| 2003年03月14日(金) |
ハッピーホワイトディ(純アニ) |
ランニングから帰ってきて、なんか飲むもんないかと思って冷蔵庫漁ってる間中、ずっとこっちを睨んでる視線に気づかないフリするのも限界で。
「何?」 「なんでもない」
なんでもないなんて顔してないのに。あきらかに怒ってるのに聞くとそっぽ向くし。 わけわかんねー。
「あ、そう」
このあとも延々とこの状態が続くのかと思ってうざりしたけど。 自分から口開くまで待とうと思ったら、案外早く開いた。
「バレンタイン、もらったんだって?」 「・・・はあ?」
やっと口を開いたと思ったら「バレンタイン」だって? なんの話っつーか、今いつだと思ってるんだよ。
「シラ切るつもりかよ!?」 「そーいうわけじゃないっての。つうか、なんでそんなこと聞いてくるんだよ」
言うと、話しずらいのか口を開かなくなってしまった。 なんだんだよいったい。わけわかんないよ。 状況を把握してないから自分から何か言う事も、行動することも出来ない。 かと言ってこのままにしておくわけにもいかないし・と兄貴を見ると、言いにくそうに、だけど言いたげにそわそわしてるから。これは絶対言うなと思って兄貴の言葉を待った。 すると案の定、ふっと顔をあげると。
「昨日、駅前でホワイトディのコーナー見てるの見たやついんだよ」 「昨日?」
ホワイトディとか言われてもさっぱりだし。ましてやそのコーナーで発見した言われても、まったく覚えないし。 睨んだ目で言われても、まったく心当たりないし・・・あ。 ふと思い出して、自分の部屋に戻った。 机の上に置かれた小さな紙袋を開けて、中身を手に取る。 そしてふくれっつらしてる兄貴のもとへ戻ると。
「これだろ」
手にもっていたものを兄貴のほうに投げると、キレイな弧を描いて兄貴の手元に届いた。
「やっぱ買ってるんじゃん」
手のなかにある小さな包みを見て、兄貴は更に不機嫌になった。
「それ、兄貴へのなんだけど」 「・・・はあ?」
予想通りの反応に、俺は呆れた。 やっぱ忘れてるよ、この人。 バレンタインに酔っ払って「兄貴から純へのチョコレートだ!心して受け取れよ!」なんて偉そうに人にチョコを渡したことを、すっかり忘れてるらしい。 まあ、酔っ払いのことだからそうだろうとは思ってたけど。 それでも、律儀に返してる俺も同じようなもんか。
「そんなこともあったような・・・・」 「別に思い出さなくてもいいけど。とりあえず、それは兄貴へのだから」 「じゃあ、これ買ってるのを見られたわけ?」 「そういうこと」
兄貴はホッとしたようなため息をつくと。
「なんだ、本命もらってたわけじゃないんだ・・・」
その呟きは小さかったけど、しっかりと俺のもとに聞こえた。 つまりそれは。 俺がホワイトディのコーナーを見てたってことは、本命のチョコでももらったんじゃないかと思ったと。で、怒ってたってことなわけで。 それって、つまり。
「焼いたんだ?」 「なっ・・・違う!」
更に顔が赤くなるとこを見ると、図星だったんだって丸わかりだって。 自分にヤキモチ焼いたなんて、かなり・・・・
「馬鹿?」 「馬鹿って言うなー!」
顔を赤らめながら凄まれても、効果ないっての。 まあでも、それ見てかわいいとか思ってる自分のがよっぽど馬鹿っぽいんじゃないかとも思った。
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