沢の螢

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閨の月
2004年10月13日(水)

雨の残る朝、連句会へ行く。
この会は、月に一度、都心の喫茶店の一隅を占領して開かれる。
大体12,3人で、3席ほど。
開始時間は午前11時ときまっている。
今日はバスや電車の乗り換えがうまく行かず、30分ほど遅れてしまったが、まだ、発句が決まったばかりだったので、連句開始には、遅れなくて済んだ。
この喫茶店は、談話室と称していて、メニューはコーヒーや紅茶に、簡単な軽食がある程度。
まず飲み物を頼み、ランチタイムに、サンドイッチやトーストを頼むと、もう一杯飲み物がサービスされる。
それで4時頃まで、ゆっくり出来るのだから、連句の会や、小規模の団欒には、よいシステムである。
200円のサービス券が毎回付くので、払うのは1000円前後で済む。
今日は、6人ずつ2席だった。
連句は、その座の雰囲気によって、うまく運ぶ時と、何となく弾まない時とあるが、今日は、和やかでうまく流れて、いい会だった。
私は、句数も口数も、割合多いほうだが、メンバーの中で相性の悪い人がいると、句が浮かんでこない。
今日、バカに句がどんどん出来たのは、捌きと、メンバーの組み合わせがよかったのだろう。
今日の形式は歌仙。
最初の6句は、一巡する。
私は4句目に採られた。
スロースターターなので、後半の方が調子が出る。
恋句が好きなので、その場所に来ると、発憤する。

微熱少年澄んだまなざし
対句のやうに響き合ひたい
水差しの水を絶やさず閨の月

以上が私の採られた恋句。
これらは、それぞれ前句とあとの句があって、転じていくので、俳句や川柳とは違う。
複数で巻く連句ならではの面白さである。
36句の歌仙が終わると、一足先に終わって待ちかまえていた呑み仲間と、駅ビルの安い飲み屋に入った。
これも、連句に伴う楽しみである。
こちらの方が目的という人もいる。
今日は男1人、女4人。
いつものように、飲みかつ食べ、お喋りを愉しんで散会。
雨は、すっかり止んでいた。



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