沢の螢

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ブログ考
2004年08月31日(火)

ホームページと別に、ブログというものを作って、ちょうど2ヶ月経った。
この辺で、ちょっと感想を述べてみたい。
私のホームページは、検索エンジン拒否の設定をしているため、訪問客は限られている。
私のほうからお気に入りのサイトを訪問して、そこの掲示板にでもURLを書き込まない限り、見に来る人はいない。
壁紙など借りた時は、礼儀として、そこのBBSに「ダウンロードさせていただきました」と書き、URLも入力し、自分のホームページにも、バナーなど入れる。
そこから見に来る人もいるが、大体一過性のお客さん達で、URLが入っていたから、ちょっと覗いてみたというくらいのことであろう。
月750円払って、100メガのスペースを持っているのに、そこのサーバーにアップしているのは、このホームページを含め、わずか10メガくらいで、全部表示しているわけではない。
movable typeに対応してるので、本当は、そこにmovable typeを入れて、自分だけのブログを作ればいいのだが、設定がかなり難しそうなので、既成の無料ブログを借りているわけである。
時間帯によって、なかなか表示されなかったり、エントリーした記事が、アダルトコンテンツと並んで、新着○○件に表示されるという、不本意なことはあるが、サーバーの中の、雑居ビルの住人のようなものだから、余り気にしないことにした。
それより、無料で、私のようなアナログ人間でも、余り苦労なく、自分の思うことや、訴えたいことを、発表出来ることに、感謝している。
それを認めつつ、もうひとつ別のことも感じている。

自分の書いた記事が活字になることは、ホンの10年、20年前には考えられないことだった。
高いお金を出して自費出版するか、雑誌などの懸賞小説や、新聞の投稿欄に載るくらい。
それも、採用になることは、難しかった。
子どもの頃から20歳過ぎまで、喋るのが下手な代わりに、文章で気持ちを表現する方が合っていたので、日記は、私の生活の中で、食べること、寝ることと同じくらい、常にあるものだった。
おとなになるにつれ、書くことより、直接言葉で表現する方が楽に感じられるようになったが、余り気心の知れない人と、顔を見て会話するのは、いまだに下手である。
手紙ならすぐ書けるのに、電話をかけるのは抵抗感があった。
運動神経とも関係あるのかも知れないし、頭の廻りが遅いのかも知れないが、電話で相手の言うことを正確に受け取り、それに正しく反応するのは、私には努力がいる。
手紙なら、よく考えて書けるし、書き直しも出来る。
ただし、一方通行だから、意思疎通に時間は掛かる。
それに、書いたものは残るので、慎重に書かねばならないと言う点はあるが・・。
メールというものが出来て、伝達手段は飛躍的に進歩した。
保存しておけるという手紙の機能と、時間や場所を選ばず、いつでも送受信できるという利便性を備えている。
更に、インターネットで、世界中の誰とでも更新し、情報交換できるようになって、台所の片隅から、アメリカにだって、発信することが可能になった。
あの9.11以後は、それまでプロのジャーナリストのものと思われていたブログが、一般の人にも、活用されるようになり、日本にも上陸して、現在に至っていることは、周知の事実である。
普通の主婦である私までが、ブログを作って、発信しているのだから。
今まで、ほとんど人目に触れていないエッセイや日記を書き直して、せっせとアップしてきた。
従来のホームページにはない「動いている」面白さを感じる。
しかし、同時に、戸惑いも感じている。
時事的な問題、政治、経済、現在世界の中で動いている現象について、考え、書くことは、ブログというものの利点を大いに生かしている。
見知らぬ多くの人とも、同じテーマについて、意見交換し、その遣り取りを通じて、世界が広がる。
ただ、私のように、文芸や、身辺雑記的な分野で書くことを主にしている人間にとっては、一方的な発信で留まってもいい場合がある。
趣味の範囲で愉しんでいることに対して、第三者は口を挟めない。
せいぜい「愉しそうですね」とか、「私も同じ趣味を持っています」と共感するくらいであって、中身について、意見を交換することが、時にナンセンスになる場合もある。
虚構に近い記事については、なおさら、第三者はコメントもしにくいであろう。
また、書く方も、独断と偏見、自己満足で結構という気持ちがある。
折角ブログを作ったのだから、私の苦手な時事問題も取り上げたいと、試みているが、どうも、私には、合っていないようである。
非常に現実的な世界と、虚構の世界とを、同じページで発信していることの混乱もある。
ホームページでは、私はネット上は別人格と割り切って、虚構の世界に徹していた。
それが、ブログでは、実の顔と、もうひとつの顔が、交叉するのである。
カテゴリー毎にブログを作って、リンクさせなければいいのかも知れないが、それなら、今持っているホームページを、有効に使った方がいいのではないかと気づいた。
ブログは、拡がりがある代わりに、「そっと置いておきたいもの」を載せるには向かない。
そこで、休止状態になっているホームページと重なる分野は、ブログから外し、今まで通り、非公開に近い形に戻し、ブログには、時事性の強いもの、私が背伸びしなくても書けそうな小さなニュースや話題を取り上げて、書いていった方が、いいのではないかと、考えはじめているところである。

そんな折り、夫が今までホームページに置いていた掲示板が閉鎖するという連絡が、掲示板のサーバーから来た。
夫は、政治経済、国際問題に関するサイトを私より早くから作っている。
堅くて面白くないので、私はほとんど見ないが、その分野に興味を持つ人は、少し見に来て、掲示板に書き込んでくれるらしい。
それに返信するくらいで、余り熱心ではないが、閉鎖されたのでは困るので、代わりを探すことになった。
掲示板に関しては私のほうが情報を持っているので、「どこがいいかなあ」と相談に来た。
そこで私はブログを勧めたのである。
新しく掲示板を作るくらいなら、この際、ブログにしてみたらと言った。
「ブログなんて、書くことないよ」と言っていたが、私と同じサーバーを有料で持っている。
movable type対応だと知って、その気になったらしい。
早速ダウンロードし、設定をはじめた。
サーバーと連絡を取りながら、今構築中である。
私に少し遅れて、夫もブロガーの一員になるわけだが、私のほうは、逆に、ちょっと引いている。



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