本日は学生時代からの友人、ホシさんと一緒に「シービスケット」を見に行った。彼女が百貨店の割引券を持っていたので、映画館は名駅のメルサ内にある名鉄東宝。映画は午後１時１５分開始の回へ。それに合わせてセブンの１階で１２時半待ち合わせのはずだったのだが、ホシさんから少し遅れそうだというメールを貰ったので、先に着いた私は客の並び具合を見ておこうと、映画館の前へ行ってみることにした。すると、なんと今日だけ時間帯が変更になっているではないか。今からで一番近い回は３時から。それと、映画館も変更になっている。名鉄東宝２だったのが、扉一つ隣にある１になっているのだ。ま、１の方がソニー・ダイナミック・デジタル・サウンドが入ってて音がいいから、これはいいんだけど（でも耳音痴なので実は良く分からん）。
ホシさんは４５分に到着。事情を話した後、とりあえず映画館まで行って窓口でチケットだけを買い、それからしばらく大名古屋ビルの地下にあるハーブスでお茶する。次が映画なので、私は控え目に飲む（でも結局上映中に物凄い尿意に襲われて一回トイレに行く羽目に。トホホ）。
２時半頃映画館へ。すでに結構並んでいる。さすが今が旬のトビー・マグワイヤ君の映画である。以前別の映画で見た本編の予告からして、ハイクオリティな感動物であることをこちらにきっちり予感させてくれるいいものだったしね。
物語の舞台は３０年代、大恐慌下のアメリカ。それも西部。要するにスタインベックの「怒りの葡萄」のごとく、東部で零落した大勢の人々が食い詰めてやってきているのだ。もっとも、どこへ行っても同じことなのだが･･･。
で、そんな時シービスケットという馬と、三人の男たちが出会う。血筋は悪くないのに体は小さく、走りもよくない。その上誰にも懐かず、処分される寸前のシービスケット。しかし、そんなシービスケットが類稀なる競走馬であることを、一人の男が見抜き、「馬の中の馬」に育てようとする。
そのシービスケットの才能を見抜くカウボーイ（追ってるのは馬だけど）が、冒頭で馬にまたがりながら前を走っている馬に縄を掛ける場面。辺りは一面の草の海。もうひたすら吸い込まれる、圧倒される。馬たちが走る姿を見ているだけでもうっとりする。
馬に対する人間たちもなかなか曲者だらけで魅力的。みんなそれぞれ人には素直に現せない陰があり、だけど負けず嫌いで前向きで、馬と走ることに全てを賭けている。積み重ねられたドラマの果てにゴールへ向かって疾走していくシービスケット。「走る」ことの美しさ、その全てが詰まっている。
で、この映画の中でいい味出しているのが、ＤＪ役のウィリアム・メイシー。いつも駄目な親父の役ばっかりやっている彼ですが、曲者役者の本領発揮！ 小道具を目一杯使って大サービスしてくれてます。あと、トビー君の昔からのジョッキー仲間、ジョージ。演じている人の名前は忘れてしまったが、とにかく西部劇の男のごとく場をさらってくれます。しかも彼は実際にジョッキーなのだ。これも必見。
すっかり心が満腹になった後、ホシさんと二人で串焼きの店へ。普段ならビールを飲む所だが、仕事を辞めて以来、酒があまり飲めなくなったので、今日はずっとサワー。アカデミー賞の行方について二人でいろいろ話し合う。二人とも渡辺謙のファンなので、話はそこに集中する。
それと最近のリメイクドラマについていろいろ。特に去年に続きやっている「白い巨塔」と、今年始まった「砂の器」について。前者の持つ強烈な成り上がり根性と、後者の「癩病」という病気が持つ意味は、現代を舞台にやるべきものじゃない、というのがお互いの共通見解。私は今やっている「砂の器」の方はもう見ないつもりだ。ただ、ホシさんは「砂の器」の方はまだちゃんと見ていないそうである。私が、
「え、謙出てるよ」
と言うと、
「じゃ見る！」
･･･単純だなあ、ったく。
大須の米兵に古着を売りに行った。捨てるような物ばかりだったので、こういうので小銭が貰えるのならありがたいもの。
商店街をぶらぶらした足でそのまま矢場町まで行って、くりえい社の印刷マニュアルと赤ブーイベント申込書（別に参加予定があるわけではないがなんとなく）と、小説用の原稿用紙を買う。くりえいの印刷マニュアルはすでに持っているので、これはいつぞやのＹ氏用なのである。ここのマニュアルは初心者にとって分かりやすい。くりえいの印刷代はバカ高いので今までも一回しか使ってないが、このマニュアルと原稿用紙（１００枚入りで５００円）だけはこれからもずっと使うだろう。ところでここへ来るまでに、「あ、しまった。小さいバッグで来るんじゃなかった。あそこ袋とかないんだっけ」と思い出して困っていた。原稿用紙はともかく、あのマニュアルをハダカで持ち歩くのはちょっとなあ･･･。が、意外にも買った後、オフィスのお姉さんが、「ちょっとこんな使い古しですが」と言って星野書店の紺色のビニール袋に入れてくれた。こちらとしては物凄く助かった思い。お礼を言った。
それから上前津まで歩き、中古ＣＤ屋で、長らく探し求めていた「書を捨てよ町へ出よう」のサントラと、ＳＮＬのミュージックボックスで見てなんとなーく好きになったパティ・スミスのファーストアルバム、「ホーセス」を買う。店の壁をふと見ると、なんとパティ・スミスの来日のチラシが！ しかしよく見たら、２００３年７月とある。ちぇっ。
さて、オスカー。ＦＬｉｘムービーサイトの本日更新分によると、ショーン・ペンが授賞式に出席することを彼のスポークスマンが断言した、とのこと。私が知る限り、彼はこれまで主演やら助演やらで三回候補に上がっているんだが、一回も式には出ていないんだよな。ま、この手の場所に来るような人じゃないってのは分かってるけど、それが今回出るなんて、いろいろ邪推したくなるぞ。もしかしてもうすでに内々で結果は出されてるってことなのか？ ショーン・ペン受賞ってことで。やっぱビルの受賞は駄目なのか〜･･。なんてね。でもショーン・ペンが受賞したら、去年のマイケル・ムーアなんかよりよっぽどキツいブッシュ批判しそうだな。んでもって、それにビリー・クリスタルがやっぱり去年のスティーブ・マーチンよろしく突っ込みを入れるのだ。これならこれで面白い。ああでもやっぱビルにあげて欲しいわ。でもってプレゼンテーターがシガニー・ウィーバーかリチャード・ドレイファスだったら面白いのになあ。
そう言えば先述のサイトの同じ更新情報の中にビルのこともあった。なんでもこの間のＧＧＡ授賞式、イタリアからチャーター便でやって来たんだそうだ。しかもニュージャージーで一旦降りて奥さんを乗せてからロスへ･･･。で、式に出てその後のパーティーに顔を出して、それからまた行きと同じようにニュージャージーで奥さんを降ろしてイタリアへ帰っていったのだ。ちなみにこの往復でかかったのが１８万ドル。ま、今のビルにとっちゃはした金でしょうが。
