沢の螢

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妖しい話
2003年09月14日(日)

テレビで、自民党総裁選の番組など見ていたら電話。
月に一回行っている、東京郊外の連句グループの男性である。
足の具合を尋ねたあとで「ちょっと教えていただきたいんですけど・・」という。
「お役に立つかどうかわかりませんが・・」と言って、質問に対して、私のわかる範囲で、答えた。
内容は、前回私が行かれなかったときの、連句付け合いについてだった。
恋句に閨の情景を言った句があり、次に、阿修羅が来ているのがわからないと言う。
「この恋は、力のある人に、半ば手籠めにされている女の気持ちを言ったものでしょう。
次に阿修羅の句が来るのは、そう言う心の状態を受けたんじゃないでしょうか。」
ああ、そうですねと、向こうは納得した。
「でも、肌を差し出す、という表現はちょっと引っかかります。肌を許すならわかりますけど・・」と付け加えた。
窓を開け放って喋っているので、もともと小さくない私の声は、電話ではなおさら大きくなり、窓越しに連れ合いのいる2階の部屋にまで聞こえたらしい。
「凄い話をしてるんだなあ」という。
連れ合いは連句はしないが、私がパソコンの出来ない頃、連句の清書をやらされたり、普段の会話に時々出たりするので、連句が森羅万象すべてを、扱う遊びだと言うことは、何となく理解している。
確かに、朝っぱらから、閨の話や、肌を差し出すのがどうのこうのと、知らない人がきいたら、何事かと思うであろう。
「まあ、近所の人に変な誤解をされても困るから、そんな話になったら、窓は閉めた方がいいよ」と笑っていた。
いつか夜遅く、連句仲間の女友達から電話が掛かってきて、連句に引っかけて男の品定めになり、女同士の気安さで、あれこれ喋っていたら、寝たはずの連れ合いが降りてきた。
「君は、どんな連中と付き合ってるんだい。あの手の男はおいしくないなんて、ゲラゲラ笑って、人がきいたらビックリするよ」という。
「アラ、連句の話よ」と言ったが、「こんな夜中、君の話は全部周りに聞こえるぞ」という。
「声は聞こえても、内容まではわからないでしょ」と言ったのだが、草木も眠る丑三つ時、いい年をした女が、きわどいことを言っているのは、確かに、ぞっとする光景ではある。
私の書斎は、道路から2メートルくらい離れているが、風向きによっては、遠くまで聞こえるかも知れない。
気を付けようと思った。

都内の喫茶店で、月一回連句をやっている。
12,3人が集まって、三席に別れて連句を巻く。
巻きながら、それに関連した話題も弾む。
色恋の話ばかりではないが、当然、会話の中には、それも入ってくる。
周囲には、関係ない客もいるので、もし聞き耳を立てたら、いったい何のグループかと思うであろう。
時々、気が付いて、声をひそめたりするが、すぐに忘れて盛り上がってしまう。
気取らずに、そんな話も出来るのが、ある程度年を重ねた男女の付き合いの良さである。
今日の電話の相手は、和より5,6年上の人。
「どうぞお大事に」と言って、話が終わった。



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