沢の螢

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少子化がどうした
2004年10月17日(日)

日本が、歴史上かつて無い高齢社会になり、それに反比例して、出生率減少の問題が云々されている。
今、日本人女性の生涯に産む子供の数が、1.2人とか1.3人とか言われて、それに危機感を覚える人たちが、人口減少を憂いて、あれこれ問題にしている。
また、高齢者が優遇されて、それに予算がかかりすぎるのはけしからんという議論がある。
高齢社会であることと、少子化とは、本当は全く別の問題であるのに、セットにされて議論されるのが、私にはどうも納得がいかない。
高齢化と少子化が、因果関係があるのか。
片方が多ければ、もう一方が少なくなり、その反対もあるというのか。
子供が生まれなくなったのは、高齢者が増えたからなのか。
そんなことはない。
数字のまやかしというのは、危険な議論に発展する。
高齢人口が増え、寿命が延びているのは、統計上はたしかであろうが、その高齢者達が、果たして、優遇されていると、実感しているかというと、そんなことはないのである。
私の周りには、高齢者が沢山いるが、長生きしてほんとによかったと思っている人は、残念ながら多くない。
赤ちゃんが生まれて祝福されるのとは、わけが違う。
それに、平均寿命も、今までは伸び続ける一方だったかも知れないが、たぶん、私が高齢者といわれる頃には、率が下がってくるのではないかと思う。
それ程案ずることはない。
今の超高齢者は、幾たびも戦争や貧困をくぐり抜けて残っている、生命体としても超エリートの人たち。
お疲れ様です、これからは、どうぞ存分にお幸せに、と手厚く遇して何が悪いのか。
日本がこれだけ豊かになり、終戦時、アメリカあたりにバカにされていた時代から、先進国といわれる存在に登り詰めてきたのは、みな、これら先達のおかげではないか。
税金だって、沢山払ってきている。
高齢者を優遇してるだって?
シルバーシートに坐って、ケータイなんか使ってる若いモンが、ナニ言ってるの?
高齢者の実態をどのくらい知ってるの?
数字だけで判断して、バカなことを言うなといいたい。
少子化だって、男の役人ばかりで、頭を付き合わせて議論するくらい下らないことはないと、私は思っている。
今、出産可能年齢にある女性達の、生の声をどのくらい訊いたの?
家庭にあって、夫を支え、子育てをし、人生の大半を過ごしてきた専業主婦を、さんざんバカにして、「働いてない人」なんて、統計上位置づけてきたのはどこの誰?
無償の働きで地域社会を守り、子どもを見守ってきたのは、名もないおっ母さん達なんだよ。
自分たちのしてきたことを、理論化したり、言語化するのは下手だから、言わないだけ。
誉めて貰おうとは思わないけど、一部の跳ね上がりの女権論者の尻馬に乗って、普通の主婦を小バカにしてきた結果が、今の少子化に繋がっていると、私は見ている。
タダ働きして、感謝もされず、評価もされなかったら、くさるもんね。
そういう母親の世代を見て育ったのが、今の、出産年齢相当の女性達。
子供を産んで苦労するより、自分で稼いで、自由を愉しんだ方がいいと、女性達が(全部とは言わないが)思ったとしても、責められない。
昔と違って、戦力のためにとか、国の繁栄のために、子供を産む必要はないのだから。
それに、出生率だって、今は下がる一方だけど、何かの拍子に伸びる可能性もある。
それは誰にも予測できないのだし、1年2年で急にどうかなるものでもない。
人間としての、幸せのために子どもを持つ。
そして、親子ともども、充実した人生を送る。
それを信じられたら、子どもを持ちたい人も増えるかも知れない。
国策として、あるいは、統計上の都合で、こんなこと論じてもダメなのよ。オッさん達!



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