しかしへー、イタリアってことは「ザ・ライフ・アクアティック」の撮影ってまだやってるってことか？ 去年の９月からやっているのに。海洋モノならやっぱアメリカで夏に公開できるようにすると思うんだけど、間に合うのかね。でもまあ、この現場から行ったってことは、ここ最近の賞レースの結果はウェス君も同じ場所で一緒に知ることができたってことだよな。ウェス君にとっては中々おいしい経験と言えよう、んふふ。考えてみれば「天才マックスの世界」でビルの演技が批評家に絶賛されたのが、今回の一連の大勝利の下地になっていると言っても過言ではないわけだしね。ただあの時、ＧＧＡにノミネートはされたけど取れなかったんだよね、「トゥルーマン・ショー」のエド・ハリスに負けて（まあこの人が取って当然だったけどさ）。ウェス君としては自分の作品で取って欲しいだろうから、今回の「ロスト・イン・トランスレーション」の大成功も胸中複雑かもな。って、今は自作のことでテンパっててそれどころじゃなかろうが。
朝、二階に母が入ってきて、私がパジャマ姿のまま折りをやっているので驚く。
「そんな、何も徹夜までしなくったって、少しくらい締め切りは延ばせるわよ。（さらに私の折り方を見るにつけ）第一、あんたそんな丁寧にやらなくたって」
そんなあ。
ちょっとむっとしながらも続ける。テレビをつけて、生まれて初めて目覚ましテレビを最初っから最後まで見る。
とりあえずお腹がすいたので朝ご飯を食べる。折りはなんだかんだで１０時に終わる。ちょうど母が会社に出発する時間と一致したので、そのまま持っていってもらう。足をお湯であっためて、軽く歯を磨いて寝る。今日は木曜日なので映画を見に行きたかったが、これから何時間か寝ても、徹夜明けでは何見ても途中で寝てしまうだろう。「１０ミニッツオールダー 人生のメビウス」を見に行きたかったが、来週に廻そう。
午後４時に起きてクロワッサンを食べた後、ネットでヤフーアメリカのビル・マーレー関連ニュースをチェック。Ｍｏｖｉｅｓ−ＡＰの２８日分で、ビリー・クリスタルが友人として祝福のコメントを出していた。
「よかったよねえ！ ここ三、四年特にそうだけど、彼はほんと全開って感じだよ」
この調子で受賞もされたら本当に涙が出るほど嬉しい。
１０時半に起き、朝ご飯を食べる。ひたすら折り。ＢＧＶは「パラダイス・アーミー」。それが終わったら「フリーダ」のサントラをＢＧＭにして、厚生年金のことで区役所に行った以外はずっと折り。実は「ラブ・アクチュアリー」の試写会券があって、それが始まるのが今日の午後６時半。何もなければ行っているんだが、どう考えても折りが追いつかないので諦める。ま、死んでも行きたいほどのもんでもないので別に構わない。
夕食は母と私、妹、それに妹の友人二人も伴って、ベルデ。帰宅後はひたすら折り（結局徹夜）。
朝起きて中日スポーツを見ると、２０面（ラストページ）にゴールデングローブ賞の結果が写真つきで出ていた。ああ、あちらのマスコミからの借用とはいえ、ビルの写真が日本の新聞に載る日がこようとは･･･。もう感激である。
昼ご飯の買い物がてら、コンビニでスポーツ紙を一通り買う。帰ってから全部見てみたが、写真まで載っけてくれているのはやはり中日スポーツだけだった。第一、この賞に関してはほとんど渡辺謙に紙面を割いていた。まあそうでなきゃゴールデングローブ賞の結果なんて一々日本の新聞で伝えたりはしないわな。とはいえ、ビル・マーレーという名前の字面だけでも日本の新聞紙上で目にできるのは喜ばしいことだ。新聞によれば、日本時間の今日深夜にでもアカデミー賞候補の発表があるのだとか。ああ、ビルは果たして候補になれるだろうか。いや、これまでの評価の高さから言えば確実なのだろうが、なんせアカデミー賞、お笑いには冷たいからなあ。
夕食後は母から貰った紙折りをやる。今回は全部で１０００枚、しかも観音折り。２９日のお昼までにやって欲しいそうだ。ゴールデングローブ賞記念ということで、ＤＶＤデッキのある二階の部屋で「恋はデジャ・ブ」をＢＧＶにして、ひたすら折る。字幕と吹替え、両方かけ終わった所で一区切りとして寝る支度をする。
その後夜中の３時頃ネットに繋ぐとヤフーのトピックスにアカデミー賞各候補がアップされていた。ビル、候補に上がっていました！ やったーっ！
| 2004年01月26日(月) |
ゴールデングローブ賞！ |
朝からあちこちのサイトをうろついて情報漁り。さすがにまだアップされていない。
ＤＶＤを買ったもののまだ見ていなかった「我等の生涯の最良の年」鑑賞。第二次世界大戦が終わり、故郷に帰還した兵士たちの物語である。三時間近くあるので途中で寝るんじゃないかと思いきや、まったくダレ場なし。かと言って疲れまくってぐったりと言うこともなく、充実そのものだった。まあ、ウィリアム・ワイラー監督ともなれば、この完成度も当然か。
しかし、「いくらなんでもこんな描写によくＯＫ出たよなあ」という場面の多いこと。ハロルド・ラッセル扮する両腕をなくした海軍復員兵ホーマーが、周囲からいかにもな目で見られたりするのはまだぎりぎり映画として出せそうではあるが、（ネタバレ）彼が恋人に自分の実情を理解してもらうために、服を脱いで義手を外して見せる所など、この二人が後に結ばれる展開があるとは言え、当時のハリウッドでよく表現できたよなあ。ちなみにハロルド・ラッセルは実際に第二次世界大戦の帰還兵であり、ホーマーと同じく大戦中に両腕の肘から下を失った。彼の義手は本物なのだ。
郵便ポストを覗くとネットで買った「ペニーズ・フロム・ヘブン」のビデオが届いていたので、ついでに鑑賞。うーん、ダンスは申し分ないとして歌の部分でどうしてその歌のオリジナル音源（かどうかは知らないがとにかく古い音源）をそのまんま被せるのか。これは当人たち、当人たちに無理ならそれに似た声に吹替えさせるかして、とにかく「本人たち」に歌わせるべきものだろう。スティーブ・マーチンがいるんだよ？ なんで彼のあの美声を使わんのだ？ 少なくともスティーブ・マーチンに踊らせといて、歌だけ吹替えさせるなんて彼に対する侮辱だと思うぞ。
それからこの作品、ミュージカル場面以外の場面のテンポがとろすぎてかなりイライラする。セリフのやり取りに間を入れすぎだよ。
なんて文句ばっかり言ってしまうが、もともとこのビデオを買った目的はクリストファー・ウォーケンの華麗なるダンスを見るためであったのだ。いやあもう予想以上に上手くて上手くて吃驚！ 役柄の関係で、頭にポマードをべったりつけて口ひげを蓄えているという、かなりキテレツな出で立ちであったが、そんなんどうでもいいっていうくらい素敵〜っ。デカパン一丁姿も素敵〜っ。
夕方近くにネットを漁っていると、もう現地ではＧＧＡの結果が随分発表されているよう。そして、当然ながらゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門主演男優賞は我らがビル・マーレーでした！ おめでとう〜。早速本家ヤフーに飛んで画像を保存。いやあ、どの写真でもいい顔していますな。なんかもう、彼の人生の到達点とでも言うべきか（感激しすぎ）。会場には奥さんを連れて行ったようです。ああこの人がジェニファーさんなのね、初めて見たけど、きつそうな顔した人だなあ。やっぱビルってマゾなんじゃ。
受賞の際のスピーチもあちこちで一部アップされている。今度プリントアウトしてじっくり読も〜。
