ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2008年09月30日(火) 私がクマにキレた理由(わけ)

監督:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソン
    ローラ・リニー
    クリス・エヴァンス、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
大学を優秀な成績で卒業し、一流企業への就職を母親から嘱望されて自らも望んだアニーだったが、面接で失敗し自分の進むべき道を失って途方に暮れていた。たまたま公園で出会ったセレブママ「マダムX」が「アニー」を「ナニー(子守)」と聞き間違えた事から、マダムXに懇願されて彼女の息子のナニーとして住込みで働く事になった。初めは楽勝だと思っていたナニーの仕事、ところが蓋を開ければマダムXの横暴ぶりは想像を絶していて・・・


【感想】
米作家エマ・マクローリンとニコラ・クラウス著の「ティファニーで子育てを(原題:The Nanny Diaries)」を映画化。
監督・脚本を手掛けたのは「アメリカン・スプレンダー」で長編映画デビューし、世界的に非常に高い評価を受けたシャリ・スプリンガー・バーマンとロバート・プルチーニ。本作もまた共作のようです。
・・・と言うか、本作をわざわざ映画館まで見に行く人って、多分スカ嬢のファンだけじゃない?(^-^;

予告編を見た人なら大体話の内容は想像が付く。見てない人でも映画が始まればオチは想像が付く。
就活に失敗した女の子がひょんな事からセレブ家庭のナニーになり、セレブファミリーを観察しつつ自分も成長し、そしてセレブファミリーにも影響を与え、更にロマンスも絡めてラストは何もかもが大団円♪
って、またオチバレしてるじゃないですかっ!(^-^;

「ヒューマン+コメディ+ラブもバッチリ♪」という、非常に判り易く安定した作品です。
日本では(と言うかぴよには)縁も馴染みもない「ニューヨーク・セレブママの生活と子育て事情」をアニーの視点から見せる事で、多くの庶民の観客から溜息と共に「これだから金持ちってのはよー」と共通の敵を作る(アニーに同情と共感させる)という事に成功しています。

初めはまるで懐かずに憎たらしいだけのクソガキ、もといお坊ちゃまですが(苦笑)、お坊ちゃまの取り巻く環境や子育て丸投げで両親不在の状態をアニーが知るや、とんとん拍子に仲良くなって行くという展開も磐石。
平行して同じ高級アパートに住むイケメン大学生と知り合って、もれなく好意を持ってもらえるのもご都合主義(笑)

「金が腐る程あって、その上旦那に愛されて幸せ全開でやりたい放題なんて許せないっ!」
「お金だけあったって心が満たされなければ、幸せとは言えないわよね(その点私はお金はないけど幸せヨ♪)」

世の貧乏人というのは、金持ちには絶対に勝てない自分の不遇を慰める為に(苦笑)、どうせ金持ちなんて冷酷無比で浮気し放題で空虚な生活を送っているに違いない。いや、そうでなければ納得出来ない!位に思っているでしょう?
はいはい。本作もちゃーんとそういう「大多数の貧乏人」の溜飲を下げさせる為に、セレブママはお金だけあっても愛を得られずに悶々とする気の毒な人、という「理想の金持ち像」として描かれていますヨ♪
あまりにステレオタイプ過ぎて、正直見ていて白けてくる程あからさまでしたヨ(^-^;

そんなこんなで、庶民の皆様にはウケの良さそうな作品です。
金持ちの方でもスカ嬢のファンならバッチリOK。キュートなおパンツ姿も披露してくれてウッキウキです♪
まあ・・・いい話ですけど、ほぼどーでもいい(をい)。

正直言って「レンタルDVD」まで待って充分かな?








