沢の螢

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撃鐵を起こす手にとまる蝶
2004年04月08日(木)

春の好きな人は多いようだ。
「春になったら」という合い言葉で、冬の間閉じこもっていた人も、顔を出す。
鳥は歌い、花は咲き、虫も穴から這い出し、街の色さえ、明るく見える。
でも、私は最近まで、春がキライだった。
どちらかというと、静謐で、落ち着いた冬のほうが性に合っていた。
長い夜は、ものを考えたり書いたりするのに適しているし、寒ささえ、気持ちを引き締めるには、悪い環境ではないからである。
それが、暖かくなり、日が長くなると、街中がなにやらザワザワしてくる。
そうなると、私は落ち着かなくなるのである。
いろんな行事も多くなり、寒さにかこつけて不義理していることにも、手を付けなければならなくなる。
暮れにサボってそのままになっていたカーテンも洗わねばならない。
そんなこんなで、あまりのんびり出来ないからであるが、最近になって、私は、やはり寒い冬よりも、やさしい風が頬をなぶる今頃のほうが、いいと思うようになってきた。
それだけ年を取ったと言うことであろうか。
あるいは、人生の春と言われた若い頃を、懐かしんでいるのかも知れない。
暑い夏に入る前の、ちょうど今頃から5月半ばまでが、日本の一番良い季節。
軽い服に着替え、体を動かして、身の回りもすっきりと片づけ、陽光の日差しをふんだんに浴びるとしようか。

そんな折しも、イラクで日本の若い人たちが拘束されたというニュースが入った。
観光客ではない。
イラクを取材しているフリージャーナリスト、イラクのストリートチルドレンのためにボランティア活動をしている女性、もうひとりは、今春高校を卒業したばかりで、やはり劣化ウランの問題に取り組んでいる男性、いずれも、真面目でこころざしを持った若い人である。
解決には、大変難しい問題を含んでいるが、彼らが、何とか無事に、生還できることを祈らずにいられない。



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