主演男優賞と言えばもう一人、ドラマ部門はこれまた当然ながらショーン・ペンだったんだが、ノミネートされているのにやっぱり来なかったらしい。まあ、そういう人だよね。ちなみに助演男優賞は私の予想通りティム・ロビンスだった。謙至上主義者としてはやっぱり謙に取って欲しかったけど、ティム・ロビンスも大好きなので、これはこれで嬉しい。こっちのスピーチも読みたいなあ。と、思っていたら、渡辺謙効果だろうか、なんと来月８日にＮＨＫ衛星第二で今回のゴールデングローブ賞をダイジェストで放送してくれるのだと！ ああ、なんて素晴らしい。くうーーっ、この日は何が何でもテレビから離れんぞ！
さあ次はアカデミー賞の候補発表だよ！
| 2004年01月25日(日) |
まあどうせ何かの間違いでしょうが |
ＡＢＣ振興会（Ｌ．Ａ．在住の方による、アメリカで日々起こる面白い事件やニュースを紹介しているサイト）で、「ビル・マーレーとソフィア・コッポラがデートしているのが発見された」などという話題を拾う。どういう所から発せられたニュースなのかと、ソースを探すが見つからず。うわああああああああっ、誰か嘘だと言ってくれえええええ！！！！
（以下、この噂を事実だとして）そりゃね、浮気は駄目なんて堅いことは言いませんよ、芸能人なんだし。それ以前に今の奥さんにしたって浮気でできた縁だし。でも今の奥さんとの間の子供たちってまだ小さいじゃん。なのにさあ。一応良しとしても、ソフィアはねえだろ、ソフィアは。あんたね、下手すりゃあんたがその昔物真似したコッポラが義理の父さんになるんだよ？ ジェイソン・シュワルツマンと親戚になるんだよ？ それ以前にソフィアだよ、ソフィア！？ あんたの女の趣味っていつからそんなに悪くなったのさ（まあ良くもなかったけど）。
ああ、今日（日本時間だと明日）はゴールデングローブ賞の発表日だというのに、たかが噂とは言え、よりにもよってこんな。もう泣きてえ。
| 2004年01月24日(土) |
またまたイン・アメリカ、テレビでデーヴ |
なんとなく母にも見せたくなり、二人でイン・アメリカを見に行った。案の定、母はずっと泣きっぱなしであった。しみじみ感動していただけたようで何よりである。その後は二人で我が家がよく行くパスタハウス・ベルデに行ってお食事。
家に帰ってから同人仲間の一人に電話。いろいろ喋って二時間（こら）。それから歯を磨いてお風呂に入り、東海テレビで２時半から「デーヴ」を見る（この番組ではデイブと表記されていた）。アイバン・ライトマン監督、ケビン・クライン主演のコメディ。大統領にそっくりな田舎のある男が本物の大統領の替え玉になるという話で、事実上「スミス都へ行く」のリメイクである。て、そんなことはどうでもよくて、とにかくケビン・クラインはいいなああああ〜〜〜っという９０分であった。吹替えは安原義人で同じライトマン監督作品のゴーストバスターズにおけるビル・マーレー＝安原義人となんかダブりそうだが（おまけにヒロインもシガニー・ウィーバー）、ダブらない。さすがだなあ〜。溜息出ちゃう上手さ。
映画自体も勿論面白い。ただ、この手の替え玉を扱う話って普通、ばれる・ばれないっていうサスペンスの部分を盛り上げていくのが定石のはずなんだが、そういうのは一切出てこず、話はただただいいもんのケビン・クラインがまわりをハッピーにしていくだけなのであった。まあ要するにその辺のドラマがメインの話なのね、これは。なんでそうなっちゃうのかって、やっぱこれ、監督がアイバン・ライトマンだからねえ。もともと演出家として何が上手いって人でもないし、他の作品でも物語の解決の仕方ってのにあんまし工夫のない人だからな。でもやっぱ面白いよなあ、この頃までは。ちなみに「デーヴ」には、ツインズやキンダーガートンコップの絡みでか、シュワちゃんが本人役でちょこっと出ていた。
近所の本屋へ行き、映画館系の雑誌を一通り立ち読み。Ｃｕｔの２月号は今年の日本上映作の特集。ＤＶＤの付録がついていて、過去のものや今年のものも含めたＧＡＧＡ配給作品の予告編の一部が収録されているらしい（グッバイ、レーニン！ の予告が入っていた）。他に“Ｔｈｅ Ｌｉｆｅ Ａｑｕａｔｉｃ”の記事と写真が載っていたので即買い。家に帰ってからよく読むと、なんとジム・ジャームッシュの短編オムニバス“ｃｏｆｆｅｅ ａｎｄ ｃｉｇａｒｅｔｔｅｓ”が日本でも公開してくれるらしいのだ。いやー、これどこかの雑誌にあったベネチア映画祭の記事で、ビルが出ている写真を見て以来すごく見たかったから嬉しい。ちなみにビルの役はカフェイン中毒の男らしい。うわあお、ある意味ロスト・イン・トランスレーションより楽しみ！
| 2004年01月22日(木) |
イン・アメリカ、アイデン＆ティティ |
コロナワールドやヴァージンシネマ以外は本日レディースデイで１０００円。というわけで新栄方面にある名演小劇場にて「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」、ヘラルドシネプラザにて「アイデン＆ティティ」を見に行く。
まずイン・アメリカ。ついこの間ミスティック・リバー以上のものなんて今年はまず無理なのではと言った矢先になんだが、見終わった後の充実感は、ミスティックと変わらないほどの作品だった。ただし作品のテイストは全然違ったが。
イン・アメリカは、あるアイルランド人一家の物語である。母国からカナダ経由でアメリカに不法入国した、役者志望の夫とその妻、そして彼らの幼い娘二人。アイルランドにいた頃に病死した息子の記憶、ジャンキーだらけのヘルズキッチンのアパート、その家賃を払うので精一杯の暮らし。それでも二人の娘は親や近所の大人の前では明るく振る舞う。一家の父親としての責任を自覚しつつも、息子が死んだ悲しみがどうしても消えず、演技ができなくなってしまい、オーディションに行っても役が貰えないお父さんのやるせない姿･･･。だめ親父の話に弱い私には、もう泣ける泣ける作品である。私だけじゃなく場内のお客さんみんな二時間泣きっぱなしであった。だが本作における「泣き」の核は、そこではない。悲しみは悲しみとして、喜びは喜びとして、どちらも等しく描いている所だ。まあ、それはこの作品に限ったことじゃなく、全ての作品に必要なものなんだけどね。
時代設定が今一つ分からなかったり、不法入国したはずなのに娘二人共なぜか私立の学校に通えたりなど、かなり変な部分も多いが（最大の問題はお父さんのだめっぷりを見ている側の生理がどこまで許容できるかだが･･）、幼い娘のナレーションや、その娘の祈りが起こすささやかな奇跡など、本作はあくまで一種の寓話なので、設定上の矛盾はあまり気にしない方がいい。生きとし生けるものの不思議を感じさせてくれる良作。
