沢の螢

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いささかホッと正月2日目
2006年01月02日(月)

新しい年が巡ってきたが、暮れから元旦にかけて、何もしないようでも、主婦は気持ちがせわしい。
この10年あまりは、大晦日から正月にかけて、息子夫婦がやってきて、2泊ほどするのが、習慣になっている。
息子の妻は働く女性だが、いまどきの人には珍しく、家事も、自分でやるタイプ。
「共働きなんだから、奥さん任せはだめよ」と息子に言うが、「いえ、私がやった方がうまくいきますから」と、彼女の方は気にしない。
確かに、何事も手早いし、子供の頃から母親にしっかりしつけられたらしく、家事を苦にしないようだ。
わずかな正月休みだというのに、せっせとおせち料理など作り、車にどっさり積んでくる。
家に来ると、そのままエプロンなど掛けて、台所に直行し、料理の仕上げに取りかかる。
「そんなに動かないで、少しのんびりなさい」と言うが、婚家でそんな気にならないことは、経験上、私もよくわかる。
今年は、年末年始の休みが四日しかないので、泊まるのは一泊だけになると、息子から電話があり、「同じ東京にいるのだから、日帰りでちょっと来ればいいわよ」と言ったが、息子の妻にしてみれば、実家には泊まりに行くのに、亭主の家には日帰りというのでは、悪いと思うらしい。
「普段、なかなか行けないので正月くらいは・・・」と息子がいい、結局、大晦日から元日にかけて我が家、そのあと彼女の家に一泊、最後の一日だけ、自宅で、ゆっくり過ごすと言うことに落ち着いたようだった。
四日からは、もう仕事だという。
「料理も大変だから、いいわよ」と言ったのだが、やはり、大晦日、彼女の定番となっている和洋折衷の正月料理を、たくさんタッパーウエアに入れて持ってきた。
試食もかねて、それらを並べ、私が作ったのは、サラダとつまみ少々くらいで、ほとんどは彼女の作った料理で、夕食となった。
今年は誰も、紅白を見ないというので、ウイーン演奏旅行のDVDをかけ、モーツァルトの「レクイエム」の演奏本番を見てもらった。
旅行の話も含め、話が弾み、いつの間にか年が明け、シャンパンで乾杯した。
正月は、みな、10時頃まで寝ていた。
それから新年の食卓を囲み、年賀状を見たり、息子夫婦と団らんしながら夕方まで過ごした。
夕方6時過ぎ、息子たちは、彼女の家に行くと言って、出て行った。
向こうでも、親たちが待ちかねていたことであろう。

そして今日は、今にも雪が降りそうな寒さ。
夫婦二人で、また静かな平常の生活に、早くも戻っている。
特別でないこんな平凡なことを、長々と書いてしまうのは、年をとったと言うことかもしれない。
平凡で平和に暮らせることのありがたさを、このごろつとに感じている。
今年、私は年賀状を、昨年より減らしたが、ほとんどつきあいもない義理の賀状を、いっさい止めたからである。
出せば、受け取った方は、返してくる。
出さなければ、来年は向こうから来ないだろう。
数の多さを誇る気もないのだから、実質的なつきあいの範囲に留めることにした。
それで、今年は60枚くらいで済んだ。
今年貰った年賀状を見て、来年は、また差し出し先が変わるかもしれない。
自分の身の始末を、少しずつ付ける年になってきている。



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