沢の螢

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社会復帰
2003年10月03日(金)

昨日は、42日ぶりに電車に乗って、都心まで出かけた。
ある大学の公開講座に出席するためである。
足の骨折以来、家に籠もっていたが、もう6週間経ち、新しい骨も出来ているので、いつまでも、引きこもり状態を続けるわけにはいかない。
「社会復帰」は10月からと決め、ギブスが取れてから2週間は、家の中でのリハビリに徹した。
リハビリと言っても、特別なことをするわけではない。
居間と台所、私の書斎の間をいったり来たりするだけで、結構な歩行の量になる。
階段の上り下りは、日に何度かするので、自然にリハビリになる。
ずっと夫に任せていた家事を、夫が「大政奉還」するというので、外回りやゴミ出し以外の仕事は、元通り、私がやることになった。
一昨日は、近所のスーパーに一緒に行ってもらい、買ったものを家まで運んでもらった。
まだ自転車に乗るのはコワイ。
思わぬことで、足に力が入って、骨がポキリといきそうな気がする。
理屈の上では、そんなことはないのだが、左右のバランスが悪くなっているような不安がある。
そこで、まずは近場を歩くことから始めた。
休んでいる間に、季節が変わり、スーパーの食料品も、様変わりしている。
夫は料理が一番苦痛だったようで、半調理品や、ナマのまま食べられる豆腐、はんぺん、トマトや果物を、切ったり洗ったりするだけで精一杯だったので、食生活がずいぶん偏ってしまった。
「入院しててくれれば、君の分を作らなくて済むのに」と、よく言っていた。
自分だけなら、どこかに食べにいったり出来るのに、私がいたために、食事抜きというわけに行かなかったのである。
洗濯物を干したり取り込んだり、習慣にないことは忘れてしまうので、時々私が、座ったまま指図したりした。
おとといは「全快祝い」ということにして、ワインを開け、乾杯した。

昨日の公開講座は、一緒に行く友人がいるので、駅で早めに待ち合わせた。
時間があるので、駅ビルの中のイタリア料理の店に入り、パスタを食べた。
それからゆっくり大学構内に入り、講座の開かれる会場に行った。
この大学の社会人公開講座は、20年ほど前から、時々通ったことがあるので、懐かしかった。
6時45分からの講座なので、始まる頃には、暗くなっていた。
「俳句研究」と題した講座は、講義と実作を取り混ぜて、進行することになっている。
昨日は、全体のアウトラインを話し、来週から俳句、連句の実作があるというので、楽しみである。
週一回、12回続く。終わるのは、12月半ば過ぎ、そう考えると、今年も、そう長くない。
授業が終わって、駅までの道を歩きながら、「疲れたね」ということになり、駅構内のコーヒーショップで、濃いめのコーヒーを飲んだ。
久しぶりに話も弾んで、家に帰ったのは10時過ぎ。
夫が心配顔で迎えてくれた。
今日は秋晴れ。
夫は蓼科に行った。
山荘を閉めるためである。
私も行きたかったが、今回は、残って、こちらの秋支度をすることにした。
夏物、冬物、処理しきれないまま、あちこちに散乱している。
寒くならないうちに、片づけねばならない。
連句の作品集を作る仕事もあるし、忙しくなりそうだ。
蓼科は、秋の日射しが降りそそいで、とても、いい景色だとか。
4,5日、家から離れれば、夫にとっても、いい骨休みになるだろう。
私は、郵便局に手紙を出しに行き、図書館に寄って、6冊ばかりの本を借りた。



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