と、二時間泣きすぎて感動力がほぼ空になってしまったおかげで、次の「アイデン＆ティティ」（原作・みうらじゅん、監督・田口トモロヲ）を見るにあたり、出力不足になってしまった。･･･んだが、冒頭で頭脳警察のパンタが出てきたおかげでぐぐっと回復。主人公の中島には、ロックや人生に対する彼のこだわりが理解できず、そのため感情移入できなかったが、逆に、彼らにああせいこうせいとうるさく言うレコード会社の社長（岸部四郎！）や、あざとい取材で稼いでいる芸能雑誌記者（大杉漣）にはずいぶん感情移入してしまった。好意的な描かれ方はほとんどされていないけど、私にはこいつらの方が正しいとしか思えないし、人間としてもこっちの方に魅力を感じる。まあこの辺はキャスティングが目に見えないイイものを現してくれたから、と言えようか。総じて思うに、この作品はやっぱ原作がベターかと。映画版は悪い意味でストレートになってしまっているね。
映画館を出ると外はなんと雪。このまま急いで帰ってもよかったのだが、小腹も空いていたので異人館ラーメンに入って餃子を一皿食べる（結局二皿。ああまた太っちまう）。店にいる間にますます雪が強くなっていたが、餃子で体があったまったおかげで、傘なしで歩いても寒さは感じず。
帰宅後、今日のアクターズ・スタジオ・インタビューがイアン・マッケランであったことを思い出す。ぐわー、しまったあ。
| 2004年01月21日(水) |
ジェレミー・アイアンズ＠アクターズ・スタジオ |
本日のアクターズ・スタジオ・インタビューはジェレミー・アイアンズ。いやー、話も面白かったし、本人も面白かった。録画してもよかったかも。本人が自分の芸風にとっても自覚的なのが笑えた。一応、覚えているだけでも書き留めておく。
■映画の初主演作「フランス軍中尉の女」
「ここでベッドシーンを演じて･･、（フッって感じに）まあ以後腐るほどやるわけになるんだが」
■問題作（笑）「ロリータ」
「最初は断ったんだ。だっていかにも変態くさい役だろう？（ここで場内に何とも言えない笑い）しかも相手は少女だ。悪いイメージがつくのはイヤだった」
「でも共演のエマ・トンプソンが『素晴らしい脚本の素晴らしい作品なのに、それに出ないのはおかしい』って言うもんだからね。これやったらしばらく干されるだろうと思ったから、まあ事実干されたんだけど、ギャラは多目にしてもらったよ」
などなどポーカーフェイスで語り、場内を沸かす沸かす。
最後の方で、ちょうど今（ちなみにこれは現地では２００３年に放送されたものである）上演中だというミュージカルのことにも触れられ、番組司会のジェームズ・リプトンからのお願いもあって、ギター片手に一曲歌って下さった。舞台脇から突如、アイアンズのもとにギターを持ってきた若い女性を、不思議そうに目で追っている様が笑えた。歌は曲調こそはそこそこ早いが、何か妙にゆるい感じのカントリー調で「僕は芸人♪、今日もゾウの尻の穴になる♪」てな歌詞（うろ覚え）だった。いやあ、こんなに面白い人だとは。
そしてジェレミー・アイアンズと言えばやはり「戦慄の絆」。一人二役、それも双子という設定のものをどう演じ分けたのか、というリプトンからの質問があると、こう答えていた。
「力を集中させる場所を変えたんだ。僕が思うに額は男性的で、喉仏は女性的なんだ。だから男性的な兄を演じる時は額に、女性的な弟を演じる時は喉仏に力を集中させたんだ。さらに映画では兄が弟に成りすます場面があるけど、そこでは力は額に集中させたまま、弟の振りをしたんだ」
へええ。
最後に会場の生徒からの質問で、「一番恐いものは？」という問いに対してこう答えていた。
「そうだね、･･･やはり年齢と共に役柄が限られていくことかな。もっといろんな役をやってみたいんだ」
最近いい役がないだけにこれにはズシっと来るもんが。本当、いい作品に巡り合って欲しいもんだ。できれば日本でも見られるように映画でね。
本日発表、シカゴ映画批評家協会賞。ビル･マーレー、主演男優賞受賞。さすが地元。
| 2004年01月19日(月) |
マーティン・スコセッシ＠アクターズ・スタジオ |
今日は夕方６時より、アクターズ・スタジオ・インタビューでゲストはマーティン・スコセッシ！ いやあ、楽しみ。しかも今日明日と前後編で放映なのだ。
個々の作品に対する本人の弁は個人的にどうでもいい。私にとってこの番組のキモは、ゲストが自分の生い立ちを語る最初の２０分ほどである。私生活がオープンになっていない人の生い立ちが気になるのは勿論だが、すでにそういった情報がオープンになっている人の場合も、この高尚な番組ではまたどういう風に語るのか？ それを見るのが面白いのだ。
で、案の定５回（６回？）も離婚していることや、鬱屈した少年時代のことはほぼスルーされていた。こういうのを見て一人ニヤニヤするのは楽しい。あ、でも神学校を追い出された時の話をちょこっとしていたっけ。
「父親が呼び出されてね。先生が言うんだ。『見て下さい、息子さんが壁に頭を何度も打ちつけてこんなにしてしまって』って。父はひたすらうなだれていたよ」
スコセッシ、一応受けを狙っていたのだろう、ニコニコしながら話していたのだが、客席はちょっとひいていた。本人にもそのことが分かったのか、「う、今のはまずったか」って感じの顔をしていた。
あと「タクシー・ドライバー」について、「トラビスはまた同じ事をするだろう」と言っていた。やっぱりね。
| 2004年01月18日(日) |
新ゼロＤＶＤ発売記念上映イベント |
朝５時２０分起床。前日の昼に自分で作ったシチューを食べて出発。７時２３分金山発のＪＲに乗る。二回ほど乗り換えたが、座席はどの電車でも運良く座れた。
１２時少し前には東京に着く。中央線のエスカレーターの近くにある蕎麦屋へ。ところが入口近くの席でおっさんが一人倒れている。まもなく救急隊員が来て、おっさんに名前やらなんやらを聞いて意識の確認をしていた。取り敢えずきつねうどんを頼んでずるずる食べる。
店を出て時計を見るとまだ１２時半。なんか秋葉原にでも寄って行きたくなるが、いかんいかん（つかこの間行ったばっかりじゃん）。１時前には水道橋駅に着く。折角だから一度道を確認しよう、と地図を片手に目的地へ行く。５分ちょっとで着いた会場（ＹＭＣＡ）の前にはすでに７、８人並んでいた。その中のちょっとかわいい人に整理券の有無を聞いてみたのだが、その人もスタッフに同じことを聞いたものの、スタッフから「分かりません」と言われたので普通に並んでいるとのこと。じゃあ、友人とは普通に駅で待ち合わせってことでいっか、とその場を立ち去る。すると私がちょっと歩きかけた所で、そのお姉さん（いや年下かもしれんが）が駆け寄ってきて、「あ、でもひょっとしたら整理券、あとから配られるかもしれないんで、何とも言えないです」と声をかけてくれた。親切な人だ。
時間通りに友人と落ち合い、そのまま会場へ。すでに外ではなく建物の中で並んでいた。２時に開場となり、ハガキを渡して中へ入る。２５０席ほどの空間であった。帰りの電車のことを考えて、帰る時出やすいようになるべく隅の方で見たかったので、入口から見て左脇の中ほどの所に座る。
２時半開演。ゲストは芦田豊雄、井上和彦、そして高橋良輔。司会はショッカーＯ野。全体的に私も友人も、高橋良輔しか見ていなかったような（まあ結果として）。最初の紹介の時にしても、良輔さんにしか拍手していなかったし（まあ結果として）。トークの最後、ゲストの三人が今後のお仕事について語っていた。監督曰く、まず火の鳥やって、その後時代劇をやるつもりなのだとか。「若者の群像劇っぽいものです」･･･ってダグラムかよ！ 井上和彦は、「加速装置！」や、一部の新ゼロＯＰに入っているジョーのセリフを生で聞かせてくれた。
