| 2003年07月14日(月) |
初めてのキミ(内ヒナ) |
スタジオに入ると、見慣れない後姿があって。最初誰だかさっぱりわからなかった。 新しいJrの子かな、くらいにしか思ってなかった。 けど、近づいて横顔を見て。見慣れた笑顔を浮かべる人にすごく驚いた。 「村上くん・・・・・?」 「はい?」 呼びかけとも呟きともとれない僕の言葉に、返事を返しながら振り返った人は村上くんで。 横顔見てそうだろうとは思ってたけど、でも絶対違うだろうとも思っていたからビックリした。 「ええ?!」 驚いて声をあげると、村上くんがびっくりした表情を浮かべた。 「急に大きい声あげるな!」 頭をはたかれても、あんまり痛みが伝わってこない。 とにかく、目の前にいる人が村上くんだってことに驚いて。確認するようにマジマジと顔を覗きこんでしまった。
「髪切ったんですか?」 「ああ、つい最近な。暑かったから」
肩まで伸びてた、クセのある髪がなくなっていた。 ・・・・いや、髪切っただけなんだけど。 サラサラと、下を向くたびに流れてた髪がぐんと短くなってて、肩よりも上になってた。
何かが違う。
楽屋に入った瞬間から浮かんだ疑問。 それは、髪の毛切ったからってのもあるだろうけど。いや、それだけなんだろうけど。 でも、それ以上になんか違うって感じた。横顔が、笑顔が違う。 僕の知ってる村上くんにうまく当てはまらない。 なんでこんなに変に思うんだろう? 髪型が似合わないってわけじゃない。むしろ似合ってるし、かわいい。 幼くなったっていうか。若返ったっていうか。まるで・・・・・
「昔に戻ったみたいやなあ」 いつのまに楽屋に入ってきていたすばるくんが、村上くんをみるなり呟くのを聞いて、ああ・・とやっと自分の中の疑問が解決された気がした。
僕が村上くんを意識し始めたのは、去年の夏の舞台だった。 あの頃はすでに長めの髪で。踊るたびにぱさっと流れる髪の長さだったから。 僕が好きな村上くん=長めの髪。というのが見慣れていた。 だから、初めて見る村上くんの姿に、戸惑ってたのかもしれない。
今までの村上くんとは違って。若くなったっていうか・・・亮ちゃんと同じ年くらいに見える。 四歳も年上の人だったのに。今はぐんと近くなって一個くらいしか違わないように見える。 髪型で、雰囲気も変わるんだなあってあらためて思った。
「似合わないか?」 「そんなことないです!かわいいです!」 「いや、かわええ言われてもなあ・・・・」 「だってかわいいんですもん!」 「あんなあ、年上の男にかわええとか言うなや」 「え〜?だってホンマにかわええもん」 今までももちろんかわいかったけど。短いほうもかわいいって思うし。 だから素直に言ったのに、「阿呆!」って村上くんに頭はたかれた。
「おまえらなあ、楽屋の温度あげるな!」 丸と話ししてたすばるくんに、怒ったように叫ばれた。 温度あげるって、どーいうこと?さっぱりわからへんわ。って思ったけど。 「うっさいわ!」 怒ったように返した村上くんの顔が、赤く染まってた。
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