ホームページと別に、ブログというものを作って、ちょうど2ヶ月経った。 この辺で、ちょっと感想を述べてみたい。 私のホームページは、検索エンジン拒否の設定をしているため、訪問客は限られている。 私のほうからお気に入りのサイトを訪問して、そこの掲示板にでもURLを書き込まない限り、見に来る人はいない。 壁紙など借りた時は、礼儀として、そこのBBSに「ダウンロードさせていただきました」と書き、URLも入力し、自分のホームページにも、バナーなど入れる。 そこから見に来る人もいるが、大体一過性のお客さん達で、URLが入っていたから、ちょっと覗いてみたというくらいのことであろう。 月750円払って、100メガのスペースを持っているのに、そこのサーバーにアップしているのは、このホームページを含め、わずか10メガくらいで、全部表示しているわけではない。 movable typeに対応してるので、本当は、そこにmovable typeを入れて、自分だけのブログを作ればいいのだが、設定がかなり難しそうなので、既成の無料ブログを借りているわけである。 時間帯によって、なかなか表示されなかったり、エントリーした記事が、アダルトコンテンツと並んで、新着○○件に表示されるという、不本意なことはあるが、サーバーの中の、雑居ビルの住人のようなものだから、余り気にしないことにした。 それより、無料で、私のようなアナログ人間でも、余り苦労なく、自分の思うことや、訴えたいことを、発表出来ることに、感謝している。 それを認めつつ、もうひとつ別のことも感じている。 自分の書いた記事が活字になることは、ホンの10年、20年前には考えられないことだった。 高いお金を出して自費出版するか、雑誌などの懸賞小説や、新聞の投稿欄に載るくらい。 それも、採用になることは、難しかった。 子どもの頃から20歳過ぎまで、喋るのが下手な代わりに、文章で気持ちを表現する方が合っていたので、日記は、私の生活の中で、食べること、寝ることと同じくらい、常にあるものだった。 おとなになるにつれ、書くことより、直接言葉で表現する方が楽に感じられるようになったが、余り気心の知れない人と、顔を見て会話するのは、いまだに下手である。 手紙ならすぐ書けるのに、電話をかけるのは抵抗感があった。 運動神経とも関係あるのかも知れないし、頭の廻りが遅いのかも知れないが、電話で相手の言うことを正確に受け取り、それに正しく反応するのは、私には努力がいる。 手紙なら、よく考えて書けるし、書き直しも出来る。 ただし、一方通行だから、意思疎通に時間は掛かる。 それに、書いたものは残るので、慎重に書かねばならないと言う点はあるが・・。 メールというものが出来て、伝達手段は飛躍的に進歩した。 保存しておけるという手紙の機能と、時間や場所を選ばず、いつでも送受信できるという利便性を備えている。 更に、インターネットで、世界中の誰とでも更新し、情報交換できるようになって、台所の片隅から、アメリカにだって、発信することが可能になった。 あの9.11以後は、それまでプロのジャーナリストのものと思われていたブログが、一般の人にも、活用されるようになり、日本にも上陸して、現在に至っていることは、周知の事実である。 普通の主婦である私までが、ブログを作って、発信しているのだから。 今まで、ほとんど人目に触れていないエッセイや日記を書き直して、せっせとアップしてきた。 従来のホームページにはない「動いている」面白さを感じる。 しかし、同時に、戸惑いも感じている。 時事的な問題、政治、経済、現在世界の中で動いている現象について、考え、書くことは、ブログというものの利点を大いに生かしている。 見知らぬ多くの人とも、同じテーマについて、意見交換し、その遣り取りを通じて、世界が広がる。 ただ、私のように、文芸や、身辺雑記的な分野で書くことを主にしている人間にとっては、一方的な発信で留まってもいい場合がある。 趣味の範囲で愉しんでいることに対して、第三者は口を挟めない。 せいぜい「愉しそうですね」とか、「私も同じ趣味を持っています」と共感するくらいであって、中身について、意見を交換することが、時にナンセンスになる場合もある。 虚構に近い記事については、なおさら、第三者はコメントもしにくいであろう。 また、書く方も、独断と偏見、自己満足で結構という気持ちがある。 折角ブログを作ったのだから、私の苦手な時事問題も取り上げたいと、試みているが、どうも、私には、合っていないようである。 非常に現実的な世界と、虚構の世界とを、同じページで発信していることの混乱もある。 ホームページでは、私はネット上は別人格と割り切って、虚構の世界に徹していた。 それが、ブログでは、実の顔と、もうひとつの顔が、交叉するのである。 カテゴリー毎にブログを作って、リンクさせなければいいのかも知れないが、それなら、今持っているホームページを、有効に使った方がいいのではないかと気づいた。 ブログは、拡がりがある代わりに、「そっと置いておきたいもの」を載せるには向かない。 そこで、休止状態になっているホームページと重なる分野は、ブログから外し、今まで通り、非公開に近い形に戻し、ブログには、時事性の強いもの、私が背伸びしなくても書けそうな小さなニュースや話題を取り上げて、書いていった方が、いいのではないかと、考えはじめているところである。 そんな折り、夫が今までホームページに置いていた掲示板が閉鎖するという連絡が、掲示板のサーバーから来た。 夫は、政治経済、国際問題に関するサイトを私より早くから作っている。 堅くて面白くないので、私はほとんど見ないが、その分野に興味を持つ人は、少し見に来て、掲示板に書き込んでくれるらしい。 それに返信するくらいで、余り熱心ではないが、閉鎖されたのでは困るので、代わりを探すことになった。 掲示板に関しては私のほうが情報を持っているので、「どこがいいかなあ」と相談に来た。 そこで私はブログを勧めたのである。 新しく掲示板を作るくらいなら、この際、ブログにしてみたらと言った。 「ブログなんて、書くことないよ」と言っていたが、私と同じサーバーを有料で持っている。 movable type対応だと知って、その気になったらしい。 早速ダウンロードし、設定をはじめた。 サーバーと連絡を取りながら、今構築中である。 私に少し遅れて、夫もブロガーの一員になるわけだが、私のほうは、逆に、ちょっと引いている。
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