イベントではトークの他に、テレビ放映開始の前の週に放送された、なんとか前夜祭という３０分の特番を５分ほどに編集したものや（この頃はまだまだ元気だったはせさん治が出ている！）、上映会参加応募時に取られた、新ゼロで最も見たい回のアンケートで一位になった第１話が上映された。個人的には充実した内容のイベントだった。
ふう･･･。先月の中旬頃からアメリカでは２００３年に公開された映画作品に贈られる様々な賞の候補、さらにその中から選ばれた最優秀賞が続々と発表されている。いわゆる賞レースって奴の真っ最中と言うわけだ。
取り敢えず、その中でビル・マーレーが関係したものをネットなどで拾った限り、以下に記す。
インディペンデント・スピリット賞 主演男優賞ノミネート（０３．１２．０４）
ボストン映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．１４）
ニューヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．１５）
（↑これはスポーツ新聞にも載ったね。まあ、謙さんが助演男優賞とったからだけど、日本の新聞でビル･マーレーっていう名前が載ったのがすごく嬉しかったよ）
サンフランシスコ映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．１５）
ワシントン映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．１５〜１７？）
ブロードキャスト映画批評家協会賞 主演男優賞ノミネート（０３．１２．１６）
トロント映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．１７）
サウスイースタン映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０３．１２．３０）
米放送批評家協会賞の男優賞ではノミネートはされたものの逃す。（０４．０１）
全米映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０４．０１．０５）
オンライン映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０４．０１．０６）
ロサンゼルス映画批評家協会賞 主演男優賞受賞（０４．０１．０７）
なんじゃこりゃ！？
ビル・マーレーだけではない。作品としての評価も高い。あんまりちゃんと見ていないが、あちこちの批評家協会賞で候補になったり最優秀賞を取ったりしていたはずだ。アカデミー賞が選ぶ作品というのは今いち信用できない所があるが、批評家協会で評価されたというのなら、かなり信頼できる。ＣＤ屋に置いてある洋雑誌とかにざざっと目を通しても、「ロスト〜」はどこでも好意的に書かれていた。
あ、あとさらに、アメリカで映画批評番組を持っているエバート＆シスケルのまだ生きている方、ロジャー・エバート（この間ビンセント・ギャロの『ブラウン・バニー』をクソミソにけなしたことで、ギャロから呪いをかけられたとか秘宝に書かれてたけど･･）までビル・マーレーの演技を絶賛している。まあ、ロジャー・エバートは結構マニアックなものが好きだから、ビルを誉めるのも分かるんだけど。
それにしてもＮ．Ｙ．とＬ．Ａ．の批評家協会賞の結果は意外だった。この両都市は互いに対抗意識を持っているから、結果がだぶることはあまりないと思っていた。それが両方で主演男優賞を受賞しちゃうなんて。絶対どっちかは「ミスティック・リバー」のショーン・ペンだと思っていたもの。これには驚いた。
なんだかなあ。これって夢なんじゃないの？ 有り得るのかこんなことが？ あたしがよく「ああ将来ビルがこんな風になったらいいなあ〜」っていう妄想がそのまんま現実になるなんてさあ。なんて嬉しい〜！･･･と同時に恐ろしい。ビル、ひょっとしてもうすぐ死ぬんじゃないだろうな。ここまで上り詰めたらその後は･･･って思ってしまうよ。今にジョン・ベルーシよりも悲惨な死に方するんじゃないだろうか。や、でも、ジョンの予言では、「ビルは一番長生きした。満足して死んだ」っていうことになっているから大丈夫だよね（違うって）。
ううむ。これはいよいよアカデミー賞も夢ではないね、と当然私も思ったわけだが、ふと、ビルが“ＬＩＶＥ ＦＲＯＭ ＮＥＷ ＹＯＲＫ”（ＳＮＬの関係者らのインタビューで構成された回想＆暴露本）で、「もし生きていれば、ジョンならオスカーを取っただろう」と言っていたのを思い出し、ちょっとしんみりしてしまった。
まあ賞が貰えたからって、芸人としての円熟とは全然関係ないわけで、別に取っても取れなくても、本当の所どうでもいい。オスカーの候補となることで、日本のテレビに映る。つまりこの私がお茶の間で見られる。それが重要なのだ。
それにしてもあのビル・マーレーがオスカーを喜ぶかどうか謎だね〜。そりゃ貰えりゃそれなりに嬉しいでしょうが、あれくらいキャリアを重ねていれば賞というのにどんな舞台裏が存在するかぐらい分かっているだろうし。昔デビッド・レターマン・ショーに出た時に、レターマンに「そのうちオスカーを取れるかい？」って聞かれた時にゃ、「それより先に（フットボールの）ハイズマン賞を取る」って言ってたような奴だもの（ちなみにティム・ロビンスがたまたまこの番組を見たことで、自作の『クレイドル・ウィル・ロック』にビルを起用しようかどうしようか迷っていた所を、正式にオファーすることに決めたのである）。なーんて表面ではギャグにしつつも、内心ではめちゃめちゃ賞欲しかったりしてな。まあそれはそれでビルらしいとも言える。
しかし。ゴーストバスターズの直後、シリアス演技に挑戦した野心作「剃刀の刃」が大コケしてから約２０年･･･。それからの努力が、ようやく名実ともにって感じですね。おめでとう。
昨日母が会社から持ってきたコート紙の折りをやる（数えられなかったので分からないが、母曰く５〜６００枚くらいだそうだ）。１８日に東京へ行くためにも少しは稼がねば。ミュージカル版の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」、「ザ・コンプリート・ブルース・ブラザーズ」をかけつつガッシガッシと折る。３時頃に取りに来るからそれまでにやっといてくれと頼まれていたが、母が来てもまだあと数十枚を折っている最中。しかも、できれば１００枚ごとに分けて、とも言われていたのにそれもまだ。結局、「会社に行ってから数えるわ」と、そのまま包んで持っていってもらった。包んでいる間に残りの枚数は折れた。が、母にも十枚くらい折ってもらってしまった。こんなざまでもバイト代は貰ってしまった。ううむ、かなり悪い。めっちゃ悪い。でもまあ、いいや。
その場でお金を貰ってから自転車で金山駅近くのチケット屋へ。見ると青春１８切符がまだ売っている。今年は２０日まで使えるのだとか。なるべく安くしよう、と思っていたのでこれにする。あと一日分で、２７００円だった。
