沢の螢

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ロミオとジュリエット
2005年01月25日(火)

シェイクスピアの表題の悲劇は、あまりにも有名な話で、あらためて、ストーリイを綴る必要もない。
仮死状態になったジュリエットの姿を見て、悲観したロミオが、毒を仰いで死ぬ。
そのあとに目覚めたジュリエットは、後を追うように、死を選ぶ。
もうすこし早くジュリエットが目覚めていたら・・と思う。
あるいは、ロミオが、毒を仰ぐのが、もうすこし遅かったら、と思う。
ところが、まさにこの話とそっくりの出来事がイタリアのパドゥヴァで起きた。
ロミオとジュリエットと違うのは、老年期の夫婦だったこと。
67歳の妻が突然倒れ、昏睡状態になった。
70歳の夫は、妻に付き添い、懸命の看病を続けた。
しかし4ヶ月経っても、妻の意識は、戻る様子はない。
呼びかけにも応えない妻の状態を見て、悲しみのあまり絶望した夫は、ガス自殺を遂げた。
ところが、なんと、その12時間後に、妻の意識が回復した。
傍にいるはずの夫の姿を探したが、すでに、死んだあとだった。
妻の意識快復が、もう半日早かったら、夫婦は、元の幸せな日常を取り戻せたであろうに。
今日のテレビで報じた実話である。
4ヶ月経って、意識が戻るというのは、滅多にあることではなく、ほとんど奇跡と言えることだそうである。
イタリアのその地は、ロミオとジュリエットの悲劇の舞台ヴェローナと、60キロくらいしか離れていない町。
偶然と言っても、似すぎた悲劇。
残された妻の心を思って、涙が出てしまった。
つらい話である。
神様は、時々、こんな残酷なことをなさる。



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