今年は秋らしい天気が少なかったので、例年なら10月中頃に行くはずの蓼科の小屋に、とうとう行かなかった。 冬の間は閉めておくので、いらないものを整理したり、水抜きを頼んだり、不要な衣類を東京に持ち帰ったりの始末をしながら、高原の秋に別れを告げるのである。 標高1100メートルの高原では、10月に入ると、紅葉が始まっているし、湖の色も深みを増す。 朝晩はストーブを焚くくらいの寒さにもなるが、晴れた空の美しさは、都会と違う。 夏の喧噪もなく、わずかに虫の声と、葉擦れの音が聞こえるばかり。 人のみならず、生き物も、冬眠に入るのである。 夕焼けを眺め、次の年の春までの、小屋との別れをして、帰ってくる。 9月になってから、1週間ほどの滞在のつもりで考えていたら、幾たびとない台風の襲来で、時機を逸してしまった。 そのうちに小屋の周りの樹木が、台風の影響でかなり倒れたり折れたりしたらしく、、管理事務所から連絡があった。 よその敷地内に倒れ込んだりしたものもあるので、片づけを依頼し、いったん済んだところに、また次の台風が来た。 電柱に掛かった木は、電力会社が片づけてくれたが、この分では、まだ被害が出る可能性があるので、今月に入ってから、小屋を閉めがてら、一度いって見なければと話していた。 夏の終わりにいったん帰ってきてから、またどうせ行くからと、そのままになっているのである。 ところが、夫と私のスケジュールが合わず、気候不順が続いたせいもあって、気になりながら、延び延びになっていたところへ、台風云々の連絡だった。 ふたりで行くことはあきらめ、夫だけ、2泊くらいの慌ただしさだが、出かけていった。 そして、小屋の周りの木のうち、老木を10数本、切り倒して貰う手はずをした。 クレーン車で、何人がかりかでやる作業なので、一本あたり2,3万掛かるという。 先日作業が完了したとの知らせが来て、まだ請求書が届いていないが、オソロシイ。 例年の台風は、うまくそれてくれて、今までには、そういう被害はあまり無かった。 今年は台風が、まともに来たらしい。 「家の周りは木が減ってすっきりしたけど、ちょっと景色が変わったよ」と、帰ってきた夫が言う。 デジカメを持っていったのに、チップを入れ忘れたので、せっかくの美しい紅葉がとれずに帰ってきた。 上の写真は、昨年のもの。 近くにある漆の木である。 触れるとかぶれるので、家の周りの漆は除去したが、紅葉すると綺麗である。 今頃は、遊歩道も、落ち葉で埋まっていることだろう。 東京もこのところ、真冬の寒さである。 11月に、九州旅行をするので、今日は、航空券などを買いに行った。 出るときはさほどでなかったが、あちこち寄り道をして遅くなり、バスに乗る頃には、かなり冷え込んでいた。
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