帰宅後、帰り道で買った新しい時刻表でもって、行程表を作ろうとしたが、ううん、今さらだが在来線だけでは無理そうだ（ボカ〜ン）。東京駅に着くのが午後１時２６分で、会場場所は水道橋。当日は２時開場２時半開演、４時終演である。会場は駅から歩いて５分とあるが、初めて行く場所だからもっとかかってしまう恐れもある。第一、こういうイベントの場合、みんな早めに到着して並んで、いい席で見ようとするに違いないもんなあ。そうなるとこの行程ではちょっと微妙、いや駄目だ。
やっぱ行きはオール新幹線じゃないとこの場合無理か？ と思っていたら、静岡から東京までをぷらっとこだまにすれば、全て在来線に頼るよりはかなり早く着く。やっぱこれがいいかなあ。名古屋から東京まで全部ぷらっとこだまで行くよりはまあ、５００円くらいではあるが安くはなるし。少なくともその日乗るＪＲの在来線は１８切符を使ってどこでも乗り放題なわけであるし。まあこれで良しとするか。
| 2004年01月14日(水) |
ラスト・サムライ、ミスティック・リバー |
ヴァージンシネマズ（あ、もうＴＯＨＯシネマズか）は本日レディースデイで１０００円。というわけで、１０時の回から「ラスト・サムライ」、２時３０分の回から「ミスティック・リバー」を見に行くぞ、と母に車を借りて朝から映画館へ。ちょっと起きるのが遅かったせいで間に合わないかも、と思ったがなんとか上映１０分前には映画館に着いた。しかしそこはやはり水曜日レディースデイ。チケット窓口の前にはおばちゃんたちが長い列を作っていた。何が目当てだったんだろう。やっぱ謙かねえ。
後ろも一杯人が並んでいるから、取り敢えずラスト・サムライの分だけ買ってさっさと行こうと思ったが、次ミスティック・リバーを買う時また並んだりするのが嫌だったので、両方買い、三階へと急ぐ。
中に入るとすでに予告編が始まっていて真っ暗だったが、画面の明かりと携帯の光を頼りに席に着く。
ラスト・サムライに対する感想は、「パールハーバー」のゼロ戦を見た時のそれに近い（ストーリーではないよ。ゼロ戦ね）。日本では経済的な、あるいは思想的な理由で絶対に撮れないものをアメリカが撮ってくれたのだと。しかもこれはパールバーバーなんかと違って、描こうとしている対象にちゃんと誠意がこもっている。明らかに間違っていたり、違和感のあるシーンは一杯あるが、許容範囲内である。謙はもちろん素晴らしかった。
ラスト・サムライは１時前頃に終わった。次のミスティック・リバーが始まるまでの間にと、昼食を食べに行く。つくづくここは便利だなあ。ジャスコが併設されているから、食事でも買い物でもいくらでもついでがきく。
水はほとんど飲まずに、食べるだけ食べ終わってから他の階をいくらかぶらぶらし、そろそろ行こうとエスカレーターを降りかけたところ、かわいい雑貨屋が目にとまったので入った。いいカップがないかなあと思って覗いているとなんと、去年割ってしまったサーカスの絵のついたカップのシリーズが売っていた。もうどこの支店にもありませんと言われていたので凄く嬉しかった。以前持っていたが割ってしまった、膨らんだ形のマグカップと、以前最初のものを買った時に迷って結局買わなかった円錐形のマグカップを両方買う。一個７５０円くらいだった。店の名前はＣｏｕｒｔｙａｒｄ（コートヤード）というらしい。そのうちまた来ようっと。
ジャスコを出て映画館へ戻る。いよいよミスティック・リバーである。もともとこれはビデオ鑑賞で済ませようと思っていた。クリント・イーストウッドの作品なら傑作になることは間違いないのだろうが、さほど大画面映えする内容とは思えなかったからだ。しかし先週読んだ週刊文春の映画評で中野翠とおすぎが四つ星か五つ星をつけていたので、劇場に見に行くことに決めたのである（単純だなあ）。中野翠はともかく、おすぎをそれほど信頼しているわけではないが、この二人が揃って誉めている場合、今までまず外れた試しがない。それと、今年度のゴールデングローブ賞の助演男優賞に謙と同じくノミネートされているティム・ロビンスの演技がどこまで凄いのか、やはり見てみたい。
で。･･･ああ、ラスト・サムライを先に見ておいて良かった。ミスティック・リバーを見た後では例え謙の輝きをもってしても退屈なものになってしまっただろう。決してラスト・サムライが凡作というわけではない。このミスティック・リバーがあまりにも素晴らしすぎるのだ。果たして今年、これ以上の作品を見られるだろうか？ 決して見る者に暖かさを与える作品ではない。どす黒い悲観に満ち、最後まで誰一人として救われない物語である。映画は、これからも彼ら彼女らの不幸の連鎖が続いていくことを静かに語りつつ、すっかり登場人物と感情を共有していた観客を座席に残して去っていく。確実に見る者を憂鬱にする映画である。しかし、見終えた後のこんな充実感は、まず味わえないものである。こうして日記を書いている現時点（１５日）でもまだ、映画の中にふわふわ漂っているみたいだ。もう一回見たい。今度は原作を読んだ後で。
昨日当たったイベント招待状だが、本人と他一名様となっている。友人の一人が当たったら行きたいと言っていたので、お誘いのメールを出す。即レスが返ってきて、外れちゃったので是非とのこと。当日、水道橋駅東口に１時半待ち合わせということで決まる。
お昼頃、郵便が届いた。先日も書いた、新ゼロＤＶＤ発売記念イベントの招待状が届いていた。
昼頃起きてテレビ欄を見ていたら、ＮＨＫ衛星第二で夕方６時から「ニコラス・ケイジ自らを語る」とある。今日からまたしばらくアクターズ・スタジオ・インタビューをやってくれるみたいだ。ネットでラインナップを確認してみたら、なんとマーティン・スコセッシもやるらしい。しかも前後編に分けて二日間だ。これはかなり嬉しい。欲を言えばジャック・レモンの回を再放送して欲しかったが、これはまたいつかやってくれると信じて待とう。
夜の９時前、夕食。ＮＨＫ衛星第一でゴルフ番組をやっていて、父が見ていた。クリントン、ブッシュ父子といった最近の大統領のゴルフとの関わりについての番組で、クリントンは下手クソだとか、ブッシュ父子はやたらせっかちだとか言う解説が流れている。そんな映像と共にプロゴルファーなどのコメント映像がちょこちょこ挟まれたりしていたのだが、なんとその中のコメンテーターの一人がチェビー・チェイス。画面に登場すると、「喜劇俳優 チェビー・チェイス」とスーパーが入っていた。何を言っていたかは覚えていない（まあその程度のことなんだろう）。後で番組名を確認すると「ＢＳプライムタイム プレーで見る性格診断 芝上の素顔 『大統領とゴルフ』」だとか。夜８時から８時５０分までやってたらしい。それにしてもチェビー。最近はああやってふちっこに出てくることで食っているのか。それで食っていけるもんなのか、アメリカって。
１１時にＹ氏と金山で待ち合わせなのだが、その前にとＳ氏宅へのお土産用にと近所のミスタードーナッツへ。リニューアルサービスで十個まで３０％オフのクーポンを使ってきっちり十個買う。全部で７００円ちょっとくらいだった。その後時間きっかりにＹ氏を拾ってＳ氏宅へ。車中でＹ氏に地元の友人たちの近況について話す。
