ねえ、ちょっと聴いてくれる? 私はネット連句をこの3年近くやっている。 掲示板を使っての連句だけど、お仕着せの掲示板を、連句に向くようにカスタマイズして、参加者が、使いやすいように整え、4,5人のメンバーで巻いているの。 季節の花で背景を飾ったり、いろいろ工夫もしてるの。 はじめは、掲示板の書き込み方も解らずに、おそるいそる入ってきた人たちも、1年、2年と経つうちにすっかり慣れてきて、最近はほぼ常連のように、毎回参加してくれている。 もういちいち指示しなくても、みんな、要領が解ってきて、愉しくやってるわ。 ところがそうやって、折角慣れて来た人たちを、まるで攫っていくかのごとく、自分の連句サイトに持っていったヤツが居るのよ。 もともと充分すぎるくらいの、参加者を抱えているのにね。 そりゃあね、その人達は別に、私の専属メンバーじゃありませんよ。 どこで何をしようと、基本的には、その人達の自由。 出来上がったところを、攫われたからって、私が文句言う筋合いはないし、子どもじゃないんだから、攫っていったなんて人聞きが悪いと、反論されればそれまで。 デモねえ。 少しは気遣いってものも、あっていいんじゃない? 何も、こっちの興行が終わらないうちに、引き抜くことはないでしょう。 マイナーで狭い世界、そんなことは隠したって、すぐ解るのに。 イヤなヤツ。 ヤクザだって、そんなせこいコトしないよ、手持ちの人材で十分じゃないのと悔しがっても、アチラは、暖簾に腕押し、ふふんと笑って、意に介さないであろうことは、想像が付く。 どうも、ここ数日、私の連句ボードに勢いがなくなって、渋滞していると思ったら、主力メンバーに誘惑があって、そっちに靡いてたんだと解った。 甘言で誘われれば、みんな弱いもんね。 目新しくて、刺激のあるほうに靡くのは、仕方がない。 だからインターネット連句って、無責任で、薄情なのね。 管理者の思いと、参加者の気持ちに、落差があるのは、当然かも知れないわ。 今までにも、そう感じたことがあって、もうやめちゃおうかと何度も思いながら、「まだやらないんですか」なんてメールが来ると、じゃあと、すぐ興行開始しちゃう、お人好しの私。 参加者が喜んで、愉しくやってくれれば、管理者冥利に尽きると思った。 もちろん、いちばんは自分のためなんだけど。 だから、参加者は、わたしに義理立てする必要はないんだし、もともとネットというのは、そんなクールなものなんだと、解っていながら、何か空しく、寂しい。 ネットには、人格はないんだなあと、つくづく思い知らされる。 横から攫っていったからって、罪はないのよ、きっと。 イヤなヤツなんて言ってたって、始まらない。 私だって、そんな機会があれば、そうするかも知れない。 え?さっきから一人で興奮して、いったい何の話? そんなもの、さっさとやめちゃえばいいじゃないの。 アラ、ごめん。 ついつい言わずもがなのことまで、言ってしまって。 いいの、解るわよ。 今、私も、ネット連句をやってる。 でも、あなたの轍を踏みたくないから、今の興行が終わったら、しばらく休むことにするわ。 そんなイヤなヤツと、連衆を共有するなんて、まっぴらだもんね。 せめて、残りの部分を、美しく終わりたい。 あなたも、そう思って、元気出して。 ありがと。 どこにでもある話だけどね、聞いてもらってよかった。 コーヒー、美味しかった。有り難う。
|