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2008年09月19日(金) イキガミ

監督:瀧本智行
出演:松田翔太
    塚本高史
    山田孝之、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
国民は「国家繁栄維持法」により、1/1000人の確率で18〜24歳の間に国の繁栄の為に殺される事になっていた。アトランダムに選ばれた国民には国から死の予定時刻の24時間前に「イキガミ(逝紙)」と呼ばれる死亡予告証が手渡される。無事に25歳になり死を免れた国家公務員の藤本は、イキガミを死亡予定者に配達するという仕事に就いた。今日もまたイキガミを持って死亡予定者の家を訪れる藤本だったが・・・


【感想】
間瀬元朗氏著の同名タイトルコミックを映画化。

今話題になっているので先に触れますが、本作の原作コミックを未読&予告編を一度も見ずに鑑賞したので、本作がどういう内容でどういうあらましの作品か前知識ゼロ状態でした。
映画を見ながら「コレ、絶対にどっかで読んだ事のある話だよなぁ〜。何だったっけ?」と思っていたのですが、自宅に戻ってネットに繋げたら本作の剽窃疑惑のニュースが出ていて、「ああ!そーだ。星新一の小説と全く同じ設定だったんだ!」と思い当たったという訳でして。

本作と星氏の作品では発するメッセージ・表現方法はまるで違うので、印象的には全く異なります。
だから本当に「たまたま同じような事を考えた人がいた」というだけの事だろうと思います。ですが、やはり先に小説の方を読んだ・学生時代に星氏の作品には随分楽しませてもらった身としては、どうも何か腑に落ちない気分にはなります。

さて、映画とは関係ない事を書きましたが・・・本作。
死亡予定者(小学校入学時に接種する注射に1/1000の確率で時限爆弾のようなカプセルが混入されている)には、死の予定時刻の24時間前に役所の人間から「イキガミ」という死亡予告証が手渡される事になっていて、本作ではそのイキガミを渡された3人の若者の生き様(死に様)とイキガミを渡す側の役所の人間「藤本」の関わり等を見せるオムニバス・ストーリー仕立てになっています。

3つのオムニバス・ストーリー自体には特に繋がりがなく、敢えて何か繋がりを見出すとすれば、主人公がイキガミを渡す仕事をしている「藤本」なので、話の全てに藤本が登場するという事くらいか?

「後24時間後に自分が確実に死ぬ」と判ったら、人は何をするだろうか?
ある人は自分が最も恨んでいた人を殺してやりたいと思う。ある人は自分の本当の夢を叶えようとアピールする。ある人は死後に遺される自分の家族の為に、最善の未来を手渡してやりたいと思う。
・・・そういった様々なケースを、その全てのケースに関わった藤本の心の葛藤等を交えながら羅列していきます。

結構感動的なシーンも多いんですが(個人的にはやっぱ最後の兄妹の話が一番ジーンと来ましたね)、
正直言うと「本作の意図」「何が言いたい話なのか?」がよく判らなかったです。
人はいつ死ぬか判らないんだから、今を一生懸命生きようという事?そういう意図なら政治家の息子の話は必要がないような気がしますし、イキガミを渡す藤本の心情が本作の訴えたかった部分?だとしたら、結局はアナタは明日もイキガミ持って配達に行くんでしょ?何も変わらないんでしょ?って感じで白けちゃいますし(苦笑)

後、「国家繁栄維持法」に異を唱える国民は「思想犯」として捕らえられて矯正されるらしいのですが、原作コミックではこの思想犯の矯正のカラクリ等も描かれているのでしょうか?
映画では非常に中途半端な表現がされていて「とにかく矯正されちゃいましたー♪」みたいな結果だけが提示されているだけなので、この思想犯が登場する思惑がよく判りませんでしたね。
「こんな恐ろしい国家になっちゃったらどーするー?」という話・・・とも思えませんし。だったら3つのエピソードをダラダラと羅列するよりも、反旗を翻した思想犯達の奮闘を見せる話にした方が盛り上がりそうですしね(^-^;

そんな訳で、今ヒトツ作品の見せたいモノが判らなかったので「むぅ〜」という感じはするのですが・・・
3つのオムニバス・ストーリーは、それぞれなかなかよく作られています。「余命いくばくもない系」の究極版、何しろ死ぬ日時がキッチリ判っている期限付きの「余命いくばく系」なので、既存の様々な余命ネタをタイムリミット付きで見せられる。

見ている観客は「死ぬまで後○時間」というクレジットを見ながらハラハラ出来るし、癌みたいに「奇跡的に助かったー!」な脱力オチもなく絶対に死ぬのが判っているので、あらかじめ感動のクライマックスに向けて心の準備をしながら、更にカバンからハンカチを取り出す余裕も出来てしまうという・・・何ともお得な感じです(笑)