お昼前にＳ氏宅へは着いたものの、すぐにどこかからＳ氏宅へ電話。それが恐ろしく長くなんと一時間余り。誰からか聞いてみたら、長電話魔の某知人からだった。時間も時間なのでそのまま三人で近所のアピタの中にあるインドカレー屋へ。
再びＳ氏宅へ戻り、Ｓ氏からの紅茶とドーナツをぱくつきながらＹ氏の身近に起こったオタク人災についてひとしきり聞く。聞いたことを詳しくは書けないが･･･。うーん、やっぱ綺麗なものを愛する人間って身も心も汚れているもんなんだなあ〜っと実感。
８時頃夕食をした後、再びＹ氏を金山駅へ送って行く。帰りの車中で同人誌印刷についてちょっとアドバイスをいくつかする。
ネットに繋ぎ、００９ＦＣの掲示板を見ていたら、昨日の書き込みで、サイボーグ００９ＤＶＤ発売記念イベントの招待状ハガキが届いたというのがあった。私もこれ申し込んだんだけど、９日締め切りなのにもう届いた人がいるのか。早え。
金曜ロードショーで「アルマゲドン」をやっていた。途中からだったが最後まで見る。いやー、普段口にする時はバカにしちゃいるけど、いい映画だよなあ、これは！ 仲間が悲惨な死に方したと思ったら、宇宙のハイテク機器を叩いて直したり、爆破装置を止めるのに「赤い線と青い線、どっちを切るんだ！？」なんてのがマジでやられたりするし。なんかもう、笑う所と泣く所が交互に激しく現れてちと疲れるが、全然嫌いじゃない。あー、なんか急激に男映画を見たくなってきたなあ。こういう気分が続いているうちに「戦争のはらわた」も見なきゃな。でもって今度レンタル屋行ったら「ライト・スタッフ」と「グッド・フェローズ」を借りてこよう。
夜１時５０分からは久し振りに「ふたりは最高！ ダーマ＆グレッグ」。三本のうち二本はダーマの浮気話。ま、浮気とは言ってもダーマのそれは実に可愛らしいものなのだが、あくまでグレッグが一番であるダーマのことなので、結末はやはり相手との切ないお別れであった。相手役の声が関俊彦で嬉しかった。
| 2004年01月05日(月) |
これから楽しみにしている映画 |
■ ロスト・イン・トランスレーション
やはり今年はこれに振り回されそうな気がする。去年の春頃情報を知った時の私の感情の分裂と言ったら、そりゃもう･･･。主役がビル・マーレーで、ヒロイン役が「ゴースト・ワールド」でソーラ・バーチの友人を演じていた、演技も容貌もまさに今が旬のスカーレット・ヨハンソンとくりゃ、そりゃもう上映日まで毎日ハッピーってなもんですが、監督がソフィア・コッポラなんだよ（ボカ〜ン）。
お話は、日本にＣＭの撮影にやってきた落ち目のハリウッド俳優ボブ・ハリス（ビル・マーレー）が主人公。高いギャラに釣られて東京にやってきたものの、時差ボケとカルチャーショック、その上無能な通訳のためにイヤーな思いをするばかり。でもそんなある日、同じホテルで似たような境遇の若い女性（スカーレット・ヨハンソン）に会って･･･、というもの。ちなみにどうでもいいことだが、ビルが作品内でやるＣＭはサントリーの「響」。まあこれだけではつまらないとも面白いとも言い切れないのだが･･･。しかしソフィア・コッポラ･･･。「ゴッド・ファーザー�掘廚妊Ε�ノナ・ライダーが降板した後に頼まれもしないのに割り込んできて、まんまとマイケルの娘役になりより、全映画ファンの殺すリストに入った（に違いない）ソフィア・コッポラ。その後も親父であるＦ・Ｆ・コッポラの七光りをフルに活用し、ジェームズ・ウッズやダニー・デビートをまんまと巻き込んだ挙句、「ヴァージン・スーサイズ」という映画史上に残るお嬢様の自己マン映画を作りやがったソフィア・コッポラ。私のビルがなぜこんな女に（ガクッ）。
にしてもこの二人どうやって知り合ったんだよ、と思っていたら、なんとソフィアとビルが知り合ったきっかけはウェス･アンダーソンなのだ。最初はウェスがスパイク・ジョーンズ（『マルコビッチの穴』の監督）にビルを紹介し、それから自動的にスパイク・ジョーンズの奥さんであるソフィア（この二人は０３年末すでに離婚）と知り合い、あれやこれやのうちにこの映画の主役になったのだそうだ。ウェス君、なんて余計なことを（ボカ〜ン）。ああせめてスパイク・ジョーンズの監督作品だったらいくらでも楽しみにできようものを、ううう（涙）。
と、いうのが去年の１１月までの私の正直な思いだったのだが、ここへきて風向きが微妙になってきた。この映画、やけに評判がいいのだ。ボックス・オフィスでは公開初日１０位、その後７位まで行き、あとはぼちぼちと言う感じだったのだが、インディーズ系の（つってもソフィアなのでそんじょそこらのインディーズとはバックボーンのケタが違うだろうが）小規模公開作品でここまで行ったということは、トータル収入としては低くても、率的にはかなりのものである。その上、１２月１４日に発表されたＮ．Ｙ．批評家協会賞でなんとビルが！ 主演男優賞を受けたのである！ 作品賞の方はよく見ていないが、候補にはなっていたはずである。つまり、作品的にもビル的にもイケていると見てよい･･･のかもしれないのだ。まだまだこれからも各地の批評家協会で受賞者・受賞作が発表される。Ｎ．Ｙ．で取れたのなら他でも取れるかもしれない。批評家協会の中で権威においてはＮ．Ｙ．と並ぶＬ．Ａ．の結果が出るのはもう少し先になるのでまだなんともだが、もし両方取れたらゴールデングローブ賞も夢ではない。ま、さすがにアカデミー賞は無理だろうけどね･･･。いや、まあアタシの中ではもうビルは軽く１０回はアカデミー賞取っているんですが。でも現実世界ではそうもいってくれないのよな。今年はビリー・クリスタルが司会なだけに、式で二人が絡んだりしたら最高なのになあ･･･。
■ １０ミニッツオールダー 人生のメビウス
アキ・カウリスマキ、ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、ヴェルナー・ヘルツォーク、陳凱歌などなど、私の好きな映画監督が集まった短編オムニバス。一つでこれだけ濃い監督の作品が楽しめるなんてまずない。
■ アドルフの画集
画家を志したヒットラーの青春時代。ヒットラーの理解者でユダヤの画商役がジョン・キューザックなのだ。なんでも作品に惚れ込んでノーギャラで出演したらしい。彼がそこまで気を入れている作品なら見てみたい。監督はオランダ人。すごいなあ、これって韓国人が東条英機の青春時代を描くってのの何十倍のタブーじゃないか。
■ ザ・ライフ・アクアティック（原題）
去年の春頃に情報を知ってからものすごーく楽しみにしている映画。あの「天才マックスの世界」の、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の、ウェス･アンダーソン監督による新作である。主演俳優は勿論、ウェス君の心の友（？）、ビル・マーレー！ ビル演じる海洋学者、スティーブ・ジッソーが幻の鯨（と思っていたが、後でよくよく情報を確認してみたら鮫となっていた。どうも鯨だったような気がしたが）を求めて海を旅するうちに様々なハプニングに遭遇するという海洋冒険モノ。
