昨日外出の折り、電車の隣の席に坐った若い男が、ひどく咳をしていた。 明らかに風邪の咳なので、次の駅に着く前に、降りる振りをして席を立ち、次の車両に移った。 座れなかったが、風邪をもらうよりはいい。 帰宅後は、うがいをし、手を洗い、ついでに耳の穴も、拭っておく。 水分が不足すると、風邪を引きやすくなるので、気を付けている。 外でお酒を呑んで、体が火照り、そのまま冷たい空気に当たるのが一番いけないらしいので、飲んだときは速やかに帰宅する。 今年になってからまだ風邪を引いていないが、油断は出来ない。 昔、ある声楽家の奥さんが、イタリア留学中の夫に付いて、彼の地で暮らしたとき、一番気を使ったのは、夫に風邪を引かせないようにすることだったと言う。 声楽家にとって、声が命だから、言うまでもないが、食事や睡眠はもとより、自分が外出先で風邪を引かないことにも、神経を使ったらしい。 ウイルスを持って帰れば、夫にも移るからである。 そこで、電車に乗ったときは、席に座らず、ドアのそばに立つことにしていたそうだ。 電車が停まるたびに、ドアが開き、自然に換気するので、電車内のよどんだ空気から、幾らか解放されるからと言うのである。 なるほどと思った。 それから私も、そのように実行している。 すいているときは、やはり坐りたいが、混んでいるときは、ドアの傍に張り付く。 日本の場合、ドアが開くと、ドドドッと人が乗り込んでくるので、換気の効果がどのくらいあるかわからないが、少なくとも、車内中央で、人と人の間に挟まれて、咳やクシャミを浴びるよりは、マシだと思う。 昨日は、集まりがあって、出かけたが、いつも来る人が欠席だった。 さんざんサカナにして愉しんだが、今朝電話があり、風邪で熱を出していたらしい。 「8度の熱でねえ」と言っている。 声は割合元気だが、心細そうだった。 愉しい集まりが続いて、せっせと出ているうちに、とうとう引き込んだらしい。 「しばらくのんびりして、お大事に」と電話を切った。 このところ、自然災害や、大きな事件が続いて、風邪のことは、あまり話題にならないが、インフルエンザは、じわじわと広がっているようである。 今が一番寒いとき。 気を付けねば・・。
|