何だか嫌味な感想になっちゃいましたねぇ(溜息)
仕方ないですよ。気分的には星氏のご遺族のお気持ちに傾倒しちゃいますもん。←ふりだしに戻ってんじゃん(^-^;








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2008年09月18日(木) アイアンマン

監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・JR.
    グウィネス・パルトロー
    テレンス・ハワード、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
天才科学者にして巨大軍事企業の社長である「トニー・スターク」は、アフガニスタンでの自社の最新兵器のデモ実験に参加した際に、テロ組織に襲われて拉致され、洞窟内で最強兵器を作るように強要される。敵の目を盗んで圧倒的な破壊力を持つパワードスーツを開発したトニーは、何とか敵地からの脱出に成功する。だがテロ組織が自社兵器を備えていた事にショックを受けたトニーは、自宅で密かにパワードスーツの更なる開発を始めたのだった。


【感想】
今年5月に全米公開され、公開3日間の興行収入が今年度のトップ。更に世界中でメガヒット中のアメコミ映画。
マーヴェルコミックの映画化もそろそろネタ切れか?正直言って「アイアンマン」って名前は聞いた事あるけど、どういうあらましのどういう内容の話なのか全く知りません。
ついでに言うと、本作の予告編は何度か見ましたが・・・大して面白そうにも思えないし(^-^;

そんな訳でかなり低い期待値で鑑賞した訳ですが、コレが予想に反してかなり面白い!

まず、主人公の「トニー・スターク」という人物がとにかく魅力的!
イケメン(デフォ)で洒落者でユーモアセンス抜群、そしてジーニアスにしてセクシー!ぃやっほーう!
もうとにかくトニー・スターク様にメロメロです。秘書役のグウィネス嬢のお顔をとりあえず自分の顔に上書き保存したいトコロなんですが(昨日の感想のセルフパクリ)、顔もスタイルも余りに違い過ぎるので泣く泣く諦める(^-^;

本作、最初からシリーズ化が決定しているらしく、今回は「アイアンマン・ビギニング」といった仕様。

まずプロトタイプ(MARK1)は拉致られたテロ組織から逃げ出す為に、敵の目を盗んで作られた。
ミサイル製作用に与えられた材料を使い、まずは体に埋まってしまった弾丸の破片が心臓に到達しないように、自らの体に埋め込む動力?のようなモノを作り(コレが後にアイアンマンの動力にもなる)、その上で今度は自分が着る形(鎧状)のパワードスーツを製作。
この際に作った設計図、それから組織脱出後にバラバラになってしまったパワードスーツがテロ組織によって回収され、最終的に相手にも似た形状のパワードスーツを作らせる結果となってしまった。でもコレは上手い展開だと思う。

帰国後に思うトコロあって、更に改良版の「MARK2」「MARK3」の製作へと続くのですが・・・この製作段階の様子をかなり細かく見せてくれて、このシーンは本当に面白い!
最初は出力の加減や調整が上手く行かずに、飛ぶ実験では何度も頭からひっくり返ったりすっ飛び過ぎて家の中がメチャメチャになったり。腕や足のパーツを何度も自分の身に付けて動きを確かめながらハンダ付けしたりするシーンは、まるでプラモデルを夢中で作る少年のようです♪(萌え度1UP↑)

今現在となっては決して夢ではなくなった人型ロボットや人間が身に付けて動かすロボット。
コレを1から作っていく様子は、子供の頃にロボットアニメに夢中になったり「超合金ロボ人形」で遊んだ世代なら、間違いなくツボど真ん中にハマる事は請け合いです!ぴよは一応女(一応かよ)ですが、それでもめっちゃハマった!!
「飛行試運転」として外に飛び出すシーンなんて、思わず「うひょーっ!」って声が出そうになっちゃった(^-^;

秘書とのイケそうでイケないじれったいロマンス、親友との遣り取り、黒幕の出ドコロ、対決シーン、それらが絶妙のバランスで配置されていて非常によく練られた脚本だったと思いますね。
ユーモア、ハラハラ感、スピードとアクション、これらの分量や見せ方も非常に洗練されていて好感が持てます。