撮影は去年の９月から始まっている。「ロスト〜」でビルがベネチア映画祭に来てた時の、髭に白髪のナチュラルフェイスは多分この映画でのビルの顔なんでしょうな。あのウェス君がビル・マーレーを主役にして本格的な娯楽映画を撮るなんて、これが楽しみじゃなかったら何を楽しみにして生きると。共演がウィレム・デフォーってのもたまりません。共演者はこの他に、ウェスの公私に渡るマブダチ、オーウェン・ウィルソン。「ロイヤル〜」のアンジェリカ・ヒューストンもまたまた出演。ただ私としてはウェス作品であのいつも異様な存在感を放っているクマール・パラーナが今回も出るかどうかが気になる。なんせこの作品、主なロケ地がヨーロッパで、しかもそのあちこちで撮っているから、素人の彼がそこまで行けるもんなのかどうか微妙なのだ。その辺も含めて気になる。
■ スタック・オン・ユー
ファレリー兄弟の新作。シャム双生児の話らしい。きっとまた下品な差別ギャグをバンバン飛ばしてくれることでしょう。早く見たい。
■ グッバイ、レーニン！
８０年代後半の旧東ドイツ。熱心な共産主義者である一人の中年女性がいた。ところが彼の一人息子は、実は密かに民主化運動に加わっていた。ある時そのことを知ってしまった彼女は、ショックのあまり心臓発作を起こし、その上昏睡状態になってしまう。
いつしか時は流れ、東西ベルリンの壁は崩壊し、ドイツも統一。彼らの国である東ドイツも消滅してしまい、女性の一人息子も急激に変わった環境の中で何とか日々を送っていた。そんなある日、彼女は意識を取り戻す。「もしまた発作が起きたら今度は助からないかもしれない」という医者の言葉から、息子は母親にショックを与えてはならない、と、ありとあらゆる策を弄して母親の近辺を「東ドイツ」に見せようとするのだが･･･。
やはり００４ファンとしちゃ、壁絡みのドイツ話は要チェック。現地では大ヒットし、各賞にも輝いたという。
同じドイツの壁絡みの物語でも、「トンネル」には心底がっかりさせられてしまったんだよね。なんか、東というその場所での暮らしや、それぞれに暮らしている人々の人間関係の描写に深みがなくって。まあ、ドイツ人でもないのに余計なお世話かもしれんが。取り敢えず、こっちには大いに期待したい所。
今日は世界名作劇場ファンで知り合った友人たちと熱田神宮に初詣。１１時に熱田神宮前のロイヤル・ホストにて待ち合わせである。母の車を借りて行くが、去年は封鎖されていなかったと記憶している道路が封鎖されていて、なかなか適当につけられそうな所がない。何とか一箇所見つけるが、駐禁切符を切られそうでどうにも不安（結局昼食の間に少し離れた所にあるブックオフの駐車場に入れ直した）。
この日しかないと急遽決まったことなので、面子は私を含めて四人と、本来より少な目である。年始の挨拶をしたところで参拝へ。いろいろお願いをした後、露店をぶらぶら。友人Ｔが今日のコートは福袋で当たった奴なんだよ、二時間並んだんだ、と嬉しそうな顔で私に言った。お互い師走に出掛けた際のあれやこれやについて話す。正月らしい会話である。途中で毎年恒例の高嶋易断の誕生日占いを引く。相変わらず耳に痛いことが書かれてある。友人の一人、Ａ氏から「俺が失業した時は失業手当は生活の糧やったのに、お前は同人誌買いやがって」と説教される。ごめんなさいねえ。
ロイヤルホストに入って昼食を取った後、全員そこに車を入れてあるということでブックオフへ。駐車料金がただになるので各人お買い物。私もいろいろ物色。ビデオでジョン・キャンディの「大脱線」の字幕版と、ダンが主演の「ダンク・ブラザース 脱線ファンにご用心」の日本語吹替版、それから近代映画社スクリーン特別編集の「ロンリー・ボーイ リバー・フェニックス」を買う。リバー君の本はいろいろあるが、この没後に出されたムックには吉田秋生がカラーのイラストと追悼の言葉を寄せている。ああ買えて良かった。
買い物を終えた後は全員でＳ氏宅へ。「プラネテス」で私が録り逃してしまった回を全て見せて貰う。必然的に他の二人をそれに付き合わせる羽目になったが、まあこれは面白いアニメなので、ある程度安心して見せられる。終わった後さらにＳ氏、「これ絶対あなたにおすすめ！」と、「プラネテス」と同じ日、同じチャンネルでやっている「ふたつのスピカ」を画面に掛ける。思いっきり学園モノなＯＰから始まった。テロップを見ると監督は望月智充。うーん、これなら面白そう。宇宙飛行士を目指す女の子とその仲間たちのお話らしい。設定はプラネテスとはまた違った意味で作り込まれているが、そこはそれ、望月監督なので演出も登場人物の配置もあくまで少女漫画テイストである。
Ｓ氏が入れてくれたお茶とクッキーを片手にしつつ、特に期待もせず見ていたのだが･･･。おおお、こ、これは名作劇場とりぼんをＤＮＡに刷り込まれた人間にとってはとてつもなく素晴らしい作品だあ！ 果たしてその場にいた全員がはまる。もう私のプラネテス録画用ビデオは来週から全てこの「ふたつのスピカ」に消えること決定。感動に浸りつつ、７時頃散会。
帰宅後、Ｓ氏から電話。丁度来週、数年振りにＹ氏が名古屋に来るとの由。ええそりゃ行きますよと返事。Ｓ氏からＹ氏の携帯番号を聞き、こちらから掛け、ん年振りにお喋り。聞けばＹ氏、名古屋駅からＳ氏宅への行き方をさっぱり忘れてしまったのだとか。それならと、当日は名古屋駅から一つ目の金山駅に私が車で迎えに行くということで合意。イロんな話がいっぱい聞けそうで楽しみである。へへへ。まあでも、ここにはとても書けないような話なんだろうな。
信州はどこまでも蕎麦ばかりの所であった。温泉は良かった。でもって今日の昼に食べたステーキがうまかった。父と母が頼んでいたカレーもちょっと貰って食べたんだが、これもおいしかった。
母と祖父母は４日までだが、別に予定のある父と私は今夜帰宅。ＳＮＬは今日からまた＃５２以降の再放送。ちょっとだけ見て寝る。
昼過ぎ起床。いつもながらの寝正月。相変わらず気分はだるだるのまま雑煮をすする。
秋葉原と神保町で買ってきた奴のうち早速どれか見ようと思ったのだが、だるい中「戦争のはらわた」を見るのは精神衛生上良くなさそうなので、秋葉原で２０％オフで買った「スパイ・ライク・アス」を見る。いかにも今日の気分に合ったゆるい映画で、バランスよく楽しむ。
郵便屋さんがいつまでたっても来ないなあ、と思っていたら家の誰かがすでに玄関ポストから抜いていたらしく、ハガキの束がテーブルの隅に置いてあった。友人、知人のうち何人かからある。みんなちゃんと元旦に届くように送っているんだなあ、と感心する。
帰ってきたばかりだが、明日からまた旅行である。行き先は長野県の湯田中で、両親と私、それから母方の祖父母と一緒に行く。まあ、旅行代は両親が出すのだからこんなことを思うのは罰当たりなのだが･･･。コミケという濃い祭りのあとで何が悲しくて家族と旅行なんぞせないかんのか。ますますやるせない気分で一杯になりながら支度をして寝る。
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