オリンピック開会式の時、私は「紅白の小林幸子の衣装みたい」だと思った。 趣向を凝らし、お金をかけて、だんだん派手になってオリンピックは、スポーツというより、巨大なイベントという感じがしたからだ。 でも、2週間経って、幕を閉じた今、私は参加した選手、特に日本の選手達を、心から賞賛し、有り難うと言いたい気持ちである。 メダルの数が、今までより多かったとか、いい記録が出たとかいうことも、あるが、勝敗に拘わらず、真剣に、真摯に全力を尽くした彼らの、スポーツを愛するこころにである。 主将として参加しながら、思うように力を出せなかった柔道の井上選手が、最後まで、アテネで、主将としての役割を勤めていたこともそうだし、シンクロナイズドスイミングをはじめ、時に不公平と思われる判定があっても、選手達は、自分の持てる力を尽くした。 イザという時に弱いと言われたこともある日本選手が、今回の大会では、本番でふだん以上の力を出したケースも少なくなかった。 素直に喜びを表現し、潔く負けを認めて、相手を讃え、試合態度も抜群に良かった。 同じ日本人として、誇りに思う。 豊かな国になったというのは、こういう場合に使いたい。 スポーツを高めるのも、おとしめるのも、携わる人たちの心ひとつである。 今回のオリンピックで、日本選手達は、この点において、素晴らしかった。 私は、選手全員に金メダルを上げたい。 ライバルのドーピングという思いがけないことで、金メダルを貰うことになった室伏選手。 最後のハンマーは、彼自身が金と確信したに違いない出来だった。 当然貰うべき金だったのだ。 多国の選手の演技も、印象に残るものは沢山ある。 最後のマラソンで、アクシデントに見舞われながら、最終コーナーを、にこやかな笑顔で完走したブラジルのリマ選手も良かった。 ブラジルは私にとって、想い出のある国。 彼の銅メダルも、金にまさるものだったね。 素晴らしいスポーツマンシップ!ありがとう! さあ、これで夜更かしから解放される。
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