はっきり言って「あり得ねー」のオンパレードなんだけど、だってアメコミなんだもんっ(←開き直り)
と言うか、コレが実写映像化出来るってスゴイ事だよなぁ〜と、本当に映画技術の進歩には驚かされるばかり。トニー・スタークがパワードスーツを装着するシーンで、各パーツが小刻みにカチャカチャと動いて行くトコロがあるんですが、もう本当に溜息出ましたね。余りにもリアルでステキ過ぎます♪

まあそんなこんなで、本作は本当に見て良かった!
予告編見た段階で「まーたアメコミかよー(溜息)」なんて先入観でシャットアウトしないでよかった!マジでオススメ!








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2008年09月17日(水) 最後の初恋

監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:リチャード・ギア
    ダイアン・レイン
    スコット・グレン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
アーティストの夢を諦めて結婚し子育てをしていたエイドリアン。だが夫は浮気をして家を去り、思春期の娘は母に反抗的で心はいつも空虚感でいっぱい。ある日海辺の小さな宿を経営する親友から5日間だけ留守番を頼まれる。宿泊者は1人、高名な医師ポールだけ。最初は横柄で高慢に見えたポールだったが、実は彼もまた悩みを抱えてこの地にやって来ていたのだった。嵐が近付いて来ると共にお互いの心も近付くエイドリアンとポールだったが・・・


【感想】
「きみに読む物語」で世界中を泣かせたニコラス・スパークス氏著のロマンス小説をまたしても映画化。
定期的にこういう「泣かせロマンス物」というのは製作されますね。当然需要の多い市場でしょう。ですが個人的にはベタなラブ物というのは得意なジャンルではありません。だったら見るなよ、と自分でも思うんですが(苦笑)
主演はリチャード・ギア×ダイアン・レイン。かつて「運命の女」で夫婦役を演じていますが、久し振りの共演ですね。

エイドリアンもポールも、共に夫婦関係が崩壊した者同士。更に子供との関係がギクシャクしている所も一緒。
ただ、エイドリアンの方は一方的に旦那が悪いみたいだが、ポールの方は自分にも充分非がある。一見アンバランスに見える2人の関係だけど、エイドリアンとポールは互いに自分に欠けている部分を上手に補える性格付けがされています。

まあこの作品ねー・・・若い方には多分ウケないでしょうねぇ(溜息)
ターゲット層は40〜50歳代の「退屈な主婦層」、子育てもとりあえず一段落して平日昼間に主婦友とホテルのランチバイキングでたらふく食って、午後はエステサロンで美顔エステ。顔はお手入れしてるけどスイーツ大好きで運動大嫌いだから体はブクブク太って「もう恋愛なんて出来る年齢じゃないものー。おほほほほ!」みたいな事言いつつ、リビングのカウチで煎餅食いながら奥様情報番組見てるような手合い。←無茶苦茶言ってるな(^-^;

ギア様はロマンスグレーになっても尚、おば様の心をガッチリ掴むナイスガイ。
優しい眼差しでエイドリアンを見つめるお姿に、更年期障害に悩むおば様方の子宮もキュンキュンします(笑)
加えてダイアン・レインがおでこのシワ全開・頬のたるみMAXな「枯れた中年女」をリアルに演じ、スタイルこそ流石に完敗状態のおば様もダイアンの顔のシワには「私の方が肌はピンと張ってるワ(←太ってるだけ)」と鼻息も荒くなり、ギア様がダイアンの肩を抱いてグッと引き寄せるシーンでは、速やかにダイアンの顔は自分の顔に上書き保存(^-^;

内容ですが、とてもいいお話です。←何この投げやりな書き方(苦笑)
いやホントに!若い頃ののぼせ上がるような恋愛ではなく、たった5日間の逢瀬だった2人が、それぞれお互いの生き方の姿勢まで変える程に影響し合うようになる。生涯最後で最高の恋愛・・・泣けないハズがないぜっ!

