妄想日記 

2003年01月01日(水) ハッピーニューイヤー(サクツカ)

31日。
先輩達Jフレのカウントダウンコンサートに出演できるってことで、年越しを嵐のみんなと過ごせることになった。
なんか嬉しいね、なんて相葉ちゃんと話してる横で翔くんが落ち着きなく歩いてる。
さっきからウロウロしてるかと思ったら携帯眺めたりして。そんでタメイキついてウロウロして、の繰り返し。
「仕事なんだから仕方ないじゃんね」と相葉ちゃんがタメイキつきながら言うのに苦笑いを返す。


翔くんが落ち着きない原因。


それは嵐内ではお馴染みとなった「塚本くん」のことだった。


二人が出会って初めての年越しを一緒に過ごせないことをずっと気にしてるみたいで。しかもコン中だから電話もメールも出来ないわけで。
意外にロマンティックな翔くんとしては年越しっていうイベント何も出来ないのが相当気になるらしい。

「塚本くんだって同じ芸能人なんだから、翔くんの事情とかわかってると思うんだけどねぇ」
「っていうか、気にしてるの翔くんだけだったりして・・・」

それは言い過ぎじゃ・・・なんて思ったけど。でも年越しをこんなに気にしてるのは翔くんだけかも・・・・
っていうか、こーいう行事とかイベントをすごく大事にする人だから。メンバーの誕生日には必ずメールしてプレゼントくれたりする。そんな翔くんだから『恋人』に対して何も出来ないのは辛いらしい。
たとえ仕事だってわかってても、気になってしょ−がないんだろうな。
俺もイベントで騒ぐほうだから、気持ちわかるけど。
だけどこの気にしようは、もしかしたらコン後に落ち込んでしまいそうな気がする。何も出来なかったと凹みそうで、どーにか立ち直ってほしくて何か言おうとしたんだけど思い浮かばなくて。
どうしようかと思ってたら、ニノが翔くんに何か言ってるのが見えた。
二言三言話したあと、翔くんの顔つきがかわった。あんなに見ていた携帯をバッグにつめて、代わりにドラマの台本を読み始めた。
あまりにもな変わりようにいったい何を言ったんだろうとニノを呼んで聞くと

「仕事なんだからしっかりしないと。塚本くんが見てるかもしれないよ」

それだけだよ、とさらりと答えるニノに俺は拍手を送りたいと思った。
仕事だからと言って気合を入れて、さらに塚本くんの名前を出すことによってやる気まで出させるとは。さすが二宮さん。

「だって、あのままじゃぜってーやばいし」
「うん、確かに。そんなに気になるならせめて年末の挨拶メールでもすればいいのにね」
「そうそう。滝沢くんなんてさっきちゃんとメールもしてたし電話もしてたよ」
「そうそう、あの滝沢くんを見習って・・・・って!?」

ニノがさらりと言うもんだから、俺と相葉ちゃんは一瞬聞き逃してしまったけど!今すごいこと言った!?とびっくりして思わず叫んでしまって翔くんに思いっきり睨まれてしまった・・・・
でも!びっくりするに決まってるじゃん!
あの滝沢くんが、だよ?コン前の大事な時間、しかも年越し前に電話してメールもするくらいの相手って・・・・・相手は翼くんしか思い当たらないんだけど。
でも、翼くんは今一緒にいるわけで。
じゃあ、誰・・・・・・?

「滝沢くんてそんな相手、いるの?」

相葉ちゃんも知らなかったらしく、俺と同じように驚いた表情を浮かべながらニノに聞いた。

「知らなかった?」
『知らなかったよ!』

二人ハモりながら聞く、その勢いに押されながらもさらりと「ヒナ」と答えた。

「え・・・ヒナってあのヒナ?」
「村上信五?」

こくん、となんてことないようにうなずくニノ。
だけど俺達はびっくりしてまた叫んでしまった。

「だって!ヒナってヨコじゃん!」
「そうそう!ヨコじゃん!」

他の人が聞いたら何がヨコなんだかさっぱりわからないだろうけど、ヒナをよく知る人なら大抵わかる。

ヨコ、こと横山裕。

ヒナ、こと村上信五の(多分)相方であり恋人でもある存在。
ヒナ=ヨコと言い切れるくらい、ヒナといえばヨコの存在があるわけで。
そのヒナを滝沢くんが・・・・全然想像出来ない。

「そういえば、滝沢くんとヒナってよく会ってるって聞いた」

まだ驚いてるのか、呆然としながらつぶやいた相葉ちゃんの言葉に、俺も記憶を探っていく。
確かに、滝沢くんと御飯食べる約束とかすると必ずヒナがいたような気がする。
ヒナって自然とその場に溶け込むからあまり考えなかったけど。でも確かに滝沢くんが絡むとヒナもそこにいたような気がする。
もしかしたら、プライベートではヨコと一緒のとこよりも滝沢くんと一緒のとこを見るほうが多かったかもしれない・・・・

「じゃあ、滝沢くんの片思いなわけ?」
「う〜ん・・?それはわかんないけど。でもヒナのこと気に入ってるのは確かみたいだよ」
「じゃあ、本気ってわけじゃないのかもね。そんな感じでもないし」

言うと、ニノが真面目な顔して「わかんないよ」とつぶやいた。

「本気に見えないだけで、本人はすごく本気かもしれないし。滝沢くんてそーいうの見えない人だからそう見えるだけかもしれないよ」

だから、軽く言わないほうがいいよ。ニノに悟られるように言われてそうかも・・と少し落ち込んだ。
滝沢くんてそーいうとこ見せないとこあるから。だから勝手に思い込んでるだけかもしれないし。
本気じゃないかどーかなんて本人にしかわかんないんだし。




でも、本気だったら辛いだろうな・・・・・・




「ま、人それぞれだけどね」
「うん。翔くんだって幸せそうだけど色々苦労してるんだしね」

台本を一生懸命読んでる翔くんを見ながら、思った。
翔くんと塚本くん。同じ芸能人っていってもアイドルと俳優さんだから仕事内容はあまり交わらない。
加えてお互いドラマとか入ると会える日も限られてくる。
結構、辛いときとかると思う。実際今だって一緒に過ごせないわけだし。クリスマスだってまともに会えなかったしお互いの誕生日も仕事で潰れるし。
それでも、二人一緒にいたいって、ずっと続いていけるのはすごいなって。
その気持ちがずっと続いてるのはすごいパワーだなって。


さすが翔くん。
さすが俺の『好きな人』だよね。って胸張って思える。




「そろそろスタンバイお願いしまーす」

スタッフの声にみんなで気合入れて返事を返す。
とにかく、今年最後の仕事なんだからとみんなで円陣組んで気合を入れて、その場を後にした。






コン終了後。
無事終わって楽屋に戻ったら、先に走って戻ってた翔くんの顔に笑顔が浮かんでいた。

「翔くん、どうしたの?」
「ん〜?高史から今年一番最初にメールきてた」

別になんてことないよ、って感じで言ってるけど。でもその顔には満面の笑みが浮かんでて。



良かったね。翔くん。


嬉しそうに携帯で電話してる翔くんに向かって、心の中で呟いた。







今年も、嵐にとって、みんなにとっていい年でありますよーに。


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