沢の螢

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人間曼陀羅
2006年08月06日(日)

横浜で、一泊二日の趣味の集まりがあった。
裏方に徹して、行事がうまく行くように、気配りをしてくれた女性の力により、楽しく無事に終了した。
会計が終わって、「酒代がオーバーしたので、カンパしてください」と、封筒が回ってきた。
あれ?飲み物込みで会費が計算してあったんじゃないのと思ったが、夕食時、私も一杯だけワインを飲んだので、500円入れた。
前夜、日帰りの人の中で、かなりの量のお酒を、頼んでいた人たちが居たことは知っていたし、酒代は別に払うということになっていたような気がするが、「足りない」となると、「私お酒は飲んでないけど」といいながら、1000円入れる年配の女性もいた。
飲んだ量は自分で分かっているのだから、それに応じて払うべきなのだが、封筒の中身に集まったお金で、補えたかどうか知らない。
男女の区別無く、割り勘というのが、習慣になっているが、人よりいつも、酒量が多いくせに、絶対余分には払わないちゃっかり者もいるので、お酒を全く飲まない人は、いつも、飲み助たちの分を払わされていることになる。
最近、二次会に女性が少ないのは、そう言う理由もあるのだと思う。
タダ酒ならいくらでも、と言う人たちには、いじましいなと思うだけで、付き合わなければいいのである。
私も、お酒は好きだから、自分の飲んだ分は払うが、亭主以外の男の人の分まで、持つつもりはない。
ともかく、すべて終わってみんなと別れ、近くの近代文学館、大佛次郎記念館など、港町の、西洋風たたずまいも味わって、帰ってきた。

私の場合、現在付き合っている人たちのほとんどは、この10数年続けている趣味の世界での仲間である。
学生時代の友達、昔の仕事関係、生活圏内での付き合い、それぞれ、あるが、やはり一番時間を共有し、一緒にいて楽しいのは、志を同じくする趣味の付き合いである。
大きな会が、年に数回、そのほかに自主グループがあって、自分の行きやすい処に参加している。
何故か男が仕切っているところよりも、しっかりした女性が代表者になっているところの方が、雰囲気がいい。
男のボスというのは、縦の関係を重視し勝ちだし、得てして、美人に弱く(これはボスに限らない)、男好きする女を自分の傍に置きたがり、依怙贔屓をしたり、ヒドイ場合は、「あのふたりわけありじゃないの」と陰口をたたかれたりするようなことも、真偽のほどは分からないが、見聞きする。
最近は、中高年さえも、「秘めた恋」というような、奥ゆかしいあり方ではなくなり、衒いもなく、堂々としている。
周りももう、馴れてしまって、今更ヤボなことも言わないが、だからといって、両手をあげて、応援するわけではない。
女性は一般に、こうしたことに拒否反応があるし、何よりも、それによって、全体の人間関係が、公平でなくなることがキライなのだ。
みな、礼儀正しく、口にはあからさまに出さなくても、心の中では、ざわついた不快な思いをしている。
当人たちは、「ふたりの世界」に浸って、いい気持ちかも知れないが、そんなことが、グループの雰囲気を悪くし、特に、ボスの「寵愛」の対象になった女性が、同性の間で、阻害されていることに気が付かない。
当人にとっても、グループにとっても、不幸なことであるが、いつか、手ひどいしっぺ返しが来るだろうと、冷ややかに眺めている。
そんな連中の顔が見えるだけで、趣味の面白さが半減する。
そんな女性とうっかり席が一緒になろうものなら、こちらが引き立て役か、腰元になってしまう。
誰が、そんなバカな役回りをしたいだろう。
いい加減にしてよと言いたくなる。
利発な女性なら、同性を敵に回すようなことはしない。
男の手綱をしっかり引き締めつつ、周りの女性にも充分気を使い、いつの間にか味方にしてしまうのが、本当の頭のいい女性であろう。

私がいつも参加している三つのグループ。
いずれも、私より少し年上の、頭のいいしっかり者の女性が仕切っていて、その気配りの細やかさや、面倒見の良さには、敬服する。
誰にでも公平に接し、自分が愉しむよりも、みんなが気持ちよく過ごせることに、心を砕く。
女性ボスの良さがよく発揮されていて、長続きしている。
そこに参加している男性たちも、あまり威張った感覚の人は無く、自然に女性たちにとけ込んでいる。
過去に、どんなに立派な肩書きを持っていても、女の世界では通用しないことが、よくわかっていないと、男女一緒に愉しむと言うことは、難しい。
管理型、上下関係重視タイプの男の人と一緒に、会の仕事をしようとして、とんでもなく不快な経験をした私は、男の人が言う、口先だけの褒め言葉や煽ては、信用していない。

ボス寵愛型女性にとって、同性だけの集まりというのは、ごまかしがきかない分、窮屈に感じられるらしい。
鼻声やコケティッシュな素振りで、男は騙せても、同性は見抜く。
「女性だけの集まりなんて最低」と言い放った女性を知っているが、ナニ、彼女にとって、自分をちやほやしてくれない同性たちが、コワイだけなのである。
女の敵は女という言葉があるが、本当の味方は、女同士。
その関係を大事に出来ない人とは、あまり付き合いたくない。
信頼していて、裏切られるのは、このタイプの女である。

今日は広島に原爆が落ちた日であった。

叔母の忌のわけてもしるき蝉の声



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