個人的には、ギア様とダイアンの姿には泣けず、ブスい娘の姿にウルッと来たんですが。
ネタバレになるので余り詳しく書けないのですが、ある事が起こって失意のズンドコに落ちてしまった母の姿に、それまで反抗的だった娘は静かに母を見守り、そして魂が抜けてしまったかのように眠る母をそっと優しく抱きしめる。
お前、キモいメイクしてるけど優しい娘ぢゃねーっかっ!小デブでブスだけどっ!!←一言余計だっちゅーに(^-^;

「中年ロマンス物」というかなりターゲット層の絞られた作品ではありますが、話自体はとてもいいですよ。
割と予定調和な展開を見せるトコロも奥様好みなんじゃないでしょうか?ホテルランチ友達の皆様とご一緒に是非♪








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2008年09月08日(月) 俺たちダンクシューター

監督:ケント・オルターマン
出演:ウィル・フェレル
    ウディ・ハレルソン
    アンドレ・ベンジャミン、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
1970年代、一発屋ミュージシャン「ジャッキー・ムーン」は印税でABAリーグのバスケチーム「トロピックス」を買収し、オーナーと監督と選手を兼任していた。エンタメ先行の弱小チームで客は入らず常に閑古鳥状態。ところがNBAがABAを吸収すると発表。上位4位チーム以外は全て解散される事になった。最下位のトロピックスは何とか4位内に入ろうと、まずはNBAの優勝チームにかつて籍を置いていたモニックスを呼び寄せて奮闘が始まるのだが・・・


【感想】
「俺たちフィギュアスケーター」で日本にも遂にアメリカンギャグが定着したか!・・・「俺たちシリーズ」第2弾。
バカ映画好きさんには既にお馴染みウィル・フェレルが今回も大暴れ。かつて「LOVE ME SEXY」という曲を大ヒットさせた一発屋ミュージシャンで、その曲の印税でバスケチームを買収して自ら監督兼選手もこなしているという設定。

本作、実話が下敷きになっているそうでして。
かつて本当にアメリカにはABAというバスケリーグがあり、70年代後半にNBAに吸収されたんだそうです。
更にそのABAリーグは「エンタメリーグ」と呼ばれ、実際にパット・ムーンが持っていたABAチーム「オークランド・オークス」では試合前にパット・ムーンのショーが繰り広げられていたとか・・・アメリカって何でもアリですよねぇ(苦笑)

そんな訳で実話が元になっているので、はっきり言うとバカ度は「俺フィギュ」に比べてかなり落ちる。
もっと言うと「お下劣度」はかなり低い。まあそもそもウィル・フェレルの風貌がお下劣なので(コラ)、彼のバタ臭い顔を見ているだけで充分お下品ギャグ状態だとは思うのですが・・・どうしても「俺フィギュ」が基準値になるじゃないですか。
基準値がアレだとどうしても「今一つ」という気になりますよ。

バカなんだけどチームを愛しているというのは非常によく描けてます。
でも結局バカで熱いだけなので、やる事成す事空回り。ちなみにギャグも日本人には空回り(苦笑)

バカとお下劣ギャグは溢れる程だとは思いませんでしたが・・・「愛」は溢れてましたね。
どうにもこうにもバカバカしい着ぐるみショーなんだけど、チームメイトはオーナーであるジャッキーが必死にチームを盛り上げようとしている気持ちは充分に汲み取っていて、どんなクソみたいなジャッキーの提案にも素直に従ってくれる。
何とか4位に食い込む為に「目ヂカラ作戦」等、誰が考えても「アホか」と思うアイディアにも従う。何だかんだ言ってもやっぱりウィルが演じるキャラというのは「愛すべきバカ」という部分は一貫しています。

まあ、面白い事には面白いんですが・・・やっぱりパンチが足りないですよねぇ。
いっそ「R-18指定」にしてもらっていいので、俺フィギュ以上のバカエロ全開のモノが見たいと思ってしまいます。どうせこの映画見るような人って「とことんバカでエロ」が見たくてわざわざ金まで払ってるんですから(苦笑)
話自体は結構いい流れなんですがね、でも重ねて言うようで恐縮ですが「とことんバカでエロ」なら内容なんてほぼどうでもいい人じゃないと、本作なんてわざわざ見ませんから(^-^;

