| 2003年04月09日(水) |
『SWEETY(亮ヒナ)』 |
「ん・・・?」 久々に顔合わせるなり変な顔されて、なんやねんってちょっと不機嫌になりそになった。
「亮ちゃん、なんかつけてる?」 「いや、別に」 「ホンマぁ?」 そんな疑わうように言われても、覚えがない。コロンはいつもつけてるやつやし。他になんか匂うもん身につけてるわけやないし。 「なんや、ええ匂いする気が・・・」 言いながら村上くんが一歩近づいてくる。なんやねん、思いながらそれに合わせて俺も一歩進むと村上くんもまた一歩進んでくる。事情がわからへんはたからみたら。段々と顔を近づけて行く俺等を変やって思うやろな。まあ、俺はそんなん気にならへんけど。 「うん、甘い匂いする・・・」 鼻をくんくんと動かしてる姿はまるで犬みたいや。なんて思いながら段々と近づいてくる村上くんに、 あることを思い立った俺は、また一歩近づく。一歩・一歩近づいて。そうして目の前に無防備に立ってる村上くんに手を伸ばした。
「こうしたらわかりやすいんちゃう?」
目の前のカラダを引き寄せて抱きしめると、腕の中のからだが身じろぎした。 「亮ちゃん、ずるい」 真っ赤になりながら怒られても、説得力ない。それに、この腕から逃げないんやから。それっていややないってことやって判断してもしゃーないやん。 だったら、この手を離せるわけない。 「で、どうなん?」 「知らん!」 笑いながら言ったら背中越しに伝わったらしく、頭をはたかれた。 けど、そのあと躊躇いながらまわされた手に、俺はまた笑った。
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