになるのだ。入るとすぐバーがある。アルコール類も扱っていて、ここで頼んだものは上映時に持ち込んでもいいことになっている。プレミア内の奥にはここ用のトイレもついている(まあ別にフツーのトイレだけど)。客席自体はそれぞれ100席とそれほど大きくはないのだが、一つ一つの座席が通常のものよりゆったりしており、足をじたばたさせても、前の席を蹴るようなことはない。それと、全座席についているわけではないが、横にテーブルとして使えるような幅の広い木製の手すりがついている。勾配もかなり急になっており、前の人の頭が自分の視界と被ることは絶対ない。壁とシートの色は赤。壁には天使の浮き彫りがはまっていたりなんかして、いかにもゴージャスですよって感じだ。

 平日ということもあってか、上映開始10分前になっても中は私一人。どうせならもうちょい前で見よう、と席を移動。5分前になっても一人。おお、初プレミアでプライベートか!? と思いきや、やはりそうもいかず、ぎりぎりになって三人入ってきた。しかも私が今座ったそのすぐ隣に男性が。なんかイヤだったので一個後ろへ移動。十分見やすい位置ではあったが、内心舌打ち。

 映画は勿論よかった。気のせいか、音響も映像もこっちの方がよかった。まあ、使っているフィルムは同じ物なんだろうけど。はあ(感動の溜息)。この調子で「サウンド・オブ・ミュージック」のデジタル・リマスター版もここでやって欲しいものだ。もちろん1000円で。

 見終わった後、プレミアのバーでアイスロイヤルミルクティーを飲む。バーに日本版PREMIEREのバックナンバーが置いてあったので、しばらくの間飲みながら読んだ。バーを出た後、館内のショップでCUTを二冊と、ゴールデングローブ賞の結果についての記事があったMOVIESTAR三月号、それと前に行った時買い忘れたミスティック・リバーのパンフレットを買った。

 さて、来週の水曜日までに原作を読んでミスティック・リバーをもう一回見るぞ。




2004年02月01日(日) 10ミニッツオールダー 人生のメビウス

 ファーストデイということで本日はどこの映画館も1000円。というわけで、「10ミニッツオールダー 人生のメビウス」を見に行く。

 日が日だけに200席ちょっとのシルバー劇場はほぼ満杯。まあ、とにかくこの監督の作品だから見たい! ってのが先立った上で行ったので、多少つまらなくてもよしという所なのだが、昨日あれだけ堂々たる娯楽作品を見た後のせいか、少々退屈だった。特にジム・ジャームッシュとヴィム・ヴェンダース、スパイク・リーは期待外れ。ヘルツォークの作品はショートドキュメンタリー版「アギーレ」か。ただし、原住民側から描いたって感じ。陳凱歌のはちとありがちな話かと。一番良かったのはビクトル・エリセ。この人の新作が見られたというだけでもこの映画の価値はあったと言える。はー、こんな何でもないような画をどうやったらこんなに綺麗に、そして危うげなく撮れるのか。

 夕食は両親と私で宮鍵へ。鳥とうなぎを食べる。その後、明日の食材を買いに、運河の近くに新しくできたイオンへ。最近はこういうアメリカ型の何でも買える巨大スーパーばかりだなあ。デパートが儲からなくなるわけだ。



 < 過去  INDEX  未来 >


バンビーナ [MAIL] [HOMEPAGE]