そんな訳で本作ちとパワーダウンしていて少々期待ハズレでした。DVDレンタルで充分かな?って感じです。








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2008年09月06日(土) ハンコック

監督:ピーター・バーグ
出演:ウィル・スミス
    シャーリーズ・セロン
    ジェイソン・ベイトマン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
不死身でスパーパワーを持つ男・ハンコックは、事件が起こると空を飛び瞬く間に解決してくれるものの、そのやり方が余りにも杜撰で横暴な為にいつも街に多大な被害を与えてしまう。更に酒浸りで下品でだらしない風貌の為に事件を解決しているというのに市民の嫌われ者だった。ところがある事故から命を救ってやったPR会社に勤める男から「市民に好かれるスーパーヒーローに私が変えてあげる」と提案される。思う所あって男の提案に乗るハンコックだったが・・・


【感想】
ウィル・スミスは今ハリウッドで最も稼ぐ俳優なんだそうだ。
そりゃそうだろう。だって彼の出演作って何だかんだで面白いもん。ぴよもウィルの出演作品はほとんど見ている。
彼の出演作品にハズレは少ない。荒唐無稽なバカ映画も、息詰まるアクションサスペンスも、ロマコメも、どんなジャンルでも必ず及第点以上のモノを提供してくれる男、それがウィル・スミス。

本作は予告編を見た時には「またアミコメか」と思ったんですが、どうやらオリジナル脚本だった模様。
既存のアメコミスーパーヒーローの裏をかいて、ことごとくパロっておちゃらける事で笑わせるという趣向。でもただのパロコメではなくて見せ方は大真面目な上「ハンコックの秘密」にも迫るサスペンス仕立てにもなっています。

既存のスーパーヒーローは自分の素性を市民の皆様からひた隠しにして生きるのが常套ですが、ハンコックは違う。
「どうせ何やったって俺不死身だし」って事で、堂々と顔を晒してやりたい放題。とにかく序盤から金の掛かった大掛かりなシーンでワクドキさせてくれる。
そのワクドキシーンはハンコックの傍若無人振りで更に大掛かりになり、「嫌われ者のヒーロー」を面白おかしく、尚且つ嫌われつつもまた事件が起こるとしぶしぶ立ち上がる「ひねくれ者だけど実は寂しがり屋」なヒーローの横顔を提示。
だから初めて自分が助けた男から手放しで感謝されて、自宅に招き入れられた時のキョドった感じが凄くいい♪

助けた男・レイとハンコックの関係の見せ方もソツがなくて楽しかったですね。
ハンコックの「嫌われ者の行動パターン」をレイが分析してハンコックに「コレじゃーダメなんだよ」と説明するシーンがあるんですが、このシーンが一番笑いましたわ。
You Tubeに市民がUPした映像を見せてハンコックにダメ出しするんだけど、火事の救出後の映像なんてもう・・・(笑)
その後も改心したハンコックがぎこちなく警察官に「ぐ・・・グッジョブ」と言う辺りも♪ウィル、本当に上手いわぁ〜!

本作は途中から「え!?」という展開を見せるのですが、コレ書いちゃうと完全オチバレしちゃうからなぁ。

オチバレしない程度に書くと、途中からハンコックの過去を知る人物が現れるんですが、何故80年前にハンコックが記憶をなくした段階で名乗り出なかったのか・・・が、ハンコックの「不死身の体の秘密」の重要なキーになる訳でして。
そんなこんなでハンコックの前に現れた過去を知る人物は「他の不死身仲間はみんな死んだ」と語る。
はぁ?そもそも死なない体だから「不死身」って言うんじゃねーの?不死身の人間がどーやって死ぬのさ?矛盾しまくってんじゃん!と誰もが思うんだけどー・・・というのが、本作の一番のキモになるネタ。
あー。この書き方でもオチバレかも?ごめんなさい(涙)

本作、既存のスーパーヒーロー物に不可欠な「圧倒的な強さを持つ敵キャラ」というのが存在しない。
そういう意味では肝心のクライマックスシーンは多少迫力に欠けるきらいがあります。迫力だけを比べたら映画序盤の「ハンコックの傍若無人振り」を見せるシーンの方が圧倒的に面白い。でも不死身の人間が死ぬ事もある、という本作のキモになるネタを見せる為にには、逆にアクションシーンが地味にならざるを得ないので致し方なしか?(^-^;

まあでも、難しい事考えないで笑っちゃってハラハラ出来る上手い作りですよ。
シリーズ物にする事も充分可能な展開ですし。本作ではシャーリーズ・セロン嬢がヒロインでしたが、相変わらずお美しかったですねぇ。ラブ展開になりそうでならなさそうな微妙な見せ方も、ウィル主演のバカヒーロー物としては丁度いい匙加減だったんじゃないでしょうか?

