沢の螢

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大活字本
2004年08月29日(日)

最近、あまり本を買わなくなった。
・・というより、買えなくなったというのが正しい。
一番大きいのがスペースの問題である。
家に何冊の本があるのか、数えてみたことはないが、学者でも作家でもない、個人としては、多いほうかも知れない。
大半が私の物、それに、私の父の本がある。
本は買ったら捨てないので、増えることはあっても、減ることはない。
しかし、本の占めるスペースが限界に達したので、もう買わないことにしたのである。
夫は、余り本に愛着のある方ではない。
だから何かにつけて、私の本を目の敵にする。
「本の重みで、家が傷む」という。
「地震が来たら、本は凶器になるぞ」などと、いい加減なことも言う。
本箱の下に寝ているわけでもないのだが・・。
そのくせ、自分も、ビジネス関係の本や、人から貰った自家製本などは、とってある。
興味や好みが違うのだから、相手を非難していると、「本で離婚」と言うことにもなりかねないので、その話題は、我が家では禁句である。
ただ「減らせないのなら買うな」という夫の言い分もわかるので、今まで持っている本をそのまま置いておく代わりに、買わないことにしたのである。
しかし時々は本屋に行く。
死ぬまでに、全部読めないくらい、家に本があるのに、何故か、家にない本に会いたくなるのである。
新しい出版物は家にないし、書店という場所と匂いが、恋しくなるのだろうか。
山積みにされた新刊書を眺め、棚に並んだ書名を見ているだけで、世の中の一面がわかる。
1,2時間はすぐ経ってしまう。
ごくたまに、新書など買う。
そのほかは図書館に行って、借りてくる。
ベストセラーなどは、順番待ちで無理だが、ちょっと時期を過ぎれば、借りられることが多いし、ない本は、よその図書館から取り寄せてもらえる。
連句では、話題になったベストセラーのことが出たりするが、私は読んでないことが多く、
仲間はずれの感じを味わうことがある。
だから、図書館と本屋は、貴重な情報源なのである。

先日、図書館で、もう旧聞になったが「バカの壁」という本を借りようとした。
話題になった時からは大分経っているので、もう借りる人もないだろうと思った。
しかし、40人も順番待ちだという。
帰ろうとして、ふと、目に付いたのが、大活字本の置いてあるコーナーだった。
弱視の人用のものだが、予約がなければ、一般の人も借りられる。
そして、なんと「バカの壁」が、棚にあるではないか。
入荷したばかりらしく、まだ新しい。
新書1冊の分量が、22ポイント活字A5版2冊になっている。
そのまま借りてきた。
活字が大きいので、どんどんページが進む。
ははあ、なるほどと思うことが書いてある。
もうじき読み終わる。
大活字本は、まだ、種類が多くないし、分量が多いので、持ち運びしにくいが、本来の利用者の邪魔にならない範囲で、これからも利用しようと思う。



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