沢の螢

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台風多し
2004年10月20日(水)

とりわけ暑かった夏が終わって、爽やかな秋が来るはずが、幾度とない台風の襲来である。
いや、台風は、毎年発生しているので、日本を直撃するケースが、今年は多いと言うことであろう。
その場合は、大体同じ所を通るので、被害地区が、集中することになる。
その地区に住んでいる人には、一難去ってまた一難と言うことになり、何とも気の毒なことである。
昔と違って、台風対策も進歩し、回復も早いが、それでも、木が倒れたり、水が出たりすると、後始末が大変だろうと思う。
今回は、街路樹が根こそぎ倒れて、傍の車や建物に、被害が出たケースもあったようだ。
物的損害はともかく、人的被害が問題である。
数は少ないが、死傷者もいる。
落下物が当たったり、台風対策をしている作業中に、命を落とすケースもあり、いたましいことである。

私の妹は、傾斜地に住んでいるので、台風が続き、土砂崩れが多かったりすると、心配である。
地盤がゆるんで、地滑りが起こったりしたら、家ごと埋まることになるからだ。
そこに家を定めたとき、窓の向こうに、遮る物のないのが気に入ったのだった。
新築したばかりの家に、私も見に行った。
「ここから夕陽が見えて、最高ですよ」と、義弟が言い、私の夫と、オンザロックを傾けながら、ご満悦であった。
そのとき、母が、「でも、これだけの坂では、台風の時大丈夫かしら」と言った。
「土留めがしっかりしてるし、上の方だから、下敷きになることはありませんよ」と、義弟は、問題にしなかった。
10年前のことである。
沿線駅に出るには、バスに乗らねばならないが、バス停が坂の下にあって、歩いては行けない距離であった。
「車でそこまで送るから大丈夫よ」と妹が言った。
夫婦とも、まだ40代。
先のことまで想像できないのも、若さであった。
妹は、毎朝夫や子どもを、駅まで送り届け、帰るときも迎えに行った。
私はペーパードライバーになって久しいので、そこへ行くときは、夫に連れて行って貰わねばならない。
結局行かなくなってしまい、用があるときは、向こうから来ることになる。
地滑りの心配は、なさそうだが、こう台風が続くと、大丈夫かなあと思う。
車でしか行き来できないところに住むのも、大分、負担になってきているらしい。
10年の間には、子ども達も独立した。
今では、「もっと、平坦なところに引っ越そうか」と義弟が言い始めているらしい。

今日、台風が近づいて来るというニュースを聞きつつ、深川まで、連句の会に行く。
大事な記念行事であり、私は捌きをやることになっていたので、欠席するわけに行かない。
雨は激しく降っていたが、風がないので、さほど苦労しなかった。
「電車が停まるといけないから、夜遅くならない方がいいよ」と夫が言う中、大きなカッパ型のレインコートに、長靴をはいていく。
足元が濡れるのが一番いやなので、雨のひどいときは、このスタイルに決めている。
会場には早めに行った。
正式俳諧があるので、役に当たった人たちは、着物、男性も袴姿である。
台風のせいで、急の欠席者もあったらしいが、それでも60人の参加者で、盛況だった。
行事が終わって、連句の付け合いが始まったが、私の席は、一人欠席があって5人のメンバー。
偶然、真面目な人ばかりになってしまい、ちょっと弾まなかったが、ともかく無事時間内に終わり、ホッとした。
台風のため、時間も一時間短縮。忙しかった。
終わるといつもなら、近くの飲み屋に行くところ、早々に帰路につく。
男の人たちは、残ったようだった。
雨は朝より激しくなっていたが、電車に影響なく、6時半に家に着いた。



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