そんな訳で、続編が出来たらまた見に行く〜♪やっぱりウィル主演作は安心して楽しめますわネ。








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2008年09月02日(火) トウキョウソナタ

監督:黒沢清
出演:香川照之
    小泉今日子
    井之脇海、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
父・母・大学生の兄・そして小学6年のボク、ごく平凡な4人家族のハズだったのに、それぞれ秘密を持っていた。父は実は会社をリストラされて失業中である事を家族に言えずにいた。バイトに明け暮れる兄は、ある日突然「米軍志願兵になる」と言い出した。ボクも給食費をくすねてこっそりピアノ教室に通っている。そして優しい母も・・・


【感想】
2008年カンヌ映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞して話題になった作品。
本作は出演役者も超豪華!上記の香川照之さん、小泉今日子さんは言うまでもなく、脇役には黒沢作品の常連・役所広司さんも出演し、カンヌの冠に華を添えてくれています。

話は、ごくありふれた4人家族がそれぞれ持つ秘密、それに絡む悲喜こもごも、そして再生?までを描いています。
・・・あ、すげー簡単にオチバレしちゃいました。すいません(^-^;

家族4人がそれぞれ持っている「秘密」というのが、よくありがちなネタから「絶対にコレはないわ」というネタまで程よく網羅しているのですが(程よくって何だ?)
まあとりあえず誰もが「ああああ」と思うであろうネタは父の「リストラされたけど家族に言えない」というヤツ。実際に同じような話は世の中にごまんとありますし、それが理由で離婚するご家庭も多いので身につまされる物がありますよね。

次が末息子の「親に内緒でピアノ教室に通う@月謝は給食費をネコババ」ネタ。
まあイマドキのご家庭は「情操教育の為」と称して子供が嫌がっているのにムリヤリお稽古事に通わせるケースの方が圧倒的に多いので、共感が得られるか?までは疑問ですが、例えばコレが「給食費として渡したお金がいじめグループに恐喝されて取られていた」というネタだったら、充分頷けるんじゃなかろうかと思いますね。
要するに「子供が親に内緒で親から渡された金を別の目的に遣っていた」という括りで見ればいいんじゃないかと。

親父のリストラネタと息子のピアノ教室ネタは少し被っていて、リストラされた事を妻にも言えない親父は、今後の生活費の事も気掛かりだし、何より「一家の大黒柱」という自分のアイデンティティが瓦解するのを恐れて、「ピアノを習いたい」という息子の願いを理由もなく(でも強行に)退けてしまう。
強い立場に出る事で、自分の足場を確保しようとするミジメな親父の実像を浮き彫りにしています。

この「リストラ親父→ピアノを習いたい息子」の流れは非常に好きなのですが・・・
残りの「米軍志願兵になりたい息子」と「日常に埋没された主婦」のネタがどーにも肌に合わなくて(^-^;
特に「主婦 vs 強盗」ネタは余りにも何もかもが不自然過ぎて、何となく「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」をも彷彿とさせるシーンではあるものの、でも絶対に違うんだよなぁ。
多分一番ファンタジーっぽいネタなんだけど、でも違うんだよなぁ〜(薄涙)

ある意味、「日常を切り取ったホラーファンタジー」とも取れるような、人間描写を中心とした作品なんですが、余りにも突拍子もない展開があったり「実際の日常として有り得ない」展開があったりするので、違和感を感じて馴染めない人もいるんじゃなかろうか?と思ったりします。

でも個人的には「意外に面白い」と思ったんですよ。
かなりディフォルメされてはいるものの、もっと自分にとって身近なネタに転化して考えると、本作の登場人物の思考展開や語るセリフには、それ程違和感は感じなかったです。むしろ「ああ、判るなぁ」と思える部分も多々ありました。
そういう意味では、本作がカンヌの「ある視点」部門で絶賛されたのも何となく判りますね。

多分この手の作りはダメな人には全く受け入れられないでしょうけど・・・一見の価値はあるかと。








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2008年09月01日(月) シャカリキ!

監督:大野伸介
出演:遠藤雄弥
    中村優一
    鈴木裕樹、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
野々村輝(テル)は子供の頃に坂に魅了されてから、誰よりも自転車で坂を早く登る事だけを目標にしている。高校生になったテルの自転車バカっぷりを見て、廃部寸前だった自転車部のマネージャーが声を掛けた。テルはそこで初めて「ロードレース」という自転車競技がある事を知り、自転車部に入部するのだが・・・


【感想】
曽田正人氏著の同名タイトルコミックを映画化。
何でも原作コミックは「自転車界(ロードレース)のバイブル」とも呼ばれる程の人気だそうですが、ぴよは未読。そして本作の主人公や自転車部のエース、そして主人公達のライバル(訳アリ)役をワタナベエンターテイメント所属の若手男性俳優集団「D-BOYS」のメンバーが演じています。
D-BOYSですか・・・スイマセン。全く知りません。本作に出演してる若手で知ってる役者は1人もいませんでした(^-^;

どうやら噂によると、原作とは全く別物のオリジナルストーリーだそうですが。
元々原作を知らないのでどうでもいいです。少なくとも本作だけを評価すれば「アイドルスポ根」というだけです。だから本作に出演してるその「D-BOYS」というアイドル集団のファン、またはヒロイン役の女の子(この子も全く知らない)のファンだけの為に作られたような仕様だと考えてもらっていいだろうと思います。

なんて言うのか・・・脚本が弱いというか、キャラの掘り下げがまるでなってないですね。
一番痛いのは「テル」という主人公の少年に全く魅力を感じないという事。テルは幼い頃に「自転車+坂」という組み合わせに魅了されて、とにかく自分の前に坂を登る自転車はあってならず!みたいな状態なんですが。

別に「自転車に魅了された自転車バカ」でいいんだけど、協調性がないのを通り越して「頭の弱い子」にしか見えない。
ロードレースの基本ルール、どういう仕組みになっているか等を簡単な力学等も交えて小学生にも判るように説明されるくだりが劇中にあるのですが(これは観客にロードレースの仕組みを理解してもらう為の意味もあるのでしょう)、それを散々説明されたにも関わらず、いざレースになって自分のライバルと目した男が前を走り出すと、脳味噌が沸騰して周囲の注意も聞かずに大暴走・・・協調性以前に頭に何か障害があるんじゃね?とすら思えてしまう(苦笑)

協調性がないのはライバルの「ユタ」も同じなんだが、何故か協調性も社会性もほとんど持ち合わせていなさそうなユタの方には信者や取り巻きが山ほど沸いているというのも何だか納得がいかない。
更に言えば、「ユタ vs 父親」という確執ネタも絡んでいるんだけど、コレも最終レースの結果だけですんなり和解の方向に向かっているらしい様子が・・・まあ清々しいんですけどね、違和感はありますわね。

更にヒロインに絡む淡い恋?ネタまで盛り込んでいるのですが、どれもこれも中途半端な描写で「むぅ〜」な感じ。
とりあえず柱ネタは「協調性のないバカが、ロードレースを通して人と人との【和】を学ぶ」という事のよう?多分そこが一番のキモになっているんだろうと思います。ってか、正直どーでもよかったです(をい)

散々吠えてますが、まあ見て嫌な気分になる映画ではないので、こーいうのもアリなのかな?ってのが正直な感想。
薄っぺらい内容だし、役者の演技もどうこう言う程もモノもないし、ヒロインも別段特徴ないし、誰かに思い入れの出来るような演出も特にないし・・・本当にこの「D-BOYS」とやらのファンの方々が、過不足なく自分のご贔屓役者ちゃんを愛でる事が出来れば万事オッケー♪な「アイドルスポ根映画」でしたね。

D-BOYSのファンの方にはオススメしますが、それ以外の方には・・・どうかなぁ〜?(^-^;








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